著者
松岡 育弘 内藤 哲義 山田 碩道
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.759-765, 2002-09-05
被引用文献数
1 7

数多くの溶媒について水を飽和した状態で,溶媒のアクセプタ性を示す E_T値と水の溶解度を測定した.水の溶解度は,カールフィッシャー法により電量滴定で測定した.用いた溶媒は,7 種類のアルカン,3 種類の芳香族溶媒,3 種類の塩素化炭化水素,4 種類のエステル,6 種類のケトンと5 種類のアルコールである.各溶媒のE_T値は 1,2- ジクロロエタンを除いて対応する水の溶解度とかなりよい直線関係が成立することが分かった.これらの溶媒の中でデカン酸による銅 (II) イオンの抽出に関して研究してきた溶媒に対して,水の溶解度とこれらの抽出系に含まれる種々の平衡定数との間にかなりよい直線関係があることを示した.このことは,これらの抽出平衡が水和の影響を受けていることを示唆している.本研究で用いた溶媒への水の溶解度は 2.36×10^-3から 4.74 mol dm^-3であり,E_T値と比べて広い範囲にわたっている.このことは,有機溶媒への水の溶解度は,溶媒抽出における溶媒効果を研究する際,有機溶媒の性質を示す高感度な尺度として有用となることを期待させる.
著者
神薗 紀幸 黒川 正流 坂田 桐子
出版者
広島大学
雑誌
Memoirs of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. IV, Science reports : studies of fundamental and environmental sciences (ISSN:13408364)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.93-104, 1996-12-28

Through this research, we studied how love affairs affect the self identity and mental health of young people. We classified 109 male and 193 female undergraduate students into people in love and people not in love based on questionnaires completed by the students. As a results of comparing both groups, those who were in love reported high self-esteem, fullness scores and low depression scores in comparison with those who not in love. Those who were in love continuously tended to mark high brightness, friendliness, honesty, sensitivity, and the opposite sex role scores in comparison with those who were not in love. We discussed about the characteristics of young people in progress of personal relationships.
著者
山浦 克典 吉原 正義
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.123, no.10, pp.887-891, 2003-10-01
被引用文献数
3 11

インフルエンザは毎年日本国内において12月から3月の間に大流行し,小児ではインフルエンザ脳炎・脳症を,高齢者では肺炎などの重篤な合併症を引き起こす危険性のある呼吸器系感染症である.近年,インフルエンザウイルスの特効薬となるノイラミニダーゼ阻害剤が開発され,インフルエンザ治療においても特異的な薬物治療が行われるようになり,治療効果も格段に向上した.現在日本国内で臨床使用されているノイラミニダーゼ阻害剤は内服薬のオセルタミビルと吸入薬のザナミビルの2剤である.2002年度のインフルエンザ流行シーズンにおいては,オセルタミビル製造供給メーカーによる供給計画の狂いと,前年より1ヵ月早いインフルエンザの流行により,オセルタミビルの供給滞り問題が発生したことから出荷調整が行われ,全国的にノイラミニダーゼ阻害剤の在庫不足に陥った.いずれの薬剤も保険適応は5日間処方であるが,全国各地の医療機関において,2日又は3日間処方により在庫不足に対応せざるを得ない状況が多くみられた.そこで,本研究においては,オセルタミビル供給滞りに伴い,短縮処方された患者の医療費及び治療効果について,適応の5日間処方患者と比較検討した.
著者
吉田 和紀
出版者
日本図書館協会
雑誌
図書館雑誌 (ISSN:03854000)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, 2015-09
著者
小畠 裕将
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.65, pp.119-128, 2016-12-22

The current study examines the dialect of Okayama city, particularly the sentence-final particle de, which is analogous to the Japanese common language sentence-final particle yo. A comparison of de and yo revealed two main findings. First, similar to the Japanese common language, the basic meaning of de in the Okayama city dialect is to display mental manipulation and represent a gap in recognition. The particle de conveys different meanings based on its intonation: pronouncing de with a rising intonation indicates the compulsion of mental operation, while a falling tone indicates the delegation of mental operation. Second, in the Okayama city dialect, de can be used in different ways. It can be used to express something that is not apparent to the speaker or to refer to the display of a limited gap in recognition, and it does not require a reaction from the audience.
著者
及川 智博 川田 学
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-47, 2015-03-25

