著者
庄司 こずえ 村山 紀章 今野 晃市
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-10, 2007 (Released:2008-07-30)
参考文献数
11

本論文では,屋外の3DCGを生成するために,シャドウボリュームを利用してソフトシャドウを高速に生成する手法について提案する. 本手法では,「影の明度」と「ソフトシャドウの範囲」の二つのパラメータを持たせて,時間帯の違いによるいろいろなソフトシャドウの描画を可能にしている. また,本手法は携帯端末上への実装を目標としており,ソフトシャドウを表す影テクスチャを生成し,ハードウェアに依存しない処理でソフトシャドウを生成することができる.
著者
西川 智子 佐藤 甲癸
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.18-22, 2006-03-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
11

ホログラムの立体像は大変リアルであるために虚像の三次元空間に様々なイメージをふくらませることができる。本論文の主題は私たちの存在の意味をホログラムを用いて表現することです。なぜなら現実の存在をホログラムの虚像を用いて表現できると考えたからです。私たちは、パルスレーザを用いて作製した一連のホログラム作品 “石の思い出” を用いて幸福、輝き、平穏など人の一生を表現することができ、その有効性を明らかにできました。そこで “砂漠の薔薇” と呼ばれる石は我々の存在そのものを意味していています。
著者
渡場 康弘 酒井 晃二 小山田 耕二 金澤 正憲
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.11-17, 2006-03-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2

特異点グラフと文字認識技術を利用して, ボリュームデータ間の類似性を視覚的に比較できる手法を提案する. 特異点グラフは, ボリュームデータの特徴を三次元空間における曲線という単純な図形で表現したものである. そこで, 特異点グラフを比較するために, 二次元空間で曲線を比較する手法である文字認識技術を利用した通過ボクセル判定法を考えた. この手法は, 文字画像を各ピクセルの値で比較する手法を拡張したもので, ボクセル単位でグラフの通過状況を比較する手法である. そして, ボクセルごとの判定結果に従ってボクセルの色を決めることによって, その類似状況を可視化することが可能である. しかし, この手法にはいくつかの問題点がある. そこで, グラフが細かい線分で構成されていることから, 文字認識技術の1つである方向線素特徴ベクトルを利用して, 通過ボクセル判定法の問題を解決した.
著者
永井 康雄 藤原 雅俊 多田村 克己 秦 学英 中前 栄八郎
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.45-56, 2006-06-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
37

本論文は, 自然光環境下で使用する屋外移動体, 例えば車等の比較的小さい工業製品のデザイナーへの支援システムとして, 臨機応変に現場撮影可能な可搬性に富んだ2種類のパンビデオシーケンス撮影技法と, この背景パンビデオシーケンスを活用し, 設計段階でデザイナーが気軽にCGモデルを試行錯誤できる幾何学的・光学的に均整のとれた2種類の合成法を提案する. (1) 背景パンビデオシーケンスに移動体を同期させる方法であり, デザイナーは合成のためのスキルを必要としない. (2) 移動物体に背景パンビデオシーケンスを同期させる方法であり, デザイナーは移動体の軌道・速度を自由に設定できる.先ず開発の本題の背景を記述し, 背景パンビデオシーケンスの撮影手法, カラーデザインのための天空輝度分布取得法, 移動体に背景パンビデオシーケンスを同期させるための再編集法, CGモデルと背景パンビデオシーケンスの合成法を提案し, 適用例を挙げてその有用性を示す.
著者
澤野 弘明 岡田 稔
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.57-68, 2006-06-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
22
被引用文献数
5 6

本論文では, 拡張現実感 (AR) 技術を用いた表示方式 (以下, 本表示方式) のカーナビゲーションシステム (以下, 本システム) を提案する. 本システムでは, (I) 走行中の車載カメラから実写動画像の取得, (II) コンピュータビジョン技術による道路幾何情報の抽出, (III) CG技術による3D-CGシーンのリアルタイム生成, (IV) 元の動画像とオーバレイ表示, という戦略をとる. 本システムの利点は, 道路幾何情報のリアルタイム収集・解析による詳細な3D-CGモデリングデータ作成コストの削減, AR技術によるカーナビゲーション表示における瞬時の視認性の向上, である. 本表示方式の有効性についてシミュレーションを用いて被験者100人に対してアンケートした結果, 85%以上の被験者から従来の3D-CGによる表示方式に比べ, 本表示方式の方が瞬時の視認性が高いという回答が得られた. また, 実写動画像を入力情報として, 簡易なAR表示のみを行う試作システムによる実験を行った. さらに, 本表示方式を実装するためにシステム実装時に考慮すべき点とアルゴリズム上の問題点をまとめ, 今後の課題を示す.
著者
長嶋 洋一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.69-79, 2006-09-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
30

