著者
二宮 一枝 名越 恵美
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF HEALTH AND WELFARE SCIENCE, OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.163-168, 2015-03-12

南オーストラリア州の看護師教育は大学(3 年間)で、准看護師はTAFE(18 ヶ月)で行われている。免許は毎年20 時間の継続学修をうけて更新する。 看護師は侵襲性の高い処置を行い、開業助産師は薬剤の処方権を有し、高度実践看護師(専門看護師CNSとナースプラクテショナー)も活躍している。保健師免許はないが、コミュニティではCNSが、州政府の看護行政担当にはコミュニティや看護管理経験等が必要である。小学校では教職員が州のマニュアルに基づき、輪番でファーストエイドを行っている。 州政府は“Nursing and Midwifery Strategic Framework 2013-2015” に基づき、看護の質向上に努めている。アデレイド大学の看護基礎教育はロイヤルアデレイド病院等と連携して Nursing and Midwifery Board of Australia の規定に基づくカリキュラムに沿って行われている。
著者
栗原 拓也 木下 尚洋 山口 竜之介 横溝 有希子 竹腰 美夏 馬場 哲晃 北原 鉄朗
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.1073-1092, 2017-05-15

本稿では,カラオケにおいて歌ってない人に対してタンバリンの演奏を促すことで,歌ってない人もカラオケを楽しみ,盛り上げることができるシステムを提案する.カラオケに行った際に,歌われている曲を知らなかったり,どのようにして一緒に盛り上げてよいか分からず,ただ曲を聴いているだけで退屈をしてしまう人は少なくない.そのような場合に対して,カラオケ店に置いてあるタンバリンの使用を促すため,どのようにタンバリンを演奏するか自動で生成・表示し,ゲーム風の画面により正しく叩けているかをフィードバックする.しかし,これだけではタンバリン演奏者が1人でタンバリンの演奏をゲーム感覚で楽しんでしまい,歌唱者や他の人と一体になってカラオケを楽しむ目的からは外れてしまう可能性がある.そこで,歌唱者も含めて全員がタンバリン演奏に参加するようにする.システムを実装し,実際にカラオケ店で実験したところ,次の可能性が示唆された.(I)本システムによりワンパターンなタンバリン演奏を防ぐことができる.(II)タンバリン奏者が知らない楽曲に対しては,譜面の表示によりタンバリンを演奏しやすくなる.(III)カラオケの一体感を高めるには,全員がタンバリン演奏に参加することが効果的である.一方,次のような課題も明らかになった.(i)生成されるタンバリン譜の難度が高く,正確なリズムで演奏できない場合があり,その場合むしろ歌いにくくなる.(ii)タンバリン演奏がうるさく感じられる場合がある.(iii)歌い手がタンバリンを叩く際に,歌いながらタンバリンを叩くのが難しい場合がある.
著者
柏木 恭典
雑誌
千葉経済大学短期大学部研究紀要 = Bulletin of Chiba Keizai College (ISSN:13498312)
巻号頁・発行日
no.6, pp.85-94,

This thesis discusses the problem of the family and the divorce in German speaking countries. First lyrics of a German song(G-POP) will be analyzed and interpreted. And, the difference of the understanding of the divorce between in Germany and in Japan is clarified. The latest issue of the family studies in German speaking countries will be continuously clarified. Finally, the problem of the concept of the patchwork-family will be described. A positive meaning of the divorce in German speaking countries will be clarified through this research. In German: Scheidungskind und seine Umgebung in den deutschsprachigen Landern.
著者
遠藤 由紀子
雑誌
昭和女子大学女性文化研究所紀要 = Bulletin of the Institute of Women's Culture,Showa Women's University (ISSN:09160957)
巻号頁・発行日
no.45, pp.13-36, 2018-03-31

Yamakawa was the chief retainer of the Aizu Domain at the end of the Edo Period. TheYamakawa family comprised seven siblings, of whom the first son Hiroshi, second son Kenjiro,and fifth daughter Sutematsu were famous. This paper clarified the life of the second daughter Miwathat has remained unknown to date. Miwa moved to the border of the Shimokita Peninsula when theAizu Domain was reconstructed as the Tonami Domain after the Boshin War. Her husband MasaeiSakurai worked as the principal of an elementary school. In 1886, all members of her family settledin Nemuro as a colony because her first son Yasuhiko was recruited as militia settlement. Miwadelivered five sons and five daughters. As she was education-obsessed, she sent most of them toTokyo from Nemuro and let them live in the Yamakawa family home as students. All brothers andsisters of the Yamakawa family maintained harmonious relations and supported each other wellinto adulthood. Miwa was an ideal, dutiful wife and devoted mother who always stayed with herhusband and educated her children over the course of her lifetime, though she taught sewing at onetime in her life.
著者
大塲 洋介 宮下 芳明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-199, no.2, pp.1-8, 2022-08-15

