著者
吉田金一著
出版者
近藤出版社
巻号頁・発行日
1974
著者
守谷 修
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.737-744, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
30
被引用文献数
1

20世紀後半以降、人口減少や地域経済の衰退等による都市の縮退は、日本のみならず欧米の各都市で発生している。都市の縮退に伴って生じる低未利用地が課題となっている一方、これらを都市において新たな緑地を創出するための好機と捉え、積極的に活用していく必要性が指摘されている。そこで、本研究では、都市の縮退を経験したイギリスの産業都市の中でも特にリバプール市を事例に、低未利用地の緑地的活用施策の現状を把握・整理し、日本への示唆について整理することを目的としている。文献調査や市担当者等へのヒアリング、国内事例である柏市のカシニワ制度との比較分析から、本研究は主に以下の点を明らかにした。(1) コミュニティガーデン等による低未利用地の緑地的活用に対する行政の支援は、助成や土地所有者と市民団体等との仲介があり、基本的に住民に近い区単位で実施されている。(2)財政的支援は多様であり、行政だけでなく、宝くじ基金、健康医療機関、企業等から行われている。(3)市民団体等への技術的支援は、社会的企業やNPO等の中間支援組織により提供されている。
著者
竹田 彩夏 川原 晋 野田 満
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.729-736, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
12

本研究の目的は、ケーススタディとして伊勢神宮内宮を用い、口話による観光ガイドツアーとの比較に基づいた手話による観光ガイドツアーの特徴や傾向を明らかにすることである。その上で、ユニバーサルツーリズムの推進を見据え、手話による観光ガイドツアーにおける情報提供の量及び質の向上に向けた考察を行う。本研究では以下の3点が明らかになった。1)手話による観光ガイドツアーを実施する組織には、手話による観光ガイドツアーのみを行う組織と、口話による観光ガイドツアーも実施する組織の2種類が確認されたが、いずれも数は極めて少ない。前者組織内における手話のレベルが一定ではないことや、観光ガイドツアーの実施において、ガイドの説明を視覚的に妨げる障壁の存在が明らかになった。2)口話による観光ガイドツアーに比べて、手話による観光ガイドツアーは話題の数が少なく、そのカテゴリーにも偏りがみられることがわかった。3)同じエリアを対象としていても、手話による観光ガイドツアーと口話によるガイドツアーは経路や停止地点、情報の提供場所等に差異があることが明らかになった。以上より、手話による観光ガイドツアーにおける考察を示した。
出版者
汲古書院
雑誌
東アジアの王権と秩序 : 思想・宗教・儀礼を中心として
巻号頁・発行日
2021-10-04

