著者
西川 尚男 菅原 俊一 栗原 塁 青木 努 小上 泰司
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.125, no.7, pp.680-686, 2005 (Released:2005-10-01)
参考文献数
20
被引用文献数
4 3

It is well known that the operation with low humidified reactants accelerates cell voltage loss of PEFC. On the other hand, the mechanism of the voltage loss is not clear. On this study, two kinds of cells which have different thickness membrane (15 and 30μm) were evaluated under operation with low humidified reactants to clarify the voltage loss mode. The study indicates that there are two different cell voltage loss modes. For 15μm cell (a thin membrane cell), the cell voltage decayed along with open circuit voltage decrease with H2 crossover increase. It is the case that H2 crossover depresses cell voltage. For 30μm cell (a thick membrane cell), the cell voltage decayed along with open circuit voltage decrease without H2 crossover increase. This decay mechanism of voltage loss without H2 crossover was focused to study. New methods for measuring humidity distribution and current distribution in a cell were introduced for further analyze. It is found that effective catalyst area loss in cathode catalyst layer could depress cell voltage.
著者
菊地 史倫 佐藤 拓 阿部 恒之 仁平 義明
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.103, 2007

本研究では自分が引き起こした不都合な状態を処理するために出来事の起こりやすさ(生起確率)を操作してウソをつくときの2つのウソの目的(信じられること、赦されること)の関係性について検討した。183人の大学生は知人が約束の時間に遅れ、遅刻理由を話すというシナリオを読んだ。参加者は遅刻理由を本当だと思うか、待たされたことをその遅刻理由で赦せるかなどを判断した。その結果、A.出来事の生起確率を高く操作したウソは、信じられやすいがそのウソが信じられた後で赦されにくい。B.出来事の生起確率を低く操作したウソは、信じられにくいがそのウソが信じられた後で赦されやすいとウソをつかれる人が考えていた。これらの結果から出来事の生起確率を操作してウソをつくときには、2つのウソの目的が両立しないことが示唆された。また感情とウソの目的の関係性を検討したところ、感情によって行動の調整が行われている可能性が示唆された。

1 0 0 0 OA 館守日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.[312],
著者
岩崎 雄一 秋田 鉄也 加茂 将史
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.207-212, 2012 (Released:2013-04-24)
参考文献数
18
被引用文献数
1

外来種管理において,実施する対策が対象生物種の個体数低減または根絶にどの程度有効かについての情報を得ることは有用である.本研究では,全国各地で生息が確認されている外来魚であるブルーギルを対象に,米国 Hyco 湖で構築された個体群モデルを利用して,卵,未成魚,成魚の駆除割合がブルーギルの平衡個体数に及ぼす影響を評価した.卵,未成魚,成魚の駆除を個別に行った場合に平衡個体数を 1 未満にするには,84~92%の高い駆除割合が必要であった.他方,卵の駆除割合が一定の条件下において成魚または未成魚の駆除を加えることで,個別に駆除対策を実施するよりも少ない駆除割合で根絶に導くことができることが示された.さらに,卵及び成魚の個別駆除については,それぞれ約 80%,60% 未満の駆除割合までは平衡個体数が増加し,それを超えると個体数が減少するという一山型の応答を示した.これは,当該個体群モデルにおいて産卵数と 0 歳魚の関係にリッカー型の密度効果を仮定しているためである.したがって,実際の管理においてブルーギル個体群の動態に作用する密度効果の影響を把握・推定することも重要であると考えられる.以上の結果が日本における現実の駆除事例にどの程度適用できるかは留意が必要であるが,個体群モデルを用いることで複数の駆除対策の効果を予測・比較することができ,より効果的な対策の選択を支援することが可能になるだろう.
著者
坂野 昌志 間瀬 広樹 島田 泉 伊藤 由紀 中村 卓巨 青田 真理子 中村 桂 近藤 祥子 堀端 志保 中野 良美 五家 邦子 鈴木 末廣 井端 英憲
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.920-924, 2007 (Released:2009-09-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