本研究は、運動会活動初期における遊戯の練習場面の、幼児―教師間および幼児同士の相互作用の形態に着目し、従来の保育における研究では十分検討されてこなかった、保育実践における規範を幼児や教師が形成していく仕組みと過程を明らかにすることを目的とした。ある幼稚園の年長学年が毎年運動会で行なう遊戯 <よさこいソーラン> の練習場面を対象として参与観察を行った。結果、遊戯の練習場面における規範を形成・共有する以下の2つの仕組みを見出した。第1に、教師の特定の働きかけの継続により、判断基準やその到達点が曖昧な、踊りの上達に関する規範が学年内に形成されたこと、第2に、規範における行動の参照点を見出すために、幼児たちがクラス間の関係性を変容させることで、規範が共有・維持されていったこと、である。また、運動会当日へ向けて練習が継続していくなかで、これらの仕組み、および規範が変化していったことが示唆された。
著者
清水 克哉
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本年度は実際に希ガスのキセノン(Xe)を高圧装置(DAC)に封じこみ、超高圧力下実験を行った。キセノンは閉殻電子構造を持ち、結晶構造及び電子構造ともに最も単純な絶縁体の一つである。超高圧力下に於いて絶縁体-金属転移を研究する上で最も基礎的かつ重要な情報を与えると考える。過去に別の研究者からキセノンの金属化については2,3の報告がある。それらはいずれも光学的な測定によるものであるが、130〜150GPaの圧力域で金属化を報告している。それに対して、本年度に行った我々の電気抵抗測定による金属化の検証は、より直接的な実験といえる。キセノンは常温常圧で気体であり、低温状態で液化させて封止するが、液体状態を取る温度域が161K〜165K(融点〜沸点)と非常に狭いため、正確な温度制御が必要であり、昨年度製作した低温封止装置を使用した。100GPa超の超高圧を発生するためにDACに用いるダイヤモンドの圧力発生先端面は直径50ミクロンを使用し、その面内約30ミクロン径の穴を作成し試料室とする加工技術を確立した。低温でキセノンを封じ込めたDACを室温まで昇温した後、顕微鏡で観察しながら加圧を進めた。圧力が100GPaを超えた付近で試料のキセノンが赤みを帯び、光学測定から金属化臨界圧とされた130GPaまで加圧を進めたが、電気抵抗は測定器(デジタルマルチメータ)の測定限界抵抗(300MΩ)より大きく、測定できなかった。さらに顕微鏡観測からは試料の赤色は濃くなったものの透過光が観測され、キセノンは130GPaにおいても金属化せず、過去の光学測定による報告と反する結果となった。さらに圧力を上げていくと200GPaでは透過光が全く観測できなくなったが、最終的にダイヤが割れた270GPa付近まで300MΩ以下の電気抵抗は測定できなかった。電極断線の疑いもあるが、少なくとも200GPa付近が金属化圧であろうと結論した。昨年度に行ったCsIの結果と比較すると、CsIは約110GPaで金属化が確認できた。ほとんど同じ(電子)構造・体積圧縮率を持つキセノンが2倍近い金属化圧をもつことは興味深い。本研究の過程に於いて世界最高の270GPaに至る超高圧発生と電気抵抗測定技術を確立したことで、究極の目標である水素の金属化に大きく近づいたといえる。
著者
仲村 永徳
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.445-449, 1998-04-15

はじめに 精神科臨床で憑依現象を見ることは珍しくない。憑依状態の基礎疾患は,心因反応,祈?性精神病,非定型精神病,精神分裂病など心因性疾患から内因性精神病に至るまで精神障害のすべてにわたって広範囲に発生しうるが,その表現形態は文化によっても大きな影響を受け,日本各地で様々な憑依現象が報告されてきた。文化人類学から精神病理現象にわたる多面的な憑依現象を臨床事例を通して検討してみた。以下は多分に,私見を交えた沖縄からの報告である。
著者
小田切 秀雄
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.73-76, 1984-08-01
著者
平田 健治
出版者
日本私法学会
雑誌
私法 (ISSN:03873315)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.48, pp.243-249, 1986-08-30 (Released:2012-02-07)
著者
野田弘著
出版者
[野田弘]
巻号頁・発行日
1990
著者
野田弘著
出版者
国土社
巻号頁・発行日
1978
著者
野田弘著
出版者
法政大学出版局
巻号頁・発行日
1953