著者
角田 博保 石畑 清 中谷 多哉子 Hiroyasu Kakuda Kiyoshi Ishihata Takako Nakatani
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. コンピュータと教育 (CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-132, no.39, pp.1-12, 2015-11-27 (Released:2016-12-14)

2013 年 12 月,米国にて ACM/IEEE-CS によるコンピュータ科学カリキュラム標準 CS2013 が公表された.それまでの標準だった CC2001 の刊行後 10 年以上が経ち,その後継として作成されたものである.日本では,情報専門学科カリキュラム標準 「J07」 が 2008 年に公表されているが,現在,改訂への活動が始まりつつある.J07 は,CC2001 を元として作られたものであるので,CC2001 が CS2013 にどのように改訂されたかを知ることは重要である.本報告では,CS2013 と CC2001 を比べ,知識体系 (BOK) を中心に,どのように改訂されたのかを比較,考察する.
著者
中山 泰一 中野 由章 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 和田 勉 萩谷 昌己 筧 捷彦 Yasuichi Nakayama Yoshiaki Nakano Hiroyasu Kakuda Yasushi Kuno Mitsugu Suzuki Tsutomu Wada Masami Hagiya Katsuhiko Kakehi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. コンピュータと教育 (CE)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-131, no.11, pp.1-9, 2015-10-03 (Released:2016-07-25)

本論文では、高等学校情報科の教科担任の現状を明らかにするため、都道府県教育委員会における臨時免許状の授与と、免許外教科担任の許可の状況を調査した。その調査結果を報告するとともに、わが国の情報教育のありかたについて考察する。
著者
中野 由章 米田 貴
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-122, no.10, pp.1-9, 2013-12-07 (Released:2013-12-04)

「LINE 外し」 のロールプレイングをオフラインで行ない,それによっていじめや人権等に対する意識を向上させることで,情報社会に参画する態度の育成を試みた。以前ならば小さな衝突で済んでいたと思われる生徒間のトラブル事案でも,SNS や LINE 等のコミュニケーションツールを介してやり取りをすることにより,問題が急速に拡大・悪化することがある。そこで,「LINE 外し」 をロールプレイすることで,生徒の倫理観を向上させ,情報社会に参画する態度の育成をめざした筆者らのその指導内容について報告する。
著者
中西 渉 辰己 丈夫 西田 知博
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.75-82, 2015-12-09 (Released:2015-12-04)

プログラミング教育では,テキストでソースコードを記述するテキスト型のプログラミング環境だけでなく,画面上の部品を組み合わせてプログラムを作成する環境も使われている.本研究では,テキスト型の初心者用プログラミング学習環境であるPENで実行できるソースコードを,ドラッグ&ドロップで作ったフローチャートから生成するPenFlowchartを開発し,これを用いて高校生を対象にプログラミング教育を行った.その結果を,PENだけで学習を行っていたときのものと比較して検討を行ったところ,授業の進行(特に序盤の演習)がスムーズになった.また,期末試験におけるプログラミングとフローチャートの変換を行う問題についても点数の向上が見られ,その傾向は成績下位者において顕著であった. Programming environments used in programming education may be text-based or use visual objects. In this study, we developed and evaluated PenFlowchart, which generates codes for PEN (a text-based programming environment for novices) by making flowcharts using objects manipulated by a mouse being used for programming education for high school students. The results of learning using PenFlowchart were compared with results using PEN alone. Also, we found that students' grades are improved (particularly in the case of poorly performing students) on the reference questions in term-end examinations, which ask conversion from text-based programs to flowcharts or vice versa.
著者
豊田 純子
巻号頁・発行日
pp.1-133, 2015-03-25 (Released:2017-03-08)

