著者
大塚 啓二郎
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.179-183, 2014-09-25 (Released:2016-03-26)

日本人が,英文の査読付き学術雑誌に論文を掲載することは容易ではない.しかしこのグローバル化した時代に,日本語で研究論文を書いていたのでは学問をしたことにはならない.高い志を持って,英語の論文に挑むべきである.英語の微妙なニュアンスがわかるまで,英語を徹底的に読むことも重要である.また若い時には,教育を犠牲にして研究に集中しなければならない.国際会議は,研究者の戦場でもあることは理解すべきである.いろいろと苦労して投稿した論文も,意地の悪いレフリーにあらを探されて棄却されてしまうことも多い.本論は,英語の論文の雑誌に掲載しようとしている研究者に,著者の経験からアドバイスをしようとするものである.
著者
卯野木 健 林田 敬 河合 佑亮 對東 俊介 安藤 守秀 飯田 有輝 笠井 史人 川崎 達也 神津 玲 近藤 豊 齊藤 正和 櫻本 秀明 佐々木 信幸 佐浦 隆一 中村 謙介 大内 玲 岡本 菜子 岡村 正嗣 栗原 知己 栗山 明 松石 雄二朗 山本 憲督 吉廣 尚大 矢坂 泰介 安部 諒 飯塚 崇仁 井上 拓保 内山 侑紀 遠藤 聡 大倉 和貴 太田 浩平 大塚 貴久 岡田 大輔 小幡 賢吾 片山 雪子 金田 直樹 北山 未央 喜納 俊介 草葉 隆一 桑原 政成 笹沼 直樹 高橋 正浩 髙山 千尋 田代 尚範 立野 淳子 田村 貴彦 田本 光拡 土谷 飛鳥 堤 悠介 長門 直 成田 知大 名和 智裕 野々山 忠芳 花田 匡利 平川 功太郎 牧野 晃子 正木 宏享 松木 良介 松嶋 真哉 松田 航 宮城島 沙織 諸見里 勝 柳 尚弥 山内 康太 山下 遊平 山本 夏啓 劉 啓文 若林 侑起 渡辺 伸一 米倉 寛 中西 信人 高橋 哲也 西田 修 日本集中治療医学会集中治療早期リハビリテーション委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.30, no.Supplement2, pp.S905-S972, 2023 (Released:2023-12-10)

重症患者に対する標準化された質の高いリハビリテーションの提供は,取り組むべき重要課題である。日本集中治療医学会では,2017年に「集中治療における早期リハビリテーション ―根拠に基づくエキスパートコンセンサス―」を発行したが,系統的にエビデンスを評価したものではなく,あくまでも専門家のコンセンサスに基づくものであった。そこで,日本集中治療医学会では,質が高く,かつ,医療従事者が理解しやすく,その意思決定に資することを目的に,システマティックレビューおよびGRADE(grading of recommendations, assessment, development and evaluation)アプローチを用いた診療ガイドラインを作成した。 重症患者に対するリハビリテーションに特化し,かつ,GRADEアプローチを用いた診療ガイドラインとしては,世界初の試みである。本ガイドラインは日本集中治療医学会集中治療早期リハビリテーション委員会を核に,ワーキンググループ,システマティックレビュー班,アカデミックガイドライン推進班から構成された診療ガイドライン作成グループの合計73名からなるメンバーで作成した。リハビリテーションでは多職種連携が非常に重要であることはいうまでもない。本ガイドラインも多職種,かつ多様な専門分野を持つ医師や医療従事者,ICU患者経験者を含む多くのメンバーが作成に寄与した。 本ガイドラインでは,グループメンバーによる議論に基づいて,8領域を注目すべき臨床重要領域とした。その上で,各領域から重要な14の臨床疑問(clinical question, CQ)を作成した。 パブリックコメントの募集を計2回行い,CQに対する回答としては,10のGRADEによる推奨,4つの背景疑問の解説が示された。また,CQごとに情報を視覚的診療フローとして作成し,各CQの位置付けがわかりやすいように配慮した。多職種が関与する重症患者に対するリハビリテーションにおいて,本ガイドラインが活用されることを期待する。
著者
加藤 憲一 宮沢 篤生 高瀬 眞理子 東 みなみ 大塚 康平 江畑 晶夫 寺田 知正 長谷部 義幸 清水 武 水野 克己
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.373-379, 2023 (Released:2024-01-25)
参考文献数
24

