著者
前田 和甫 大西 佳太郎 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.412, pp.113-118, 2013-01-17

舞踊における動作を、幾何学的形態測定学、および拡張主成分分析の一種である3相PARAFAC(Parallel Factor Analysls)を組み合わせることで解析することを試みた。幾何学的形態測定学は標識点座標を統計解析が容易な正規分布する値に変換する手法である。この手法を用いて、3名の動作者が同じダンスを踊っている際の3次元標識点座標の時系列データを規格化した。規格化されたデータは3相データと見なすことが出来る(すなわち、時系列、標識点、動作者の3相)。この3相データから舞踊動作の因子を抽出するためPARAFACによる分析を行った結果、舞踊の個人特徴に関わる因子が見いだされた。
著者
占部 誠亮
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.495-497, 1953 (Released:2008-04-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
北原 糸子
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.316-327, 2012-11-04

本論は災害史研究において、歴史資料の果たす役割を具体的に示すために、江戸・東京という日本の首都で発生した地震災害のうち、1703 年元禄地震、1855 年安政江戸地震、1923 年関東大震災を対象として、歴史資料を通して、時代の変遷のなかで災害像はどのように変化するのか、あるいは災害の歴史を通じて共通に認められる社会事象とはなにか、すなわち、災害の社会像について考察した。その結果、進歩や開発という理念を持たない近世社会は大災害に遭遇しても都市の基本構造を変えることはなかったが、近代の関東大震災のような都市を焼き尽くす大災害では、災害を好機と捉え、都市計画による都市の再生・復興が行われた。また、本論では特にいまだ元禄地震における江戸市中の被害が明らかになっていない理由が前後の火災の広範な延焼範囲によって地震被害の実相がマスクされた可能性が高いことを指摘した。
著者
広田 照幸
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3/4, pp.137-155, 2006-03-28

本稿は,戦後日本において,歴史社会学的な観点から教育の諸問題を考察した研究の成立と発展をたどり,課題を検討する.1950年代には社会学的な歴史研究の4つの方向が存在した.しかし,1950年代後半からの高度成長によって,それらは途絶した.代わって,1960年前後に歴史研究に着手した若い教育社会学者たちは,機能主義的近代化論に依拠した研究を始めた.それは,当時の教育の課題と密接に関わった歴史研究であった.近代化が達成された後の1970年代半ば~1980年代には,教育社会学者たちは「学歴主義」に注目することで,行き詰まりを免れ,現代社会と密接に関わる歴史研究をまとめることができた.1990年代には教育の歴史社会学の研究成果は量的に増加した.そこでは,これまでの研究がより各論的に追求されるとともに,ポストモダン論などに刺激された言説研究や社会史研究が新たに登場した.しかし,学歴主義の風化,ポストモダン論の変質,大胆な教育改革などの社会の変化は,歴史研究の現代的意義を希薄なものにしてしまった.教育の歴史社会学は,現代社会の変化をふまえた,新たな問題の立て方を必要としている.

8 0 0 0 OA 戦争と貞操

著者
島影盟 著
出版者
大東京出版社
巻号頁・発行日
1937
著者
岡村 陽子
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-7, 2016-03

臨床神経心理士(Clinical Neuropsychologist)とは,脳と行動の関係について理解し,神経心理学的な知識に基づいて評価や治療的な介入を行う専門職である。イギリスの臨床神経心理士資格はQualification in Clinical Neuropsychology: QiCN といい,イギリス心理学会により認定されている。2003年にスタートしたQiCN は,臨床心理の博士課程3年間を終了した後,臨床心理士としてHCPC に登録し,臨床神経心理学の修士に該当するDiploma を取得するなどして臨床神経心理学に関する十分な知識を持っていること,臨床神経心理学分野の十分な研究能力を有していること,臨床神経心理学の実践を行う能力が十分にあることという条件を満たすことで認定を受けられる。現在グラスゴー大学,UCL,ブリストル大学に臨床神経心理学の課程が設置されている。日本においても,臨床神経心理学の教育プログラムが充実することが期待される。
著者
垣内 俊彦 大枝 敏 岩根 紳治 泉 夏美 松尾 宗明 江口 有一郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.376-381, 2016-08-19 (Released:2016-09-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1

妊婦健診における肝炎ウイルス検査について受検の認識があるかどうかを明らかにするためアンケート調査をおこなった.2014年6月~7月の間に,1歳6か月児健診児の母親108名を対象とした.妊婦健診時にHBs抗原・HCV抗体検査を受けたことを認識しているのは,それぞれ47%,45%であった.また,検査の意義を理解している者は21%,22%と低値であった.2回以上測定されている経産婦においても認知度・理解度の上昇が得られることがなく,非医療者でその傾向がさらに強まる傾向であった.B型肝炎ワクチンの認知についても同様に非医療者で有意に低かった.最終的に無駄な肝炎検査を避け,肝炎検査を理解するためには,妊婦健診やB型肝炎ワクチンを実施する医療者による分りやすい表現や説明が重要である.
著者
外山 友里絵 中村 文彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.343-348, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
15

本研究は、BRT(Bus Rapid Transit)を開発途上国大中都市に導入する際の課題を明らかにすることを目的とする。幹線輸送としての需要がありながらも、財源不足などの理由により軌道系を導入することが困難な開発途上国大都市において、専用道路を走行するバスをベースとした新しい交通システムであるBRTは注目に値する選択肢である。1974年に導入されたクリチバ市以降、近年では多くの都市で導入が進んできているが、計画段階の事例も少なくない。先行事例及び調査研究事例のレビューに基づき、クリチバ市、ボゴタ市、ジャカルタ市の3事例の分析が必要十分との判断のもと、現地調査に基づき比較分析を行った。結果として、専用道路や駅などの基盤施設の丁寧な設計が欠かせないこと、速達性、定時性、輸送能力などの指標の向上には、十分な基盤施設整備のもとでの運用面における工夫の導入が不可欠なこと、運用面での工夫等において情報通信技術が果しえる役割は大きく、費用効果をもたらす可能性があること、システムの性能向上に、人材教育面での投資が有用なこと、などが考察された。
著者
江上敏哲
巻号頁・発行日
pp.1-119, 2007

平成19年度図書系職員海外調査研修 派遣先: ハーバード・イェンチン図書館, 2007年4月~2008年3月