著者
スミルノフ V.I. ボロダエフ Iu.S. スタロスチン V.I.
出版者
資源地質学会
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.18, no.91, pp.284-291, 1968

日本の硫化鉄鉱鉱床<SUP>*1</SUP>の多くは,アルプス地向斜発展期初期段階のものである中新世のスピライトーケラトフフイア岩系の岩石帯に集中している.この種の鉱床の鉱体は,火山砕屑岩層に覆蔽された流紋岩質層の近辺に賦存し,累帯構造を示している.下位の熱水性変質作用を受けている流紋岩中には,交代成微脈―鉱染状硫化物鉱石(珪鉱)が発達している.その上位には塊状の硫化鉄鉱鉱石(黄鉱)が分布している.そしてさらに,海成の成層火山砕屑岩に整合的に覆蔽された高品位多金属鉱(黒鉱―чёрная руда,black ore)が,その上位に分布している.この鉱床は,火山源堆積作用の複合生成物と思われる.すなわち,鉱体下位のものは流紋岩に対する熱水溶液の作用によつて生成し,上位のものは中新世の海底にその熱水溶液が運んできた物質が沈殿して生成したものと思われる.<BR>1940年代になつて,A.ザヴァリツキーはウラルの硫化鉄鉱鉱床について新しい火山源生成説を提起したが,彼は,第三紀火山作用と結びつけた日本の「黒鉱」に関する日本の地質学者たちの考え方(木下亀城,1931)をその中にとり入れ支持していた.しかし硫化鉄鉱鉱床の生成条件に関する考え方が変つてきた現在,日本の硫化鉄鉱鉱床の地質に関するデータは,その火山源熱水―堆積性起源説(Theory of volcanogenic hydrothermal-sedimentary origin)の検討に基本的な支えとなり得るものである.そのために,日本のデータがソ連の地質学者の大きな関心を呼んでいるわけである.<BR>本論文を執筆するに当つて筆老らは次のように分担した.すなわち,1966年秋に日本の代表的な「黒鉱」鉱床を訪れて,研究試料を得てきたV.I.スミルノフは,地質の記載とその他のすべてのデータの全般的な総括(スミルノフ,1967)を行ない,Iu.S.ボロダエフは鉱石試料の顕微鏡的研究結果についてまとめ,V.I.スタロスチンはその試料の物理的性質の研究を行ない,そのデータを提供した.<BR>本論文の執筆は,東京大学の渡辺武男教授と立見辰雄教授,東北大学の竹内常彦教授,その他のきわめて熟達した著名な日本の鉱山地質学者との会合で,大いに刺激された結果である.また,同和鉱業株式会社社長新井友蔵博士とその補佐役の方々から,日本の硫化鉄鉱鉱床の巡検に積極的な協力と援助を受けた.これらすべての方々,および本論文を校閲して下さつたT.N.シャドルンとG.F.ヤユヴレフの両氏に厚く感謝申し上げる.<BR>著者はまた,日本の鉱石試料から得た硫化鉱物中の硫黄同位元素の分析を早く終了するために,V.I.ヴィノグラードフの高配を得た.<BR>当該鉱床の地質を説明する図葉は,日本の鉱山地質学者の資料から借用したが,遺憾ながら原図に明記してないため,その人々の名を示すことができなかつた.
著者
馬場 知哉 柿澤 茂行 森 宙史 車 兪澈 黒川 顕 大島 拓
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.805-824, 2020-12-25 (Released:2021-01-18)
参考文献数
103
被引用文献数
3

Estimating the “minimal gene set” for a cell to be viable is an important issue in understanding “living” cells, creating “artificial” cells, and revealing “ancient” cells. The minimal gene set is critical information for understanding a cell system and designing an artificial genome, which is an essential element for creating an artificial cell. Artificial cells can provide many clues to understanding primordial life on Earth. To reveal minimal gene sets, “essential genes” in many bacteria, which could not be removed from bacterial genomes, have been identified. Bacteria are the most useful organisms for identifying essential genes from their specific characteristics: small genomes, rapid growth, and species that are easy to manipulate genetically. Therefore, various investigations on minimal gene sets or minimal genome of bacteria are reviewed, and “the minimal gene set for a viable cell” is discussed.
著者
平沼浩一
雑誌
日臨救医誌
巻号頁・発行日
vol.7, 2004
被引用文献数
1
著者
六角 高雄
出版者
日本医史学会
雑誌
日本医史学雑誌 (ISSN:05493323)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.p244-283, 1976-07
著者
羽原 敬二
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.610, pp.610_75-610_92, 2010

