著者
岡野 こずえ
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.5-9, 2015-02-01 (Released:2016-05-11)
参考文献数
11

血小板は直径2~4μmの円盤状で,無核の微小細胞である.しかし,その内部のα顆粒には血小板由来増殖因子,β-トロンボグロブリン,von Willbrand(vWF)因子,濃染顆粒にはADP,ATP,セロトニンなど様々な物質を含んでいる.また血小板膜表面にはvWFの受容体の膜糖蛋白(GP)Ib/Ⅸ/Ⅴ複合体やコラーゲンの受容体であるGPⅥなど特有の機能的GPが存在し,生体の止血機構に重要な役目を果たしている.一方,血小板は活性化し易く形態の変形や粘着・凝集を起こし,崩壊後に微細粒子(MP)化することから,臨床検査法の対象としては取り扱いの難しい細胞でもある.その血小板に関して,測定方法に始まり巨核芽球性白血病の診断方法,血小板機能評価方法と血栓止血機構との関連性をテーマに研究を進めてきている. 活性化血小板由来マイクロパーティクル(aPLT-MP)は,強力な凝固活性促進や炎症促進作用を持ち,止血作用だけでなく脳梗塞や心筋梗塞の病因となる動脈硬化病変の形成にも強く関連している.しかし,MPは血小板の他に単球や血管内皮細胞など様々な細胞から産生され,細胞によってその動脈硬化病変の形成作用が異なると考えられているが,それらを鑑別測定できる検査法は確立されていない.現在,我々は血液中の多様なMPの中でもaPLT-MPを特異的に定量出来る高感度ELISAを開発し,種々の血栓症患者を対象に臨床的有用性の検討に取り組んでいる.さらに,aPLT-MP以外のMP検出法を開発し,各細胞由来MPが血栓形成作用や炎症促進作用にどのように関与しているかをaPLT-MPとの比較で明らかにする研究を行っている.今回はその研究経過について報告する.

1 0 0 0 史潮

著者
大塚史学会 編
出版者
大塚史学会
巻号頁・発行日
vol.7(2), no.20, 1937-06
著者
石井 晃 芦田 昇 川畑 泰子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1E205, 2018 (Released:2018-07-30)

インターネット上の検索行動の数理モデルを社会物理学的手法で提案する。ヒット現象の数理モデルの拡張として、人々の検索行動はマスメディア情報、直接コミュニケーション、間接コミュニケーションに加えてBlogやTwitterにも影響されるとした。この理論による計算は実際の検索行動をよく記述することがわかった。
著者
土谷 義己 森 昌斗 田口 胤三
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.490-497, 1976-04-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
24
被引用文献数
3 5

To examine the effect of neighboring group on thermal treatment of O-alkyl S-methyl dithiocarbonates, syntheses of O-ethyl S-methyl dithiocarbonates holding alkyl (or aryl)-sulfinyl group were tried by the reaction of 2-alkyl (or aryl) sulfinylethanol and carbon disulfide in an aqueous sodium hydroxide followed by methylation with methyl iodide. However, the reaction did not progress as expected and gave 2-alkyl (or aryl) sulfinylethyl methyl trithiocarbonates (Va, -d) as main products. Nuclear magnetic resonance spectral data of these products suggested the formation of trithiocarbonate to occur via elimination and addition. It was thereby clarified that the alkyl (or aryl) sulfinyl as the neighboring group worked as an electron-attracting group to favor elimination.
著者
坂地 泰紀 ベネット ジェイスン 宮尾 祐介 和泉 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1C2OS8a03, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究では,ロイターニュース記事からの因果関係抽出手法の開発を試みる. まず,我々は,ニュース記事に含まれる因果関係と,それを示す手がかりとなる表現の調査を行った. その後,特定の手がかりに着目し,因果関係抽出手法を試みた.
著者
岩田 洋夫 矢野 博明
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、全方向に動く移動機構を有する可動床が、循環することによって無限に続く歩行面を提供する、歩行感覚呈示装置を実装し、それに昇降機構を搭載することによって、階段などの凹凸面のある歩行面を模擬することを実現した。本システムが体験者に与える効果を、足圧力等の計測によって評価した。
著者
高野 雅典 水野 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1B304, 2018 (Released:2018-07-30)

