著者
石崎 雅勝 熊木 武志 幸野 豊 田上 正治 小出 哲士 ユルゲン マタウシュ ハンス 黒田 泰人 行天 隆幸 野田 英行 堂阪 勝己 有本 和民 齊藤 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.425, pp.125-130, 2006-12-07

ハフマン符号化とはデータ圧縮技術の主流となっている方式の一つであり,高速かつ高圧縮であることが求められている.本報告では符号化にCAMによる一致検索結果を利用することで並列に符号化を実現する方法,及び符号化テーブルをリアルタイムにアップデートし,最適化することによって高い圧縮率を得ることができるアーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャにおいて,テーブルを交換するタイミングを最適化することで,より高い圧縮率を得ることができると考え,シミュレーションによりJPEG画像におけるアップデートタイミングの最適化を行ったところ,データサイズはスタンダードテーブルを用いたハフマン符号化と比較し,最大22.6%の削減を実現した.
著者
谷中 一寿
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, 1986-09-20

ICCは, IEEEのコミュニケーションズソサエティの後援で毎年6月ごろ開催され, 毎年冬に開催されるGLOBECOMと並んで, 電気通信全般に関する世界で最大規模の会議の一つである.今回は1986年6月22日〜25日, カナダのトロントで開催された.今回の主テーマは, "通信を通じた世界の統合"で, 60セッションが設定され, 24ヵ国から384件の論文が発表された.このうち16セッションがミニテーマ"世界中に広がる通信網"に割当てられ, ISDN関連の発表が行われたことが今回の特徴である.国別論文数を表1に示す.日本の55件の内訳は, NTT24件, 日電12件, 大学・官公庁(郵政省, NHK各1件を含む)7件, 三菱4件, 富士通3件, 日立, 東芝各2件, 古河1件であった.
著者
青沼 佳代 矢内原 仁 上野 宗久 出口 修宏
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.745-751, 2007-09-20

(目的) PlasmaKinetic (PK) system<sup>®</sup> は生理食塩水で灌流を行う TUR system である. そのため術中に低ナトリウム血症を発症しないという従来の monopolar 電気メスでは解決できなかった大きな利点がある. PK system<sup>®</sup> を用いてTUR-Pを行った46例における1年間の臨床経過を報告する.<br>(対象と方法) 2004年6月22日から2005年11月17日までの間に PK system<sup>®</sup> を用いてTUR-Pを行った前立腺肥大症を有する46症例について安全性, 有用性を検討した. 麻酔は腰椎麻酔40例, 仙骨部硬膜外麻酔6例に施行した. 臨床成績として国際前立腺症状スコア (IPSS), QOLスコア, 最大尿流量率 (Qmax), 残尿量 (RUV) の各項目を評価し, 術前, 術後1ヵ月, 3ヵ月, 1年のデータを比較した. れ性機能につき国際勃起機能スコア (IIEF5) で術前と術後1年を比較した. また, PK system<sup>®</sup> の切除凝固能について従来の monopolar TUR と比較し, 組織学的検討を加えた.<br>(結果) すべての症例で術中低ナトリウム血症などの合併症を認めず安全に手術が施行でき, 術後経過においても良好な臨床経過を得られた. 手術時間は99.0±43.2分, 灌流液使用量は28.2±16.3L, 前立腺切除重量は35.3±19.4gであった. 尿道カテーテル抜去までの日数は1.7±1.0日, 術後入院日数は4.3±2.4日であった.<br>術前と術後1ヵ月, 3ヵ月及び1年の時点におけるIPSSは28.2±7.4から6.1±5.9, 2.7±3.5, 6.6±5.3, QOLスコアは5.4±1.0から0.9±1.2, 0.6±0.9, 1.3±1.1と有意に低下した. また最大尿流量率 (ml/s) は3.7±4.0ml/sから19.5±9.6, 17.9±7.3, 18.7±9.9ml/sと有意に増加した. 排尿後残尿量は104.8±83.6mlから19.4±25.0, 11.1±247, 17.9±28.5mlと有意に減少した.<br>性機能についてはIIEF5による術前, 術後1年の統計を調査し, それぞれ6.2±5.2, 6.0±5.3であった. 術後勃起障害を訴えたのは2例であった.<br>組織学的検討ではPK system<sup>®</sup> の切開面は出力を上げても切開面における炭化組織の付着は認められなかった.<br>(結論) PK system<sup>®</sup> は従来の monopolar TURに匹敵する切除, 凝固能を有しており安全にTUR-P行うことが可能であると考えられた. 一年間の経過観察において, 良好な結果を得られたことからも, 今後広く普及するものと考えられた.
著者
佐藤 大七郎 「人工林の一次生産」研究班 NEGISI K. SIBA Y. YAGI K. CHIBA M. NAGANO S. ORIME T. ASADA S. OSHIMA Y. TERADA M. HATIYA K. TADAKI Y. KARIZUMI N. KATO R. MORI M. ANDO T. SHIMODA H. HOZUMI K.
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.154-158, 1970-05-25
被引用文献数
1

