著者
落合直文 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.第2巻, 1922
著者
林 衛 加藤 和人 佐倉 統
出版者
裳華房
雑誌
生物の科学 遺伝
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.30-34, 2005-01

科学コミュニケーションとは何か,それがいままでの「科学普及」や「科学啓蒙」とどう違うのか,なぜその概念が有効なのか,とくに生命科学でこれを考えることの意味をさぐるのが,本特集のねらいである.科学をいままで以上に深く考え楽しみながら,専門家と非専門家,あるいは一般市民がつながりをもって社会の中に本当に必要な科学を育んでいけるようになるために,いま双方向・多方向の科学コミュニケーションが求められている.そのためには,情報を共有し,交流をしながら,研究者も一般市民も同時に高まっていけるしくみが必要だ.
著者
三橋 正
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.11-40, 2014-09

個人が日記をつける習慣と過去の日記を保存・利用する「古記録文化」は、官人の職務として発生したものが天皇や上級貴族にも受け入れられ、摂関政治を推進した藤原忠平(八八〇~九四九)によって文化として確立され、子孫に伝承され、貴族社会に定着していった。その日記の付け方は、『九条殿遺誡』にあるように、具注暦に書き込むだけでなく、特別な行事については別記にも記すというものであり、忠平も実践していたことが『貞信公記抄』の異例日付表記などから確認できる。息師輔(九〇八~九六〇)も、具注暦記(現存する『九暦抄』)と部類形式の別記(現存する『九条殿記』)とを書き分けていたことは、具注暦記にはない別記の記事(逸文)が儀式書に引用され、別記に具注暦記(暦記)の記載を注記した部分があることなどから明らかである。従来の研究では、部類は後から編纂されると考えて原『九暦』を想定し、そこから省略本としての『九暦抄』と年中行事書編纂のための『九条殿記』が作られたとしていたが、先入観に基づく学説は見直されるべきである。平親信(九四六~一〇一七)の『親信卿記』についても、原『親信卿記』を想定して自身の六位蔵人時代の日記について一度部類化してから再統合したとの学説があったが、そうではなく、並行して付けていた具注暦記と部類形式の別記を統合したものであった。藤原行成(九七二~一〇二七)の『権記』では、具注暦記のほかに儀式の次第などを記す別記と宣命などを記す目録が並行して付けられていたが、一条天皇の崩御を契機として統合版を作成したようで、その寛弘八年(一〇一一)までの記事がまとめられた。現存する日記(古記録)の写本は統合版が多く、部類形式の別記については研究者に認知されていなかった。本稿により、(日記帳のような)具注暦とは別に(ルーズリーフ・ノートのような)別紙を使って別記を書くという習慣が十世紀前半(忠平の時代)に形成され、十世紀末に両者の統合版を作成して後世に残すという作業が加わるという「古記録文化」の展開が明らかになった。

5 0 0 0 OA 工場通覧

著者
農商務省商工局工務課 編
出版者
日本工業協会
巻号頁・発行日
vol.2冊 明治42年12月末日現在, 1911
著者
Hiroyuki Tsutsui Hiroshi Ito Masafumi Kitakaze Issei Komuro Toyoaki Murohara Tohru Izumi Kenji Sunagawa Yoshio Yasumura Masafumi Yano Kazuhiro Yamamoto Tsutomu Yoshikawa Takayoshi Tsutamoto Junwei Zhang Akifumi Okayama Yoshihiko Ichikawa Kazuhiro Kanmuri Masunori Matsuzaki for the J-EMPHASIS-HF Study Group
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.148-158, 2017-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
19
被引用文献数
23

