著者
浜中 新吾
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.178-190,227, 2005-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
43

イスラエルでは首相公選制導入後,議会で多くの政党が乱立するようになり,公選首相が連立政権の維持に精力を注がざるを得ない状況に陥った。政党乱立の要因は有権者の「分裂投票」にあるとされたが,「分裂投票」をつくりだしたメカニズムについては十分明らかにされてきたとは言えない。そこで本稿では「首相公選制度下では誠実投票インセンティブが生じ,有権者の選好に沿った投票行動が強まった」という仮説を立て,統計的に検証した。条件付ロジットモデルによって検証した結果,仮説は支持された。よって本稿は次のように結論した。首相公選制度導入前と廃止後の選挙では,政府選択の機会と議会構成の選択機会が不可分であるため,連立政権での政府選択を優先する投票がありうる。しかし首相公選制度下では,有権者は誠実投票を行うと考えられる。よって首相公選期には多党化が進むことになった。
著者
ケビンサニー 岡﨑 三郎 髙桑 脩 松永 久生 船越 裕亮 沖田 耕一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス 2019 (ISSN:24242845)
巻号頁・発行日
pp.OS0319, 2019 (Released:2020-05-25)

Tension-compression fatigue tests were conducted on non-charged and hydrogen-charged additively manufactured Ni-based superalloy 718 to investigate the effect of solute hydrogen on the fatigue strength properties of the material. The surface condition of the specimens was either as-built or mechanically-polished, aiming to clarify the effect of process-induced defects and roughness on the property. Fractographic observations using a scanning electron microscope manifested that process-induced defects existed at the fracture origin of as-built specimens, whereas such defects were not observed in the mechanically-polished specimens. However, both the fatigue life and the fatigue limit of the specimens were neither affected by surface condition nor by hydrogen. The results revealed that (1) the defects were not detrimental to the fatigue strength of the material due to its large defect-size tolerance accounted to its coarse-grained microstructure, based on comparison with previous studies conducted on forged Alloy 718, and (2) hydrogen caused no remarkable influence on both crack growth rate and crack growth threshold of the material.
著者
久野 マリ子
出版者
國學院大學
雑誌
國學院雑誌 (ISSN:02882051)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.14-15, 2019-01
著者
江澤 郁子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.898-902, 1985-11-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
味岡 均 鬼原 英道 大平 千之
出版者
岩手医科大学歯学会
雑誌
岩手医科大学歯学雑誌 (ISSN:03851311)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-13, 2015-04-23 (Released:2017-03-05)
参考文献数
33

本研究の目的は,デジタルスキャニングデバイスである口腔内スキャナーと歯科技工用スキャナーを用いてインプラントアバットメント間の距離の真度と精度を比較し,その有用性を評価検討することである.インプラント実習用顎歯模型に外側性六角構造を有する2本のインプラント体を埋入した.それぞれのインプラント体にボールアバットメントを装着し,ボールの中心間の距離の測定を行った.接触式三次元座標測定機による測定値と,口腔内スキャナーであるLava COSとTRIOS,歯科技工用スキャナーであるARCTICAの測定値を比較し,それぞれの距離の真度と精度を評価した.真度に関して,Lava COSはTRIOS,ARCTICAと比較して有意な差(p<0.05)を認めた.また精度に関しては,Lava COSとARCTICAの間に有意な差(p<0.05)を認めた,真度と精度の偏差はARCTICAが最も小さく,Lava COSが最も大きかった.さらに,口腔内スキャナーによる測定誤差は,術者によっても有意な差(p<0.05)が認められることがあった.本研究の結果より,歯科技工用スキャナーは一度に広範囲の撮影が可能なため,安定した真度と精度を有すると考えられる.一方,口腔内スキャナーは小さな三次元画像をつなぎ合わせることでデータの結合を行なうので誤差が蓄積しやすいと考えられる.そのため口腔内スキャナーは長い区間の撮影において誤差が増大する傾向がみられたが,口腔内スキャナーの中には歯科技工用スキャナーと同等の真度と精度を有するものも存在した.口腔内スキャナーは印象材の歪みや石膏膨張の影響を受けないという特徴より真の値に近い寸法再現性が期待されたが,上記結果から,口腔内スキャナーは従来の印象法に比較して,真度の点でわずかに劣る可能性が示唆された.

1 0 0 0 林業叢書

著者
農林省山林局 編
出版者
東亜印刷
巻号頁・発行日
vol.第1輯, 1933
著者
依藤 彰記 細谷 友雅 岡本 真奈 粕本 愉美 五味 文
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1527-1533, 2019-12-05

ブリモニジン酒石酸塩点眼液(アイファガンⓇ,以下BT)の主な副作用として結膜充血,アレルギー性結膜炎などがあるが,角膜炎の報告は少ない。BT使用の経過中に発症した角膜実質炎3例を報告する。【症例1】62歳女性。4年前から両眼にBTならびに緑内障治療薬2剤を使用。右眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存し,矯正視力0.8と低下した。抗ヘルペス薬は中止したが再燃はない。【症例2】79歳女性。6年前から両眼にBTほか2剤を使用。左眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の新生血管を伴う濃厚な弧状角膜混濁を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。視力低下は認めなかった。【症例3】76歳男性。3年前から両眼にBTとヒアルロン酸点眼液を使用。左眼耳下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血,濾胞を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。全例BT使用中に出現した角膜炎であること,角膜ヘルペスの既往はないこと,実質深層の新生血管を伴う角膜周辺部病変で,既報の所見に類似していることから,BTが発症に関与した可能性のある角膜実質炎と診断した。緑内障治療中の患者に周辺部角膜実質炎をみたら,BT使用歴の確認も必要である。
著者
吉峰 正彌 山﨑 廉平 岡崎 加奈 小木曽 令実 鴨井 久博 浅木 英理
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.58-73, 2020-06-30 (Released:2020-06-26)
参考文献数
26

TiO2の光触媒機能,太陽電池を搭載した歯ブラシが,口腔内環境の改善に有用であることが報告されているため,本研究では,それらを応用した歯ブラシであるSOLADEY N4Ⓡ(株式会社シケン)を用いて,ブラッシングによるプラークコントロールの改善効果を,臨床パラメーターから検討した。被験者は,SPTに移行した10名とし,5名ずつ第1群,第2群に封筒法にて割り付けたクロスオーバー試験とし,1クールを4週間として,TBI後に第1クール,第2クールにてSOLADEY N4Ⓡ,プラセボを各被験者に交互に使用させ,それぞれをTEST群,CONTROL群とした。診査項目は,Rustogi Modification Navy Plaque Index(RMNPI)によるデンタルプラークの付着状態,歯肉溝滲出液(以下GCF量),口腔内細菌数とした。その結果,TEST群ではCONTROL群と比較して,SOLADEY N4Ⓡの使用により,口腔内全体,平滑面,歯頚部,隣接面全ての部位で,よりプラーク付着の抑制が認められ,それに伴いGCF量の減少,口腔内細菌数の減少が認められた。SOLADEY N4ⓇをTBI後に継続的に使用することで,TiO2の光触媒抗菌作用によりプラークコントロールが良好に維持,改善され,それに付随してGCF量および口腔内細菌数の口腔内環境も改善が認められることが判明した。