著者
Tetsuji Hosoda Hitoshi Suzuki Masashi Harada Kimiyuki Tsuchiya Sang-Hoon Han Ya-ping Zhang Alexei P. Kryukov Liang-Kong Lin
出版者
The Genetics Society of Japan
雑誌
Genes & Genetic Systems (ISSN:13417568)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.259-267, 2000 (Released:2002-09-19)
参考文献数
39
被引用文献数
55 67

We compared partial sequences (402 bp) of the mitochondrial cytochrome b gene in 68 individuals of martens (Martes), weasels (Mustela) and their relatives from the Northern Hemisphere to identify the modes of geographic differentiation in each species. We then compared complete sequences (1140 bp) of the gene in 17 species of the family Mustelidae to know the spatial and temporal modes of speciation, constructing linearized trees with transversional substitutions for deeper lineage divergences and with transversions and transitions for younger lineages. Our data suggested that these lineages of Martes and Mustela differentiated in a stepwise fashion with five radiation stages from the generic divergences (stage I) to the intraspecific divergences (stage V), during the last 10 or 20 million years as the fossil evidence suggests. In the lineage of Martes, the first offshoots are of Martes flavigula, M. pennanti, and Gulo gulo (stage II), the second is M. foina (stage III), and the third are M. americana, M. martes, M. melampus, and M. zibellina (stage IV). The divergence of the lineages of Mustela is likely to have taken place concurrently with the radiations of the Martes. These divergence processes are attributable in part to the geographic allocation along the two continents, North America and Eurasia, as well as among peripheral insular domains, such as Taiwan and the Japanese Islands. In addition, the Eurasian continent itself was shown to have been involved in the species diversification in the martens and weasels.
著者
味村 俊樹
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.928-939, 2015 (Released:2015-10-31)
参考文献数
56
被引用文献数
1

便失禁の適切な診断・治療には,ガイドラインなどによる診療の標準化が重要で,それは国際標準に準拠した高い信頼性が求められる.国際失禁会議(International Consultation on Incontinence,ICI)は,尿・便失禁に関する国際的なコンセンサスミーティングで,1998年以来3~4年に1度開催されている.本邦独自の便失禁診療ガイドライン作成に際して,ICIのガイドラインを参考にするのは有意義であり,本稿では2012年にパリで開催された第5回ICIによる最新の便失禁診療ガイドラインを紹介する.しかし前回会議から既に3年が経過し,新たなエビデンスによって推奨度を変更すべき検査や治療法もある.最近,米国結腸直腸外科学会(ASCRS)が最新のエビデンスに基づいた便失禁に対する診療ガイドラインを発表したので,ICIによる推奨度に加えてASCRSによる推奨度も併記する.
著者
王 嵐 危 龍華
出版者
平安女学院大学
雑誌
平安女学院大学研究年報 = Heian Jogakuin University Journal (ISSN:1346227X)
巻号頁・発行日
no.19, pp.65-74, 2019-03

昔から、松は日本人の生活や文化に大きい影響を与えてきた。文学、哲学、庭園のデザイン、芸術だけでなく、飲食習慣、人の生き方にまで松文化の烙印を残した。松を崇拝することは、大体三種類に分けられる。すなわち、松全体、松葉、松明に対する崇拝である。その原因には、松は伸びやかで、風雪にも耐える。その性格は日本人の自然観に合うと言え、いろいろな神話伝説も松をより一層神格化した。中国からの影響も無視できない原因の一つと思われる。そこには主に中国伝統文化の伝来と、中日両国の風俗における類似性が含まれているのである。本稿は日本祭祀の側面から、松が日本人の生活や文化に大きな役割を果たしてきたことを論じ、その原因を考察する。
著者
大桃 洋一郎 津郷 友吉
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.725-728, 1963 (Released:2008-11-21)
参考文献数
11

