著者
内田 悠美子 伊藤 貴之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.108-119, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

本論文では, 対話的な詳細度制御によって大規模時系列データの可視化を実現する一手法を提案する.本手法では時系列データを表す折れ線グラフをクラスタリングし, 各クラスタの中心に近いグラフのみを表示する.これにより, グラフの表示本数を低減することで表示結果の煩雑さを抑え, かつデータ全体の特徴を逃さない表示を実現する.また本手法は, 詳細度制御後の可視化結果画面から, ユーザが着目したグラフをインタラクティブに選択するための, ユーザインタフェースを併せ持つ.これを用いることでユーザは, 選択したグラフと同じクラスタ内にあるグラフを表示させることができる.よって, ユーザが着目した特徴をもつデータについて, 対話的に詳細度を再制御できる.著者らは, 日本全国の気温データに提案手法を適用し可視化を試みた.本論文では, 詳細度制御とグラフ選択のインタフェースの利用により気象現象を解析した例を紹介する.
著者
高橋 里奈 若林 尚樹
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.100-107, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
5

本研究では,新江ノ島水族館と共同で研究開発した展示コンテンツを題材に,シミュレーションコンテンツの可能性とその操作性のデザインについて提案する.海の生態系を擬似的に再現した水族館の展示水槽と,海をシミュレーションした展示コンテンツを組み合わせて相互に利用することで,展示水槽を見ているだけでは気づかない新たな発見や体験をすることができると考えられる.本論文では,海の中をシミュレーションするための技術の検討及び,コンテンツの設計,操作性のデザイン,ユーザインターフェイス,コンテンツの設置環境に関して報告する.
著者
尼岡 利崇 齋藤 豪 中嶋 正之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.90-99, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本論文では、色空間と2次元視覚情報を融合し3次元コンピュータグラフィックス(以後3次元CGとする)を生成する手法について提案し、その手法を用いた2つのインタラクティブアート作品+1D,NeoCubismを制作した。画素が持つ明度により新たな次元を与える事で2次元映像を3次元化した。これにより、色空間を俯瞰する視点(以後概念的視点とする)が生まれ、我々の視点(以後物理的視点とする)と概念的視点の両方を持つ3次元CGを生成出来た。+1Dでは、提案手法と実時間映像を組み合わせることで、観客は自身の身体形状および動作によって色空間を体験することが可能となった。NeoCubismでは、提案手法から得られる概念的視点と多視点の概念を発展させ、4台のカメラを用いた多視点実時間映像から単一の3次元CGを生成した。これにより、物理的多視点に概念的視点が加わり、新たな多視点映像作品として日常には無い視覚体験を観客に与えることが可能となった。
著者
小野 智司 森永 健介 中山 茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.25-34, 2009 (Released:2009-06-02)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本論文は,2次元バーコードの一種であるQRコードの視覚的誘引性および一目瞭然性を高めることを目的として,QRコードにイラストや写真を上書きする方式を提案する.提案する方式は,イラストの配置決定を最適化問題として定式化し,汎用の最適化アルゴリズムを用いることで,QR コードに埋め込まれたデータを損なうことなく,イラスト等をQRコード上に配置することができる.本論文で提案する方式を用いて,実際にイラスト入り静止画および動画QRコードを生成できることを示す.
著者
武田 祐樹 坂口 嘉之 田中 弘美
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.132-143, 2008 (Released:2009-01-14)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

織物の異方性反射特性を表現するためには,任意の入射方向の入射光に対する任意の視方向への反射光の比率を表す双方向反射分布関数(BRDF) が必要である.本論文では,光沢のあるシルクライク織物を対象とし,繊維の断面形状と織構造の違いにより織物の光沢感に相違が現れることに着眼し,入射方向を固定し反射光の分布を多視点観測した,少数視点画像に基づいた効率的なBRDF の自動生成法を提案する.まず,無彩色(黒色)の織物表面に対し入射方向を鉛直方向に固定し,織構造の直交二軸性に基づいて選択された1/8 球の視点範囲内で,少数の多視点画像を獲得し鏡面反射光の分布を観測する.獲得した観測画像データを用いて基準異方性反射分布と呼ぶ基準鏡面反射モデルを生成する.次に,入射方向を変化させた場合の基準異方性反射分布の変化を多視点から観測し,獲得した多視点画像から,光の反射と屈折を表すフレネル効果を考慮した反射光解析により,直交二軸性の異方性反射特性を抽出する.得られた特性に基づき,基準異方性反射分布から高精度のBRDF を生成する.生成したBRDF を用いて異方性反射レンダリングを実現し,同素材の任意に彩色されたドレス着装シミュレーション実験結果から提案手法の有効性を確認する.
著者
松山 克胤 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.144-154, 2008 (Released:2009-01-14)
参考文献数
32

