著者
伊藤 嘉余子
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.82-95, 2010-02-28

本研究の目的は,児童養護施設入所児童を対象に行った,施設生活に関するインタビューの結果から,子どもたちが児童養護施設や職員に求めている生活の質,支援,役割について明らかにすることである.C児童養護施設(A県B市)の入所児童10人を対象に1対1の半構造化面接によってインタビューを行い,データを分析した.その結果,多くの子どもが,実家庭とは異質な施設生活に満足や喜びを感じており,物的環境の充実が子どもに与える影響の大きさが明らかになった.しかし,その一方で,施設生活の質の高さに満足すると同時に,多くの子どもが「できれば実家に帰りたい」という葛藤を持ち続けている実態も明らかとなった.また,子どもの感じる施設生活への満足度の高低には,子ども自身が施設内の人間関係をどうとらえているかが影響していることが明らかとなり,人間関係構築やコミュニケーションにおける職員の資質や力量が重要となることが分かった.さらに,多くの子どもが施設入所前/入所時の不安について語っており,アドミッション・ケアの充実の必要性が示唆された.
著者
北村 聖
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.363-373, 2013-09-01 (Released:2013-09-01)

日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)は,日本医学会112分科会の機関誌の編集委員から構成される。JAMJEは,2008年の設立総会で,医学雑誌と編集者の自由と権利の擁護,医学雑誌の質の向上への取り組み,倫理規範の策定,国際的な連携という4項目を活動の目標とした。この目標に即した医学雑誌の編集方針のためのガイドライン(案)を作成した。ガイドラインには,世界医学雑誌編集者協会(WAME)による「方針書」と「編集者候補および新任編集者を対象としたシラバス」および国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)の「統一投稿規程」に記載されている内容を盛り込み,さらに国内事情を反映させた。JAMJEの4つの目標に準じた章立てとしている。
著者
西倉 実季
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.37-48, 2008-07-20 (Released:2012-02-29)
参考文献数
21

The purpose of this paper is to sociologically examine the difficulties associated with disfigurement and the strategies for coping with this by using the life-stories of women with such facial disfigurement. The first part of this research is based on life-story interviews and examines the "lived time" of individual respondents. In contrast to Goffman who adopted a synchronic approach that focused on the fixed scene of social interaction and described how stigmatized people survive their situation, I examined the total lives of women with facial disfigurement diachronically. I found that women did not think camouflage makeup was always all-purpose. Camouflage makeup brings out both good and bad points, something that those who provide makeup service should consider in supporting those with facial disfigurement.
著者
立花 章 小林 純也 田内 広
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.228-235, 2012-04-25
参考文献数
30
被引用文献数
1

トリチウムの生物影響を検討するために,細胞を用いて種々の指標について生物学的効果比(RBE)の研究が行われており,RBE値はおよそ2であると推定される.だが,これまでの研究は,高線量・高線量率の照射によるものであった.しかし,一般公衆の被ばくは低線量・低線量率である上,低線量放射線には特有の生物影響があることが明らかになってきた.したがって,今後低線量・低線量率でのトリチウム生物影響の研究が重要であり,そのための課題も併せて議論する.
著者
Yusuke Takashima Kensuke Seto Yousuke Degawa Yong Guo Tomoyasu Nishizawa Hiroyuki Ohta Kazuhiko Narisawa
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology · The Japanese Society of Soil Microbiology
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
pp.ME18081, (Released:2018-12-08)
被引用文献数
30

Endofungal bacteria are widespread within the phylum Mucoromycota, and these include Burkholderiaceae-related endobacteria (BRE). However, the prevalence of BRE in Mortierellomycotinan fungi and their phylogenetic divergence remain unclear. Therefore, we examined the prevalence of BRE in diverse species of Mortierella. We surveyed 238 isolates of Mortierella spp. mainly obtained in Japan that were phylogenetically classified into 59 species. BRE were found in 53 isolates consisting of 22 species of Mortierella. Among them, 20 species of Mortierella were newly reported as the fungal hosts of BRE. BRE in a Glomeribacter-Mycoavidus clade in the family Burkholderiaceae were separated phylogenetically into three groups. These groups consisted of a group containing Mycoavidus cysteinexigens, which is known to be associated with M. elongata, and two other newly distinguishable groups. Our results demonstrated that BRE were harbored by many species of Mortierella and those that associated with isolates of Mortierella spp. were more phylogenetically divergent than previously reported.
著者
星 貴之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.100-106, 2015-09-18

音響浮揚は強力な超音波を発生させる装置が必要であることから,これまで研究所など限られた場所でのみ行われていた.本研究では,一般人にも購入可能な材料を用いた音響浮揚装置の実現を目指す.前報において,市販の超音波実験キットの駆動回路をそのまま使用し,超音波振動子を球面に配列することによって,ポリスチレン粒子を浮揚できることを示した.本報では,3D プリンタを用いて作製した球面アレイについて報告する.
著者
川角 由和
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.1412-1370, 2006-03-10
著者
竹藤 幹人 天野 睦紀 室原 豊明 貝淵 弘三
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

低分子量GTP結合タンパク質RhoA(以下、RhoA)は細胞骨格形成、細胞遊走など様々な細胞内機能を制御している。RhoAが制御する細胞内シグナルが疾患については長年、研究されてきたが、RhoAおよびその下流で機能する分子の心臓での働きは不明な点が多い。本研究ではRhoAの標的分子であるRho関連キナーゼに注目し、Rho関連キナーゼの心臓内での新規標的分子を明らかにした。マウス心不全モデルでは、Rho関連キナーゼの活性化されることを確認した。Rho関連キナーゼ欠損マウスでは心不全が改善したことから、心不全発症にRho関連キナーゼが関与していることが示唆された。

10 0 0 0 TBS50年史

著者
東京放送編
出版者
東京放送
巻号頁・発行日
2002