序言 : 日文研の共同研究会と本論集の趣旨 / 伊東貴之 特別寄稿明朝初期の皇帝権力・文化政策・科挙 / ベンジャミン A・エルマン ; 田尻健太訳「五倫天下関係論」倫理秩序の原理解析 / 張啓雄 ; 瀬尾光平訳公羊伝・注の虚字解釈 / 岩本憲司中世の巡礼者と民衆社会 : 可能思想としての外来仏教 / 上川通夫元禄十六年十二月の七社七寺祈祷・内侍所御神楽と徳川綱吉 : 天皇と将軍に「宗教的機能」とその相剋は存在したのか / 野村玄 第I部 「中華帝国」の形成と確立 : 古代・中世の中国老荘思想と倭国神話 / 保立道久東アジア国家における礼学および礼制の展開とその起源としての荀子礼治思想の特色 / 佐藤將之中国古代における改暦思想 / 長谷部英一皇帝専制支配と中央集権 : 中国古代中世における皇帝・国家をめぐって / 葭森健介前漢初期の「胎教」思想 : 『賈誼新書』胎教篇とその政治的意義 / 工藤卓司『春秋繁露』の郊祀論についての一考察 / 深川真樹班固「両都賦」と張衡「二京賦」 : 後漢知識人の洛陽(雒邑)観 初探 / 井ノ口哲也唐大明宮中枢部の変則的構造とその離宮的性格との関わりについて : 前殿、周制の三朝制、離宮という観点から / 豊田裕章東晋南朝の権力基盤と江南社会 : 晋宋交替期を中心として / 李済滄隋朝における一切経書写の意義 : 「宝台経蔵」をめぐって / 古勝隆一唐初期仏教の思惟形態 / 橘川智昭『史通』の実践性と『文心雕龍』 / 渡邉義浩東アジアの擡頭書式 / 岸本美緒 第II部 「日本」の成立と展開 : 古代・中世の日本日本古代の君主号をめぐって : 特に摂関期について / 倉本一宏鼠と馬をめぐる五行占 : 『日本書紀』が受けた影響と与えた影響 / 水口拓寿日本天台における現実肯定思想と仏身に関わる若干の問題 / 大久保良峻貞観八年の広野河事件について / 王海燕入宋僧関連言説についての覚書 / 手島崇裕公家新制の僧侶過差禁制 / 遠藤基郎皇位をめぐる競馬 / 近藤成一三輪流神道の形成 / 伊藤聡日本の中世後期における「天下」の概念と王権 : 武家の実効支配と天皇の存在意義との関係 / 重田みち 第III部 「東アジア」の「近世」 : 中国の場合北宋藍田呂氏家族墓園にみる家族秩序 / 佐々木愛蘇軾の内丹説 : その特徴と意義 / 横手裕人材を辨ず : 真徳秀『大学衍義』の君主論 / 小島毅全真教と宋代内丹道の融合期における三乗論と頓漸論 : 李道純と牛道淳を中心に / 松下道信『朱子語類』巻一百八「論治道」篇訳注(一) 1条~16条 / 恩田裕正伯夷・叔斉説話をめぐる弁疑とその君主論の含意 : 王直「夷斉十弁」を中心に / 新田元規〈研究ノート〉「中」に悩む劉東星 : 李贄との共鳴、呂坤からの非難 / 林文孝明朝前半期における割股 : 禁令と韓王府への奨諭 / 松野敏之大清帝国の王権と君主位 : マンジュ王権としての一試論 / 杉山清彦身体技法(跪拝)からみる中国における典礼問題の一考察 / 西澤治彦伝統中国の国家・社会論のための一考察 : 「伝統中国をどう捉えるか?」補遺 / 伊東貴之 第IV部 「東アジア」の「近世」 : 日本と朝鮮・韓国五人組帳の思想史的考察 / 前田勉皇統論覚書 : 浅見絅斎『靖献遺言』と朱子学 / 土田健次郎荻生徂徠における儒教儀礼の問題 / 吾妻重二『朱子言論同異攷』成立過程小考 / 中純夫近世東アジアにおける「祭祀共同体」構想 / 澤井啓一アイヌ口承文芸のなかの王権 : 王国を作らなかった東アジアの周縁民族・アイヌの場合から”王権”を考える / 児島恭子反キリスト教文献集『破邪集』の日本における出版とその影響について / 永冨青地幕末期イギリスから見た日本の天皇・将軍・大名の位置づけ : 下関戦争から幕長戦争までを事例として / 田口由香六人部是香における王権と冥界 : 『顕幽順考論』をめぐって / 末木文美士 第V部 「近代」の胎動とダイナミズム近現代東アジアにおける王権の磁場 / 茂木敏夫国際法における中国の歴史的位置づけ / 周圓梁啓超の自然法思想の「発見」 / 李暁東高橋亨の朝鮮思想史学小考 / 権純哲近代国家医療体制の構築をめざして : 近代中国における中、西洋医学論争をめぐって / 李梁現代中国における伝統再帰に関する一思考 / 銭国紅陶徳民氏の著書について / 山村奨言語、プロトコル : 標準化の視点から考察する王権と秩序 / 新井菜穂子 跋文 / 伊東貴之執筆者一覧英文目次
著者
肴倉 宏
出版者
大阪女学院短期大学
雑誌
大阪女学院短期大学紀要 (ISSN:03877744)
巻号頁・発行日
no.24, pp.99-108, 1996-03-01

自由論文自然とそれを覆う闇は、The Last of the Mohicans を構成する重要な要素であるだけでなく、作品のテーマを支える重要な意味をも与えられている。自然と闇は、それぞれ、善と悪を象徴的に示している。 Magua を悪の化身と理解できない Duncan Heyward は、自分が悪にとりつかれていることにも気づかない。その結果、彼は悪の成すがままにされ、彼は与えられている任務を果たすことができないのである。彼は、闇の中で挫折しているのである。彼の挫折の原因は、合理主義的・博愛主義的キリスト教信仰の枠組みから脱却できないためなのである。
著者
肴倉 宏
出版者
大阪女学院短期大学
雑誌
大阪女学院短期大学紀要 (ISSN:03877744)
巻号頁・発行日
no.27, pp.63-72, 1998-03-01