A technology for automatically creating and adding sound to interactive CG animations of spark discharges in an efficient way has been developed. In the procedure proposed in this paper, the user inputs the electric charge distribution, boundary conditions and other parameters affecting the initiation of electric discharges in virtual space. The animation of the discharge is then created by generating and rendering the profile of the discharge pattern. The sound synchronized with the animation is automatically generated in an efficient way. The noises generated by spark discharges are shock waves, which exhibit complicated behavior; however, in this study, an empirical profile for a shock wave is employed to efficiently generate the acoustic waveform. Effective procedures for expressing lightning discharges and continuous discharges are also proposed. In this paper, we present the details of our technique and demonstrate its effect and efficiency by giving many experimental examples. We investiga ed the parameters and waveforms employed in this study to demonstrate the validity of this procedure.
著者
プルカット アブドレイン 原美 オサマ 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.155-169, 2008 (Released:2009-01-14)
参考文献数
10
被引用文献数
5 7

Laser projectors are commonly used in the entertainment industry to create vector-based graphics. In order to present a stable image to observers, the laser projector moves the beam quickly using computer-controlled mirrors. The speed is high enough so that the human eye perceives it as a persistent line of light. In contrast with other vector graphic devices, laser projectors have their own inherent problems when drawing a laser image. These problems include an unexpected laser trail when the laser is switches on and off, the inertia effect for sharp corners, flickering, and the inconsistent brightness of a visible laser line. This paper presents an accurate and efficient approach for drawing graphics with a laser projector. The first section of the paper attempts to solve the unexpected laser trail problems by testing a simple pattern where this effect occurs. In the second section, we discuss a technique to compensate the error caused by the inertia effect for different rotation angles of the mirrors. We have also proposed the use of an Eulerian graph (unicursal) to reduce flickering and an efficient drawing sequence for the created Eulerian graph.
著者
Francisco J MENENDEZ Osama HALABI FUJIMOTO Tadahiro CHIBA Norishige
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-14, 2009 (Released:2009-06-02)
参考文献数
22
被引用文献数
1

The reflectance of fabric surface is commonly represented by a bidirectional reflectance distribution function (BRDF). To generate the image-based BRDF from measured data, it requires an enormous amount of measurements. In this paper, we propose an efficient image-based method for rendering the anisotropic BRDF of silk-like woven fabrics based on the micro facet surface geometry determined by the cross-sectional shape of fibers, twist of yarns, and type of weave. We develop an image-based method for generating the BRDF of silk-like woven fabrics from measurement of the reflectances caused by the incident light only in the direction perpendicular to the fabric's surface.
著者
今泉 仁美 伊藤 貴之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.43-50, 2008 (Released:2009-08-12)
参考文献数
12

我々は3次元コンピュータグラフィクスのための新しい形状モデリングシステムIGELを提案する.IGELは発泡スチロール等の加工に用いるヒートカッターを模することで,直感的な3次元形状モデリングを実現するものである.IGELはスケッチ入力によってヒートカッターと同等な操作を実現する.スケッチ入力には2次元モードと3次元モードがあり,ユーザは2つのモードを自由に切り替えられる.2次元モードは,ヒートカッターの電熱線の形状を自由に設計するものである.3次元モードは,電熱線を用いて発泡スチロールを切るためのものである.我々の実装では,発泡スチロールの表面形状を三角形メッシュで表現し,電熱線の軌跡が描く曲面との交差処理によってその三角形メッシュを加工するものである.本論文では,IGELの処理手順と3次元形状加工例を示し,今後の展望を議論する.
著者
橋田 朋子 苗村 健 佐藤 隆夫
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.75-84, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
61

