著者
小林 重人 吉田 昌幸 橋本 敬
出版者
日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.1-11, 2013-12

地域経済とコミュニティ活性化のための手段として地域通貨が再注目されているが,地域通貨が特定の箇所に滞留して広く流通せず,当初の目的を達せないまま終わる事例が多い.我々は,地域通貨が有する言語的機能から,地域を重視する価値観や地域通貨の使用習慣といった地域住民の内部ルールに着目してきた.本論文では,内部ルールの影響も含めた地域通貨の流通メカニズムを,ゲーミングとマルチエージェントシミュレーションの2つの手法を組み合わせることで明らかにする.ゲーミングの結果から,地域通貨導入によってゲーム参加者の売買行動および地域に対する愛着や助け合いの高まりといった価値観の変容が確認された.こうした変容を実装したマルチエージェントシミュレーションの実施により,地域重視の価値観,有償ボランティア,地域通貨残高の間にフィードバックループが形成され,地域内での購入割合が上昇するという地域通貨の流通メカニズムを示した.
著者
境 有紀 境 茂樹
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2012-07 (Released:2015-07-14)
出版者
巻号頁・発行日
vol.[62],
著者
梶田 航一 寺内 文雄 小野 健太 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.151, 2016 (Released:2016-06-30)

交通事故やスポーツ事故等で頚髄損傷者(以下頚損者)になると、手足が麻痺するため、一般的な身体障害者用トイレを利用することができない。そこで従来のリハビリテーションの現場では高床式トイレというものが最善と考えられている。リハビリセンターなどでは頸損者が自力で生活が行えるようになるために各種の訓練を行っているが、その中で高床式トイレを使用するための訓練として直角移乗などの訓練も行われている。高床式トイレは車椅子から直角移乗をし、いざり動作で便座まで移動して使うものである。しかし高床式トイレは住宅を大幅に改修する必要がある、外出先に無いため頚損者が長期の旅行に行く事が出来ないなどの問題がある。そこで本研究では頸損者でも一般的な身体障害者用トイレに行くことを可能にする長座位車椅子という製品を提案した。実際の使用方法としては頸損者が普段使用している車椅子から直接長座位車椅子へ直角移乗をし、一般的な身体障害者用トイレの便器の上に長座位車椅子ごと移動し、排泄を行うというものである。
著者
白井 博史 松田 孝昭
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.250-258, 2012-09-10 (Released:2014-04-23)
参考文献数
20

省資源・省エネルギーの見地から,自動車タイヤに要求される重要な性能として省燃費性が大きくクローズアップされている。自動車の走行抵抗に大きく寄与するのはタイヤの転がり抵抗であり,この転がり抵抗を低減する技術開発が活発に行われており,多くの新しい素材が提案されている。シリカ配合タイヤは,省燃費性とウェットグリップのバランスを飛躍的に向上できることから,近年,タイヤトレッドにシリカを配合したエコタイヤの普及が目覚ましい。しかしながら,シリカは表面シラノール基の水素結合による凝集でカーボンブラックと比較して分散しにくいという問題がある。アニオン重合を利用した溶液重合スチレン・ブタジエン共重合体(S-SBR)は,タイヤの転がり抵抗を低減できる材料としてシリカタイヤトレッドに多用されており,更に官能基を導入した変性SBR を用いることで,シリカの分散性を改良しシリカタイヤの性能を向上させることが可能となった。 本報では,アニオン重合技術を活用した末端変性SBR,両末端変性SBR,マルチファンクショナルSBR の最近の変性技術について述べた。

1 0 0 0 OA 其日の話

著者
大庭景秋 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1918
著者
三木 祥治
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本年度は、昨年度単離を行った腸管内の常在性細菌及びその菌に感染する腸内常在性バクテリオファージを用いて、それらの混在によってin vitroで免疫細胞に対してどのような遺伝子誘導を引き起こし、in vivoでどのような生理現象を引き起こされるか明らかにすることを目的に実験を行った。まず昨年度マウス腸管内内容物から単離した菌についてPCR法を用い菌種同定を行ったところ、この菌が腸球菌の一種(En.)であること、またファージについて全ゲノムシークエンス解析を行ったところ、新規ファージ(E.ファージ)であることが明らかとなった。次にin vitroの検討として、qRT-PCR法を用い解析を行った。Raw細胞をEn.及びE.ファージで刺激したところ、En.単独刺激と比較して、IL-6の遺伝子誘導が約5倍増強されることが明らかとなった。一般的にファージが宿主菌に感染すると溶菌が引き起こされることが知られていた為、このRaw細胞をEn.及び溶菌を引き起こす抗生物質を用いて刺激したところ、E.ファージを用いた検討と同様に、En.単独刺激と比較して、約4倍IL-6の遺伝子誘導が増強された。一方、溶菌を引き起こさない抗生物質を用いた検討ではIL-6の遺伝子誘導の増強は全く見られなかった。これらの検討から、En.の溶菌によって免疫細胞からIL-6の遺伝子誘導が引き起こされることが示された。さらにin vivoの検討としてDSS誘導性大腸炎を引き起こしたマウスにおいてE.ファージを投与したところ、E.ファージを投与した群ではcontrol群と比較してDSS誘導性大腸炎に対し感受性を示すことが明らかとなった。この結果について、IL-6はDSS誘導性大腸炎の増悪因子であることから、En.の溶菌により腸管内免疫細胞からIL-6の遺伝子誘導が強く引き起こされた為ではないかと考えられる。
著者
Koji YOKOGAWA Masanori IGUCHI
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
Aquaculture Science (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.131-137, 1992-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
21
被引用文献数
1

生態学的な知見の乏しいカサゴについて, 播磨灘南部沿岸海域を調査地区に選定して, その食性および成熟に関する研究を行なった。カサゴは非常に幅の広い食性を示し, 甲殻類, 軟体類, 多毛類, 魚類, 藻類などを摂餌していた。特に, エビ, カニ類および魚類に比較的強い嗜好性が認められるようであった。また, 幼稚魚の段階ではヨコエビ, ワレカラを中心とした小型付着生物を主に捕食しているが, 全長100mmを越えるようになると大型のエビ, カニ類や, 魚類を主とした食性へと移行することがわかった。生殖腺指数 (GSI) の時期的な変動をみると, 雄では11月から12月にかけてGSI値が最大となり, 雌では3月から4月にかけてGSI値が最大となった。GSIの変動より, 10月から3月にかけて交尾が行なわれ, 2月から6月にかけて産仔が行なわれているものと推定された。成熟時期は九州産のカサゴとは大きく相違していた。性比は, 産仔期には雌が著しく多く, その他の時期では雄の方が多かった。また, 雌の全長と卵巣内卵数または胎仔数との関係は一次式で近似された。
著者
米山秀隆
出版者
富士通
雑誌
FRI review
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, 1997-07