我が国の工業集積地では、現在個々の企業だけでなく地域全体での取り組みの一つとして、観光を用いた地域活性化手法が模索されている(須田2009)。また、岡村ら(2014)では、東京大田区での実践にもとづき、工業集積地の維持、発展のためには、産業振興・まちづくり・観光振興の3分野の総合的アプローチが重要であると述べられている。そうしたなかで、近年、「オープンファクトリー」と呼ばれる期間限定で地域内の複数の工場を一斉公開するイベントが全国各地で開催されている。これは、産業観光を出発点に産業振興やまちづくりに寄与することを目指しており、全国的な普及からもこのイベントに対する期待が窺える(川原ら2014)。しかし、オープンファクトリーが各地域でどのような背景のもと導入・活用され、実際どのような成果を得ているのか、明らかにされていない。そこで本研究では、まず、①オープンファクトリーがもつ特性を把握し、②その特性が地域特性や目的に応じて導入・活用されている実態や具体的方法を明らかにする。また、③工現行の行政施策の中で、オープンファクトリーが取り組める内容や、果たせる役割を示すことを目的とする。研究の主な方法は、ホームページやパンフレットをはじめとする各種資料の解読、企画運営者へのインタビュー調査、イベント視察である。第2章では、現在稼働中の工場を対象に地域全体で行われている様々な産業観光形態のなかでのオープンファクトリーの特徴を明らかにするために、日本観光振興協会主催の「産業観光まちづくり大賞」の歴代受賞プログラム23件を調べ、その観光対象の内容と体験方法を把握した。その結果、「単体工場見学」、「工場見学ツアー」、「工場景観見学ツアー」、「複数工場同時公開」の4つに分類できた。なかでも本研究ではオープンファクトリーと呼んでいる「複数工場同時公開」の特徴として、観光対象がモノづくり(工業、製造業)の生産現場から地域内の他の要素にまで幅広いことや、観光者がその現場の人との自由度の高い交流できることにより、モノづくりの現場をより幅広く深く理解しやすい状況をつくっている可能性が示唆された。第3章では、こうしたオープンファクトリーの特性を具体的に理解し、一般化する視点を得るために、東京大田区において筆者が参画する「大田クリエイティブタウン研究会」がアクションリサーチとして平成24 年より取り組んできた「おおたオープンファクトリーを事例に、その取り組み背景や意図、実施状況を調査した。その結果、「おおたオープンファクトリー」には、①イベント時に地域内の回遊を促進させる<回遊促進性>、②地域内の複数の資源をまとめてみせる<地域資源のパッケージ性>、③イベントの立ち上げを契機としてモノづくりに関連するまちづくり・産業振興・観光振興などの複数分野に継続的に取り組む<分野横断性>、④地域内の技術や職人の連携を顕在化・創出する<人および技術連携の顕在化・創出性>、⑤新たな活動創出のための社会実験の機会を生む<社会実験性>の5つの特性があることを見出した。第4章では、現在、「おおたオープンファクトリー」以外の全国8事例の内容を比較しその傾向を把握した上で、新たに追加すべきオープンファクトリーの特性があるかを確認した。まず、各事例はその実施目的や成果から、「オープンファクトリーの実施目的類型」として、「産業振興指向型」(墨田区、燕市・三条市、関市)、「住工共生型」(横浜市港北区、川崎市高津区)、「総合的地域振興型」(台東区南部、台東区浅草、大田区)、「観光振興指向型(尼崎市)」という4つの型に分けられた。販売や契約促進のためのファンづくりをその主な目的とする産業振興指向型については、来場者を惹き付けるためにデザイナーが企画に加わる傾向が確認された。住宅と工場が混在する地域において両者の相互理解を目的としている住工共生型では、イベントのPR や参加対象者を地域内に限定させていた。イベントを契機に工業集積地の継続的な発展のために産業振興・まちづくり・観光振興の3分野に総合的に取り組む総合的地域振興型は、開催地が都心で、徒歩圏内に多くの参加工場が集積している傾向があった。また、追加すべきオープンファクトリーの特性としては、イベントの立ち上げ背景の傾向から、既存の施設や敷地内でのイベントを、新たに地域に広げる<地域展開性>を見出した。第5章では、オープンファクトリーの導入・活用実態を把握するために、第3、4章でとりあげた全9事例を横断的にみて、オープンファクトリーの6特性が、「オープンファクトリーの実施目的類型」の4つの型に対して、どのような関係性があるかを評価した。その結果、どの目的類型でも、<回遊促進性>・<分野横断性>・<地域資源のパッケージ性>という特性は生まれやすい一方、<人および技術連携の顕在化・創出性>・<社会実験性>という特性は、総合的地域振興型のように、地域の持続的な活動を指向している地域でないと生まれにくいことがわかった。特に、<回遊促進性>については、産業振興指向型や、総合的地域振興型のような製品や企業をPRしたい特定の対象や目的がある場合は、対象別にテーマを特化させたツアー形式を導入している。<地域内要素のパッケージ性>については、工場と共に発展してきた商店街等との連携によって生み出されている例が多いことがわかった。第6章では総括として、以上6つの特性をもつオープンファクトリーが、地域活性化手法の中で果たしうる役割を明らかにした。本来は産業振興、観光振興、住工共生まちづくりなどにまたがる横断的課題であるが、従来は個別の施策の取り組まれていたものが、オープンファクトリーを通して、モノづくり関係者同士やそれ以外の人々との交流・コミュニティ形成、地域内外への情報発信の2点について効果を発揮して、横断的に取り組めることがわかった。 首都大学東京, 2015-03-25, 修士(観光科学)
著者
伊藤 千世
出版者
愛知淑徳大学国文学会
雑誌
愛知淑徳大学国語国文 (ISSN:03867307)
巻号頁・発行日
no.16, pp.91-105, 1993-03-20 (Released:2016-11-30)
雑誌
海の研究 = Umi no Kenkyu (Oceanography in Japan) (ISSN:21863105)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, 2007-01-05 (Released:2017-03-10)
著者
鵜澤 由美
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.225-263, 2008-03-31 (Released:2016-03-29)