即興的な音楽表現システムは,音楽の新しい楽しみ方や体験を提供する効果的なメディアとして,近年非常に注目されている.この中でも,ユーザが自由に創意を発揮する事と,即興的音楽表現に必要な技法に気が付いたり練習する事を,違和感なく促すシステムに,筆者らは特に興味を持っている.本論文ではまず,数多く提案されている即興的な音楽表現システムの中で,技法習得を伴う創意発揮を実現するシステムの位置づけを歴史・エンタテインメント・教育の観点から行う.さらに該当する事例の比較検討を通じ,創意や表現の楽しさを損なう事なく,技法の自発的な練習を促すための効果的な支援・デザイン手法について明らかにし,今後の動向を展望する.
著者
野間田 佑也 中野 敦 星野 准一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.55-64, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

イベントデータを時系列に配列したタイムラインは,時間的な関係性を提示する手法として広く利用されている.人物の経歴や物事の歴史などを調べる際には,ある特定のタイムラインだけではなく,その他のタイムラインに含まれる出来事との関連性も理解することが重要となる.しかしながら,テキストベースの異なるタイムラインを比較参照し,出来事の時間的な位置関係を理解しながら,出来事間の関連性を理解することは困難である.そこで本稿では,情報視覚化によって複数のタイムラインの関連性の理解を支援するシステムVISTORYを提案する.提案システムでは,複数のタイムラインと相互関連性の視覚的なオーバービューをユーザに提示することにより複雑な関連性の理解を助ける.本稿では,提案したシステムを被験者に利用してもらい,その様子の観察と実験後のアンケートに基づき,提案システムの有用性の評価を行った.
著者
山澤 舞子 伊藤 貴之 山下 富義
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.85-96, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20

本論文では,階層型多変数データを可視化する一手法「十二単ビュー」を提案する.既に報告されている「平安京ビュー」が階層型データ中の各データ要素をアイコン表示したのに対して,「十二単ビュー」では個々のアイコンに割り当てられた変数の数だけの色を割り振り,この色の濃さによって各データ要素の多変数の値を表現する.また,拡大表示時にはデータの葉ノードを単位として変数値を表示し,縮小表示時には下位階層の変数値を統合し,上位階層のみを表示する,というような詳細度制御を実現する.本論文では,薬物群の分子構造情報と実験値を格納したデータベースより構築される階層型多変数データを例として,「十二単ビュー」の有用性を議論する.また,いくつかのユーザテストにより,可視化結果の有効性を検証する.
著者
野間田 佑也 星野 准一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.43-54, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本稿では,漠然とした検索要求下におけるレシピ探索を支援することを目的とし,その実現のアプローチとして情報視覚化を利用したレシピ探索システムを提案する.本システムでは,ユーザが行う一連の探索過程を,ユーザからの個々の検索要求および検索結果となる個々の情報をノードとするグラフとして表現する.また,本システムの有効性を評価するために,本システムを一人で使用する場合と,複数人での利用を想定し,評価実験を行った.実験後のアンケートの結果と考察から,本システムは,漠然としたレシピ探索に対して有効であることが確認された.
著者
山本 景子 金谷 一朗 佐藤 宏介
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.102-112, 2008 (Released:2008-10-08)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

本論文は,工業デザイン支援システムのための三次元形状操作インタフェースに関するものである.従来のコンピュータ支援設計(CAD: Computer Aided Design) システムは,操作が複雑かつ非直観的であるため,専門のCAD オペレータを介して形状操作する必要があり,デザイナの造形上の意図を直接表現することが困難という問題がある.本論文では,複合現実感技術によるデザイン支援システムのための新たなユーザインタフェースを提案する.本提案インタフェースは,道具を握るときの手のフォームを埋込型センサにより取り込むことによって,実際に道具を持ち替えるのではなく握りを変えることによって道具を持ち替えるのと同様の効果をもたらすものである.著者らは本提案の試作システムを作成し,評価実験により三次元形状デザインシステムの入力インタフェースとしての有効性を確認した.
著者
吉田 安男 今野 晃市 徳山 喜政
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.113-123, 2008 (Released:2008-10-08)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

3次元モデルの軽量化手法は,肥大化する3 次元形状の冗長性を削減し,様々なアプリケーションに適用可能な,基本的で重要な技術である.3次元モデルの特徴を保存しながら,データを軽量化するためのアルゴリズムとして,QEM手法があげられる.QEM手法は,頂点を縮退した後の詳細さと軽量化速度の間で,最も良いバランスを持つアルゴリズムのひとつである.しかし,QEM手法は,一度にひとつの稜線しか削除できない逐次的なアルゴリズムであるため,膨大な3次元モデルの軽量化には時間がかかる.PC クラスタは,メモリ分散型の計算環境として一般に用いられており,複数のPC を束ねることで,計算資源を拡大することができる.本論文では,QEM手法をPCクラスタ環境で動作させるための分散化手法について提案する.PCクラスタを利用することで,安価なシステムにより3次元モデルの特徴を維持しながら,高速に軽量化することが可能となる.
著者
Laga Hamid Masayuki Nakajima
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.124-131, 2008 (Released:2009-01-14)
参考文献数
23
被引用文献数
8 11