IBPの「人工林の一次生産」研究班によって, 1966年に, 小岩井農場でおこなわれた, 収穫法による林分生産関係の調査方法を検討するための合宿-JPTF-66-KOIWAI-の, 調査結果のあらましである。この合宿で得られたデータは, 関係研究機関にくばられており, 調査結果のたちいった検討は研究班員によって, おいおい報告されることになっている。39年生の, ながいあいだ間伐をおこなっていないカラマツ林(表-1)について, 根および下層植生をふくむ, 現存量と物質生産量をしらべた結果は, 表-2〜4にしめした。上木のカラマツは, 植物現存量の97%をしめたが, その葉量(3.95 t/ha, LA I : 4.24)の全体に対するわりあいは, 乾物重で82%, 葉面積で64%にすぎなかった。この林の乾物生産量は18.46t/ha/年で, その約80%はカラマツ上木によってしめられていた。
著者
高木 正道 秋葉 直志 塩谷 尚志 栗原 英明 伊坪 喜八郎
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.620-624, 1996-07-15

呼吸困難をともなったmassive thymic hyperplasia(以後,MTH)の1手術例を報告する.症例は27歳の女性で,数年前より左前腕部痛を自覚していた.最近になり呼吸困難と動悸が出現するようになった.胸部単純X線写真で左肺門部に突出する異常陰影を認め,胸部CTで前縦隔に不整形で内部濃度均一な腫瘤性病変を認めた.1992年6月22日腫瘤摘出術を施行した.腫瘤の重さは115g, 大きさは15.0×12.0×2.5cmで表面は平滑で黄褐色,分葉状であった.病理組織検査の結果では正常な胸腺構造を持つtrue thymic hyperplasiaであった.術後に自覚症状の改善を認めた.過去に報告されたMTHは21例で,年齢分布は7ヵ月から21歳である.自験例は27歳と最年長である.自験例を含めた22例の中で55%が有症状であり,このうち胸腺摘出術により72%で症状の改善がみられている.
著者
西元 直行 小柳津 朝子 永沢 勝雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.9-17, 1972-12-25
被引用文献数
1

地下水位の高低によるブドウおよびナシの生育におよぼす影響を調査した.1.ブドウの新梢伸長量および新梢肥大についてはB区がよく生育した.水位の低いA区がB区・C区に比較して劣ったが,新梢伸長量の点よりみて,B区・C区は徒長的傾向であったとみられる.2.ブドウの葉のクロロフィル含量およびみかけの同化量については,地下水位の低いA区がB区・C区より多かった.しかし,葉面積は地下水位の高いC区およびB区がA区より大きかった.3.ブドウの根群および相貌におよぼす地下水位の高低による影響は大であった.水位の低いA区は主根を基本とする根群,水位の高いC区は細根を中心とする根群を形成した.B区はA区とC区の中間的な様相を呈した.4.ナシの新梢伸長および新梢肥大等については,地下水位の高いC区が明らかに劣った.さらに伸長停止期も早く,6月22日であった.5.ナシの葉内クロロフィル含量および葉面積に関しては,地下水位の高いC区がA区およびB区より明らかに劣った.光合成産物増加量はA区が特に少なかった.6.ナシの根群形成におよぼす地下水位の影響はブドウとほぼ同じであった.水位の高いC区で異常根および枯死した根が多かった.7.ブドウおよびナシを比較すると,地下水位の影響をより鮮明に受けたのはナシであった.
著者
中里 幸雄
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.30-33, 2001-09-11