これまで、近代以前の日本には誕生日の習慣はなかったと考えられ、誕生日に関する研究もほとんどされてこなかった。しかし、日本でも天皇や将軍などの誕生日は祝われ、古くは奈良時代に誕生日の行事が行われていたのである。そこで本稿では、近世における誕生日の実態を明らかにするべく、誕生日の祝われ方、位置付けなどを考察していく。将軍の誕生日には、将軍の御前で祝が行われるとともに、殿中に祗候している者たちに餅や酒が下賜されるという行事が行われた。将軍の誕生日は、将軍と、殿中で祗候する詰衆や旗本、御家人との主従関係を意識させる儀礼の一つであったのである。この祝の構造は大名家の一部でも見られ、藩主の誕生日に家臣が集められて祝儀が行われた。公家にとっての誕生日は節句のようなものであり、当主が自らの誕生日を最も盛大に祝っていた。家族や友人と祝宴を開くのが一般的であった。産土神である御霊社への参詣も行われた。また、天皇の誕生日は、近世に入っても毎月行われ、女官が心経を読誦した。下級武士や庶民は、子供や孫の誕生日を中心に祝った。赤飯を炊き神に上げ、親類や隣人と会食をするなど、家族的な行事だった。誕生日には餅や酒が出され、また厄除けの力があるという小豆も食べられた。神仏の信仰も重視されている。日頃の無事を喜び、今後も息災であることを願ったと推測される。年を取るのはみな一斉に正月であったけれども、前近代の人々も、自分や家族などの生まれた日を特別な日として意識していた。一年に一度めぐってくる誕生日を記念し、祝うという概念があったのである。明治以降、西洋文化が輸入され、戦後に満年齢が制度化されて誕生日に加齢の要素が加わり、生活の欧米化も加速していく中で、今日のような祝い方になったと考えられる。 It has been thought that there was no custom of celebrating birthdays in Japan before the modern ages. The Japanese had aged by one all together at the New Year. Therefore, it has been thought the custom of cerebrating birthdays was imported from Western countries after Japan became modern. There is little research on the birthdays. However, the birthdays of the Emperors and the Shoguns (generals) etc. were celebrated in Japan. The festive events on the birthday were held in the Nara period old.To make the actualities in the Edo period clear, I examined how people celebrated the birthdays and the meaning of birthdays for them in this research.In the celebration of Shogun's birthday, mochi (rice cake) and sake were distributed to the followers who came to Edo castle. Celebration of Shogun's birthday was regarded as etiquette to make the master and men relation firm.The birthday was like a festival for the Court nobles. Nobles held their own birthday parties magnificently. The feast was held among the family and friends.Emperors even celebrated the same day as the birthday every month.The lower class samurai and the common people celebrated their children's and grandchildren's birthdays. They dedicated sekihan (rice steamed with red bean) to the gods and had a meal with the relatives and neighbors.On the birthday, mochi and sake were served and red beans were eaten as the charm against evil. The faith in gods and Buddha took an important role in the event of the birthday. People were pleased at peaceful days and wished they will be healthy in the future.People considered the day when themselves, the family and the friends were born a special day. There was a concept of celebrating the birthday that came round once a year. It was individual happy anniversary in the Edo period. There was a custom of doing some festive events on this day in all hierarchies.
著者
石村 広明 田里 千代
出版者
天理大学
雑誌
天理大学学報 (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.61-74, 2017-02-26 (Released:2017-03-09)

High school baseball has given us many dreams and inspirations in our country. However, it also holds many problems, and one is the issue of corporal punishment. The purpose of this research is to make comparisons with religious culture, which enforces corporal punishment and acceptance. An interview was held with 12 high school baseball related-persons with experience. 5 cultural elements were found as a result of the interview. They are the unsociable environment, the absolute pecking order, rational interpretation, the pursuit of victory and compromise and recognizing anew of the corporal punishment and the group mentality. These 5 elements are also functioning as a cultural device. In this composition, I would like to link these elements to a discovery of an educational way to eradicate the use of the cane.