- 著者
-
赤木 浩一
畑野 和広
- 出版者
- 公益社団法人 日本食品衛生学会
- 雑誌
- 食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.46-50, 2006-04-25 (Released:2008-08-04)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
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LC/MS/MSを用いて,フグ組織およびヒト血清・尿中のテトロドトキシン(TTX)の迅速分析法を開発した.試料を2%酢酸で抽出し,フグ組織については水で希釈し,ヒト血清および尿については分子量分画5,000の遠心フィルターでろ過後,メタクリレート-スチレンジビニルベンゼンカートリッジを用いて精製した.フグ組織にTTXを0.1 mg/gと1 mg/g添加した場合の回収率は79∼90%,ヒト血清および尿に0.5 ng/mLと5 ng/mL添加した場合の回収率は93∼101%であった.検出限界は,フグ組織では0.01 mg/g,ヒト血清および尿では0.1 ng/mLであった.本法を用いて市販のフグの筋肉・皮・肝臓計30検体,フグ中毒による患者の血清7検体,尿5検体について分析した結果,すべての検体からそれぞれ0.04∼140 g/g,0.9∼1.8 ng/mLおよび15∼150 ng/mLの範囲でテトロドトキシンが検出された.