当プロジェクト事例は, 本年6月22日に成立した法案により可能となった我が国初の新規参入業務を支援する業務システム開発プロジェクトの事例である。新規参入業務ゆえに業務要件が明確にならず, またそれに加えて法案成立が数度となく見送られ, 見送られるたびに業務要件の修正が発生してきた。そういった状況の中で数回にわたるサービスインを余儀なくされ, それにあわせた同時並行した複数のシステム開発のスケジュールを策定し実施するにいたった。ここでは, 同時並行する複数のシステム開発の中で, 変更管理手順ならびにモジュールのバージョン管理手順など, 前例のないプロジェクト運営の実践結果につき, 評価し今後の課題につき考察する。
著者
宇田 隆哉 砂田 智 井上 亮文 重野 寛 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.2237-2245, 2000-08-15

デジタル記憶媒体の小型化,大容量化,低価格化にともない,近年,デジタル音楽をネットワークを通じて安全に配信する仕組みが研究されている.デジタル音楽は劣化することなくネットワーク上を流通できる利点を持つ反面,複製が非常に容易であり,つねに著作権侵害の危機にさらされている.また,ハードウェアを用いてセキュリティを実現しているシステムは,規格の不統一や規格のバージョンアップなどの際に機器全体を買い換えなければならず,ユーザへの浸透に歯止めをかけている.そこで,本論文では安全で安価なソフトウェアベースのデジタル音楽コンテンツ配信を提案する.公開ネットワーク上を自由に流通可能な自己展開型の音楽コンテンツカプセルと,定期的にアップデート可能なセキュリティモジュールを保持する音楽プレイヤの使用により,不正利用からコンテンツを保護するとともに,確実な利用履歴の回収により,聴いた回数に応じた課金(PayPerListen)や課金の一部を肩代わりするなどのような,ユーザへの幅広い課金方式を実現する.さらに,ユーザが気に入った曲を加工して,新しい音楽コンテンツとして容易に二次利用可能な環境も実現している.コンテンツの利用や課金の方式に自由度を持たせ,ソフトウェアベースによる安価で安全な音楽の流通方式は,次世代の音楽流通プラットフォームを形成する主要な条件を満足していると考えられる.Downsizing, down-pricing and volume-increasing of digital mediahave promoted the study of some secure delivery systems of digitalmusic contents through networks.Digital music has an advantage of being delivered through networkswith no debasement of music quality, but the fact that it could becopied easily brings the copyright violation.The existent systems using hardware security protection are notconvenient for users, because security standard for digital musichas not been established and revising the standard is difficult.So, this paper describes a secure and inexpensivesoftware-based digital music contents delivery systems.Self-extracting capsules freely delivered through opennetworks and security modules updated regularly are used in ourmusic player system. They protect the music contents from illegal use.A user can choose PayPerListen for payment or can take over otheruser's payment.Furthermore, a user can easily arrange the music for secondhand use.Consequently, our software-based music delivery system,being flexible, inexpensive and secure, will certainly bring thesatisfactory conditions to be a new music platform for the nextgeneration.
著者
岩下 基 西松 研 下川 信祐
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.545, pp.55-60, 2008-03-06