動脈管早期閉鎖(premature closure of ductus arteriosus:PCDA)の原因として母体への非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti- inflammatory drugs:NSAIDs)が知られているが,近年ポリフェノールも原因となることが報告されている.ポリフェノール含有飲料が原因と思われるPCDAが疑われた1例を経験した.症例は在胎37週3日,2,730gで出生した一絨毛膜二羊膜双胎第2子.生後2時間から酸素化不良を認め,その後も酸素需要が続くため日齢1にNICUに入室した.胸部X線,12誘導心電図で右室肥大が認められ,心エコー図では動脈管閉鎖,心室中隔の平坦化,心房間の右左短絡が認められ,PCDAが疑われた.妊娠中にNSAIDsの服用はなかった.あずき茶とルイボスティーを連日飲用していたことが判明し,PCDAの原因としてこれらに含有されるポリフェノールの影響が疑われた.ポリフェノールはさまざまな食品に含まれており,一般的に健康に良いものと認知されているが,妊娠中の摂取について注意喚起が必要である.
著者
松本 光代 大塚 美奈 鈴木 祐子 福井 宏行 町田 季衣子 向井 孝夫 大堀 均
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.59-65, 2005 (Released:2006-08-01)
参考文献数
34

ウシコロナウイルス(BCV)は主な牛下痢症を発症し,また牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)はウシに重篤な粘膜病を発症する可能性を持った病原体で,どちらも家畜飼育現場からの根絶が困難なウイルスである.本研究では消毒剤の新たな候補として電気分解陽極水のBCVおよびBVDVに対する不活化効果を検討した.電気分解陽極水は0.12%のNaClを含む水を電気分解して調製した.電気分解陽極水で1分間処理した両ウイルスを牛腎細胞に接種し,細胞上清の赤血球凝集反応もしくは細胞内RNAのRT-PCRによって,ウイルスの存在を検討した.その結果,電気分解陽極水で処理したウイルスは細胞内および培養上清から検出されなかった.本研究で調製した電気分解陽極水は,低pH値(3.0前後)であり,低濃度(7.0~20.0ppm)の遊離形有効塩素(EC)を含むことが示された.BCVの増殖はECを含まない低pH溶液あるいは低濃度のECを含むが高pH値(9.0以上)を示す溶液による各処理では阻害されなかったことから,電気分解陽極水のウイルス不活化はpHとECの相乗効果によるものと推察された.
著者
大塚 攻 田中 隼人
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.49-62, 2020-02-29 (Released:2020-03-13)
参考文献数
87
被引用文献数
2

One of the major crustacean groups, Maxillopoda had accommodated Mystacocarida, Copepoda, Thecostraca, Tantulocarida, Ostracoda, Branchiura, Pentastomida, and some fossil taxa, and was generally defined by some combinations of the following characters: body tagma composed of 5 cephalic, 6 (or 7) thoracic and 5 (or 4) abdominal somites; male gonopore (s) located on the first abdominal somite; uniramous antennules; naupliar eyes with tapetal cells, and so on. However, the monophyly of maxillopodans is totally rejected by a number of genetic analyses, while palaeontological and morphological approaches still recognize not only maxillopodans but also entomostracans as valid taxa. Since this issue is not well documented in Japan, the present paper briefly introduces modern phylogenetic studies on maxillopodan crustaceans, in particular Copepoda and Ostracoda.
著者
大塚 将弘
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.737-740, 2010-03-20
著者
大塚 英志 小松 和彦 安井 眞奈美 エルナンデス アルバロ 荒木 浩 劉 建輝
出版者
国際日本文化研究センター・プロジェクト推進室
雑誌
日文研大衆文化研究叢書 全5巻序論集
巻号頁・発行日
2022-03-17

