著者
OZAKI Koji
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.061-088, 2017-03-31

This paper investigates Sensai Nagayo’s ideas on hygiene through xamining his 1877 treatise Eisei Iken (An opinion on public health). Nagayo was a Japanese physician and bureaucrat who served for 18 years (1875-1892) as the director of the Central Sanitary Bureau of the Home Department. Scholars have long referred to his ideas and activities in the context of the establishment of the public health system in nineteenth-century Japan, yet they seem to have failed to correctly understand the characteristics of his achievements. Specifically, due to an emphasis on ‘hygienic modernity’ among scholars like Ruth Rogaski, they often discuss this aspect of westernisation alone in Nagayo’s ideas. This paper takes a different approach and demonstrates that Nagayo worked on improving pharmaceutical affairs in the early days of his directorship, mainly by relying on traditional wholesale pharmacists or through the traditional distribution system of medical chemicals, in particular wholesalers in Osaka Doshô-machi. These conclusions elucidate that the Japanese medical or hygienic system was not only an echo of those of European countries but also included traditions derived from the Japanese premodern medical system.
著者
横山 正典 鈴木 啓太 木下 由貴 望月 崇由 山田 智広 櫻井 翔 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-163, no.4, pp.1-5, 2015-05-07

異なる場所にいる人同士が同じ場所で対話しているかのような体験を実現する技術であるテレプレゼンスの研究が進められている.本稿では,人の非言語メディアを拡張することで F2F では生じ得ない心理効果を伴う遠隔コミュニケーションを実現する “超現実テレプレゼンス” を提案する.超現実テレプレゼンスの具体例として,視線の指向性の制御,Social Touch の心理効果の制御,Proxemics に基づく対面距離の制御を行うテレプレゼンスインタフェースを示し,今後の課題,想定される適用例,今後の展望について述べる.
著者
久保 勇貴 志築 文太郎 田中 二郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.1061-1072, 2017-05-15

本論文において,我々は超小型端末向けの新しいタッチジェスチャとして,ベゼルからベゼルへのスワイプジェスチャBezel to Bezel-Swipe(以降,B2B-Swipe)を示す.ユーザは指の触覚から各ベゼルを見ることなく区別できるため,B2B-Swipeをアイズフリーで行える.また,矩形の超小型端末の場合,B2B-Swipeは16通り存在する.さらに,B2B-Swipeは1本指による1回のスワイプであるため,超小型端末が備えるタッチパネルのみを用いて実装可能である.これらにより,B2B-Swipeは端末にセンサを追加することなく,かつ既存のタッチジェスチャと共存しつつ超小型端末の入力語彙を増やすことができる.本論文では,B2B-SwipeがBezel Swipeおよびフリックと共存できること,およびアイズフリー入力可能であることを検証するために行った性能評価実験の結果も示す.
著者
林 正治 夏目 琢史 松田 訓典 山本 和明 赤木 完爾
雑誌
じんもんこん2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.81-86, 2016-12-02

本研究ではウェブアノテーションによる資料画像の分類・整理手法について述べる.とくに,一橋大学附属図書館および慶応義塾図書館が所蔵する「幸田文庫」を対象にしたウェブアノテーションによる仮想コレクション定義手法の提案,実装,その実現に向けた課題を明らかにする.
著者
勝藤 猛 Takeshi KATSUFUJI 岩手県立大学盛岡短期大学部 MORIOKA JUNIOR COLLEGE IWATE PREFECTURAL UNIVERSITY
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 = Bulletin of Morioka Junior College Iwate Prefectural University (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.5-13, 2001-03-01

After the breakdown of the Qin empire, there was a leader named Liu Bang (247-195 B.C.), who built the Han dynasty. Among his followers, three men were particularly efficient, and brought him to the throne. First, Zhang Liang was a staff-officer, so to speak, with female appearance. He gave his master valuable advice at the headquarters. Secondly, Xiao Ho was a well-educated paymaster in charge of supplying the front with personnel and provisions, searching and arranging documents from the destroyed Qin court. Finally, Han Xin, here under discussion, was an able army commander, good at intelligence service as well as tactics. The first two were in their sovereign's high esteem, while the last fell into disgrace and was killed in the end. Court chronicler Si-ma Qian writes a hundred years later, "One who has more courage than one's lord will be easily ruined. One whose success is above all will not be awarded". This is the destiny of Han Xin. The author tries to describe a hero of a tragedy.
著者
塩津 晃明 Akihiro Shiozu

