著者
高橋 正好
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.352-357, 1998-10-15 (Released:2017-04-30)

二酸化炭素は人体において代謝活動の結果生産される物質であり,また酸塩基平衡の維持などの重要な役割を担っている.しかし,過剰に存在した場合にはさまざまな悪影響を及ぼす.本資料においては,人体内における二酸化炭素の役割や,危険性などについて整理した.
著者
月尋堂
出版者
瀬戸物屋伝兵衛[ほか5名]
巻号頁・発行日
1712
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.743-751, 2006 (Released:2007-10-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1

ブラジャーは女子の肌に密着するファンデーションとして, 消費者の感性的ニーズをデザインに反映させる必要がある. 消費者の好みや感性をデザインに活かすには, 評価した人の特性を評価し, 類型化することが必要となる.そこで, 本研究では日本人若年女子193名にタイプの異なるブラジャー5種を対象として官能評価を行わせ, ブラジャーの特性を明らかにした上で, 判定者の類型化を行った. ブラジャーに共通した因子として, ズレ感, 揺れ感, 圧迫感, 整容感, 背面・脇押え感を抽出した. 特にズレ感や揺れ感の因子は寄与率が高く, また総合的な着心地との相関が高かった. タイプ別に導出した判定者の因子スコアを原データとしてクラスタ分析を行い, 判定者を4クラスタにパターン分類した. クラスタごとに官能評価結果を分析することにより, 評価の深層を浮かび上がらせることが可能になるということが示唆された. さらに評価結果は, 判定者がブラジャーについてどのような感覚が強いか, ひいてはブラジャーに何を要求しているかを表すものと考えることができる. 判定者が多ければ, 判定者のクラスタはそのまま消費者のクラスタと考えられ, 官能評価分析の結果をニーズに基づく商品設計に応用できるはずである. しかし, 官能評価の判定者の反応が多様であることから, 官能評価の方法や商品設計について考えさせられる点が多かった. 本研究では4クラスタに分類したが, ほとんどの項目に中間の評価をするクラスタ1の判定者が多く含まれる官能評価では明瞭な結果が得られない可能性が高くなるし, クラスタ2とクラスタ3のように反応差が大きい判定者が混じっている場合も平均化されて曖昧な結果に終わることが考えられる. 消費者の感性を商品に反映し, 質の向上を図るためにはクラスタごとに官能評価結果を分析して深層を浮かび上がらせることの重要性が示唆された.
著者
Ryuichiro Hayashi Shigeki Yamaguchi
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.2339-23, (Released:2023-08-02)
参考文献数
19
被引用文献数
1

A 33-year-old woman developed paresthesia in her right thumb approximately 30 minutes after receiving the BNT162b2 (Pfizer-BioNTech) severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) vaccine. The paresthesia gradually spread to her right-side limbs and trunk, and cervical magnetic resonance imaging (MRI) revealed a localized lesion in the right dorsal column. After glucocorticoid therapy, her symptoms and MRI findings improved. Although disease developing less than 24 h after vaccination is considered an unlikely cause of immuno-associated adverse events following vaccination, we discuss the possible mechanisms involved in early-onset central nervous system inflammation after vaccination in view of preexisting immunopathological susceptibility.
著者
疋田 努
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.1-9, 2019-08-31 (Released:2019-09-12)
参考文献数
30

In the studies of reptiles, I started the study of phylogeny and biogeography of the scincid genus, Plestiodon (formerly Eumeces) in the East Asian Islands by cladistic analysis and neighbor joining method based on morphological data. Then our laboratory has continued to study this group genetically using allozymes and DNA data. We revealed the process of the speciation of the genus in Japanese and Ryukyu Archipelagos. During the studying this group, we described five cryptic species. While studying the taxonomy and phylogeny of reptiles, I found that the cladistic taxonomy has several problems. I proposed the gradistic classification system showing cladistic relationship by putting a tag of the descendant grade within the ancestral grade.
著者
清水 裕士 稲増 一憲
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.113-130, 2019 (Released:2020-06-25)
参考文献数
37

本研究の目的は,保守‐革新についての政治的態度の母集団分布の形状を推定することである.これまで単項目の政治的イデオロギー尺度によって分布の形状が分析されてきたが,回答の難しさと反応バイアスの影響を強く受けることが指摘されてきた.そこで本研究ではSGEDを態度の事前分布とした一般化段階展開法による項目反応モデルを用いて,反応バイアスを補正する統計モデリングを活用し,母集団分布の形状を推定した.また同時に,政治的知識の程度によって形状がどのように変わるのかを検討した.分析の結果,反応バイアスを除去する前の分布はラプラス分布に似た中に収斂した分布となり,バイアスを補正したのちには正規分布に近づいたが,依然尖度が高い分布となった.また政治的態度による違いが大きく,政治的知識が少ない回答者の分布は中に収斂する一方,多い回答者の分散が大きく,正規分布に比べて尖度が小さい一様分布に近い分布となった.このことから,政治的知識の程度に応じて,周りから受ける影響が異なる態度形成メカニズムが推論できる.
著者
浪花 彰彦
出版者
北海道大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