ネットワークやユーザ端末の高度化に伴い様々なサービスが提供されつつある。それに伴い機器類の接続は複雑になり、ソフトウェアはサービスの高度化・セキュリティ対策等のために頻繁にアップデートされるため、接続出来ないなどのトラブルが増大し、かつ原因特定も難しくなってきている。ユーザからの問合せに対して、オペレータは状況を把握し、適切な次のアクションを迅速に実施しなければならない。本稿では、迅速かつ効率的な対処方法を検討していくため、ユーザからの問い合わせ内容を分析し、分類する手法を提案する。ユーザからの問い合わせ内容は一般に非構造化データ(テキスト)として蓄積されることから、これら膨大な量の非構造化データから効率的にパターンを分類するため、共起関係を適用した手法の有効性を考察する。
著者
渡辺 潔 高橋 佳孝
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.291-296, 1981-10-30
被引用文献数
1

刈取りの早晩が牧草無機成分の含有率と吸収量に及ぼす影響を明らかにするため,オーチャードグラスの2,3番草の再生に伴う無機成分含有率の推移を,追肥量を変えて週1回の間隔で各8週間追跡調査した。2番草と3番草への追肥量は,それぞれ多肥区ではN 0.8,P_2O_5 0.4,K_2O 0.7kg/a,中,少肥区ではその1/2と1/4にした。無機成分含有率は,刈取り追肥後の経時的変動が大きいが,3番草のP含有率を例外にすれば,追肥量による差は比較的小さく再生に伴って各区ともほぼ平行に変化した。すなわち,2,3番草のN,K,Mg含有率と2番草のP含有率は刈取追肥後1〜2週で高くその後は徐々に低下して約6週で最低になり,2,3番草のCa含有率は3〜4週で高い中高の推移になったが,3番草のP含有率だけは追肥量により異なる推移を示した。再生に伴う無機成分含有率の変化は,N(1.6〜5.1%)で大きく,K(2.2〜4.2%)でやや大きく,P(0.38〜0.51%)Ca(0.34〜0.47%)で小さく,Mg(0.23〜0.28%)でとくに小さくなった(数値は2番草と中肥区の例)。枯死部では,生体部より,N,P,K含有率は低いがCa含有率は高く,Mg含有率も高い場合が多くなった。生体部のN吸収量は平均生産力(乾物収量/再生期間)最大期すなわち刈取追肥後4〜5週で最大になり,生体部のP,K,Ca,Mg吸収量は約6週で最大になった。生体部のN含有率がほぼ最低になる刈取追肥後6週では平均生産力最大期に比較し,乾物収量は多いがN含有率が低いのでN吸収量はほとんど変らず,Nの乾物生産効率(乾物収量/N吸収量)は大巾に高まった。したがって,過繁茂になりにくい少,中肥条件では,平均生産力よりNの乾物生産効率を重視し,刈取追肥後約6週で刈り取るのが適切と考えられる。
著者
小谷野 正博
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.185-186, 1992-02-24

OSI-VTの損保適用では,元受各社ホストはOSI-VTプロトコルで,代理店設置端末は既存の各社メータプロトコルで接続するため,各社VANでOSI-VTプロトコルとメーカプロトコルを変換するゲートウェイを開発することになった.富士通VANではOSI-VTとFNA/F6650及びBSC-C/ABCとの変換を行っている.今後,VANへの収容端末数が急激に増加することから,VAN側ではゲートウェイのトランザクション処理件数を把握して設備計画に備える必要がある.ところで,1台のゲートウェイのトランザクション処理件数は,1件の処理時間とトランザクション到着率をパラメータとして与えれば,待ち行列理論から目安を導き出せる.さらに,トランザクション処理件数を上げるには,処理時間を短く(走行ステップ数の削減,高性能マシンの使用)すれば良いことは明らかだ.本稿ではゲートウェイのマルチタスクのタスクプライオリティの設定方法が,高トラフィック時のゲートウェシ内滞在時間に影響を及ぼすことに注目し,損保適用に当たり実現のゲートウェイで滞在時間を最小にするプライオリティの設定方法をシミュレーションにより探ったものである.
著者
池尻 宏 早川 栄一 並木 美太郎 高橋 延匡
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.245-246, 1992-02-24

