著者
長谷川 政智
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.45-51, 2018-10-24 (Released:2018-10-24)
参考文献数
3

要旨 ミヤケミズムシXenocorixa vittipennisは,本州,四国,九州に分布し,水生植物が豊富な池沼に高密度に生息するが産地は局所的とされている.また,環境省の準絶滅危惧に指定されているがその生活史についての報告は少なく,交尾や産卵行動についての報告はない.本稿では,宮城県の溜池で,繁殖と思われる行動を観察したので報告する.また,幼虫の成長過程を2015 年4 月から2018 年6 月にかけて観察したので報告する.
著者
野中 尚人
雑誌
東洋文化研究 (ISSN:13449850)
巻号頁・発行日
no.17, pp.427-466, 2015-03-01

With more than 120 years of history and well consolidated status and power especially after the World War II, Japan’s national Diet may still be regarded as rather poor ‘supreme’ organ. This paper aims to clarify the characteristics of actual mechanism of Japan’s Diet in terms of both institutional settings and facts about legislative activities by making comparison both with French national parliament and Kochi prefectural parliament. The arguments of this paper can be summarized in three points. Firstly, in both national Diet and Kochi parliament, the activities and functions of plenary sessions have become extremely weak. One especially salient fact is the total lack of clause by clause type of legislative deliberations, which are the universal norm of western democracies including France. Second argument is that in Japan’s two cases question-and-answer style is almost the only pattern within the legislative procedures, and discussions between parliamentarians are lacking, which in French case are normally carried out through amendment activities. Finally, despite the similarities, Japan’s national Diet has one very significant characteristics unseen in local parliament. The Diet is a sort of ‘negotiating system’, which needs almost perpetual negotiations in order to manage itself including legislative procedures. This is impressively different from a sort of ‘prefixed system’ of local parliament.
著者
大島 明秀
出版者
関西学院大学
雑誌
日本文藝研究 (ISSN:02869136)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.86-110, 2008-03-10

本稿では、明治二十二年『国民之友』誌上に発表された徳富蘇峰「明治年間の鎖国論」を中心に、明治初期から二十年代に至る「鎖国」観の変遷を追跡した。 斯論において蘇峰は、「鎖国」に否定的な発言をしてはいるが、それは同時代を江戸の継続した時代と捉え、そこに遺り続ける旧弊「鎖国主義の精神」、すなわち西洋の知識・文物に対する排除的(保守的)姿勢への批判であった。そこには外国を敵視したり、侵略したりするような排外的且つ植民地主義的発想は全く不在であった。 従来の研究史では、戦前の「鎖国」研究は「鎖国得失論」であると語られてきたが、かかる蘇峰の議論に代表されるように、明治二十年代前半まで(とりわけ日清戦争以前)は、多様な「鎖国論」(「鎖国得失論」に回収されえない議論)が存在したことが明らかになった。
著者
Ji-Hyun Lee Sangyong Lee SeokJoo Choi Yoon-Hee Choi Kwansub Lee
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.536-538, 2017 (Released:2017-03-22)
参考文献数
17
被引用文献数
1 23

[Purpose] The purpose of this study was to identify the effects of extracorporeal shock wave therapy on the pain and function of patients with degenerative knee arthritis. [Subjects and Methods] Twenty patients with degenerative knee arthritis were divided into a conservative physical therapy group (n=10) and an extracorporeal shock wave therapy group (n=10). Both groups received general conservative physical therapy, and the extracorporeal shock wave therapy was additionally treated with extracorporeal shock wave therapy after receiving conservative physical therapy. Both groups were treated three times a week over a four-week period. The visual analogue scale was used to evaluate pain in the knee joints of the subjects, and the Korean Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index was used to evaluate the function of the subjects. [Results] The comparison of the visual analogue scale and Korean Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index scores within each group before and after the treatment showed statistically significant declines in scores in both the conservative physical therapy group and extracorporeal shock wave therapy group. A group comparison after the treatment showed statistically significant differences in these scores in the extracorporeal shock wave therapy group and the conservative physical therapy group. [Conclusion] extracorporeal shock wave therapy may be a useful nonsurgical intervention for reducing the pain of patients with degenerative knee arthritis and improving these patients’ function.
著者
サイエンスウィンドウ編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.1-41, 2018 (Released:2018-10-17)

