著者
原田 陽子 山本 晴彦 岩谷 潔 金子 奈々恵
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.97, no.8, pp.436-441, 2013-08-01
参考文献数
12

In agriculture, particularly wet rice cultivation, light pollution caused by exterior illumination at night interferes with dark periods and results in delayed flowering (heading). However, we found that by selecting the wavelength of light sources to which rice is exposed and controlling the luminescence, it is possible to bring the time of heading closer to that of a control plot (total darkness). In this study, visibility of artificial illumination using mixed LED (blue, green, yellow-green) was evaluated by comparing it with green LED and white LED illumination. We evaluated five items in this experiment: pedestrian behavior, facial recognition, color recognition, peripheral visual field, and impression. We found that the evaluation for ‘color recognition’ and ‘impression’ were lower for mixed LED than for white LED illumination. Therefore, it is suggested that mixed LED illumination needs to improve in these items.
著者
橋本 亜矢子 斎藤 庸平
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.23, 2004

落葉樹の樹冠内で、夜間照明により部分的に落葉が遅れる現象がこれまでに報告されている。(三沢・高倉 1990他)しかしこの現象が問題となる具体的な夜間照度は明らかになっていない。本研究では現地調査に基づき、樹冠内で部分的な紅葉・落葉の遅れを引き起こす夜間照明の程度を明らかにすることで、街路樹の生育環境の改善と、統一感や季節感の演出を担う街路景観の向上に役立つ基礎的データを得ることを目的とした。使用頻度が高い落葉樹のうちアメリカフウを対象とした結果、20lux以上の夜間照明(光源は蛍光水銀灯)は、樹冠内での紅葉・落葉の遅れを引き起こすこと、この影響は200lux以上で顕著になることが明らかになった。
著者
蓑原 善和
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.741-745, 1996-10-01
参考文献数
11
被引用文献数
3
著者
饗庭 貢 松枝 章 元林 進 坂谷 一夫
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.162, 2005

平成8年より人工照明の連続照射によるアメヤ科植物の植木槽の影響を、自然光のみの植木槽と比較して調べた。照度は2㏓、10㏓、50㏓の場合、人工照明は白熱電球、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプである。人工照明については、赤みの色、黄味の色、青味の色、白いランプを調べた。ところが、いずれの場合でも2㏓以上のものは(10㏓、50㏓の値の場合)花が咲かなくなった。 植物にも、人間と同様なメラトニンの働きがあると考え、(たとえば明るくて眠らない状態)平成12年より、メラトニンを与える治療方法を行ってみた。与えた量としては1_mg_、2_mg_、4_mg_の3種類を夫々の照度、夫々の人工照明の所に与えてみた。ところが平成16年度になっても回復の兆しが見られなかった。 今後は人工照明を止めて、自然回復をさせるのに何年かかるかを試みたい。
著者
谷口 幸代
出版者
名古屋市立大学
雑誌
名古屋市立大学大学院人間文化研究科人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
no.10, pp.354-340, 2008-12

大正七年自費出版の『愛の詩集』、『抒情小曲集』が認められ、室生犀星は詩壇に登場した。そして長い放浪生活から抜け出て、東京に居を構える。新進詩人はその翌年に「中央公論」に投稿した『幼年時代』など三作が認められ、一躍、文壇に登場した。以後、詩、俳句、短歌、小説、随筆、童話と、多岐にわたる足跡を残すことになる。その犀星の十五冊の日記は現在、新潮社版の全集別巻一、二に収められている。日記には原稿料や印税がそのつど丹念に書き込まれており、昭和時代の一部には原稿料を受取るまでの経過や交渉の事情まで書き留めているものもある。この原稿料授受の記録を注解しながら、筆一本の売文生活の実態と文士気質を明らかにすることが、小稿の目的である。犀星が文壇に登場した大正時代は、新聞の発行部数が飛躍的に増え、雑誌界では各種の女性誌が次々に創刊され、原稿料が飛躍的に上がった時である。総合雑誌の「中央公論」と「改造」というライバル雑誌での犀星の評価は原稿料ではかることができるほどである。昭和時代は円本ブームで始まり、戦時中に戦費調達のため源泉徴収制度が施行され、昭和二十年代は、敗戦直後の物資不足と激しいインフレによる原稿料の急騰、新円発行の金融緊急措置令による不況のため、支払の遅延や未払いの様が書き込まれている。昭和三十年代の週刊誌ブームの頃、創刊間もない「週刊新潮」の目玉だった谷崎潤一郎『鴨東綺譚』がモデル問題で中絶したとき、ピンチヒッターとして立ったのが犀星だった。円地文子は「原稿を書くことは文学者の生命なのだから、それによつて得る報酬もなおざりに考えてはいけないというお考えだつた」と回想する。
著者
中野 卓 木内 望
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.888-895, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
20
被引用文献数
2

気候変動により水害リスクが益々高まる中、都市計画分野においても浸水可能性の高い地域の土地利用規制や誘導等を含む水害対策の検討を迫られている。水害リスクを都市づくりで考慮する際に、今日では水防法に基づく洪水浸水想定区域が広く利用されるが、同区域は住民避難の観点から作成され、災害予防を目的とした土地利用の誘導等への活用を目的としたものでない。そこで、本稿では、作成方法と実際の指定状況から浸水想定区域の性格を整理すると共に、地理情報データを用いた浸水想定区域と都市計画の区域・人口集中地区等の重複関係、水害統計調査基本表から洪水による被害実績と浸水想定区域との対応状況を解析し、その結果を踏まえ、土地利用規制・誘導に向けた水害リスク情報としての浸水想定区域の活用可能性と課題を検討した。
著者
井内 勝哉 西尾 悠 脊戸 和寿 小川 隆申
出版者
日本リメディアル教育学会
雑誌
リメディアル教育研究 (ISSN:18810470)
巻号頁・発行日
pp.2021.07.20.01, (Released:2021-09-01)
参考文献数
5

