著者
永尾 隆志
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.110-121, 1976-03-20

In the Chugoku and Shikoku provinces, are extensively distributed various kinds of the late Cenozoic volcanic rocks as follows. (1) Calc-alkaline volcanic rocks derived by the volcanism associated with the "Gree Tuff Crustal Movement" in the San'in and Setouchi districts (middle to late Miocene). (2) Alkaline volcanic rocks mainly composed of basalts in the San'in district (the so called "Circum Japan Sea Alkaline Petrographic Province") and the Chugoku mountainland (late Miocence to Recent). (3) Calc-alkaline volcanic rocks which formed the volcanoes beloging to the so called Daisen Volcanic Zone in the San'in district (Quaternary). The middle to late Miocene volcanic activity might have been controlled by the structure in the direction of the Honshu arc. On the other hand, in the Pliocene to Recent time (especially middle Pleistocene to Recent) the volcanic activity has occurred mainly in relation to the structure of north-south trend, which crosses the Honshu arc direction. These evidences may suggest that the volcanisms of the above two periods have occurred in relation to the different crustal movement, respectively. Considering from many published chemical analyses, it is possible to point out the following chemical differences among the late Cenozoic volcanic rocks in these provinces. (1) There is a clear distinction of the chemical features between the middle to late Miocenct calc-alkaline volcanic rocks occurring in the San'ir and Setouchi districts. The latter have highei contents of alkalies, especially K2O, than those from the former. (2) Similar chemical difference is also observed in the alkaline volcanic rocks from the Pliocene to Recent in the Chugoku province. In this case alkaline volcanic rocks from the Sanyo district are richer in alkali contents than those from the San'in district. (3) It may be noticed, moreover, that the Pliocene to Recent calc-alkaline volcanic rocks in the San'in district have higher alkali contents than those of the middle to late Miocene in the same district. The above first two evidences may conflict with the general tendency in the chemical character of the island arc volcanic rocks, and seem to be inconsistent with the genetical interpretation based on plate tectionics held by JAKES-WHITE (1968,1972) and many others.
著者
LI Keren
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on electronics (ISSN:09168524)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.1845-1851, 1998-12-25

In this paper, we present an analysis of the microstrip lines whose strip conductors are of various cross-sections, such as rectangular cross-section, triangle cross-section, and half-cycle cross-section. The method employed is the boundary integral equation method (BIEM). Numerical results for these microstrip lines demonstrate various shape effects of the strip conductor on the characteristics of lines. The processing technique on the convergence of the Green's function is also described.
著者
北村 征生 西村 修一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.53-58, 1980-04-30

暖地型マメ科7草種について,5段階の昼夜恒温条件(15,20,25,30,および35℃)の下で,乾物重,窒素固定能(アセチレン還元量)および根粒形成状態を比較し,それぞれの草種について,生育および窒素固定の適温域を探った。供試草種は,Styrosanthes humilis cv. Townsville(タウンズビルスタイロ),Trifolium semipilosum cv. Safari(サファリクローバ),Desmodium intortum cv. Greenleaf(グリーンリーフデズモデイウム),Marcroptilium atr opur pur eum cv. Siratro(サイラトロ),Lotononis bainesii cv. Miles(マイルズロトノニス),Clycine wightii cv. Cooper(クーパーグライシニ)およびLeucaena leucocephala(ギンネム)の7種である。結果:1)乾物収量について,暖地型マメ科草は20および30℃で最大値を示す2群に大別された。前者にはマイルズロトノニス,サファリクローバ,およびクーパーグライシニ,後者にはギンネム,サイラトロ,タウンズビルスタイロ,およびグリーンリーフデズモデイウムが属した。2)窒素固定能力に関しては,30,25,および20℃で最大値を示す3群に大別できた。30℃にはタウンズビルスタイロ,25℃にはグリーンリーフデズモデイウムとサイラトロ,20℃には残り4草種が属し,その適温域は乾物生産の場合よりも低く,狭かった。3)根粒の形成におよぼす温度の影響は,乾物の場合とほぼ同じ傾向を示したが,根粒の活力については,サファリクローバとマイルズロトノニスが20℃,残りの5草種が25℃で最大値を示す2群に大別できた。以上の結果を総合的に考察して,乾物生産と窒素固定の適温域の総合としての生育適温域について,暖地型マメ科草は高温および低温の2つの温域を生育適温域とする2群に大別することができるが,窒素固定よりも乾物生産の適温域の影響が大きいと結論された。
著者
秦野 直 小山 雄三 早川 正道 小川 由英 大澤 炯
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.624-631, 1997-06-20
被引用文献数
1