FLASHやショートムービーなどのコンテンツを制作するクリエイタ/デザイナが、著作権について心配することなく音楽トラックの素材として自由に利用できる、「コンテンツクリエイター共同体のためのフリー音楽クリップ」生成システムFMC3 (Free Music Clip for Creative Common) を開発した。多数のFLASHコンテンツの調査から求められる音楽クリップの特徴を検討抽出し、本質的に著作権問題を起こさない、従来の自動作曲システムとは異なるアプローチによるアルゴリズム作曲の手法によって、音楽的専門知識の必要なくコンテンツ制作に適した音楽トラックを手元で自動生成/アレンジするシステムをMacintosh/Windows両環境で提供した。生成される音楽クリップのパラメータを100バイトのplain textに整理圧縮して、検索/交換に役立つ体系を実現した。
著者
金野 哲士 今野 晃市 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.80-91, 2006-09-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
15
被引用文献数
5 3

仮想空間上に実空間の建造物をモデリングする手段として, 建造物の形状を表す複数の測定点群を, 自動的に配置する位置合わせ手法がある. 点群位置合わせ手法は, 点ベースの手法と特徴量ベースの手法に分類される. 点ベースの手法は, 位置合わせの精度が高いという利点があるが, 計算量が膨大である. 一方, 特徴量ベースの手法は, 点ベースの手法よりも計算量が圧倒的に少ないが, 位置が合う特徴量を抽出するのが困難である. 本論文では, 位置合わせに有効な特徴量を安定的に抽出し, 複数の方向から測定した点群を同一の3次元空間へ配置するための手法を提案する. 本研究では, 建造物の直線的な特徴に着目し, 測定点群から直線的な特徴線を抽出する. 複数の測定点群に対して, 効率的なマッチング手法を用いて, 特徴線同士が一致するような幾何変換を求めることで, 点群位置合わせを行う. 大型レンジセンサを用いて測定された実際の建造物の点群に対して, 本手法を適用し有効性を確認した.
著者
水野 一徳 山田 雅一 福井 幸男 西原 清一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.23-32, 2006-06-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

近年の計算機性能の向上に伴い, 道路交通における様々な現象を再現しようとする試みが盛んに行なわれている. 本論文では, マルチエージェントを用いて道路交通問題をモデル化し, 交通流を微視的にシミュレートする方法について述べる. 本モデルは, 道路交通を構成する要素 (車両, 交差点, 道路, 信号) をエージェントとして表現しこれらの相互作用によって交通流を再現するものである. 本論文では特に, 実際の交通流を動的かつ直接的に形成する車両エージェントについて詳しく述べる. 車両エージェントは, 行動決定, 個性という2つの知識ベースを持ち, これらに基づいて各単位時間の行動を決定する. また, 決定された行動の候補は, 3つの単位運転操作 (アクセル, ブレーキ, ハンドル) の繰り返し組み合わせることにより達成される. 交通流を3次元的に可視化してシミュレートすることにより, 車両エージェントの相互作用によって渋滞等の現象が発生していることを示す.
著者
Youhei Ishiguro Tsukasa Kikuchi
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.120-127, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

The hands are the most characteristic part of the human body from the standpoint that they are related to other elements through actions like grasping and touching. Several elaborate animation techniques for the hand with 3DCG have recently been proposed, but they are not good enough for simulations of hand touching, which requires simulation of complicated actions and position-dependent elastic forces in the hand. In this report, an algorithm is proposed which the user can operate intuitively for the deformation and the color change of the hand induced by touching. An outline of the algorithm is as follows; 1) elastic deformation, depending on the position of the hands, is controlled by channel images, and 2) color change is expressed by synthesizing three kinds of texture images.
著者
藤木 淳 富松 潔
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.128-134, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
9