報告者は、無積雪地帯におけるニホンジカの誘引方法について研究するため、市販されている融雪剤三種(塩化ナトリウム・塩化カルシウム・塩化マグネシウム)を誘引剤として用いて、カメラトラップ法によって撮影した写真から、誘引効果が認められるかどうか検証する実験を行った。実験は、和歌山県東牟婁郡古座川町にある、北海道大学和歌山研究林の林内で行った。誘引地点を林内3箇所に設定し、それぞれの地点において、給塩ポイントとして、三種類の融雪剤を2.5kgずつ入れた桶を25m間隔で設置した。またそれぞれの誘引地点に隣接するように、給塩なしの対照ポイントを設定した。それぞれの給塩ポイントおよび対照ポイントには、自動撮影可能な赤外線センサー付デジタルカメラ(Stealth Cam Rogue IR Digital Video Game Scouting Camera)を設置し、撮影範囲に出現する野生動物の撮影を行った。2009年12月から2010年1月にかけて1ヶ月にわたって実施した給塩実験の期間中、センサーカメラを常時作動し、連続撮影を行った。1ヶ月の給塩実験期間中に撮影されたニホンジカの頭数は、延べ185頭であった。対照ポイントでの撮影頭数27頭に対して、三種類の融雪剤を給塩したポイントでの撮影頭数は、塩化ナトリウム(Na),が92頭、 塩化カルシウム(Ca)が21頭、塩化マグネシウム(Mg)が45頭であった。対照ポイントにおける撮影頭数との比を取ると、Na=3.4、Ca=0.8、Mg=1.7となった。さらにNa給塩ポイントで撮影された写真からは、シカが桶から塩を舐め取っていると思われる様子が頻繁に観察された。以上の実験結果から、塩化ナトリウムが、ニホンジカに対して高い誘引性を示すことが明らかになった。市販されている融雪剤三種のうち、最も単価が安いものは塩化ナトリウムであるため、費用対効果の観点からも、塩化ナトリウムがシカの誘引剤としては優れた効果を持つことがわかった。

36 0 0 0 OA 東京府統計書

著者
東京府 編
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.大正元年 第2巻, 1925

36 0 0 0 OA 東京府統計書

著者
東京府 編
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.大正2年 第2巻, 1925

36 0 0 0 OA 東京府統計書

著者
東京府 編
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.明治44年 第2巻, 1925
著者
大川 正典
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.264-273, 2020-05-05 (Released:2020-10-14)
参考文献数
16

素粒子の標準モデルは,その基礎をゲージ理論においている.実際,電磁相互作用を媒介する光子はU(1)ゲージ理論により記述されており,また強い相互作用を作り出すグルーオンはSU(3)ゲージ理論に支配されている.光子は電荷を持たないので自己相互作用をしないが,グルーオンは自分自身で電荷(色電荷と呼ばれる)を持ち自己相互作用をし,その結果として強い力が作り出される.両者の違いは数学的には,U(1)群が可換なのに対して,SU(3)群が非可換であることからくる.一般にSU(N)非可換ゲージ理論は非常に複雑な構造を持っているが,1974年,’t HooftはSU(N)群の次元Nを大きくした時,摂動論の各次数でプラナーダイアグラムと呼ばれる特定のダイアグラムからの寄与しかなく,理論が簡単になることを発見した.ただし強い力が作り出されるのは非摂動論的効果であり,相互作用の大きさのべき展開で定義される摂動論では解析できない.非摂動論的効果の研究をするには,時空を離散化し4次元格子上に理論を定義し,自由度を有限にして数値シミュレーションを行うのが常套手段である.しかしNが大きいとき,SU(N)ゲージ理論を格子上で調べるのは現実的ではない.その理由は以下の通りである.一辺がLの4次元正方格子を考える.各格子点には4つのSU(N)行列を置くので,全体の自由度は4(N 2-1)L4となる.スーパーコンピューターで計算可能な自由度の数には限界があり,例えばL=30とすると,Nが10を大きく超える計算はできない.1982年江口と川合は,Nを無限にしたとき格子上で定義されたSU(N)ゲージ理論は,4つのSU(N)行列のみを持つ行列模型(江口・川合モデル,EKモデル)と等価である可能性を示した.以下で,Nを大きくとる極限をラージN極限と呼ぶ.EKモデルの自由度は4(N 2-1)なので,数値シミュレーションでNは数千の値を持つことができ,実質的にラージN極限が取れてしまう.残念ながら,EK模型は非摂動論的研究に重要な中間結合領域で破綻してしまう.この欠点を解決するために種々の改良が試みられ,2010年最終的に,González-Arroyoと筆者は,理論にある種のツイスト境界条件を課すことにより,中間結合領域でも有効な行列模型(TEKモデル)を構築した.現在ではTEKモデルを用いて,SU(N)ゲージ理論のラージN極限でのクォーク間ポテンシャルや中間子質量が非摂動論的に計算されている.近年,アジョイント表現に属するスカラー場やフェルミオン場を伴ったSU(N)ゲージ理論が大きな関心を呼んでいる.その理由のひとつに,AdS/CFT対応がある.これによると,Anti de Sitter時空を背景に持つ超重力理論と,ラージN極限でのゲージ理論との間に対応がある.SU(N)群のアジョイント表現にあるスカラー場やフェルミオン場のラージN理論も,行列模型を用いて調べることができる.行列模型による非摂動論的効果の研究は始まったばかりであり,今後の発展が強く望まれる分野である.