著者
杉浦 光夫
出版者
日本評論社
雑誌
数セミ (ISSN:03864960)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.p40-44, 1988-12
著者
高田 哲司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.45, pp.13-18, 2008-05-15

知識照合型個人認証の問題点を改善しうる認証手法として,画像を利用した認証が提案されている.しかしそれらの認証手法は,なんらかの理由により普及に至っていないのが現状である.そこで本論文では,画像認証においてその普及藍阻害している要因を調査する目的で,そのような認証を利用したことのないユーザに対してアンケート調査を実施した.その結果,認証システムが使用する画像種に関してはユーザが敬遠する傾向の高い画像種が明確になった.またその他にも,いくつかの設計要素に関して興味深い示唆が得られたこれらの調査結果は,今後の画像認証システムにおける設計や既存の画像認証の改善において設計方針を決定する際の指針として利用されることが期待される.In this paper, I describe about a user perception of image-based authentication systems. The purpose of this work is to extract positive and negative factors in their systems. And I consider that they will help to design a better image-based authentication systems and give a better direction to improve a system. To do that, I conducted a survey on graduate students that are inexperienced in such authentication systems. I asked them to make a ranking of five systems after I had given a lecture about them. I show a result and discuss about some indications to realize a better image-based authentication systems.
著者
有田 五次郎 荒木 啓二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.230-237, 1983-03-15
被引用文献数
2

オペレーションを点 制御の移動を枝とする非巡回定向グラフで表現される並列プログラムのあるクラスは 各プロセッサが先着順(FCFS)で各オペレーションを実行するとき 自然に同期がとれる.木構造グラフとなるこのような並列プログラムを待ちなし並列プログラム(SPP)と呼ぶ.FCFSはFIFOメモリを用いてハードウェアで容易に実現でき SPPはMIMD型高多重並列処理における同期問題を解決する一つの手段となる.本論文ではまず並列プログラムをグラフ表現し 確定性 同値性等の幾つかの性質について論じる.ここで用いる定義は並列プログラムの物理的性質 すなわちセグメンテーションやプロセッサ割当てを含んでいる.次に木構造グラフで表現されるSPPを定義してその性質について考察し 最後に一般の並列プログラムをそれと同値なSPPに変換する手順を与える.SPPはデータ依存関係に基づいて構成されており 一種のデータ駆動型プログラムとみなすことができるしかしこれらはオペレーションとその間のコントロールフローで表現されており FIFOキューをハードウェアでもったマルチプロセッサシステムによって効率よく実行できる.
著者
四反田 功 板垣 昌幸 河合 大輔 渡辺 邦洋
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.183-189, 2008 (Released:2008-03-24)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

アンペロメトリックバイオセンサーの電流応答をウェーブレット変換を用いて解析した.グルコースバイオセンサーと過酸化水素バイオセンサーの2種類を作製した.グルコースバイオセンサーには,グルコースオキシダーゼをポリイオンコンプレックスで固定化した電極を用いた.アンペロメトリーによってグルコースを添加したときの酸素還元電流の減少値を測定した.測定した電流応答をウェーブレット変換したところ,ノイズに埋もれた応答を抽出することができた.シグナルノイズ比は最大で9倍に向上した.ウェーブレット変換を施すことでセンサーの検出下限は3倍になった.過酸化水素バイオセンサーには,西洋ワサビペルオキシダーゼをポリピロール膜によって固定化した電極を用いた.過酸化水素の応答は,ポリピロールの還元電流値から評価した.過酸化水素バイオセンサーの検出下限を5倍向上させることができた.
著者
速水 敦子 三十尾 修司 松林 元一
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.43-53, 1984

本研究では, andigenaバレイショ(2n=48)とその近縁2倍種S. rybinii (2n=24)を用い, 生長点培養における幼植物の分化効率に影響をもつと考えられる若干の要因を検討し, あわせてその培養によって得られた植物のウイルス無毒化率を調べた。その結果を要約すると次の如くである。1) 成体植物, 自然萌芽及び冷蔵萌芽の生長点組織における幼植物分化頻度は, それぞれ13.7%, 30.0%及び78.3%であった。2) 2層の葉原基をもつ約0.5mmの生長点組織の方が, 1層の葉原基をもつ約0.3mmのものより, 約17%高い幼植物分化頻度を示した。3) 生長物質無添加, BA10ppm, IAA1ppm及びBA10ppm+IAA1ppm+GA_310ppm各添加区における幼植物分化頻度は, andigenaとS. rybiniiの場合を平均して, それぞれ25.4%, 14.2%, 47.6%及び36.3%であった。また, 茎葉と根の両方を分化し, その後の生育も良好な個体の頻度は, 上記4実験区で, それぞれ1.3%, 0%, 8.0%及び26.5%であった。したがって, 分化後の幼植物の生育を考慮に入れると, BA及びIAAのほかにGA_3の添加が必要と考えられる。4) S. rybiniiは重度の罹病株であったにもかかわらず, その幼植物分化頻度は37.5%で, 軽度の罹病株であったandigenaの22.4%より高い値を示した。5) 生長点由来植物のウイルス無毒化率は, 0.5mmの生長点を用いた場合が90.9%, 0.3mmのそれを用いた場合が, 100%であった。しかし, 幼植物の分化頻度を考慮に入れてウイルス無毒化植物の育成率を算定すると, 前者が39.5%, 後者が26.1%となる。なお, この無毒化率と他の要因すなわち供試植物の生育段階及び生長物質の培地添加量比との間には明らかな関係は認められなかった。
著者
鞍田 崇
出版者
人間環境大学
雑誌
人間環境論集 (ISSN:13473395)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.71-77, 2006-03-31

人間が生存するとは、つねにすでに種々のモノと関わりゆくことを意味しているといえよう。ところが、現代社会においては、久しく、この極めて当たり前であるはずのあり方が歪められたままである。その原因としては、さしあたり科学技術の無際限な拡張に依拠した経済活動が考えられるが、問題の根本的解決のためには、さらに議論を徹底し、現代社会の背景に存するニヒリズムの克服が試みられねばならない。ハイデガーは、まさにこうした文脈でニヒリズムの問題を根源的に検討した。そこからは、一つの帰結として、人間の側の作為を離れたあり方が要せられる。だが、現実問題として顧みた場合、われわれが自らの作為性を離脱することは不可能である。その点をふまえ、柳宗悦の民芸理論に、現代社会においてあるべきモノとの関わりの手がかりを求める。