現在,新型インフルエンザ対策は,国際機関,国,地方自治体,企業,医療機関,個人などによって各々計画・準備されている。その目的は,(1)パンデミック発生の予防・阻止,遅延,(2)健康被害の抑止と最小限化,(3)社会活動・社会機能の維持,(4)パンデミック終息後の被害からの早期回復,である。新型インフルエンザウイルスの脅威と実態を正しく認識し,適切な対策をいかに有効に実施するかが課題となる。感染症が海外で発生・流行した場合,国内への侵入を阻止する水際対策には盲点があり,検疫をいかに強化しても,それだけで国内発生を完全に阻止することはできない。パンデミック時には,不要不急な業務は極力休止し,重要な業務に絞って,感染予防対策を徹底した上で事業を継続することが必要となる。地球的規模での国家危機管理の認識に立って,国際的な協働・協力態勢に基づき,状況に応じた柔軟な感染症対策をより戦略的に実行する方策について考察した。
著者
宇野 文夫
出版者
新見公立大学
雑誌
新見公立大学紀要 (ISSN:21858489)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.69-72, 2012

2009 年のインフルエンザパンデミックでは,地方都市に設置された短期大学においても,2009 年11 月下旬から12 月上旬および2010 年1 月中旬から下旬にかけての2波の流行的な患者発生が認められ,学生の累積罹患率は少なくとも14%であった(宇野文夫:新見公立大学紀要 31, 29-33, 2010)。そこで,このたびパンデミック終息後の状況を把握することを目的として,パンデミック間期における大学のインフルエンザ流行状況を調査することを試みた。その結果,2011/2012 流行シーズンにおいて,当時395 人の学生のうち,14 人の顕性発症者が報告され,累積罹患率は3.5%であった。発症者の第1 例は1 月10 日であり,発症者はクラスターを形成し,その後2 月20 日ごろに終息した。学生の出席停止期間の中央値は4 日間(範囲:3 日~6日)であった。
著者
野坂 幸子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.965, 2020-08-15

情報社会はすばらしい.私たちはコンピュータやデータベースのない世界には,もう戻れません.しかし情報社会の恩恵を受けるためには,一定の知識や,思考力・判断力・表現力が必要です.高等学校で情報科の授業が始まって17年経ちました.高校生には,情報社会の恩恵を余すところなく享受し,さらにその発展に寄与するようになってほしいという願いを込めて,教科書を作っています.
著者
野坂 幸子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.965, 2020-08-15

情報社会はすばらしい.私たちはコンピュータやデータベースのない世界には,もう戻れません.しかし情報社会の恩恵を受けるためには,一定の知識や,思考力・判断力・表現力が必要です.高等学校で情報科の授業が始まって17年経ちました.高校生には,情報社会の恩恵を余すところなく享受し,さらにその発展に寄与するようになってほしいという願いを込めて,教科書を作っています.
著者
小松原 潤子
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1058-1061, 2020-09-15

教育産業の立場から,高校の情報科教員応援サイト「キミのミライ発見」を通して訴えてきた情報教育の重要性,および,情報教育における情報処理学会の役割等について感じていることについて解説する.
著者
赤澤 紀子 久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1126-1129, 2020-10-15

学習指導要領の改訂により,2020年度から小学校でプログラミングが必須の内容になった.2022年から高等学校でも「情報I」が必履修になり,全員がプログラミングを学ぶことになる.今後,プログラミングについて,強い意欲を持つ高校生も今以上に増えると考えられる.そこで,筆者らは,大学の初年次情報基礎科目の内容を,そのままe-ラーニングにより提供する「大学授業科目先取学修」の環境を整備し,「高大連携・基礎プログラミング」を実施した.これらは,プログラミングに興味のある,進んだ内容を学びたい高校生に活用してもらうことを目的としている.本稿では2019年度の実施について報告する.
著者
福原 利信
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1053, 2020-09-15

全国で頑張っている情報科を教える先生に,コロナ禍の厳しい状況でも頑張ってほしいとエールを送ります!
著者
河野 翼 廣瀬 英雄
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.41-44, 2012

パンデミックによる感染モデル,ソフトウエアの故障成長モデルとして用いられるコンタクトモデルの確率分布に対して,パンデミック初期,あるいは故障がはじまって間もない時期の観測データを用いて,パンデミック終息時の予測,あるいは故障終息時の予測を行なう際,統計的打ち切りモデル(truncatedモデル)を用いることがある.このとき,終息予測値は低めに見積もられることがあり,このとき災害対策上は危険側に予測されることになる.ここでは,このような推定現象についての考察を行ない,より正確な予測法について考える.故障の背後分布にワイブル分布を仮定した場合について,truncatedモデル,ワイブル微分方程式モデル,SIRモデル間での予測結果の比較を行う.
著者
赤澤 紀子 久野 靖
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1126-1129, 2020-10-15

学習指導要領の改訂により,2020年度から小学校でプログラミングが必須の内容になった.2022年から高等学校でも「情報I」が必履修になり,全員がプログラミングを学ぶことになる.今後,プログラミングについて,強い意欲を持つ高校生も今以上に増えると考えられる.そこで,筆者らは,大学の初年次情報基礎科目の内容を,そのままe-ラーニングにより提供する「大学授業科目先取学修」の環境を整備し,「高大連携・基礎プログラミング」を実施した.これらは,プログラミングに興味のある,進んだ内容を学びたい高校生に活用してもらうことを目的としている.本稿では2019年度の実施について報告する.