We introduce a new framework for the automatic selection of the best views of 3D models based on the assumption that models belonging to the same class of shapes share the same salient features. The main issue is learning these features. We propose an algorithm for computing these features and their corresponding saliency value. At the learning stage, a large set of features are computed from every model and a boosting algorithm is applied to learn the classification function in the feature space. AdaBoost learns a classifier that relies on a small subset of the features with the mean of weak classifiers, and provides an efficient way for feature selection and combination. Moreover it assigns weights to the selected features which we interpret as a measure of the feature saliency within the class. Our experiments using the LightField (LFD) descriptors and the Princeton Shape Benchmark show the suitability of the approach to 3D shape classification and best-view selection for online visual browsing of 3D data collections.
著者
八木 麻理子 川田 洋平 藤澤 誠 三浦 憲二郎
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.97-101, 2008 (Released:2008-10-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1

美的曲線は,対数(等角)らせん,クロソイド曲線,さらにインボリュート曲線を含むとともに,接線ベクトルの積分形式としてのみ与えられている場合であっても対話的な生成,変形が可能であり,実務への応用が期待されている.しかしながら,これまでに提案された3点による美的曲線セグメントの入力法では,曲率が単調に増加,または減少する美的曲線セグメント1本しか入力することができず,曲率が増減し曲率の極値を持つ曲線や曲率の正負が反転する変曲点を持つ曲線を入力することができない.そこで,本研究で液晶ペンタブレット等で入力された点列からの$G^1$連続性を持つ美的曲線セグメント列の生成法を提案する.
著者
ソソラバラム バトゥジャルガル グンジェー ゾリーグ 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.215-221, 2007 (Released:2008-06-18)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本論文では,ボクセル空間で表現される2値化されたスカラデータに対して,表面の再構成を行うアルゴリズムを提案する.提案する手法では,滑らかな表面を構成するため,近傍のボクセルの法線の平均化により,各ボクセルの法線の平滑化を行う.ただし,対象物の角などに相当するエッジ部分については,単純な平滑化を行わず,その状態に応じてエッジ部分を残すように法線の平滑化を行う.具体的には,近傍ボクセルの法線を重み付き平均化する際の重みとしてガウス関数を基本として用い,近傍のボクセル間の距離や法線ベクトルの方向により重みの値を決定して平滑化を施すことでエッジが保存される.最後に,いくつかの実験例により本手法の有効性を示す.
著者
菅野 研一 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.207-214, 2007 (Released:2008-06-18)
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

マイクロホンを利用した簡便でローコストな風速センサを開発した.本論文では,このセンサの原理について,すなわちマイクロホンが風を受けたときに発生する雑音から,その他の音の影響を除去し,風速を求める方法を提案する.また,このセンサの,実世界の風に合わせて揺らぐ樹木のリアルタイムアニメーションシステムへの応用例を示し,その有効性を示す.
著者
金野 哲士 今野 晃市 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.197-206, 2007 (Released:2008-06-18)
参考文献数
23
被引用文献数
1

レンジセンサを使用することで,建造物の幾何情報が点群として得られる.建造物全体の幾何情報を得るためには, 複数の点群を統合する位置合わせ処理が必要である.著者らは,これまで特徴線の一致を利用した位置合わせ手法を提案してきた.しかし,従来手法では,位置合わせ処理に有効な特徴線を安定的に抽出するために,厳しい測定条件が必要であった.また,有効な特徴線数が少ないため,制限された位置から建造物を測定し,得られた全ての点群を位置合 わせ処理する必要があった.本論文では,従来必要であった測定条件を緩和するために,建造物の稜線を表す特徴線の抽出法を提案する.本手法は,従来手法で抽出した特徴線を用いて,測定点群を階層的に領域分割する.そして,隣接する二つの領域の境界線として線分を生成することで,稜線を表す特徴線を抽出する.実験では,測定して得られた点群から稜線を抽出し位置合わせ処理を行い,従来手法との比較を行った.その結果,本手法の有効性が確認された.