国際日本文化研究センターによる大衆文化研究プロジェクト(人間文化研究機構機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)の成果として刊行された「日文研大衆文化研究叢書」シリーズ全5巻 [『日本大衆文化史』(KADOKAWA, 2020年9月)、『禍いの大衆文化 : 天災・疫病・怪異』(KADOKAWA, 2021年7月)、『身体の大衆文化 : 描く・着る・歌う』(KADOKAWA, 2021年11月)、『〈キャラクター〉の大衆文化 : 伝承・芸能・世界』(KADOKAWA, 2021年11月)、『戦時下の大衆文化 : 統制・拡張・東アジア』(KADOKAWA, 2022年2月)] の序論を集めたもの
著者
麦倉 佳奈 Eldrin DLR. Arguelles 鎌倉 史帆 大塚 泰介 佐藤 晋也
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.49-53, 2022 (Released:2022-10-26)
参考文献数
18

We report the occurrence of Cymbella janischii in Ado River flowing into the Lake Biwa in 2022; this is the first report of this diatom from Kinki Area, Japan. Cymbella janischii has been known as an endemic species in the Pacific Northwest of North America. In Japan, however, it has become known as an invasive species. It is likely that it was introduced from the native locality into Kyushu in 2006 or shortly before, and has rapidly spread throughout Japanese rivers. In Ado River, it formed massive colonies on rocks by means of mucilage stalks secreted from one end of the cells, but the colony scattered only on the river bed. The cell had a dorsiventral outline, with an intricately shaped plastid. Fluorescence microscopy on living cells stained with SYBR Green and fluorescence-labeled lectin revealed that the position of the nucleus was appressed to the ventral side, and polysaccharide covered the entire frustule as well as the mucilage stalks. We also confirmed the identity of the species with the sequence of the 18S ribosomal RNA gene.
著者
足立 厚子 大塚 晴彦 山野 希 濵岡 大 井上 友介 一角 直行
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.170-172, 2019-04-10

summary第二子出産後,初めての夫との性交渉後に顔面浮腫,呼吸苦などのアレルギー症状を起こした29歳女性を経験した.夫が採取した精液を遠心分離して得た精漿希釈液を用いたプリックテストが陽性を示し,ヒト精漿アレルギーと診断した.血清特異的IgEでは,ヒト精漿とともに,イヌ上皮にも陽性を示し,イヌアレルゲンコンポーネントでは,r Can f 5(アルギニンキナーゼ,prostatic kallikrein)が高値で,r Can f 1,r Can f 2,r Can f 3は陰性であった.牡イヌ上皮中のCan f 5に感作された場合,その交差反応により,ヒト精漿アレルギーが発症するとの報告がある.自験例は第二子出産前後に里帰りした実家で飼育されていた牡イヌに接触して,イヌ上皮中のCan f 5に感作され,出産前までは無症状であったが,出産後初めての夫との性交渉時にヒト精漿アレルギーを起こしたと考えた.性交渉時のコンドーム使用にて症状の再発はない.
著者
阿部 恵子 須山 祐之 川上 裕司 柳 宇 奥田 舜二 大塚 哲郎
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.69-73, 2007-06-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1

空気清浄機の除菌性能評価法を策定するために必要な基礎データを得ることを目的とした予備実験を試みた。供試微生物散布用の試験室を作製し, その試験室の空気中に浮遊させる微生物としてwallemia sebiおよびPenicillium freguentansの胞子を用意し, 胞子の散布にネブライザ法および超音波法を適用し, 散布胞子の採取にゼラチンフィルタ法を用いた。ネブライザ法と超音波法の何れの方法でも, 試験室内に胞子を散布することができた。市販の空気清浄機の除菌性能 (空中浮遊菌除去性能) の評価試験を試みたところ, フィルタによる空中浮遊生菌濃度の低減効果が認められたが, クラスタイオンによる低減効果は認められなかった。
著者
中島 紳太郎 高尾 良彦 宇野 能子 藤田 明彦 諏訪 勝仁 岡本 友好 小川 雅彰 大塚 幸喜 柏木 秀幸 矢永 勝彦
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.414-422, 2011 (Released:2011-06-02)
参考文献数
20