Background:The mineralocorticoid receptor antagonist eplerenone improved clinical outcomes among patients with heart failure with reduced ejection faction (HFrEF) in the EMPHASIS-HF (Eplerenone in Mild Patients Hospitalization And SurvIval Study in Heart Failure) study. However, similar efficacy and safety have not been established in Japanese patients. We evaluated the efficacy and safety of eplerenone in patients with HFrEF in a multicenter, randomized, double-blind placebo-controlled outcome study (ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01115855). The aim of the study was to evaluate efficacy predefined as consistency of the primary endpoint with that of EMPHASIS-HF at a point estimate of <1 for the hazard ratio.Methods and Results:HFrEF patients with NYHA functional class II–IV and an EF ≤35% received eplerenone (n=111) or placebo (n=110) on top of standard therapy for at least 12 months. The primary endpoint was a composite of death from cardiovascular causes or hospitalization for HF. The primary endpoint occurred in 29.7% of patients in the eplerenone group vs. 32.7% in the placebo group [hazard ratio=0.85 (95% CI: 0.53–1.36)]. Hospitalization for any cause and changes in plasma BNP and LVEF were favorable with eplerenone. A total of 17 patients (15.3%) in the eplerenone group and 10 patients (9.1%) in the placebo group died. Adverse events, including hyperkalemia, were similar between the groups.Conclusions:Eplerenone was well-tolerated in Japanese patients with HFrEF and showed results consistent with those reported in the EMPHASIS-HF study.
著者
鈴木 幸久
出版者
(財)東京都老人総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ポジトロン断層法(PET)を用いて,原発性眼瞼痙攣症例18例(男性5例,女性13例,平均年齢53.2±7.6歳)の脳内中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度を測定した。正常人19例(男性9例,女性10例,平均年齢50.3±9.2歳)をコントロールとした。PET画像は,Automated Medical Images Registration(AMIR)プログラム(Ardekani 1995)を用いて三次元的に個々のMRIに合致させた。各症例のMRIを見ながら,正常人および眼瞼痙攣症例全例に対し PET画像に関心領域(ROI)を設定した。ROIは,両側の視床,尾状核,被殻,島皮質,弁蓋部,一次体性感覚野に設定し,各部位のベンゾジアゼピン受容体密度を半定量し,各値は各症例の全脳平均の値で補正した。各部位の値について,複合T検定を用いて検定した(P<0.05/12=0.0041)。両側の島皮質,弁蓋部,一次体性感覚野に有意なベンゾジアゼピン受容体密度の低下がみられた。眼瞼痙攣はジストニアの一型と考えられており,ジストニアの病因として,GABA抑制系の異常(Levy 2002)や体性感覚の異常(Odergren 1998)が提唱されている。中枢性ベンゾジアゼピン受容体は,GABA_A受容体と複合体を形成しており,中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度の低下は,GABA抑制系の異常をもたらすと推測される。また,島皮質および弁蓋部は,視覚,体性感覚などの入力が存在し,二次の体性感覚野とも呼ばれている。そのため,島,弁蓋部および一次体性感覚野の中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度の低下によって,GABA抑制系の異常や体性感覚の異常が引き起こされ,それが眼瞼痙攣発症の一因である可能性が考えられる。
著者
田川 憲二郎
出版者
神田外語大学
雑誌
Scientific approaches to language (ISSN:13473026)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.269-288, 2008-03

英語を苦手とする日本人大学生の多くが、主語と定形一般動詞の間に本来不要な定形be動詞を挿入するという過ちを犯す。本稿では、筆者の推測の域を出ないが、その原因として彼らが中学校教科書を通じて初めて英語に接する際、定形be動詞を日本語の「は」や「が」に相当する助詞であると誤認している可能性があると考え、現行の中学校英語教科書の定形be動詞と一般動詞の導入の仕方を概観し、その解消へ向けての方策を検討する。小学校高学年からの英語の導入を3年後(2011年度)に控え、初学時の導入方法と英語力、英語の誤用との関係についての注意深い研究がなされるべきと考える。本稿は、そうした試みのケース・スタディである。

5 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1927年12月24日, 1927-12-24
著者
長谷川 伸三
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
no.43, pp.51-70, 2006-03

京都豊年踊りとは、天保10年(1839)3、4月京都市中におこった熱狂的な踊り現象をさす。本稿では、この豊年踊りの絵画資料を概括し、その伝播過程や絵画の共通性や特異性を検討する。まず木版刷りの史料を検討した。京都で発行された一枚刷り「豊熟都大踊」「みやこおどり 鈴なるこの神徳」(大阪府立中之島図書館)や木版本『町々吉兆都繁栄』(早稲田大学附属図書館)は、この踊りの情報を各地へ伝える役割をはたした。たとえば後者は、『天保雑記』(国立公文書館内閣文庫)や『藤岡屋日記』(東京都公文書館)にそのまま書写されている。次に図巻・屏風の資料を検討した。図巻としては、「蝶々踊図巻」(大阪歴史博物館)と「天保十年豊年踊図巻」(チェスター・ビーティ・ライブラリー、アイルランド共和国ダブリン市)が双璧をなす。また「天保踊図屏風」(京都市歴史資料館)について、写真をかかげ、関連史料と合わせて紹介した。最後に冊子のさし絵を検討した。なかでも「天保視聴記事」(愛知県西尾市立図書館岩瀬文庫)のさし絵は図巻に匹敵し、『天保踊之記』(愛知県大洲市立図書館矢野玄道文庫)は、踊りに使われた衣装や提灯・手燭を図入りで説明している。これらの資料は、文字資料(文書・記録)とあわせて、豊年踊りの実状を詳細に明らかにするであろう。