MacBook Pro(2021)にはディスプレイの上端中央にノッチ(描画が行われない黒い領域)が配置された.デフォルトのカーソルサイズの場合,このノッチとカーソルが重なると,カーソルの全部もしくは一部が隠れてしまう状況が観察された.このような状況下では,ユーザはノッチ内でのカーソルの位置がわからなくなったり,カーソルを見失ってしまったりする可能性がある.それにより,ノッチを回避する経路をとったり,ノッチ付近で慎重に操作したりすることで操作時間が増加するかもしれない.本研究では,画面上端にあるターゲットから,同じく画面上端にある他のターゲットを選択する場合(例えば,メニューバーの「ファイル」項目を選択後,「検索」項目を選択する場合),ノッチが操作時間に与える影響を調査した.結果,本実験条件のうち,ノッチがターゲットの間にある条件では,操作時間が約 11.8% 増加することがわかった.
著者
小池 淳一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.225, pp.351-369, 2021-03-31

漆は日本列島上の生活文化において|きわめて重要な役割を果たしてきた。産業構造の変化によって|漆の位相は前近代とは大きく異なってしまっている。端的に漆の価値と社会的な重要性は大幅に低下したといってよい。その点で漆は過去のものになりつつある。しかし|だからといって民俗的な価値はなく|その追究は不要であるということはない。本稿では|かつての生活の諸場面における漆の様相を民俗学の立場から総合的にとらえていくための予備的な考察をおこなう。そのために|ここではまず|従来の民俗学における漆をめぐる調査|研究の成果をふり返り|そこでの問題意識と具体的な調査内容とを確認する。次に漆をめぐるさまざまな民俗事象が形成される背景となったであろう漆栽培とその樹液をめぐる近世の様相を|北奥羽地方(弘前藩)の史資料をもとに確認する。さらに漆をめぐって伝承されてきた俗信や説話をとりあげ|そこから見出される生活世界における漆の問題を考えてみたい。つまり本稿では|近世期以降の漆をめぐる史資料を概観し|漆の民俗研究を進めるための問題群を確認することを目標とし|課題の解決というよりも漆をめぐる民俗学的な課題の確認とこれからの考察の方向性とを提出することを試みるものである。結論として|漆をめぐる民俗的な研究課題としては|第1に木材としての漆の生態と利用|第2に地域のなかでの漆の生産と技術|第3に遠隔地をむすぶ漆の樹液の流通と人びとの移動|第4に近代化過程における漆の位相|第5に漆をめぐる俗信と説話およびその背景|といったものが挙げられるということが導き出せた。
著者
隅谷 孝洋
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.501, 2022-08-15

学校の授業の資料を作る際に他者著作物を使う場合,著作権法第32条の「引用しての利用」か著作権法第35条の「授業目的の複製・公衆送信など」のどちらかを適用して著作権者の許諾なく使うことが多い.どっちでも適用できる場合にはどうするのか,考える材料を提供する.
著者
河野 銀子
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of the Teacher Training Research Center attached to the Faculty of Education, Art and Science, Yamagata University (ISSN:18819176)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.7-16, 2013-03-12

本稿は,理工系学部を専攻する女性が少ない一因を考察するため大学入試に着目してその実態を把握し,先行研究に新たな知見を与えることを目的としている。全国の理工系大学・学部(394)を対象とした調査(「男女別大学入学者調査」) を実施したところ,その入学者数が男女別に判明したのは299学部(国立110,公立31,私立158)であった。そのうち,女性学生比率が30パーセント以上の理工系大学・学部を「高比率群」として,大学特性を分析した。しかし,該当する学部が65しかなく,それらの所在地や女性教員比率の特性を一般化するにはサンプルが少ないと思われた。一方で,入試状況の分析からは「高比率群」に該当する学部に関する知見が得られた。「低比率群」(女性学生比率10%以下)が,受験機会が多く,入試科目が少なく,合格が難しくない理工系学部であったのに対し「高比率群」は,受験機会が少なく,入試科目が多く,超難関に次く守合格難易度の理工系であった。つまり,理工系学部を希望する女子高校生たちは,合格しやすい学部を選択しない傾向があることが明らかになった。理工系学部に女性の学生が少ない一因として「積極的選択層」のみが入学していることを挙げた。 キーワード:男女共同参画基本計画, 科学技術基本計画, 理工系人材, 進路選択, ジェンダー, 大学入試