本稿では,理工学部初年次生に対する情報教育において,オンデマンド型online講義をデザインした。講義毎の課題および講義期間終了後の授業アンケートを解析した結果,オンデマンド型online講義では課題達成能力,理解度,満足度の点で対面講義より評価が高かった。オンデマンド型online講義の特徴である反復学習により,理解度の向上が予想された。初年次生の知識の習得幅が大きい情報教育では,オンデマンド型online講義で知識を習得し,その後,対面講義や実習などによる知識の定着が効果的と想定された。
著者
三上 岳彦 長谷川 直子 平野 淳平 福眞 吉美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.130, 2019 (Released:2019-09-24)

青森県十三湖は日本海に面する汽水湖で、現在は冬季に結氷することはないが、江戸時代にはほぼ毎年結氷(と解氷)し、その連続的な記録が弘前藩庁日記に1705年〜1860年の155年間にわたって残されていることが明らかになった。十三湖には、南から岩木川が流入しており、江戸時代には津軽平野で産出された米輸送の舟運に利用されていたことから、長期間の結氷解氷期日が記録されたと思われる。
巻号頁・発行日
vol.第4號 (昭和21年5月13日), 1946
著者
安田 知子 溝田 康司 小嶺 衛 仲盛 真史
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.175, 2007

【はじめに】<BR> 沖縄理学療法士会には、社会局スポーツ推進部があり、その役割として、理学療法士の立場からスポーツ活動を支援することである。本部の活動は広く県民の健康増進や楽しむべきスポーツ活動時のケガの予防とその対応などに寄与する公益事業の一つと位置づけている。<BR> 今回、高知県理学療法士会からの紹介を受け、韓国プロ野球チームの春季キャンプにおけるコンディショニングサポートを行う機会を得たので、若干の考察を加え報告する。<BR>【経緯】<BR> 平成19年2月中旬に高知県理学療法士会事務局より、沖縄県理学療法士会事務局に以下のような依頼があった。<BR> 1月より高知県下にて春季キャンプを行っていた韓国のプロ野球チームSが2月15日より沖縄でオープン戦を含むキャンプを継続することになっている。高知県理学療法士会は、このチームから依頼を受け、1月中旬から2月中旬までの間の2週間、夜間練習後にコンディショニングのサポートを行っており、引き続き沖縄でもできないかという相談を受けたので、対応をお願いしたいということであった。<BR> チームはすでに15日に沖縄入りしており、早急な対応が必要となり、会長の勅命とともにスポーツ推進部担当理事、部長の承諾の基、活動を行うこととなった。<BR>【期間および活動内容】<BR> 平成19年2月15日から3月8日までの沖縄キャンプ期間中に、夜間練習後のコンディショニングの対応が可能であったのは11日であった。内容は、チームトレーナーの指示を受け、主として疲労回復を目的としたマッサージを含む徒手的療法を行った。対応選手数は、延べ38名で、ポジションの内訳は、投手19名、内野手7名、外野手6名、不明6名であった。<BR> サポートに対応した県士会員は、14名であった。終了後アンケートは、14名中10名から回答を得た(回収率71.4%)。その結果、協力者の平均経験年数は2.8年であった。また、全員が活動への興味から協力を希望し、7名が今後も同様な活動があれば積極的に協力したいと答えた。しかし、今回の貢献度としては、不満足であると答えた者が半数の5名いた。さらに言葉が通じないことに対する不安があるとした者が7名、どのように対応したらいいかわからないとした者は4名であった。<BR>【考察】<BR> 沖縄県は、年間を通じた温暖な気候のため各種スポーツの合宿が盛んに行われている。プロ野球について言えば、今年も日本が1軍8球団2軍4球団、韓国は3球団が春季キャンプを行っている。今回のようなプロのスポーツチームのサポートは日ごろの臨床とは異なった技量が要求され、我々も対応に苦慮するところではある。しかし、沖縄県の県外に対する公益性を考えた時、我々も関与できる可能性を示唆したものと考えられる。対応チームが韓国であったことも考慮すれば、国際的な貢献もあるものと考えられ、今後も同様の依頼があれば積極的に協力すべきと考える。
著者
速水 達也 金子 文成 木塚 朝博
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.47-56, 2008 (Released:2017-02-15)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

本研究では, 体性感覚入力に基づく運動出力調節機能を体性感覚─運動連関機能と定義し, 運動経験による体性感覚─運動連関機能の違いを明らかにすることを目的とした. 対象者を運動経験の差によって運動群と一般群とに分類した. 体性感覚─運動連関機能の測定には, 運動平衡保持法と再現法を用いた. その結果, 運動群は一般群に比して運動平衡保持法の測定結果において有意に優れていた. また, 運動平衡保持法の測定結果には, 関節角度の正確な知覚と, 安定性の高い力発揮が関係していることが認められた. これらのことから, 運動の継続や長期の身体トレーニングを行っている者は体性感覚─運動連関機能に優れ, その背景には体性感覚機能と運動出力機能の向上が関係していることが考えられた.