年々増加するディジタルデータの理解と把握を深める手段として,コンピュータグラフィックスによる情報可視化技術は重要性を増している.著者らは階層構造データを対象として,各要素がもつ属性により表示形態や配置順序を決定する3次元一括可視化手法・システムを研究している.これまでに情報をアイコンで表し,入れ子形式で,円領域内に配置する手法「円形都市」を提案している.この手法は,属性の表現,ならびに,属性を利用した順序の入れ替えに対し,ユーザの理解を妨げずに表現できる.また,データの構造だけでなく,同時に表現可能な属性量が多い.一方で,平面上に全データを一面展開するため,提示情報の視認性が一部十分ではなく改善の必要がある.本稿では,これを拡張し,情報を螺旋状に配置し,枠で表現していた同一グループを台座で表し,アイコンサイズの高さを統一することで,各アイコン,台座の遮蔽を軽減する.そのことにより,仮想3次元空間のより有効な利用とユーザのより容易な理解をはかる.さらに,階層構造に限らず,属性情報を持つ要素で構成されているデータにも適用し,システムの汎用性を向上する.
著者
矢原 弘樹 水野 一徳 福井 幸男 西原 清一 持丸 正明 河内 まき子
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.168-175, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
19
被引用文献数
4 4

本稿では3次元スキャナ等で計測された身体形状データから,製品設計に用いるための解剖学的特徴点情報を持った身体モデルを自動生成する手法について述べる.解剖学的特徴点は3Dスキャナによって得られた身体の表面形状から自動抽出することは非常に困難である.我々は以前の報告で,FFD法を用いて解剖学的特徴点のテンプレートを推定対象の形状に変形させることで,解剖学的特徴点位置を自動推定する手法を提案した.しかし,この手法で推定された解剖学的特徴点は,まだ実用的な精度で推定できていなかった.そこで,この手法における誤差の要因を分析し,その対策をすることで誤差を減少させることを試みた.足部モデルの中でも特に表面形状に解剖学的特徴が現れにくく,自動推定が難しいくるぶしの解剖学的特徴点の推定に注目する.
著者
Norio Sato Yasuhiro Suzuki Qinglian Guo Kyoko Kato
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.159-167, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
13

We have developed a simulation program that presents the process of fastening band-shaped cloth objects. These objects are twisted in 3D space to mimic the movements of tying garments such as Kimono sash. Even using extensive collision handling, this simulation is tough. The difficulty lies in the complex object contacts: The movements of different parts of a long contiguous deformable object conflict with each other causing numerous collisions during fastening process; Such collisions cause implausible deformations; Moreover, the collisions in different angles are prone to fatal penetrations that are not simple to remove. We propose three schemes to solve these problems. One is a pre-step mechanical scheme for calculating fastening force to move the object smoothly. Other two are a post-step geometrical correction scheme to smooth deformations and a set of schemes to remove penetrations. These schemes proved to enable robust and visually realistic simulations with low cost.
著者
Chaojiang ZHU Kazunobu MURAOKA Takeyuki KAWABATA Can CAO Tadahiro FUJIMOTO Norishige CHIBA
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-10, 2006-03-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
10
被引用文献数
7 8

The expression of animals and natural phenomena as simulated by computer graphics can be expected to enhance the realism of landscape simulation, virtual reality, etc. In this paper, a model of bird flight model animated in real time is proposed by taking aerodynamics into consideration. In this model, a bird flies by the wingbeat motion and using its tail feathers. Furthermore, target points are set in the space and the bird's orientation and flapping are adjusted such that the bird passes through these target points in sequence. This makes it possible to have the bird fly along an arbitrary path.
著者
陳 炳宇 卓 聖堯 ジョハン ヘンリー 西田 友是
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.145-150, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

近年、詳細な高解像度の3次元動画モデルの使用に注目が集まっており、しかし、詳細な3次元動画モデルのデータ量は通常大きいので、ウェブブラウザあるいは携帯電話の画面上で表示することは難しい。また、多くの場合、高精度な3次元動画モデルを利用する必要があるとは限らない。普段の3次元モデルを簡略化する場合、たくさん有名な方法があるが、3次元動画モデルを簡略化する際、フレーム間のコヒーレンスを考慮していないので、動画モデルのあるフレームでアピールした特徴が簡略された可能性がある。本論文では、自動的に3次元動画モデルを簡略化する方法を提案する。簡略化する際、すべてのフレームで表示されたモデルを考慮した。
著者
桑原 明栄子 牧野 光則
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.108-119, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
8

