著者
古賀 智之
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、スパイダーシルクの有する優れた力学特性とその分子構造特性に着目し、人工ペプチドの自己組織化概念を合成高分子システムとハイブリッド化させるという新しい発想のもと、スパイダーシルク様ナノ構造を有する様々な新規ペプチドーポリマー・ハイブリッドを合成した。水溶液系やフィルム系での自己組織化挙動や高次構造特性,力学物性等を総合的に評価し、高機能ソフトナノマテリアル設計の新たな指針を得ることに成功した。

1 0 0 0 OA 篁村遺稿

著者
島田篁村 著
出版者
島田均一
巻号頁・発行日
vol.卷下, 1918
著者
新居 直祐 瀋 春香 小川 洋平 崔 世茂
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.411-414, 2004-09-15
被引用文献数
1 13

ビワの根の内皮側数層の皮層細胞にみられる細胞壁の内部生長と内皮細胞に形成されるカスパリー線の形成過程を検討した.根の横断面から観察して,皮層細胞の肥厚は細胞壁の内部生長とみられ,その拡大の最終段階ではラグビーボール状を呈した組織は細胞の半分程度を占有するまでに肥厚した.したがって,若い根では,内皮に接した1層目の皮層細胞の内部生長組織がネックレス状に1重のリングを形成した.根の齢が進むにつれて,内皮から2層目の皮層細胞にも細胞壁の内部生長が確認された.根の維管束の発達につれて,カスパリー線の自家蛍光が蛍光顕微鏡によって明瞭に観察できるようになった.二次維管束の発達とともに,細胞壁の内部生長を示した皮層組織と内皮組織の間に離脱帯が形成され,皮層が離脱する段階では内皮の細胞層数が増加し,カスパリー線も数層に増大した.また,根から皮層部が離脱する段階になると,内皮の外層はコルク様物質が蓄積するようになった.皮層細胞の細胞壁の内部生長と内皮のカスパリー線の形成過程の時間的差異からみて,皮層細胞の細胞壁の内部生長はカスパリー線と同様に,根からの水分や溶質の損出を防御するのに機能しているものと考えられる.
著者
池田 浩子 川脇 寿 富和 清隆
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.185-191, 2003 (Released:2003-09-04)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

ロフラゼプ酸エチル(メイラックス®)が脳波異常と症状の一部に対して有用であったLandau-Kleffner症候群(以下LKS)の9歳、男児例を経験した。患者は3歳2カ月より進行性の発語量低下を示し、脳波で多焦点性棘徐波に加え睡眠時に全般性の棘徐波複合がみられ、検査にて言語性聴覚失認を認めLKSと診断された。ステロイドパルス療法を含め、各種抗てんかん薬治療が無効であったが、ロフラゼプ酸エチルにより、流涎減少、口唇と舌の動きの改善、著明な脳波の改善が得られた。ロフラゼプ酸エチルは、近年難治性小児てんかんに使用されつつあるが詳細な報告例は少ない。我々の症例は副作用、耐性もなく開始後2年経過しており、LKSに対して他の治療で効果がみられないときにはロフラゼプ酸エチルを試みる価値があると考えられた。しかし、言語についての改善がみられておらず、長期に脳波異常が持続した例では回復が困難になる可能性が高いようで、早期の脳波改善策が重要と考えられた。
著者
多田 智彦
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.631, pp.82-89, 2004-09
被引用文献数
1
著者
岩崎爾郎著
出版者
読売新聞社
巻号頁・発行日
1982

1 0 0 0 OA 大日本古文書

著者
東京帝国大学文学部史料編纂所 編
出版者
東京帝国大学
巻号頁・発行日
vol.家わけ十ノ六, 1939

1 0 0 0 OA 大日本古文書

著者
東京帝国大学文学部史料編纂所 編
出版者
東京帝国大学
巻号頁・発行日
vol.家わけ十ノ五, 1939
著者
大畑裕 著
出版者
求光閣
巻号頁・発行日
vol.続, 1905
著者
Yasuhisa Ano Akikazu Sakudo Ryuta Uraki Juri Kono Masayoshi Yukawa Takashi Onodera
出版者
内閣府食品安全委員会
雑誌
Food Safety (ISSN:21878404)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.2013005-2013005, 2013 (Released:2013-11-20)
参考文献数
51
被引用文献数
3

Infectious prion diseases include Kuru and its variant, Creutzfeldt-Jakob disease, in humans, scrapie in sheep, and bovine spongiform encephalopathy in cattle. In these diseases, the pathogenic prion protein (PrPSc) enters the host through the gastrointestinal tract and migrates to the central nervous system, where PrPSc induces characteristic pathological changes. The mechanisms underlying this intercellular transfer are not fully understood. After oral administration, PrPSc withstands the digestive process and may be incorporated by microfold cells (M cells) or villous columnar epithelial cells in the intestine. Based on Western Blot with specific markers, liquid chromatography, and morphological analysis, the cellular prion protein (PrPC) and PrPSc in the cells are associated with exosomes, membranous vesicles that are secreted upon fusion of multivesicular endosomes with the plasma membranes. Exosomes may play a role in PrP transportation through intestinal epithelium. Cells may exploit the nature of endosome-derived exosomes to communicate with each other in normal and pathological situations, providing for a novel route of cell-to-cell communication and therefore of pathogen transmission in the intestinal epithelium. In addition, since most bovine spongiform encephalopathy cases were exposed to the agent in the first six months of life, developmental alteration of the intestinal defense and immune system may also be involved in the susceptibility to infection.
著者
松居 誠一郎
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.160, pp.641-662, 1990-12-30
被引用文献数
10