(目的)嚢胞性腎疾患に合併した腎癌の予後を検討した。(対象と方法)1994年,嚢胞性腎疾患に合併した腎癌の予後に関する全国調査をおこない,集計された216名を対象とし統計学的検討をおこなった。(結果)嚢胞性腎疾患の内訳は,単純性腎嚢胞69名,多嚢胞化萎縮腎61名,嚢胞状腎癌54名,多房性腎嚢胞19名,嚢胞腎3名,その他9名,不明1名であった。全体の五年生存率は84%ときわめて良好であった。性別および年齢別の予後に有意差は認めなかった。腎癌に起因する症状のないもの(65%)は症状のあるもの(35%)に比して有意に予後が良好であった。嚢胞の種類別では,ACDKの予後が最も不良で,嚢泡状腎癌が最も良好であり2群間に有意差を認めたが(Log-Rank検定),その他の嚢胞間に有意差はなかった。TNM分類では,pTI+2が全体の87%をしめ,一般の腎癌の報告に比べ多かった。このため今回の集計で予後が良好であったと考えられる。また嚢胞穿刺液の細胞診陽性群では陰性群に比し,有意に予後が不良であった。しかしながら嚢胞穿刺群と非穿刺群との予後に差はなかった。(結論)嚢胞性腎疾患に合併した腎癌では,一般の腎癌の統計に比較し予後は良好であった。嚢胞穿刺が播種をひきおこし,予後を悪化させる可能性を示唆するデータはなかった。
著者
荒川 修
出版者
鹿児島大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

本研究では、石垣島産ウモレオウギガニZosimus aeneusより麻ひ性貝毒関連の未知の2成分を分離し、それぞれsaxitoxin(STX)およびneosaxitoxin(neoSTX)のcarbamoyl-N-hydroxy誘導体であることを明らかにすることができた。その概要は以下のとおりである。1990年から1991年にかけて沖縄県石垣島川平湾周辺のリ-フ上で採取したウモレオウギガニ31個体の付属肢および頭胸部外骨格900gを試料とした。塩酸酸性80%エタノールで毒を抽出し、ジクロルメタンで脱脂後、活性炭処理、Bio-Gel P-2およびBio-Rex70カラムクロマトグラフィーにより順次精製し、“STX画分"を得た。本画分につき、さらにBio-Rex70カラムクロマトグラフィーを繰り返し行ない、最終的に既知成分であるSTX、neoSTX、decarbamoylSTX、decarbamoylneoSTXに加え、2つの未知成分(以下BR-1およびBR-2と仮称)を分離した。BR-1、2の収量はそれぞれ、2.4および1.9mgで、マウスに対する比毒性は1,400および1,700MU/mgと測定された。これらは、電気泳動分析においてRm値0.63、0.94に黄緑色ないし青色の蛍光スポットを、HPLC分析において保持時間10.2、16.9分に単一ピークを、さらにESIマススペクトル分析においてm/z332、316に分子イオンピーク(M+H)^+を与えた。以上の知見に加え、^1Hおよび^<13>CNMRスペクトルを検討した結果、BR-1、2はそれぞれ、neoSTXおよびSTXのhydroxycarbamoyl体であることが推定された。このことを確認するため、BR-2を酸加水分解に付したところ、decarbamoylSTXを生成した。加えて、BR-1、2はともにFeCl_3と反応し、ヒドロキサム酸(RCONHOH)に特異的な紫色を呈した。以上の結果から、これらの2成分はそれぞれ、carbamoyl-N-hydroxyneoSTXおよびcarbamoyl-N-hydroxySTXであると結論した。
著者
岡村 和博 森川 良孝 浜田 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-03-06
被引用文献数
2

本稿では全域通過フィルタを用いた画像の木構造サブバンド符号化において, 符号化特性を最適にするサブバンドシステムを設計することを目的とする. 不確定性原理によれば, 信号を眺める時間-周波数の窓 (セルと呼ぶ) の最小分解能は1/2である. この分解能を巧みに利用したのがウェーブレット分析であるが, 多くの文献で取り上げられているウェーブレット分析は, 全階層で同じフィルタを繰り返し使用する. これはどのバンドも常に同じ面積のセルで信号を解析するという意味では, 時間と周波数の分解能の有効的な利用ではあるが, 信号を表現しうる最小単位で表現するという意味ではセルを十分に有効利用していない. 以下ではまず実画像に対し3階層木符号化システムの特性が向上するよう最適化を行い, 上位階層ほどフィルタの遮断特性が緩やかになりシステム全体の積フィルタのインパルス応答は局在化していることを示す. 次に信号空間のセル面積最小という思想のもと, 最適なサブバンドシステムを設計する.
著者
宇田 一明
出版者
札幌学院大学
雑誌
札幌学院法学 (ISSN:09100121)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.495-515, 2006-03-08
著者
岡本 智英子
出版者
関西学院大学
雑誌
ビジネス&アカウンティングレビュー (ISSN:18809642)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.31-41, 2007-03
被引用文献数
1