OS/omicronは日本語情報処理のためのアプリケーション指向のOSである.我々の研究室では,このOS/omicronを用いてOSや各種のアプリケーションの研究開発を行っている.また.システムプログラミングの教育用にも利用している.OS/omicronの特徴はシングルユーザー,マルチタスク,マルチスレッド,JIS2バイトコードの採用,パーソナル指向,アプリケーション指向などである。近年,EWSやPCのLANの世界では,分散システムや分散環境といったことがいわれるようになってきている.しかしながら,一般的に使われている通信システムはネットワーク内に含まれる信頼性の低さから,また速度の遅い通信媒体をサポートするためにパーチャルサーキットのような複数なプロトコルが採用されている.また,通信システムが高度に仮想化されているためにブラックボックス化してしまい,通信システム全体を見通すことが難しい.これはシステムプログラミングの教育に好ましいこととはいえない.本稿ではこのような問題を解決するための軽量でシンプルな通信サービスについて述べる.
著者
原 義幸 新田 恒雄 小林 賢一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.329-330, 1992-09-28

近年、電子メールの読み上げのように、漢字かな混じり文を音声に変換する「文音声合成(Text-to-Speech:以下TTSと略す)」技術利用の要求が高まってきている。このような背景のもと筆者らは、先にプラストラム方式を用いた文音声合成ボードの試作について報告した。一方、現今のワークステーション(WS)は、処理能力が向上し(数十~数百MIPS)、同時に、オーディオデバイス(CODEC,スピーカ)を標準で塔載する機種が増えつつある。このようなWSを用いると、専用ハードウェアなしにソフトウェアのみでTTSを実行できる。しかし、サーバ/クライアント、あるいはマルチタスク処理環境のもとでは、TTSの実時間処理が困難となる場合を生ずる。こうした問題に対処するため、処理時間の設定が可能なTTSソフトをWS(AS4075)上の構築したので、概要を述べる。
著者
河合 一夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.95-96, 1993-09-27

Adaの言語仕様には、Adaタスクの動作を処理系に依存している部分が存在する。そのため、Adaを使用したマルチタスクプログラムを作成した場合、そのプログラムが動作する環境(言語処理系及びOS)によって、タスクの動作結果が違ってくる可能性がある。
著者
久松 欣一 北脇 佐知子 藤野 博喜 神場 知成
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.355-356, 1993-09-27

パーソナルコンピュータで動作するOSの高度化にともない、マルチタスク,標準化されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)といった機能を利用したアプリケーションが容易に作成できるようになってきている。例えば、ダイナミックアイコンはシングルタスクでも実現できるが、高度なOSで作成する方が簡単である。このダイナミックアイコンとは、複数のビットマップデータを時系列的に入れ換えることでアニメーション表示を行い、よりわかりやすいユーザインターフェースを提供するアイコンである。今回、ダイナミックアイコンに対してマルチタスクの機能を利用して作成することを試みた。本稿では、その作成したダイナミックアイコンの動作原理、評価結果について報告する。
著者
片山 博 左近 彰一 津田 義典 遠藤 明芳 山田 正一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.47-48, 1992-09-28

NECスーパーコンピュータSX-3Rシリーズは2.5nsという超高速クロックと最大16本のベクトルパイプラインを有するプロセッサを最大4台構成可能なメモリ共有型ベクトルマルチプロセッサである。その理論最大性能は25.6GFLOPSである。この超高速ハードウェア性能を最大限に発揮し、ユーザプログラムの実行時間を短縮するため、SX-3ではマクロタスク、マイクロタスク機能の2種類の並列処理機能(マルチタスク機能)をサポートしている。
著者
内藤 岳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1073-1074, 1986-10-01

