著者
二神 弘子 藤原 宏子
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.48-50, 2019 (Released:2019-04-19)
参考文献数
8
著者
飯村 大智
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.410-415, 2016 (Released:2016-11-29)
参考文献数
9
被引用文献数
1

吃音が就労にさまざまな影響を与えることが国外の研究で指摘されているが,本邦で吃音に関する就労調査はごくわずかである.本調査では吃音者55名を対象に就労に関する質問紙調査を実施したので報告する.結果,多くの回答者は吃音が職業選択に影響を与え,就労後には電話を始めとした場面で困難を抱えていることが示唆された.半数の回答者が吃音の理解を周囲から得られており,吃音のカミングアウト(周囲に表明)をしていない人よりもしている人のほうが,また事務職よりも専門・技術職の人のほうが,より吃音の理解を得られていることが示された.「吃音を理解する」「言葉が出るまで待つ」のような環境面での合理的配慮の必要性が示唆される.
著者
深津 章子 宮本 佳代子 大久保 研之 池本 真二
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.678-685, 2018-10-30 (Released:2018-10-30)
参考文献数
20

低炭水化物食に伴う脂質摂取量の増加が若年女性の糖質・脂質代謝に及ぼす影響を評価した.クロス・オーバー方式にて,早朝に各試験食を負荷した後,次の食事(セカンドミール)として共通の昼食を摂取させて,摂取前後の血糖値,血清インスリン,遊離脂肪酸,中性脂肪,ケトン体濃度,およびヘパリン静注前血清リポ蛋白リパーゼ量を測定した.試験食は標準(Control)食(炭水化物:C 60 %,脂質:F 25 %),低炭水化物・標準脂質(LCAF)食(C 30 %,F 25 %),低炭水化物・高脂質(LCHF)食(C 30 %,F 45 %)である.LCAF食とLCHF食は朝食後の血糖上昇を抑制したが,昼食後の血糖値はControl食に比し,LCHF食で上昇しLCAF食で抑制した.LCHF食のセカンドミール摂取前後の遊離脂肪酸と摂取後のインスリンは高値を示したことから,LCHF食はインスリン抵抗性を惹起したと考えられた.
著者
井関 真理 中山 博輝 渡邊 睦房 内堀 歩 千葉 厚郎 水谷 真之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001750, (Released:2022-06-24)
参考文献数
27
被引用文献数
1

症例は43歳女性.コミナティ‍®(BNT162b2,ファイザー社)接種後に異常感覚と筋力低下,嚥下障害,高度の深部感覚障害を自覚し,当科を受診した.腱反射は消失,髄液検査は正常,抗ガングリオシド抗体は陰性で,神経伝導速度検査ではF波の出現率の低下を認めた.ワクチン接種による自己免疫性の末梢神経障害と考え血漿交換を行ったところ,症状は改善したが深部感覚障害は残存した.新型コロナウイルス感染(coronavirus disease 2019,以下COVID-19と略記)後およびCOVID-19ワクチン接種後に末梢神経障害を生じた既報例を本例と比較すると,深部感覚障害がめだつ点が特徴的だった.

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出版者
日本放送教育協会
巻号頁・発行日
vol.40(1), no.434, 1985-04
著者
粟屋 仁美
出版者
経営哲学学会
雑誌
経営哲学 (ISSN:18843476)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.60-74, 2020-10-31 (Released:2021-06-08)
参考文献数
22

本稿は、カープにより広島に生じた経済効果を地域活性化と捉え、その背景と要因を、ファンとカープ球団間の関係に解を求め考察したものである。プロ野球ビジネスの変遷は、プロ野球団を所有する親会社の産業の変化、技術の発展によるメディアの変化等、コンテクストの面より確認できる。特にプロ野球再編問題が生じて以降の親会社の産業やメディアの変化は、球団のファンへのアプローチ手法を変えた。時を同じくしてSNS等が普及したことで、ファンは多様化し、贔屓球団も偏りが低減した。これはプロ野球団のドメインが変わったといえる。このようにプロ野球ビジネスが変遷する中で、カープは他球団と異なる特色をいくつか持つ。個人所有の球団であり、親会社の影響を受けることもなく、個人経営者が広島に対するコミットメントを愚直に遂行していることや、球団の創設や球場の建築は、広島の経済界、自治体、住民により発意されコスト負担がなされてきたことである。考察の結果、広島に居を構えるカープファンは、株主的機能と類似した所有者意識を有していることを導出した。よってカープ球団により生じた現在の広島の地域活性化は、カープの広島に対するコミットメントとカープの株主機能的なステークホルダーにより生じたものといえよう。球団、ファン等の個の最適が、プロ野球全体のコンテクストとあいまって、広島全体が活性化され全体最適を生じているとも解釈できる。