著者
須永 照雄 近藤 英二 ビスワス シャマン・カンティ
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.29-44, 1978-03

待ち行列問題に対し、理論と応用のギャップを埋めるため、いくつかの近似手法が発表されている。ラッシュアワー問題など、長い待ち行列を有するシステムに対し、連続モデルを利用する方法がすでに試みられている。こゝでは必ずしも長い待ち行列を有しないいくつかの典型的な問題に対し、連続モデルを利用する手法を提案し、厳密解と近似解の比較よりその有効さを示した。まづ、単一窓口待ち行列問題を扱っている。到着率をλその分散を△iとし、サービス率をμその分散を△_0とするとき、入力を平均入分散△iの正規確率過程と考え、出力を平均μ分散△_0の正規確率過程と考える。次に系内客数Xの確率密度関数f(X)に関する拡散方程式を立て、指数型の解を得る。系内平均客数Lの近似式はf(x)の平均で与えられることは知られているが、これは待ち行列が充分長くシステムが殆んど空にならないことが前提となっている。一方、厳密解の特性としてL=ρ≡λ/μ(ρ<<1)が知られている。そこで近似式に補正項を加え前記の特性を持たせた。すなわち[numerical formula]なる式を提案している。M/G/1(∞)の場合、近似式はヒンチン・ポラチェックの式と一致している。他の数値例としてE_2/E_2/1(∞)およびE_<10>/M/1(∞)を扱っている。単一窓口で系内客数に制限mが課せられているとき、系内平均客数はL≒∫^m_0 xf(x)dxで与えられる。この場合も厳郁解の特性L=ρ(ρ≪1)およびL=m(ρ≫1)をもつように、適当な補正項の追加と積分の上限mの変更を行っている。複数窓口を有する待ち行列問題に対しては、上記のような厳密解の特性を利用することができないので次の手法を用いた。入力として平均μ分散△iの正規確率過程を考え、出力として、系内客数Xが窓口数sより小のとき、平均xμ分散x△_0なる正規確率過程を考える。このときの拡散方程式の解をf_1(x)とする。xがsより大なるとき、出力は平均sμ分散s△_0となり、拡散方程式の解をf_2(x)とする。解f_1(x)とf_2(x)はx=sで連続的に接続させ、これを用い待ち行列の長さL_qは、[numerical formula]と計算される。数値計算例としては、M/M/S(∞)、M/D/S(∞)、D/M/S(∞)およびE2/E2/S(∞)を扱った。また、この方法は単一窓口(S=1)の場合にも有効なことを示した。
著者
河野 友信
出版者
全国社会福祉協議会
雑誌
月刊福祉 (ISSN:13416669)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.100-103, 2004-04
著者
マクニール ケン
出版者
日本ニュージーランド学会
雑誌
日本ニュージーランド学会誌
巻号頁・発行日
vol.13, pp.30-44, 2006-06-17

西洋人が日本を「発見」した19世紀中期以後の二、三十年間、日本のイメージは主として美術工芸によって形成されたと言える。日本を訪ずれた西洋人が持ち帰った美術工芸品、彼らの著作物、写真などによって、1880年代から1890年代前半にわたって、美感にすぐれたこの異国の民族が生活の中にみごとに美術を融合させ、絵のように美しく、また子供の楽園でもある日本のイメージがしっかりと形成された。しかし、1890年代後半以後、日清戦争の勝利、イギリスなどとの通商条約締結、ロシアとの軋轢、中国の義和団の乱への出兵などの歴史的事件を経て、西洋は日本の近代化・西洋化を、認めざるを得なくなった。にもかかわらず、自分達が作り上げた、あこがれの不思議の国という、魅力的な日本のイメージにしがみつく傾向は依然として強かった。この偏ったイメージを打ち壊したのは日露戦争における日本の勝利であった。小論では、1900年前後のニュージーランド人による日本のイメージの形成とその変遷について、主に当時のマスメディア(新聞、雑誌)を資料として論じる。まだ近代日本のイメージが弱かった、義和団の乱直前の1899年から、「不思議の国」と「近代国家」という異なったイメージのせめぎ合いを経て、日露戦争をきっかけに西洋人が日本の台頭の秘密(西洋人にとって)を見極め、日本のイメージを修正せざるを得なくかった1905年までを検討する。
著者
増子 治信 小林 達治 梅原 俊彦 田村 恒 岡本 謙一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.435, pp.17-24, 1995-12-15

シャトル映像レーダC/Xバンド合成開口レーダ(SIR-C/X-SAR)は米国、ドイツ及びイタリアが共同で1994年に実施した初めての宇宙機搭載用多周波(L,C,Xバンド) ・多偏波(ポラリメトリック)合成開口レーダである。通信総合研究所は日本から唯一参加を認められ、システムの較正実験及び日本周辺海域で海洋油汚染観測を中心とする海洋観測実験を実施した。本報告では、疑似油汚染観測を中心にレーダ映像の周波数依存性及び偏波特性について述べる。
著者
河合 清治
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.38-41, 1996-10-31

学寮の性格や機能は寮生気質と同じように時代と共に変わってきている.高専の学生そのものが少子化や高学歴化社会,豊かな文化生活の傾向を受けて質的に問題を多くし,気質もその安易さから日常生活の無秩序,無関心の影を長く落としている.従って,寮生の生活指導も学寮の特質としての教育寮,全寮制という一枚岩から漸次多様化を示し始め,自治寮的,任意寮的になってきていることをふまえ,時代にあった方法をとらなければならない.また,女子寮生や留学生の増加によって雰囲気を軟化しながら,別に新たな人間関係の問題を引き起こしている.この中にあって,寮監の指導の視点をできるだけ集団から個へ(個室の設置等),全学年から学年別へ(高学年の扱いの弾力化等),耐乏生活から豊かな電化生活(テレビ,電話の取りつけなど)を引き出しながら,聞かれた明るい環境づくりにあると考えたい.
著者
大日向 浩 大野 都美恵 Saha Shyamal Kumar 黒島 晨汎
雑誌
臨床体温
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.22-29, 1998-08
被引用文献数
1

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