著者
海野 寿康 中里 裕臣 井上 敬資 高木 圭介
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 : 地すべり = Journal of the Japan Landslide Society : landslides (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.219-226, 2008-09-25
被引用文献数
2 2

近年, 豪雨による斜面災害が多発するようになっている。本研究では, 降雨から地すべり安全率を予測する手法の基礎として, 破砕帯地すべり地における豪雨と地下水位の相関関係の把握を目的に, 農地地すべり地区に設置されている複数のボーリング孔の孔内水位と地区降雨量の観測や地下水位の降雨応答解析を行った。その結果, 地下水位の降雨による変動に基づき実効雨量の半減期を決定することで, 該当地区におけるおおよその降雨~地下水位関係を得ることが可能となった。得られた知見から地下水位の変動挙動のタイプ分けを行うことができ, それらは降雨形態の違いにより生ずると考えられる。
著者
伊藤亮介 駒谷 和範 河原 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.2147-2154, 2002-07-15
被引用文献数
15

機器操作マニュアルの検索に音声対話インタフェースを適用することで,ユーザフレンドリなヘルプシステムを構築する.本システムでは,まずユーザに自由な発話による検索を許し,キーワード集合を基にマニュアルの項目とマッチングを行うが,この段階では多数の候補が得られる.そこで,機器操作マニュアルから抽出される知識と階層的な構造を利用して対話を行うことにより,ユーザの意図を詳細化し検索結果を絞り込む.効率的に絞り込む質問を生成するために,マニュアルのディレクトリ構造を利用し,3種類のコスト関数を定義した.ビデオデッキのマニュアルに関して14人の被験者に対して実験を行った結果,本対話戦略によってシステムからの質問回数は,単純に尤度の高い候補から確認発話を行う戦略に比べて71%に減少した.We present a user-friendly help system for electrical appliances with speech interface that makes queries to their manuals.Users can make queries by unconstrained speech, from which keywords are extracted and matched to the items in the manual.As a result, so many items are usually obtained.Thus, we introduce an effective dialogue strategy which narrows down the items using a tree structure extracted from the manual.We present three cost functions that minimize the number of dialogue turns.We have evaluated the system performance with 14 subjects on VTR manual task.The number of average dialogue turns is reduced to 71% using our strategy compared with a conventional method that makes confirmation in turn according to the matching likelihood.
著者
黒田 康嗣 菊池 浩明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.253-254, 1994-03-07

計算機の相互接続による広域ネットワークの商用化に伴い、ユーザを特定した機密性のある同報通信が強く求められている。同報暗号通信方式には、メンバ間で暗号鍵を共有する共通鍵方式と、各メンバが全メンバの公開鍵のリストを管理する個別鍵方式の2種類がある。しかし、共通鍵方式では、暗号鍵の横流しの恐れあり、閉鎖性に問題がある。一方、個別鍵方式では、横流しの心配はないが、メンバの追加や削除が困難である。そこで本稿では、上記方式の問題点を指摘し、その問題を解決するために、送信者と受信者の間に鍵交換センタを設けた鍵交換方式を提案する。さちに提案方式に基づく同報暗号メールシステムの実装について報告する。

1 0 0 0 OA 竹取翁物語解

著者
田中大秀 著
出版者
松屋平兵衛
巻号頁・発行日
vol.巻首, 1895
著者
崔 昌玉 Choi Chang Ok
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.13, pp.27-44, 2006-09-28

先行研究において,ヴォイスは形態論,統辞論,意味論的な観点から考察されてきた.これらの観点だけでなく,語用論,認知論的観点からもヴォイスを考察しようとする研究も現れている.能動対受動に議論を限定するのであれば,形態論的には能動形が無標形であり,受動形が有標形である.また,統辞論的には能動文における主語や目的語が受動文では能動文の目的語が主語の位置に昇格し,能動文の主語が斜格の位置に降格する.更に,意味論的には能動文と受動文は言語外的事実には何ら相違がない.本稿の目的は一般言語学における意味論的役割について言及するところにある.意味論的役割とは,動作の主体(動作主あるいは動作の源泉)や動作の客体(受動者あるいは動作の受け手)に関わるものである.今までの研究では,意味論的役割について曖昧な議論を続けてきたが,本稿では,その議論を整理し,現代朝鮮語に適用し得る方法論を提示する.

1 0 0 0 OA 支那地誌

著者
小藤 文次郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.56-62, 1893-11
被引用文献数
1
著者
明石 正和 千葉 正
出版者
城西大学
雑誌
城西大学研究年報. 自然科学編 (ISSN:09149775)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.81-91, 1997-07

平成8年度関東大学男子バレーボール春季3部リーグ戦で, Jチームと対戦した5チーム, 10試合をVTRに収録し, Jチームと対戦するチームのブロック力の比較検討を行うと共に, Jチームの各ローテーション別のブロック力の現状について検討した結果は, 次のとおりであった。(1)ブロック決定力は, JチームではMチームよりやや劣るが, その他のチームよりやや優れるか, 明らかに優れる値を示した。(2)ブロック阻止率は, Jチームでは, 上位チームのMチーム, Nチームより明らかに劣る値を示した。しかし, ブロック力では, Nチームとほぼ同じ値を示し, レシーブ力では, Mチームよりやや優れた値を示した。(3)ワンタッチボール率は, 各試合, 両チーム共, 相当高い値を示した。Jチームでは, 相手の速攻に対してボールに触れる割合がやや劣る値を示した。(4)2人以上ブロック参加率は, Jチームでは全ての対戦チームより, ほぼ同じ値か, 明らかに劣る値を示した。相手の攻撃に対して, 2人以上で組みで跳んでないことと, 味方攻撃に対して, ブロックしやすい攻撃であることが明らかになった。(5)各ローテーション別でみると, ブロック力を強化するため, 大型セッターを育成すると共に, セッター(S)の前・後のレシーブ力を高めることが必要である。(6)ブロックできなかった原因は, ブロックに跳ぶコースの不正確さ, ブロックに跳ぶタイミングが悪い点が明らかになった。今後は, 相手チームの攻撃方法や選手個人の特徴を把握し,試合中にブロッカーが自主的に対応できる能力(予測とす早さ)を養える技術練習を多く取り入れることが重要である。