著者
実業興信所 編
出版者
実業興信所山陰本所
巻号頁・発行日
vol.大正11年, 1922
著者
田村 和紀夫 Wakio TAMURA 尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.53-63, 2014-03-31

モーツァルトのオペラ・ブッファ『フィガロの結婚』K.492 はオペラの歴史に画期的な一頁を開いた。バロックのオペラ・セリアは、登場人物の感情を表現することによって、劇を形成していた。しかし『フィガロの結婚』では、盲目的な「欲望」が劇を動かす。この全く新しい劇的原理を明らかにしたのが、ケルビーノのアリアである。この論文では、ボーマルシェの原作との比較を通じて、ダ・ポンテとモーツァルトの「改作」の意味を検証する。そしてそこから『フィガロの結婚』がもつ画期性を具体的に解明し、バロック・オペラからの決定的な訣別の軌跡を辿る。Mozart's opera buffa "The Marriage of Figaro" K.492 became a epoch-making work in the history of operas. The opera seria in the baroque era had formed a drama by expressing the various emotions of characters. However, in "The Marriage of Figaro", it is a blind "desire" thatdevelop the play. The aria of Cherbino revealed this completely new dramatic principle. This study, through the comparison with Beaumarchais's original play, intends to clarify the meaning of"adaptation" of Da Ponte and Mozart., and to verify the decisive progress of "The Marriage of Figaro" that made the farewell to baroque operas.
著者
椙原 俊彰
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 = The Bukkyo University Graduate School review. 佛教大学学術委員会, 文学部編集委員会 編 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-18, 2014-03

『雲介子関通全集』が昭和十二年に完成されて以降、江戸中期の高僧である捨世派関通の研究は飛躍的に拡大、発展を遂げた。全集は多くの研究者たちに支持され、関通研究における原典の役割を担ってきた。しかし、本全集は全集とはいいながら未収録の著作などもあり、またその底本についても十分に吟味されていない点もある。本論では、資料の成立背景やテキストの比較検証等から浮き彫りとなった本全集における問題点を指摘し、『雲介子関通全集』の再評価を試みるものである。関通雲介子関通全集捨世派山下現有
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.277, pp.75-78, 2012-11

東武野田線愛宕駅から歩いて5分、戸建て住宅の間に地上4階建ての研究所のような建物が見えてくる。今年8月半ばに建て替えオープンした「キッコーマン総合病院」である。建物壁面には、しょう油の容器で見慣れたロゴマーク。千葉県野田市を発祥の地とする食品メーカー、キッコーマンが経営する。 敷地は、旧病院に隣接する社宅・研修施設の跡地。
著者
宮木 孝子
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.115-135, 2019-03-09

室生犀星は、昭和三七年、自ら編集した『室生犀星全詩集』において、詩集『美以久佐』の詩をすべて削除した。理由は「戦争雰囲気のある詩」の「心のにごりを見たくない」というものであった。この削除の意味については、既に中野重治、伊藤信吉等によって述べ尽くされている観があるが、本稿では、その削除された詩をも含め、当時の犀星の周辺を視野に入れ、犀星の戦争詩の特性を考察したい。
著者
佐藤 淳 中野 泰雅
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.13-22, 1998

東武鉄道では、東武野田線の輸送力増強・混雑緩和および今後の輸送需要に対応するため、岩槻~春日部間(7.4km)の複線化工事を施工中である。<br>本工事区間には、高築堤区間(延長約600m・最大高さ約8.5m)があり、地質は有機質シルト・腐植土および凝灰質粘土から成る軟弱地盤である。また線路際には、民家が密集しているため、通常の土留擁壁による腹付線増は施工性、施工環境、経済性、工期等から問題があると考えられた。<br>そこで本工事では、近年採用実績が積み重ねられつつあり、且つ耐震性にも優れていると評価されている補強盛土工法を採用することとなった。<br>本論文では、軟弱地盤上における高築堤区間において、補強盛土工法による腹付線増を行うにあたっての経緯、検討結果および施工計画、方法等について述べることとする。

1 0 0 0 OA 海上問答 3巻

著者
[恵中] [著]
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.[3], 1000
著者
今井 民子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.72, pp.p21-27, 1994-10

