著者
長谷部 ゆかり 齋藤 文子 ハセベ ユカリ サイトウ アヤコ Yukari Hasebe Ayako Saitoh
雑誌
聖泉論叢
巻号頁・発行日
no.17, pp.167-179, 2010

老年期を目前にした更年期にある女性は,閉経,子どもの独立など様々なライフイベントの変化からもストレスが蓄積し更年期うつ病や更年期障害などを引き起こす危険性がある1)。このため,医療職者は更年期女性の健康管理に着目し,心身の健康を保持するようなサポートが必要だと考える。高齢者には,老徴の現れとともに身だしなみやおしゃれに対して消極的になる傾向があり,心身ともに老化を促進させる要因となる2)との報告があり,化粧療法などの生活意欲向上方法が提案されている。一方,加齢とともに機会が減少するような結婚式などの非日常的なイベント時の装飾が生活意欲向上にどのように影響するのか報告された例はない。今回,更年期女性に対しウエディングドレス着用というイベントを提供した結果,精神的側面への影響を認めた。
著者
YADA Takuya KAWASAKI Tsubasa
出版者
脳機能とリハビリテーション研究会
雑誌
Journal of Rehabilitation Neurosciences (ISSN:24342629)
巻号頁・発行日
pp.190520, (Released:2020-05-14)

両側延髄内側梗塞例は希有な症例であり,予後を含む詳細な臨床所見を記載した報告例は乏しい.われわれは,同部位梗塞後に予後良好であった症例を経験した.本症例における臨床所見,特に運動機能障害に着眼した評価結果について報告する.症例は40歳代の男性であり,左上下肢の動かしづらさを自覚した翌日に当院を受診し,入院した.第2病日の拡散強調画像において両側延髄内側(錐体,下オリーブ核,内側毛帯を含む)に高信号域がみられた.第2-3病日において,Brunnstrom recovery stage(BRS)はVI-VI-VI / V-V-V(上肢-手指-下肢, 右 / 左),Scale for the assessment and rating of ataxia(SARA)は合計9点(歩行3,立位2,坐位2,指追い試験0/1, 鼻-指試験0/1, 踵-すね試験0/2, 右/左),Functional independence measure(FIM)は121点(減点項目: 移動項目5点, 階段4点)であった.第15病日において,SARAは合計6.5点(歩行2, 立位1, 坐位2, 指追い試験0/1, 鼻-指試験0/1, 踵-すね試験0/1),FIMは124点(減点項目: 階段)に改善したが,BRSに変化は認められなかった.本症例は,体幹や左側上下肢の軽度運動機能障害が残存したが,第15病日にはFIMにて階段以外の日常生活活動が完全に自立した.
著者
原 萃子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.76-85, 1988-02-25

ここ数年来,学術研究の国際交流が学術審議会の答申1)などの影響もあってか,従来の一方交通的かつ先進国志向の交流のみならず,国際協力という意図を強化した交流のあり方が考慮されるようになってきたと身近なところで感ずる. 新潟大学医療技術短期大学部(本学)は,1986年の年の瀬もおしせまった12月24日,私たちにとっては正に近くて遠い国であった大韓民国々立清州専門大学(〒310忠清北道清州市司倉洞山53番地)と姉妹校関係の調印式を行い,主として看護学の領域で交流を深めていくことになった.
著者
芦原 義弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.97-98, 1990-01-15

臨床検査に用いられるアルカリホスファターゼの基質としては,従来より比色測定用のp-ニトロフェニルリン酸(PNP)が知られている.また,高感度基質としては4-メチルウンベリフェリルリン酸(4MUP)が一般的である.これらは臨床検査の分野では生化学のみならず,免疫血清でのEIAの標識酵素であるアルカリホスファターゼの基質として利用されている.一方,EIAにおける迅速,高感度化にともない,化学発光あるいは生物発光法が注目されている.本稿では,最近報告されたアルカリホスファターゼの新規な化学発光基質(AMPPD)の反応原理,その特徴,応用について述べる. 1988年,米国のDr.Bronsteinらは,アルカリホスファターゼの安定な化学発光基質3-(2'-spiroadamantane)4-methoxy-4-(3"-phosphoryloxy)phenyl-1,2-dioxetane(AMPPD)を合成した1).その構造は図1の(Ⅰ)に示すように,ジオキセタンに結合するフェニルリン酸とジオキセタン骨格を立体的に安定化させるアダマンチル基よりなる.このAMPPDは酵素により加水分解されて,比較的不安定な中間体(Ⅱ)となる.この化合物はアルカリ溶液中でジオキセタン骨格が開裂して,1重項励起状態のm-ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(Ⅲ)とアダマンタノンになる.この励起化合物(Ⅲ)は波長470nmの光を発して基底状態に戻る.この反応は酵素で励起化合物の生成をくり返すため,酵素反応時間20分~30分で発光量がプラトーになる増幅型となっている.アルカリホスファターゼのこの基質に対するKm値は2×10-4mol/lであってPNPや4MUPと類似しており,基質の親和性にアダマンチル基は影響していない.
著者
中田 利一
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.538-543, 1972-02-28 (Released:2009-02-17)
参考文献数
21
被引用文献数
9 9

Tumor cells (Ehrlich ascites tumor, Yoshida sarcoma, Spontaneous mammary tumor of a female C3H mouse, 20-methylcholanthrene-induced sarcoma of a male DDD mouse, and 20-methylcholanthrene-induced sarcoma of a male C3H mouse) treated with more than 2.77×10-3M allicin contained in fresh garlic extract did not produce tumor and no animal died during observation period.
著者
有田 具弘
出版者
先駆社
雑誌
先駆
巻号頁・発行日
no.983, pp.21-23, 2020-04

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1947年04月28日, 1947-04-28
著者
田端 佑介 柴 かつよ
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.33-37, 2013-10-31 (Released:2019-04-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究は度々頻尿行動が発現した自閉症児に対して、排尿の回数を軽減させ、適切な排泄行動を再確立することを目的として介入を行い、その効果を検討した。本事例は特に疾患がなく実際には尿が出ないか、極僅かしか出ないにも関わらず、トイレに行きたがる行動が度々発現し、両親の生活面の負担が増加していた。生活面の調査を行い、生活面の指導、両親へトイレット・トレーニングのフォローなどを行った。介入の結果、適切な排泄行動を再確立することができ、介入終了後においても適切な排泄行動が維持された。
著者
山邉 素子
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.245-253, 2001

本研究はロジャーズの看護論の人間と環境の概念枠組みをもとに、日本の病院・病床環境における文献研究を1982年~1997年に発表された論文について検討した。1.病院・病床環境に関する文献数は日本では336篇、海外では(1982年~1997年の16年間)846篇であった。しかしながら、ここ数年、日本では文献数が増加傾向にあった。2.「病院」「看護」「環境」のキーワードでは、日本17篇、海外文献数150篇であった。3.日本の病院・病床に関して最も多かった研究は病原微生物の分布状況や汚染状況に関する88篇で、患者のQOLの向上に寄与する研究は少なかった。4.心理学的、社会学的、文化的要因に関する研究も8篇と少なかった。