目次 特集 元気な地域のつくりかた p.05 鳥海山・飛島ジオパーク 大地”の価値を見つめ直す ジオパーク活動で地域に貢献 p.10 愛媛県愛南町 ベンチャー企業、養殖業者、役場、漁協、大学が一体となって日本の水産養殖業を救う! p.15 北海道帯広市、群馬県東吾妻町 テクノロジーを上手に活用することで酪農の仕事はもっと楽しくなる! p.18 鹿児島県肝付町 テクノロジー活用で人と人がつながり高齢者の生きがいを生む p.21 岩手県山田町、静岡県浜松市ほか 自立した地域資源を生み出す技術とは p.25 長崎県壱岐市 島民みんなのアイデアで企業も若者も集まる豊かな島へ イベント情報 p.29 サイエンスアゴラ2018「科学」と「社会」の関係を深め、ともに未来を創る。今年も注目の企画が目白押し 連載 p.32 カガクのめばえ 第2回 寺川寿子さん 名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センター准教授 p.36 観察法のイロハのイ こんなところにも!? キノコ 吹春俊光 千葉県立中央博物館植物学研究科長 p.39 Open the Window ~サイエンスウィンドウと子どもたち~ 家族でリスクコミュニケーション 箱根ジオミュージアム

10 0 0 0 OA 生体と磁気

著者
上野 照剛
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.643-650, 1988-10-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

MRI, SQUIDによる生体磁気計測および磁気の生体作用に関する研究領域はバイオマグネティックスと呼ばれ, この新しい境界領域の進展には各方面からの関心が寄せられている. ここでは, バイオマグネティックスの最近の動向を概観し, 今後の展望を述べる.
著者
鈴木 伸英 工藤 芳彰 宮内 [サトシ]
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.31-40, 2001-03-31
参考文献数
14

本研究は、東京都府中市の大國魂神社の御先拂太鼓を対象として、その実体、保持・運搬用具、演奏方法、太鼓の役割等について検討した。その結果、以下の点が明らかとなった。御先拂太鼓が大型化した要因は、明治初期に祭礼の運営組織を府中四ヵ町に分けたことによって生じた、町内間の対抗心であった。その御先拂太鼓の存在意義は、祭礼の到来を知らせる実用的機能に加え、地域のシンボルであるという社会的役割、さらには音で神輿の道筋を払うという象徴的な機能にある。また、今日、御先拂太鼓が人々に受け入れられている理由として、次の諸要因をあげることができる。ソリッドの木材、麻縄といった伝統的な自然素材を用い、造形美を洗練させたこと。時代・社会の要請に応えて大型化・重量化した太鼓に対応するためにブレーキ付き台車、太鼓を台座から台車に載せ替えるためのクレーンの利用といった用具のシステムをそなえたこと。そうした前提の下で、音の大きさと単純さという根元的な太鼓の魅力を引き出す新しい演奏方法を確立させたことであった。
著者
大塚 益比古
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.40-44, 1993-01-30 (Released:2010-04-19)
被引用文献数
1

10 0 0 0 OA 無銭修学

著者
池田錦水 著
出版者
大学館
巻号頁・発行日
1902
著者
田代 聡 堀越 保則
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

放射線誘発核内ドメインRAD51フォーカスについては、核膜裏打ち構造タンパク質の一つであるLaminBがRAD51の分解を抑制することでRAD51フォーカス形成を促進することなどを見出し、論文発表した。新しい生物学的線量評価法についての研究としては、放射線治療症例についてのFISH法などを用いた放射線被ばく影響の20年にわたる追跡調査の結果や心臓CTによるリンパ球DNA損傷のgammaH2AX免疫染色を用いた放射線影響評価などを報告した。超解像顕微鏡を用いた放射線誘発核内ドメインの動的構造解析では、放射線照射によりRAD51フォーカスの形が変わることなどを明らかにし、現在論文投稿中である。
著者
鈴木 景二
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.58, pp.390-363, 2013

小牧長久手の合戦で対時した織田信雄・徳川家康と豊臣秀吉が講和した天正12年(1584)の冬、秀吉への服従を潔しとしない富山城主佐々成政は、敵対勢力に固まれている状況にもかかわらず城を出て、信濃を経由し遠く浜松の家康のもとに向かった。真冬の積雪の多い時期に中部地方の山間部を往復したこの行動は、『太閤記』以来「さらさら越え」といわれ、戦国武将の壮挙として知られ、近年、そのルートや歴史的背景などの研究が相次いで発表されている。筆者も『雑録追加』所収文書を分析した佐伯哲也氏の研究に触発されて、そのルートについて検討し、成政の浜松往復には上杉氏重臣山浦国清(村上義清子)の弟である村上義長が関わっていたこと、その道筋は越後(糸魚川付近)を経由したと推定されることを述べた。その後、道筋の推定に対して服部英雄氏から厳しい批判を受け、久保尚文氏からは別案が提起された。さらに深井甚三氏からも疑問点が提示されている。また、道筋を究明することの歴史研究上の意義について言及しなかったが、最近、萩原大輔氏が成政の浜松行前後の徳川家康との関係を再検討し、豊臣秀吉の北陸遠征の研究のなかに位置付けている。このような諸研究をふまえ、本稿では佐々成政の浜松往復の道筋について新出史料を加えて再論し、天正十二年冬前後の成政と村上義長および家康をめぐる政治過程について検討することとする。