In the treatment of cancer,radiotherapy is equally important to chemotherapy,and the pain arising from the adverse reactions of esophagitis and stomatis is treated with sodium aliginate (AL-Na).We decided to try cooling AL-Na because it was felt that doing this would enhance the analgesic effect.When cooled,the time of adhesion to the affected part was longer than that for AL-Na at room temperature and the pain relieving effect was greatly enhanced.
著者
安里 和晃
出版者
Posse ; 2008-
雑誌
Posse = ポッセ
巻号頁・発行日
vol.34, pp.94-109, 2017-03

1 0 0 0 OA 小さな王国

著者
谷崎潤一郎 著
出版者
天佑社
巻号頁・発行日
1919
著者
高倉 耕一
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.697, 2005

外来生物などにおいて、ある種では新規生息地への進入直後に爆発的に分布域を拡大し、他の種では分布域の拡大が比較的緩やかであるという現象はしばしば観察されている。しかし、その違いがどのような要因に差によるものなのか必ずしも明らかでなかった。本研究では近年日本に侵入し広範囲に分布するにいたったハブタエモノアラガイ <i>Lymnaea columella</i> と数種の近縁種を材料として、大阪とその近郊における分布の現状を明らかにし、その分布域拡大の要因について調べた。その結果、大阪および京都南部の平野では大部分の潜在的生息地に外来種ハブタエが生息していた。室内実験から、ハブタエは在来種のモノアラガイ <i>L. auricularia japonica</i>とともに飼育した場合に死亡率が高く、産卵数も少なかった。また、2種間には配偶攪乱は検出されなかった。一方で、ハブタエは同種個体間でも求愛および行動が観察されず、自己交配による近交弱勢もほとんどなかった。これらの結果をふまえ、大きな空間スケールでのメタ個体群の挙動を予測するシミュレーションモデルを構築し解析を行った結果、分断化された小パッチからなる生息域においては、ハブタエのように近交弱勢が存在しない場合には速やかに分布域を拡大したが、他種のように近交弱勢が存在する場合にはその速度はゆるやかであった。以上から、大阪・京都南部におけるハブタエの蔓延は、生息地の分断化と近交弱勢の低下が主要な要因となってもたらされた現象であると推測された。
著者
元田 良孝 宇佐美 誠史 湯田 直人
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.B_40-B_46, 2015-02-06 (Released:2015-02-06)
参考文献数
8

東日本大震災で被災した JR 気仙沼線、大船渡線、山田線では鉄道事業者から臨時的な措置として鉄道敷を利用した BRT(高速バス輸送システム) が提案され、山田線を除き運行が開始されている。しかし鉄道の復旧を望む地元自治体の意向も大きく、BRT の是非について大きな論点となっているが、住民の意見は明らかになっていない。ここでは最も早く BRT の運行が開始された気仙沼線の BRT について気仙沼市民の意識調査を行い、BRT の評価と鉄道復旧意識等について調査を行った。その結果震災前と比べ利用者は減少したが、気仙沼線離れは運転免許保有者と自宅が駅から遠い者が多かった。鉄道復旧意識は高く、最も関係がある要因は、あったものを復旧させるのは当然との考えであった。BRT の評価も影響を与えており、評価が低い程復旧意識が高くなることも明らかとなった。
著者
天野 和孝
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.143-151, 1995
参考文献数
25
被引用文献数
2

長野県の鮮新荻久保層からThracia kamayasikienis Hatai, T. higasinodonoensis Oinomikadoの2種の中新世種が残存種として発見された。このうち, 特に, Thracia kamayasikienisは中新世には東北地方に広く分布していた種である。また, 同じ地層から中新世後期から現在まで北方系動物群に見られるThracia kakumana(Yokoyama)も産出した。中新世末期の寒冷化によって, スエモノガイ属の多くの種が絶滅したが, 上記の2種のみは鮮新世中期まで長野県北部に生き残った。これは, 当時寒冷な内湾域が長野県北部を含む北部フォッサマグナ地域に存在したことによる。