著者
樋口 伊佐夫 佐藤 文昭
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.159-167, 1981-03-20 (Released:2009-06-12)
参考文献数
8

放射線の生体に及ぼす危険度の評価に,発がんによる寿命短縮の重要なことが認識されつつあるが,これに関する定量的研究はまだあまり見られない.筆者らは,その一人佐藤らによって得られた,マウスについての一連の系統的な実験結果から,電離放射線の危険度に関する知見を得るため,まず寿命短縮に対する個々の死因の寄与を計測することを考えた.いまあるきまった照射条件の場合について調べるものとする,考察の対象となるマウスの集団は非照射群(対照群)と照射群とから成る,その各々について,平均寿命ならびに各死因ごとの死亡発生率と死亡時の平均年令が実験データから得られるので,問題は二群間における平均寿命の差に対する各死因の寄与を,それらの情報を用いて算出することである.このためには単純に死因別に,平均死亡年令と死亡発生率の積の二群間における差をつくればよさそうに見えるが,実はそのような量を測っても有用な情報とはならないことが多い.筆者らは,寄与を表わす量として,いくつかの式を試行錯誤的に実験データに適用してみた結果,解釈がつきやすく役に立ちそうな量として,本文の式(4),(5),(14)によって定義されるGtを得た.それをこのような場合の寄与として用いることを提案ずる.この量の導出にあたっては,特定のデータへの適用の妥当性を指針としたが,結果の式には一般的な意味づけもできるので,適用し得る場合が少くないと思われる.
著者
Jan Dismas Zelenka
出版者
Supraphon
巻号頁・発行日
2012
著者
徳原 克治 山中 英治 伊東 大輔 小柴 孝友 佐藤 正人 小切 匡史
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1690-1694, 2001-11-01
被引用文献数
15

患者は69歳の男性.1995年頃より, 肛門周囲の皮膚からの排膿, 出血を繰り返し, 1999年3月頃には大豆大の腫瘤が出現した.2000年初めより排膿, 出血が頻回となり腫瘤が増大してきたため, 同年5月当科を受診した.肛門3〜5時方向にかけて表面に潰瘍を有する38×27mm大の腫瘤が存在, その一部を生検したところ中分化腺癌と判明した.また大腸内視鏡で, 肛門縁より20cm口側のS状結腸に2'型進行癌を認め, 生検の結果は中分化腺癌であった.両病巣の組織像が一致したことより, S状結腸癌とその管腔内転移による転移性痔瘻癌と考え, 腹仙骨式直腸切断術を施行した.痔瘻は日常診療においてしばしば遭遇する疾患であるが, 痔瘻に癌が発生した場合は転移性痔瘻癌も念頭に置き大腸検査を施行する必要がある.また大腸癌患者で痔瘻を有する場合は, 痔瘻への転移も考慮にいれた厳重な経過観察が必要であると考えられた.
著者
森 広行
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.145, 2012-03-01 (Released:2012-11-16)
参考文献数
26
被引用文献数
2

1 0 0 0 OA 図書館研究

著者
間宮不二雄 編
出版者
間宮商店
巻号頁・発行日
vol.第1輯 (第1卷−第7卷索引) 第1巻 カードノ話, 1926
著者
天沼 俊一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.25, no.289, pp.18a-20a, 1911-01-25
著者
山口 弥一郎
出版者
日本民俗学会
雑誌
日本民俗学 (ISSN:04288653)
巻号頁・発行日
no.127, pp.p72-78, 1980-03
著者
髙 秀成
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.6, pp.227-283, 2006-08

リサーチペーパー序第一部 判例法理としての客観説の再検討一. 判例における客観説の展開(1) 預金者の認定(2) 判例における客観説の展開二. 客観説の分析的省察(1) 客観説の契約当事者論からの解放(2) 客観説における内部関係(3) 金銭帰属に関する合意の例外的対外効(4) 客観説と他の救済法理との相互考察第二部 平成15年判決における預金債権の帰属及び倒産隔離について一. 平成15年2月判決及び6月判決の検討(1) 平成15年2月判決の概要(2) 平成15年6月判決の概要(3) 検討(4) 小括二. 預金債権の帰属と倒産隔離(1) 信託構成(2) 問屋構成(3) 補論第三部 客観説の射程についての若干の展望一. 普通預金取引における預金債権の帰属二. 原因関係を欠く預金取引における預金債権の帰属(1) 誤振込事例(2) 振り込め詐欺事例
著者
平野 寛弥
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.5-16, 2008-02-29

本稿では,T.H.マーシャルの論文「福祉資本主義の諸価値問題」およびその「追論」(以下,「ハイフン連結社会」論と総称)を再検討し,その現代的意義について考察した.具体的には,「ハイフン連結社会」論を社会システム論の観点から再解釈し,通説の妥当性を検証したのち,そこで採用されている分析枠組みを用いて,現代の経済一福祉間の関係について検討した.その結果,「ハイフン連結社会」論は価値選択を通じての構造問題の許容化を論じた社会体制論として理解される.したがって,価値問題のみを扱っているとする通説は妥当性を欠いている.また,経済-福祉間の関係が構造的に変容した現代では,構造のあり方までもが価値問題の盤上に上げられる点で,以前に比べ価値問題が先鋭化し,その重要性も増大している.その意味で,マーシャルの議論は現代においてもなお大きな意義を有している.
著者
式亭三馬, 為永春水 著
出版者
同盟分舎
巻号頁・発行日
1887
著者
都甲 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.805-811, 1997-08-25
被引用文献数
4

快・不快や好き・嫌いといった感情は生物の生存にかかわる本質的応答である. 「感性」とは五感を総動員し, しかも過去の体験等も考慮して生じる感覚, 感受性である. 来るべき21世紀では, 感性に立脚した, 人に優しい技術について再考する時代であろう. 本稿では, 感性の中でも最もあいまいな感覚である味覚と嗅覚に客観的物差しを与えるセンサについて紹介する.