年々増加するディジタルデータの理解と把握を深める手段として,コンピュータグラフィックスによる情報可視化技術は重要性を増している.著者らは階層構造データを対象として,各要素がもつ属性により表示形態や配置順序を決定する3次元一括可視化手法・システムを研究している.これまでに情報をアイコンで表し,入れ子形式で,円領域内に配置する手法「円形都市」を提案している.この手法は,属性の表現,ならびに,属性を利用した順序の入れ替えに対し,ユーザの理解を妨げずに表現できる.また,データの構造だけでなく,同時に表現可能な属性量が多い.一方で,平面上に全データを一面展開するため,提示情報の視認性が一部十分ではなく改善の必要がある.本稿では,これを拡張し,情報を螺旋状に配置し,枠で表現していた同一グループを台座で表し,アイコンサイズの高さを統一することで,各アイコン,台座の遮蔽を軽減する.そのことにより,仮想3次元空間のより有効な利用とユーザのより容易な理解をはかる.さらに,階層構造に限らず,属性情報を持つ要素で構成されているデータにも適用し,システムの汎用性を向上する.
著者
Hiroki Takahashi Masayuki Nakajima
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.101-107, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

本論文では,ディジタルカメラで撮影した画像中に存在する文字情報の抽出,認識,翻訳等の処理を行うシステムの構築を目指して,画像の高品質化によって認識性能を向上する手法を提案する.提案手法では,ディジタルカメラで撮影した文字列を含む画像に対し,JPEG圧縮によるノイズの削減とDCTの高周波成分復元による拡大,2値化処理を行い,市販の文字認識ソフトウエアを用いて文字認識を行った.画像の拡大では,拡大に伴うモスキートノイズやブロックノイズの影響が少ない拡大手法を提案する.文書画像をディジタルカメラで撮影した画像と看板やプレートに書かれた文字を撮影した画像に対して実験を行った.本報告では,画像の高品質化処理を目的としているため,文字の切り出しは手作業で行っている.これらの対象画像に対し,拡大処理を施さずに2値化処理を行った文字画像や共1次内挿法で拡大した画像と比べ,従来の文字認識技術を用いて文字認識率を向上することができた.
著者
海渡 麻美 渡邉 絵美 中 貴俊 山田 雅之 遠藤 守 宮崎 慎也 長谷川 純一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.54-67, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本論文では,変位情報を用いて制作したVRアプリケーションとして,紙相撲をテーマとした対戦型の実装例を2件提案する.はじめに,プレイヤの跳ぶ行為を入力データとし,ディスプレイ上に表示される紙力士の動きに影響を及ぼすシステムを提案する.つづいて,このシステムに対する評価実験の結果を反映させ,プレイヤが水を揺らす行為を入力データとし,水に浮かぶスクリーンに表示される紙力士の動きに影響を及ぼすシステムを提案する.両システムとも,距離を測るセンサを用いて,プレイヤが入力装置に与える動作を変位情報として取得し,システム内のインタラクション処理に利用している. この直感的かつ堅牢なインタラクションモデルを用いることで,新たな体感型VRアプリケーションを実現することができた.
著者
西尾 孝治 横山 豊 小堀 研一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.47-53, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
15

自由曲面を表現する手法の一つに濃度関数モデルがあるが,計算コストが大きく対話性が損なわれるなど,実用に供していないという問題がある.そこで,本稿では三次元グラフィックスボードを用いてCAD・CG分野で用いられている濃度関数モデルを高速に定義する手法を提案する.これにより,ユーザの待ち時間の短縮や,高速に目的形状を生成することによる作業の効率化が期待できる.また,形状の定義に用いるプリミティブとして,球に加えて多角柱を用いることにより,柔軟なモデリングを可能とした.本手法では,濃度関数をもとにあらかじめ生成したテクスチャを保持し,グラフィックスボードのテクスチャマッピング機能とαブレンディング機能を用いて濃度分布を求める.また,実際に本手法を用いて製品形状を作成し,実験を通じて本手法の有効性について検証したのでその結果を報告する.
著者
薮 博史 鎌田 洋輔 高橋 誠史 河原塚 有希彦 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.36-46, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本論文では,変位情報を用いて制作したVRアプリケーションとして,紙相撲をテーマとした対戦型の実装例を2件提案する.はじめに,プレイヤの跳ぶ行為を入力データとし,ディスプレイ上に表示される紙力士の動きに影響を及ぼすシステムを提案する.つづいて,このシステムに対する評価実験の結果を反映させ,プレイヤが水を揺らす行為を入力データとし,水に浮かぶスクリーンに表示される紙力士の動きに影響を及ぼすシステムを提案する.両システムとも,距離を測るセンサを用いて,プレイヤが入力装置に与える動作を変位情報として取得し,システム内のインタラクション処理に利用している. この直感的かつ堅牢なインタラクションモデルを用いることで,新たな体感型VRアプリケーションを実現することができた.