自由論文自然とそれを覆う闇は、The Last of the Mohicans を構成する重要な要素であるだけでなく、作品のテーマを支える重要な意味も与えられている。自然と闇は、それぞれ、善と悪を象徴的に示している。悪の化身 Magua は、Munro に恐ろしい復讐をする。Natty Bumppo は、Munro の苦しみを理解するだけでなく彼を信仰へと導く。彼のおかげで Munro は、Cora が Uncas のメシヤとしての使命を果たすための死によって救いを得たことを知る。Munro と Natty Bumppo の間係は、物語の前半部と後半部で対比されている。前半部では Munro は砦の司令官で、Natty Bumppo は斥候として彼に仕えている。対照的に、後半部では Munro と Natty Bumppo の関係は対等な関係である。
著者
寺口 直希 南 政孝
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.139, no.5, pp.259-263, 2019-05-01 (Released:2019-05-01)
参考文献数
25

A Tesla coil is a resonant transformer circuit that generates very high voltages which are made to arc through the air. Recently, a solid state Tesla coil was produced according to developing the semiconductor. In addition, the solid state Tesla coil makes sound by the air discharge. Hence, the sound is used as musical devices. In the past, the musical solid state Tesla coils are generated by PWM (Pulse Width Modulation) method. However, it is difficult to use the high pitch sound and the tone color. This paper investigates the musical solid state Tesla coil by using not PWM method but PRF (Pulse Repetition Frequency) method. As the result, the proposed musical solid state Tesla coil provides good sound.
著者
久世 妙子 中村 喜美子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.95-102, 1996

少子化が子どもの発達に及ぼす影響を, 子どもの家族認識の視点から考察した.最初に人口動態統計から少子化の実態を家庭の子ども数の変化の面から明らかにした.次に, 1978年に行った「児童の家族に関する認識」の調査を1995年に実施し, 17年間の変化を資料として少子化が児童の発達にどのような影響を与えているかを考察した.<BR>その結果, 次のことが明らかとなった.<BR>(1) 「夫婦が生涯に産んだ子ども数」および「出生順位別出生割合」の推移からみると, 家庭の子ども数は, 少子化が問題とされるようになった1980年代以降でも, きょうだい数は2, 3人が多く, 一人っ子は必ずしも多くない.<BR>(2) 家族の年齢と仕事を知っているかについて質問した.その結果, 年齢を知っている児童の割合が増加していた.なかでも男児の増加率が女児よりも高かった.仕事については, 女児で母親の仕事を知っている児童の割合が増加していた.<BR>(3) 「おとうさん」, 「おかあさん」, 「おじいさん」, 「おばあさん」, 「あかちゃん」という家族名を普通名詞で提示し, 自由連想法によってイメージを記述させた.<BR>父, 祖父, 祖母, 赤ちゃんに対する「児童とのかかわり」のイメージが増加していた.<BR>1978年調査で多かった祖父の無記入が減少した.それに対し, 赤ちゃんに対する無記入は依然として高かった.<BR>(4) 児童の家事分担をその他を含めた30項目について調査した.家庭生活の合理化・近代化の影響を受け, 児童の家事分担の種類には変化がみられた.<BR>食事を作る, もりつける, 自分の部屋の掃除, 風呂を沸かすの参加は増加した.それに対して, 茶わんを洗う, 洗濯物を洗う, 干す, 玄関や庭の掃除, 便所の掃除, 雑巾掛けやからぶき, ふろの水入れ, 食品の買い出し, 戸締まり・火の元の注意, 壊れたところの修理, 花や植木の水やりなどへの参加が減少していた.<BR>(5) おとうさん, おかあさんに対する要望や主張を自由記述形式で記入してもらった.全体的に父母への要望や主張は減少していた.とくに, 父に一緒にして欲しい, 母に買って欲しい・作って欲しいという要望が減少していた.<BR>以上のように, 児童を中心にみた少子化は必ずしもきょうだい数の減少をもたらすものではない.家庭の子ども数は, 一人っ子より2, 3人が多い.さらに, 高齢化により, 身近に高齢者をみることができるようになったことから, 児童の家族の年齢や仕事の認知, 家族のイメージは豊かになった.しかし, 父や母への要望や主張が減少しているという結果からは, 積極的に自己主張をしたり, 日常生活を共にする父母に, 特別な要望や要求を持たなくなっている児童の姿が想像され, 家族関係のあり方が考えさせられる.
著者
今井 栄一
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.14, 2021 (Released:2021-12-18)
参考文献数
21

A flow reactor simulating a submarine hydrothermal system was constructed for examining the likelihood of oligopeptide synthesis from amino acids in chemical evolution. In the flow reactor, is a high-temperature and high-pressure fluids was injected into a low-temperature chamber maintained at almost the same high pressure as the fluid and it is a non-equilibrium open system reactor that is constantly supplies reactants and thermal energy. Here, I describe the configuration of the flow reactor, the experimental results using it, and the problem of the flow reactor as experimental tool for simulating hydrothermal environments.