本研究では,インターネットプロトコルの一つであるTCP(Transmission Control Protocol) の一機能である輻輳制御において,他のTCP データフローとネットワーク帯域を公平に共有しつつ,転送性能を向上させる方法について述べる.TCPは,インターネット等のコンピュータ端末間を接続する通信ネットワークにおいて,データ転送に用いられる標準的なプロトコルである.通信ネットワーク上のデータを転送する中継ルータでは,様々な端末からのデータが届くため,データを一時的に保存するためのバッファが不足する現象が発生する.これを輻輳といい,データ転送の遅延やバッファに収容できずにデータが破棄されてしまう可能性がある.これは,データの整合性を保障するために,破棄されたデータを再送する機能を持つTCP通信の場合,再送したデータによって,中継ルータのバッファ状況がさらに悪化する可能性に繋がる.そのため,TCPにはデータの送信レートを調整する輻輳制御という機能が備えられている.輻輳を解消するためには,送信側端末で送信レートを下げる必要があるが,必要以上に送信レートを下げることは,データの転送性能低下にも繋がるため,送信レートの下げ幅は必要最小限とすることが望まれる.そのため,輻輳を解消するための適切な送信レートの調整方法となる輻輳制御アルゴリズムの精度向上が重要となる.本研究では,送信側端末で入手可能な過去のネットワーク状況を示す情報と,自身の振舞いとなる送信レートを入力として,現在のネットワーク状況に適した送信レートを導出することにより,他のTCPデータフローとネットワーク帯域を公平に共有しつつ,効率的に帯域を利用することで転送性能を向上させる手法を提案した.本手法は,導出した送信レートに基いて送信されたデータの転送時間の増減から,ネットワーク状況がどのように変化したのか推定し,送信レートを導出する関数のパラメータを更新することで,輻輳を解消する適切な送信レートを学習するものである.国内規模の遅延環境を想定したネットワークシミュレーションに基づき,提案手法の転送性能について評価した.提案手法は従来法に対して,2つのTCPデータフローが帯域を共有した場合,TCPデータフロー間の転送量の差をおよそ10分の1に抑えつつ,平均スループットを最大で16.5%向上出来ることが分かった.また,近年新しくオペレーティングシステムに導入されている,TCP CUBIC,Compound TCPといった輻輳制御アルゴリズムは積極的に帯域を利用するため,これらの輻輳制御アルゴリズムによるTCPデータフローと帯域を共有する場合,提案手法側の転送性能が下がる問題があった.そのため,ネットワーク帯域を共有した他の輻輳制御アルゴリズムのタイプを推測し,送信レートの調整方法を変更する仕組みを提案手法に導入した.国内規模の遅延環境を想定したネットワークシミュレーション上において,異なる輻輳制御アルゴリズムと帯域を共有した場合のネットワーク帯域共有時の公平性について評価を行い,従来法では,2TCPデータフロー間の平均スループット差が最小で39.8%であるのに対して,提案手法の場合は,平均スループット差が最大で9.5%となり,他の輻輳制御アルゴリズムとも帯域を公平に共有出来ていることがわかった.以上の結果から,本研究により,国内規模のTCP通信において,他の通信データフローとネットワーク帯域を公平に共有しつつ,ネットワーク帯域の利用効率を高めることで,転送性能の向上を可能とし,その有用性が確かめられた.
著者
神山 智章 清水 尚彦
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.55(2002-EVA-003), pp.7-12, 2002-06-07

MP3デコーダのIMDCT処理を設計するに当たり、この処理において必要とされる精度について評価を行った。この結果に基づき、高速かつコンパクトなIMDCT回路を実現できた。