高価なワークステーションによる高度なマンマシンインタフェースがソフトウェアの生産性向上の面から高い評価を得ている.しかし,従来からソフトウェア開発に利用されている大型TSSにおいても,ハードとして高価なワークステーションを利用せずに,大衆的な市販パーソナルコンピュータ(パソコン)と交換回線を利用するだけで,TSSの改良とパソコンソフトウェアの工夫により,マルチウィンドウ,マルチタスクでかつセンタ端末間で機能分散した高度なユーザインタフェースを実現できる.本論では,高度なマンマシンインタフェースを経済的に実現することを目指した大型TSSセンター市販パソコン接続システムの構成法について,(1)TSSセンタの機能拡張,(2)マルチパスを可能とする新しいプロトコルの設定,(3)パソコンソフト構成上の方式について述べる.
著者
太田 啓子
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-20, 2002-03-31

中近世のイスラム世界において、メッカは巡礼の目的地であったのみならず、ウラマーなどの交流の場として、通商路の中継地点として、政治・経済的にも文化的にも重要な役割を果たしていた。当時メッカの支配勢力は、預言者ムハンマドの子孫であるシャリーフによる政権であった。彼らはメッカのおかれた地理的条件、ヒジャーズ外部の王朝の勢力関係、シャリーフとしての宗教的権威などを巧みに利用しつつ、複雑な国際政治の舞台においてその存在基盤を確かなものとしてきた。しかし従来のメッカ研究は、イスラム教の聖地としての宗教的役割に集中され、その結果、メッカが当時のイスラム世界において果たしていた政治・経済的、そして文化的な役割についての歴史的史料に基づく実証的な研究はきわめて少ない。本稿は、メッカの地方史であるIbn Fahd (812/1409-885/1480)のIthafおよびal-Fasi (775/1373-832/1429)のShifa'と、人名辞典であるal-Fasiのal-'lqdを主史料として用い、シャリーフ政権によるメッカ支配の実態を検証する。メッカのウラマーによって記された史料を用いることにより、メッカ内部からの視点を提供し、その考察を通じて、メッカの支配勢力であったシャリーフ政権の性格を明らかにする。バフリー・マムルーク朝期(1250-1390)には、メッカにはシャリーフ政権としての軍隊は存在せず、個々のシャリーフらが手兵とも呼ぶべき個人的な軍隊を率いて行動していた。シャリーフらは個々の支配領域において分立し、イラクやアフリカ東海岸地域の都市など、ヒジャーズ地方に限定されない広い領域において支配を行っていた。メッカは農業に適さない環境であり、ハラージュ(地租)の税収入に依存することが不可能であったことから、彼らの主要な財源はマクス(雑税)であった。マクスはメッカにおいて売買されていた商品のほとんど全てに課されていただけでなく、巡礼者にも課されていた。メッカにおけるカーディーなどの各種任免権は本来メッカのアミール(統治権保持者)位にあるシャリーフの権限に含まれていた。しかし、外部諸王朝がシャリーフ政権への干渉を行った結果、これらの任免権は外部の諸王朝の権限に含まれるようになった。アイユーブ朝・マムルーク朝、ラスール朝、イル・ハーン朝などの外部諸王朝はシャリーフ政権内の内部抗争を利用して干渉を行った。干渉の目的は、聖地の支配者としての権威の獲得および商業・巡礼ルートの中継地点を支配下におくこと、マクス収入の確保であり、この目的を達成するために軍事遠征、シャリーフらの信奉していたザイド派への宗教的弾圧、徴税権や任免権などへの干渉を行った。シャリーフ政権はこれらの諸王朝の勢力を均衡させることによりアミール権の安定をはかり、一時的には成功を収めたが、その後の度重なる外部からの干渉と各シャリーフへの軍事援助によりシャリーフ間の対立が激化し、シャリーフ政権は弱体化した。以上のような支配実態・国際関係から、シャリーフ政権とは、個々のシャリーフらによる諸都市の分立統治体制であり、これに対して外部諸王朝が、巡礼・商業路の中継地点であったメッカを支配することによって得られる商業利益と、メッカを支配することによってイスラム世界において得られる権威を求めて干渉を行ったことが明らかとなった。このように、政権の内部抗争と外部からの干渉が密接に結びついていたことは、メッカという都市・地域の持つ特殊性と言うことができる。