事業譲渡において,譲受会社が譲渡会社の商号を続用した場合に,譲受会社は譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う(会社法22条第1項)が,この責任が類推適用される場面が拡大している。会社分割においても類推適用をし,譲受会社の責任を認める判例が登場しているが,事業譲渡と会社分割は法的性質が異なっているので,会社分割においては,会社法22条第1項を類推適用すべきではないと考える。
著者
木下 史青 矢野 賀一 吉田 知加 長谷 高史 棟尾 聡
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.32-37, 2006-03-30
被引用文献数
1

目的とデザインプロセス東京国立博物館において「本館」の古い博物館イメージを刷新しリニューアルすることが、近年待ち望まれた大プロジェクトであったといえよう。これは1999年に開館した平成館における特別展の入場者数が1万人超/日であっても博物館としての根幹ともいえる平常展の入場者数が伸び悩んでいたという事実からも急務であったといえる。2000年4月の独立行政法人化をきっかけに、東京国立博物館ではサービス向上をめざし、大幅な組織改革などさまざまな運営の見直しを進めてきた。今回のリニューアルはこの流れにそった事業と位置づけられる。リニューアルは2ヵ年度にわたって行われた。まず2003年に本館2階が、それまでの分野別展示から時代別展示「日本美術の流れ」にリニューアルされ、以前のどちらかというと専門家向けと思えた展示から、一般のお客様にも「教科書のようでわかりやすい」時代の流れにそった展示室構成となった。この第1弾リニューアルへのお客様アンケート結果も踏まえ、日本美術をよりわかりやすく展示することをめざして本館1階、2階全室のリニューアルが2004年7月〜8月に行われ、9月1日グランドオープンした。
著者
杉原 硬
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
年会予稿集
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, 1976-03-10
著者
Osawa Toshihiko Sugiyama Yasunori Inayoshi Masanori Kawakishi Shunro
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
Bioscience, biotechnology, and biochemistry (ISSN:09168451)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.1609-1612, 1995-09-23
被引用文献数
23 180

In order to develop a new type of antioxidative compound which has both the phenolic and β-diketone moiety in the same molecule, we converted three known curcuminoids, curcumin (diferuloylmethane, U1), (4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)methane (U2), and bis-(4-hydroxycinnamoyl)methane (U3), which are the natural antioxidants of Curcuma longa L. (turmeric), to tetrahydrocurcuminoids (THU1, THU2, and THU3, respectively) by hydrogenation, and evaluated their antioxidative activity by using linoleic acid as the substrate in an ethanol/water system. Further, we used the rabbit erythrocyte membrane ghost and rat liver microsome as in vitro systems and determined the antioxidative activity of these curcuminoids. When we evaluated their antioxidative activity by these assays, it was found that THU1 had the strongest antioxidative activity among all curcuminoids in each assay system. THU1 has been reported to be one of the main metabolites of U1 in vivo [Holder et al. , Xenobiotica, 8, 761-768 (1978)]. These results suggest that THU1 must play an important role in the antioxidative mechanism of U1 in vivo by converting U1 into THU1.
著者
渡邊 晃 井手口 哲夫 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.269-284, 2001-03-01
被引用文献数
11

イントラネットにおいては, 部門単位あるいは個人単位の機密保護を実現するため, 様々な形態の閉域通信グループを実現したいという要求がある.システムの運用が容易であるとともに, ユーザが一時的に場所を移動しても同様のネットワーク環境を常に提供できることが望まれる.この要求を満たすには, 閉域通信グループを実現する暗号処理機能が, 通信パケットの処理を記述した閉域通信グループ処理情報を, 常に矛盾なく保持している必要がある.従来, このような情報は管理装置が一括して生成し, 暗号処理機能にダウンロードしていた.しかしこの方法では, システム構成が変化して暗号処理機能と通信端末の位置関係が変わると, そのつど情報の再生成と再設定が必要となる.そこで, 本論文では閉域通信グループ処理情報の生成機能を管理装置から分離し, 論理的なネットワーク構成を与える閉域通信グループ構成定義情報をもとに, 暗号処理機能が通信端末との位置関係を検出しながら動的に処理情報を生成する動的処理解決プロトコルを提案する.この方式によれば, システムの物理的構成に変化があっても, 暗号処理機能の保持する閉域通信グループ処理情報が動的に再生成されるため管理装置での作業負荷が発生しない.このため, 提案する機能を実行する暗号処理機能を保持するユーザは, イントラネット内を自由に移動することが可能になり, 閉域通信グループにおけるユーザの物理的位置透過性を実現することができる.
著者
手塚 寿郎
出版者
一橋大学
雑誌
商学研究
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.392-424, 1928-01-01

論文タイプ||論説