著者
笠原 博幸 下津 克己
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.451-470, 2015-03-26 (Released:2016-02-12)
参考文献数
43

動的離散選択モデルを用いた計量経済分析では,観測されない異質性を適切に扱うことは重要な課題である.有限混合モデルは観測されない異質性を柔軟に扱うことが可能なため,多くの動的離散選択モデルを用いた実証研究において使用されてきた.しかしながら,近年までは,有限混合モデルを用いた動的離散選択モデルのノンパラメトリック識別の可能性に関しては,研究成果が乏しかったこともあり,否定的な見解が一般的であった.本論文では,Kasahara and Shimotsu (2009, 2014a)の内容をレビューし,有限混合モデルを用いた動的離散選択モデルのノンパラメトリック識別を可能とする比較的現実的な(時系列の長さ・定常性・一次マルコフ性などの)十分条件を紹介する.また,有限混合モデルにおける要素数の下限値の識別条件とその推定方法に関しても議論する.
著者
岩手県総務部統計課 編
出版者
岩手県総務部統計課
巻号頁・発行日
vol.昭和25年 第1編 土地・気象・戸口・その他, 1952
著者
藤枝 崇史 新井 淳也 大村 圭 藤田 智成
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2012-OS-120, no.7, pp.1-8, 2012-02-21

近年,多数のコンピュータを組み合わせることで性能のスケールアウトや冗長化を実現する分散システムの需要が高まっている.分散システムを開発する際には一貫性の保証が焦点となる.強い一貫性は可用性を犠牲にするため,応答速度が重視される Web サービス等のシステムとの相性が悪い.この問題を解決する一貫性に,結果整合性というモデルが存在する.しかし,結果整合性を利用する分散システムの開発は困難である.本論文で紹介する Bloom は,分散システム開発をターゲットとしたプログラミング言語である.Bloom には,結果整合性を利用する処理を簡便に記述できる,一貫性を厳密に保証すべき処理と結果整合性を利用しても良い処理の判別を自動的に行うことが可能である,などの特徴がある.本論文では,Bloom の処理系である Bud の内部実装の解析と,実行速度の評価を行った.評価の結果,Bloom のプログラム内で扱うデータ量が増えるほどにアクセス速度が増加するため,1000 個のデータを扱う場合,Bud のプログラムの処理速度は Ruby の 100 倍前後遅いという結果が得られた.
著者
浅原 慶之
出版者
社団法人 日本分光学会
雑誌
分光研究 (ISSN:00387002)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.249-258, 1996-10-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
12
出版者
東京市江戸川区
巻号頁・発行日
vol.第1回, 1935
著者
笠井 直人 溝井 和夫 小沼 武英
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.415-420, 1982-04-10

I.はじめに わが国における平時の頭部銃創の報告は欧米に比し非常に少なく,あっても自殺による銃創が多いためか,その予後は極めて悪い.今回われわれは,近距離からピストルの射撃を受け,脳内血腫を来たし昏睡に陥った幼児を手術により幸いにも救命しえたので,治療上の問題とともに若干の考察を加え報告する.

1 0 0 0 佛隴百絶

著者
(釋)靈如佛隴著
出版者
破有菴
巻号頁・発行日
1829
著者
野林 厚志 野林 厚志
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.407-437, 2019

本稿の目的は,台湾において甘味を嗜好する食文化が形成された過程をその基盤をになった砂糖の歴史生態を視点に組み込みながら明らかにすることである。台湾社会における甘味をもった飲食物の定着,経済構造の変化や健康意識の変化の過程を,主として歴史文献や民族誌的記述,砂糖生産に関する諸資料をもとに推論してみたい。特に,植民地統治期(1895 ~ 1945 年)における甘味をもった食文化の定着とそれを支えた砂糖生産の確立する過程を示す。現在,台湾における糖質の過剰摂取の一つの要因とされている泡沫紅茶や加糖果汁に台湾の人たちが親しんでいったのは,種類は違えど,砂糖を用いた甘味飲食物が台湾社会全体に定着していく歴史生態学的な背景があったことが理解できる。This paper presents a description of how Taiwanese people have come toprefer sweet foods and beverages from the perspective of historical ecologyof sugar, which has an important role in preference. The process of consolidatingsweet foods and beverages in Taiwan society and the changes of economicstructure and health consciousness are discussed using historical sugarproduction records and ethnographic descriptions of foods recorded duringJapanese colonial periods (1895–1945). Taiwan has a historical ecology bywhich people tasted sweet foods and beverages, producing the background ofthe present day: Taiwanese people continue to prefer sweet drinks such asbubble tea.