本稿は,B.Marcelloの『当世風劇場(ⅠITeatroallaModa)』を検討し,18世紀のオペラ上演の実態を明らかにしたものである。バロックの初期に成立以来,発展を続けてきたオペラ芸術も,18世紀に入ると矛盾が現われはじめ,凋落の兆しが見えてきた。当時数多く書かれたオペラ批判の中で,B.Marcelloの『当世風劇場』は最も名高い。これは,あらゆるオペラ関係者に対する有益な助言と題し,彼らにオペラ成功の秘訣として無知と強欲をといた詞刺的オペラ論である。B.マルチェッロが厳しく批判するように,バロックオペラを荒廃させた主な原因は,歌手の声の曲芸と舞台の精巧な機械仕掛けへの過度の要求であった。この傾向は,一般の聴衆に公開され,商業的性格の強いヴェネツィア・オペラでは特に顕著だった。B.マルチェッロの記述には,多分に誇張があるにせよ,このオペラ論からは,当時のスターシステムの弊害が生んだ危機的なオペラ状況が理解できる。
著者
平野俊幸
出版者
福井県
雑誌
福井県文書館研究紀要
巻号頁・発行日
no.6, 2009-03
巻号頁・発行日
vol.[60], 1600
著者
藤原 哲 菅原 正和 FUJIWARA Satoshi SUGAWARA Masakazu
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.9, pp.109-116, 2010

心理学における「不安」の研究には膨大な蓄積があるが、"あがり"は「不安」に比して一過性であり、神経生理学的指標を用いれば一見取り扱い易いように見える。しかし"あがり"に対応する英語の定訳はなく,定義はまだ曖昧である(有光,2001,2005)。大勢の人前での発表,入学試験,大舞台や大試合のとき等,人は所謂"あがり"を経験する。プレッシャーに耐えられず、準備し考えていたことがどこかに飛んでしまって、頭が真っ白になる人がいる一方、めったに"あがらない"人も確かに僅かながらいる。"あがり"のメカニズムを科学的に究明しようと試みるようになったのは東京オリンピック以後であり、あがってしまい萎縮して普段の力が発揮出来なくなる日本人と、本番に力を発揮する欧米選手との違いが注目された。ところで"あがり"の定義は様々である(例:不安は「不結果(最悪の事態)に対する恐れに支配されて,落ち着かない様子」とある一方、"あがり"は「血が頭に上がる意,のぼせて普段の落ち着きを失うこと」(金田一ら,1997)とある。スポーツ研究を通して市村(1965)は,「スポーツ競技前に経験される自律神経系の緊張,心的緊張,運動技能の混乱,不安感情といった要因の複合的な心理学的および生理的現象」とし,野和田(1994)は,不安との関係を重視し「実際の、あるいは潜在的な他者の存在によって評価の対象となる状況において生理的変化をともない、行動の結果を予測することから生じる不安感や期待感を含んだ状態」と定義している)。"あがり"には,自分が評価される場面において他者を意識し,身体的,生理的な変化を伴う。有光の「当落や社会的評価など自分自身に否定的評価を受ける場面で,他者を意識し,責任感を感じ,自己不全感,身体的不全感,生理的反応や震えを経験することであり,状況によって他者への意識や責任感の程度が変化すること」(有光,2005)という定義はよく纏まっている。菅原(1984,2005)は,"あがり"を「コミュニケーション不安」のなかの,人前で自信がもてないときに経験する「対人緊張」というカテゴリーに含ませて考えている。"あがり"と混同されやすい情動語「緊張」は神経生理学的要素であり,"あがり"と不可分である。"あがり"を測定する尺度としては,スピーチ状況におけるPRCS(Personal Report ofConfidence as a Speaker; Paul,1966 ), テスト状況におけるTAS(Test Anxiety Scale;Sarason,),コミュニケーション状況におけるSCAM(Situational Communication Apprehension Measure;McCroskey & Richmond, ),演奏状況におけるPAQ(Performance Anxiety Questionnaire; Cox &Kenardy,1982)等が用いられてきた。