日本の中新世末期から更新世に及ぶ約500万年間の寒流系貝類動物群中に7つの群集のグループが認められた。それぞれのグループを構成する地域群集はお互いに種または属組成のみならず環境との関係も類似し, お互いに生態的平行の関係にある。群集のグループの分布は主に水深と底質に規制される。また, これらの群集のグループに対応する現生の群集が日本周辺海域に認められる。7つのグループのなかでAcila-Turritella群集が最も普遍的で, 現生の下部浅海帯群集に比較される。Delectopecten群集とNuculana群集はこれより深い環境に認められる。Anadara群集とMacoma-Mya群集は浅海環境を代表し, それぞれ上部浅海帯の砂底と泥底群集に比較される。Thyasira群集は還元的な環境と結びついていたと考えられる。Chlamys群集は下部浅海帯及び上部漸深海帯の粗粒砂底を代表する。
著者
井樋 慶一 須田 俊宏
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

アセチルコリン(ACh)は脳内の代表的神経伝達物質であるが,ACh作動性ニューロンは視床下部室傍核(PVN)のcorticotropin-releasing factor (CRF)産生細胞の近傍に神経終末を形成している。PVNにおいてAChがCRFの合成,分泌に及ぼす影響を明らかにするために,無麻酔ラットを用い,脳内微量注入法により直接PVN内にAChを投与し,Northern blot法を用いてPVN内CRFmRNAおよび下垂体前葉(AP)内proopiomelanocortin (POMC)mRNAの定量を行った。同時に末梢血中ACTHの変化を検討した。さらにAChの作用がいかなる受容体を介して発現するかを明らかにした。1.無麻酔ラットPVN内ACh (1-100pmol)投与後血中ACTHは用量反応性に増加し,30分で頂値を示し,120分で前値に復した。2.PVN内ACh投与後120分でAP内POMCmRNAおよびPVN内CRFmRNAはACh (0.1-10pmol)用量反応性に増加した。3.脳室内アトロピン前投与により,PVN内ACh投与による血中ACTH増加は抑制されたが,ヘキサメリニウム前投与により抑制されなかった。以上の結果は,PVNにおいてAChがCRFの合成および分泌を刺激することを強く示唆するものであり,ACh作動性神経路がCRFニューロンに対する刺激性の調節系であるころが明らかとなった。またAChの作用はムスカリン受容体を介することが明らかとなった。
著者
上野川 修一 戸塚 護 八村 敏志 飴谷 章夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

アレルギーや自己免疫疾患など免疫系の異常で発症する疾患の激増は大きな社会問題となっており,その安全かつ有効な治療法の開発が熱望されている.本研究では,食品由来タンパク質・ペプチドおよびそのアミノ酸置換体を用い,これらの疾患をより根源的かつ安全に治療する方法の開発を目指した.1.基礎的知見として,アレルゲン,自己類似抗原に対するT・B細胞応答をマウスを用いて解析した.牛乳アレルギー患者に特異的なT・B細胞応答についても明らかにした.2.上記免疫疾患の抑制における抗原分子のアミノ酸置換体の利用について検討した.主要な牛乳アレルゲンであるβ-ラクトグロブリンの抗原構造を詳細に解析した.この知見をもとに抗原分子のアミノ酸置換体によるアレルゲン特異的免疫応答の抑制について検討し,その有効性を明らかにした.また,α_<s1>-カゼイン由来ペプチドのアミノ酸置換体によるCD8^+T細胞応答制御の可能性を明らかにした.3.上記免疫疾患の抑制における経口免疫寛容の利用について検討した.経口免疫寛容の誘導条件・機構を解析し,CD4^+T細胞,CD8^+T細胞およびB細胞の役割を明らかにした.また,抗原の投与量,投与条件と免疫寛容誘導の関係を明らかにした.さらに,T細胞抗原レセプタートランスジェニックマウスを用いて,経口抗原に対する免疫応答,腸管免疫系の応答を解析した.4.自己免疫疾患,アレルギーの新しい抑制法について検討した.アレルゲン,自己類似抗原由来ペプチドの投与による抑制法,抗T細胞応答を利用した抑制法の有効性を明らかにした.本研究で得た知見は,食品由来タンパク質・ペプチドおよびそのアミノ酸置換体によるアレルギー・自己免疫疾患の新規予防・治療法の開発のみならず,未だに不明な点の多い経口免疫寛容誘導機構,免疫系の抗原認識機構,および上記免疫疾患の発症機構の解明に大きく寄与すると確信する.