Sr90およびCs137の牛乳中における分布を明らかにし,牛乳を乳製品に加工した場合に,どの部分に移行するかを知る目的で,トレーサーとして牛乳にSr89およびCs134を添加し,バターおよびチーズを製造して実験を行なった.その結果,バターに移行するSr89およびCs134は非常に少なく,またバター中に移行したSr89およびCs134はすべてバター中の水の相に存在し,脂肪球の皮膜には吸着されていないことが明らかにされた. ゴーダ型チーズにおいては,全乳中のSr89の約45%が生チーズに移行し,カテージチーズにおいては脱脂乳のわずか1.9%が移行するに過ぎないことが確められた.このSr89の移行は,カード形成におけるCaの行動とよく一致することが認められ,牛乳に添加したSr89の32~39%はカゼインに結合した状態で存在することが明らかにされた. 一方, Cs134は,ゴーダ型チーズにおいてもカテージチーズにおいても,全乳または脱脂乳から生チーズへ移行する量が非常に少ないことが認められた.またその移行する割合が同程度であることおよび生チーズをすりつぶして水洗することによって,生チーズ中のCs134のほとんどを除去しうることから,牛乳中のCs134のすべては,ホエー中に存在するものと考えられる.
著者
越智 徹
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.35, pp.215-220, 2017-08-10

筆者は新入生を対象とした,情報リテラシー関連の授業を担当している.2014 年以前では,新入生の PC スキルは年々向上していたと感じられたのに対し,2014 年からは新入生のキーボード操作やファイル操作など,PC スキルが前年度よりも落ちているのではと感じることが多々あった.この原因は,急速なスマートフォンの普及と,それに伴う 「若者の PC 離れ」 があるのではないかと推測し,実態を把握するため 2015 年から 3 年間,新入生に対して PC とスマートフォンに関する調査を行った.本稿では 3 年間実施したこの調査を分析した結果を報告する
著者
菅野 圭祐
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-137, 2016

早大学位記番号:新7487

8 0 0 0 OA 交霊祈祷術

著者
西村天籟 著
出版者
心友社
巻号頁・発行日
1922
著者
佐藤 至 河本 光祐 西川 裕夫 齋藤 憲光 大網 一則 金 一和 津田 修治
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.101, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)ならびにパーフルオロオクタン酸(PFOA)は界面活性剤の一種であり,合成樹脂原料,撥水・撥油剤,コーティング剤など,様々な用途に使用されている。これらは極めて安定性が高いために環境中に長期間残留し,人や多くの野生動物においても蓄積が確認されていることから残留性有機汚染物質に区分される。これらの物質の毒性については肝障害や発癌性などが指摘されているが,未だ十分な情報が得られていない。このため本研究ではPFOSおよびPFOAの神経毒性について検討した。【方法】Wistar系雄ラットまたはICR系雄マウスにPFOSまたはPFOAを経口投与し,一般症状を観察するとともに超音波刺激に対する反応を観察した。また,PFOSを50-200 mg/kg経口投与したラットの大脳皮質,海馬および小脳にニッスル染色を施し,病理組織学的検索を行った。【結 果】PFOSおよびPFOAのマウスおよびラットに対する致死量は約500 mg/kgであった。これ以下の投与量では一時的な体重の減少または増加の抑制が認められたが,その他の一般症状に著変は見られなかった。しかし,PFOSを投与した動物では超音波刺激によって強直性痙攣が誘発された。この痙攣は超音波刺激前にジアゼパムを投与しても抑制されなかった。一方ゾウリムシにおいてPFOSと同じ後退遊泳作用を有したSodium Dodecyl Sulfate(SDS)ならびにSodium Dodecanoylsalcosinateは痙攣を引き起こさなかった。PFOS投与24時間後の脳組織(大脳皮質,海馬,小脳)において,神経突起の短縮または消失,ニッスル小体の減少などの変化が用量依存性に認められた。これらの結果からPFOSは神経毒性を有すると結論される。
著者
小森 陽一
出版者
成城大学
雑誌
成城国文学 (ISSN:09110941)
巻号頁・発行日
no.1, pp.41-52, 1985-03