症例は24歳女性でジェットスキーから転落し,外傷性ショックの状態で他院救急搬送となった.直腸膀胱腟壁損傷と診断され,損傷部の可及的な縫合閉鎖,ドレナージおよびS状結腸人工肛門造設術が施行された.膀胱機能は改善したものの括約筋断裂によって肛門機能は廃絶状態となり,受傷から3カ月後に当院紹介となった.排便造影で安静時に粘性造影剤の直腸内保持は不可能で完全便失禁であった.しかし恥骨直腸筋のわずかな動きと筋電図で断裂した括約筋の一部に収縮波を認めたため括約筋訓練を行った.2カ月後に最大随意圧の上昇を確認,また造影剤の直腸内保持が短時間ではあるが可能であり,恥骨直腸筋の収縮と超音波で断裂部の瘢痕組織への置換が確認された.受傷から6カ月後に瘢痕組織を用いた括約筋前方形成術,9カ月後に括約筋後方形成術と括約筋人工靭帯形成術を実施した.受傷から17カ月後に人工肛門を閉鎖し,便失禁もみられず経過は順調である.
著者
古泉 快夫 佐藤 正子 武 桓子 大塚 一止
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.14, no.12, pp.545-547, 1967-12-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
6

電子レンジによる食品類の殺菌効果を試験し,つぎのような結果を得た。(1) 純水50mlについて電子レンジ照射による水分蒸発量は加熱時間にほぼ比例し,180秒間で約半量蒸発した。(2) 電子レンジ内部の温度上昇率は中央部がもっとも速く各部均等に上昇しない。(3) 既知微生物は20秒間照射で完全に死滅する。(4) 一般食品類の微生物は20秒前後の照射で完全に殺菌され,味・外観ともにほとんど変化しない。(5) 無処理の食品類は冷蔵庫で6日間保存中にその微生物はやや増加の傾向が見られるが,電子レンジで処理した食品類は6日間保存で微生物の増加は全然認められなかった。
著者
田口 翔太 島田 湧志 神尾 三徳 大塚 彩加 元永 康誠 小林 万里 Shota Taguchi Yushi Shimada Mitsunori Kamio Ayaka Otsuka Kosei Motonaga Mari Kobayashi
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.83-86, 2020-12-18

コミミズクは冬鳥として北海道を含む日本各地に飛来するが,国内での繁殖記録はない。2019年5月13日~6月4日,著者らは北海道厚岸町の無人島,大黒島で,地上の巣と卵,雛,親鳥を観察し,写真撮影を行った。これは,本種の繁殖記録としては国内で初の報告である。
著者
足立 厚子 大塚 晴彦 山野 希 濱岡 大 井上 友介 小林 征洋
出版者
一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
雑誌
日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌 (ISSN:24337846)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.317-322, 2019-04-30 (Released:2019-06-15)
参考文献数
14

多種の魚摂取や, 魚コラーゲンペプチド入り美容ドリンク剤飲用によって, 口腔アレルギー症候群や, 運動が加わると食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こした22歳女性の症例を経験した。測定しうるすべての魚に対する特異的IgE (CAP FEIA法) が陽性であるとともに, プリックテストにて検査したすべての魚, 魚加工品, 美容ドリンク剤および美容ドリンク剤主成分の魚コラーゲンペプチドに強陽性を示した。ELISA法にて自験例の原因アレルゲンは, 主要アレルゲンであるパルブアルブミンではなくコラーゲンであると診断した。コラーゲンペプチドは家畜由来と魚由来とがあり, 産業原料として粉末や水溶液で流通している。コラーゲンペプチドは食品やドリンク剤のみならず, 化粧品にも多く含まれる。魚類アレルギー患者では注意が必要である。