現実の社会関係では相談しにくいことも匿名のオンラインコミュニケーションではしやすくなる。しかし日本の若者が主に利用するオンラインコミュニケーションツール(Facebook、Twitter、LINE)は現実の社会関係を多く含む。そのような現実とその拡張の社会関係を補完するコミュニケーションツールは重要であろう。本研究は、アバターチャットサービス「ピグパーティ」におけるソーシャルサポートについて考察することが目的である。そのためにサービス運営者によるインタビュー結果をオンラインソーシャルサポートの観点から整理した。
著者
石丸末明
雑誌
薬剤学
巻号頁・発行日
vol.51, pp.135-143, 1991
被引用文献数
1
著者
石橋 佳明 吉田 典正
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.109(2008-CG-133), pp.37-42, 2008-10-31

海にいる魚の群れは数十万体以上の個体から成る場合がある.また,ディスプレイの高解像度化からも,スクリーン上に大規模な群iれを表示することが望まれる.しかしながら,群れを形成するのに用いられる Boid アルゴリズムではリアルタイムにシミュレーションできる数は,我点の実装では数千体程度である.本研究では,動作生成処理を高速化し,従来の Boid アルゴリズムよりも効率的にアニメーション可能な階層的 Boid アルゴリズムを提案する.また数万体程の群れの動作生成がリアルタイムで計算可能なことを示す.
著者
宋王黼等撰
出版者
鄭樸校刊
巻号頁・発行日
vol.[3], 1596
著者
岡島 義
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.258-265, 2014-03-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
1

不眠症はうつ病,不安障害などの精神疾患やがん,慢性疼痛といった身体疾患との関連性が強い睡眠障害の一つである.しかし,その多くは睡眠薬による治療が一般的であり,心理療法はほとんど実施されていない.原発性不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)は,不眠症状の軽減効果が高く,現在では原発性不眠症に対する標準治療と位置づけられている.一般的にCBT-Iは1回60分の個人セッションを4〜6回,あるいは1回90分の集団セッションを6〜8回の形式で行われる.最近では,精神疾患や身体疾患に伴う併存不眠症に対しても有効性が明らかにされている.本稿では,CBT-Iの治療要素,ならびに原発性不眠症,併存不眠症に対する有効性について論じた.
著者
永井 憲一
出版者
法政大学法学志林協会
雑誌
法学志林 (ISSN:03872874)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.129-140, 1997-03
著者
大日方 一夫
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.53-57, 1997-04-01 (Released:2010-10-13)
参考文献数
6

第35次南極地域観測隊員を対象に越冬中の歩数, 体重を測定し, 第9, 10次隊と比較検討した.第35次隊では, 夏作業中の平均歩数がやや減少し, 船上, 冬期間の平均歩数が増加していた.これは乗り物, 重機等の機械化の影響と, 観測船及び昭和基地の大型化の影響と考えられた.雪面の凹凸による雪上車自体の振動のため内陸旅行隊の往路, 復路の測定はできなかった.内陸夏旅行での観測拠点の建設作業中の平均歩数は同時期の昭和基地滞在隊員とほぼ等しかった.昭和基地滞在者群の体重は越冬後半まで漸増傾向を示したが, その変化は最大でも1%に過ぎなかった.これに対し内陸旅行参加者群では3回の旅行とも出発前に比べ, 帰投時には減少していた.歩数, 体重を比較検討することによって南極越冬隊の生活環境の変化が影響を与えていることが明らかになった.

1 0 0 0 OA 天保撰要類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[18] 第七 上 御触町触之部 六,
著者
渡辺 智暁
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.64-69, 2011-02-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
22

本稿ではウィキペディアを使う上で重要となるメディア・リテラシーを論じている。具体的には, ウィキペディアの運営・品質管理体制や方針, 参加者の動機, 利害関係者の動機や影響力などを解説し, ウィキペディアの特定の項目の信頼性を見積もる上でそれらがどのように手がかりとなるかを論じる。また, ウィキペディアの信頼性・品質に関する既存の調査の傾向に触れつつ, 限界を指摘する。他の資料との併用が有益であること, ウィキペディアは他の資料への入口としても有用性を増しつつあることを述べる。最後に, 中長期的な視点に立つと, ウィキペディアへの貢献も, 信頼性の問題への有意義な解決方法であり, 直接的な貢献の他にも多様な間接的貢献法があることを説明する。
著者
丸山 由利亜
出版者
カモミ-ル社
雑誌
テアトロ
巻号頁・発行日
no.685, pp.56-58, 1999-09