著者
渡辺 麻衣子 加藤 裕子 戸上 敬子 山中 実喜子 若林 佳子 小川 裕由 稙田 裕子 後藤 慶一 工藤 由起子 天野 典英 横田 明
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.82-87, 2008-04-30 (Released:2008-05-26)
参考文献数
18
被引用文献数
4 3

Byssochlamys spp. について,簡便,迅速かつ正確に種を同定するために有効な遺伝子指標を評価する目的で,26株のByssochlamys spp. および関連菌種の18S rDNA, 26/28S rRNA遺伝子D2領域およびlys2 の塩基配列を決定し,分子系統解析および相同性解析を行った.その結果,いずれの遺伝子を用いても,その塩基配列の相同性を指標として,それぞれの菌種あるいはグループを識別することができた.3種類の遺伝子のうち,最も優れた解像度を有するのはlys2 であったが,最も簡便に結果を得ることができたのは26/28S rDNA D2領域であった.また,分子系統解析の結果,Byssochlamys spp. とその関連菌種は再分類の必要性があることが示唆された.
著者
山本 有作
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.507-534, 2006-12-25
被引用文献数
1

The QR algorithm is one of the most reliable and widely used methods to compute the eigenvalues of symmetric and nonsymmetric matrices. However, it is not straightforward to execute the QR algorithm efficiently on modern architectures such as processors with hierarchical memory or parallel computers because of its inherent sequential nature and low data reference locality. To overcome this difficulty, Bai & Demmel proposed the multishift QR algorithm in 1989 and this idea has been greatly expanded since then. In this paper, we introduce the basic theory of the multishift QR algorithm and review recent developments to improve its efficiency, such as the two-tone QR algorithm, aggressive early deflation and the fully-pipelined multishift QR algorithm. Directions for future research are also discussed.
著者
山本 有作
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.181-208, 2005-06-25
被引用文献数
6

The Algorithm of Multiple Relatively Robust Representations (MR^3) is a new algorithm for the symmetric tridiagonal eigenvalue/eigenvector problem proposed by I. Dhillon in 1997. It has attracted much attention because it can compute all the eigenvectors of an n×n matrix in only O(n^2) work and is easy to parallelize. In this article, we survey the papers related to the MR^3 algorithm and try to present a simple and easily understandable picture of the algorithm by explaining, one by one, its key ingredients such as the relatively robust representations of a symmetric tridiagonal matrix, the dqds algorithm for computing accurate eigenvalues and the twisted factorization for computing accurate eigenvectors. Limitations of the algorithm and directions for future research are also discussed.
著者
鍜治 伸裕 福島 健一 喜連川 優
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.3, pp.293-300, 2009-03-01

テキストマイニングでは,自然言語処理分野の基礎技術である形態素解析がモジュールとして利用されることが多い.しかし,ウェブには口語体のテキストが多く,新聞記事のような整ったテキストを対象としてきた自然言語処理技術では,十分な精度で解析を行うことは難しい.本論文では,形態素解析の精度低下は「ググる」などの片仮名用言が一因となっていることに着目し,それを大規模なウェブテキストから自動獲得する手法を提案する.
著者
加藤 芳秀 江川 誠二 松原 茂樹 稲垣 康善
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.3, pp.417-427, 2009-03-01

本論文では,言語構造を活用した用例文検索手法を提案する.本手法では,クエリとしてキーワード系列を受け取ると,単純にキーワードにマッチする文を検出するのではなく,出現するキーワードが依存関係(単語の修飾・被修飾の関係)にある文を検出し,キーワードが形成する依存関係のパターンに従って文を分類する.依存関係のパターンは自動的に同定されるため,従来手法のようにユーザが構造的なクエリを作成する必要はなく,言語構造を活用した検索を容易に実行できる.被験者実験を通じて,提案手法が,ユーザの必要とする文を高い精度で分類できることを確認した.
著者
横山 晶一 安野 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.95, no.321, pp.39-46, 1995-10-20

これまで方言は、主として社会言語学や民俗学的な観点から研究されてきた。本稿では、自然言語処理の立場から方言を取り扱うアプローチについての予備的な考察を行う。その目的は、1.方言が古い日本語を保存しているならば、系統的な規則で記述が可能ではないかということ、2.話し言葉として伝えられてきた方言の文法を書くことは、話し言葉の文法を作ることになること、3.方言と共通語の比較によって、日本語の性格がより明らかになり、さらに両者の機械翻訳システムを作ることによって、翻訳の研究にも有用であること、などである。以上のような考えから、庄内方言を例として機械処理の観点から特に動詞と助詞を中心に、予備的な調査と考察を行った。
著者
鄭 光 竹越 孝
出版者
好文出版
雑誌
開篇
巻号頁・発行日
vol.27, pp.83-107, 2008-04
著者
江草 由佳 高久 雅生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.69-74, 2007 (Released:2007-06-27)
参考文献数
13

日本語書誌データを対象としてSRU/SRWプロトコルに対応した書誌検索システムを開発した。国立教育政策研究所教育図書館が提供している「教育研究論文索引」の日本語論文書誌データ約12万件を対象とし,さらに同図書館OPACログデータを元にしたテストクエリセットを作成し,これらの検索がSRU/SRWを通じて行えるかを確認するとともに,実運用規模における検索システムの可能性について考察した。
著者
篠崎 隆志 河合 栄治 山口 英 山本 平一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.118, pp.13-18, 2005-11-22

Webサーバの性能評価では,インターネット上で起こる様々なネットワーク特性の影響を考慮する必要があるが,現実には実環境と大きく異なる条件下での性能評価が行われている場合も多い.本研究では,実験環境下でネットワークエミュレートを行い,異なるアーキテクチャを持つWebサーバであるApache,thttpd,TUXを対象に性能評価と挙動分析を行った.その結果,TUXではCPU使用率が100%に到達した時に応答時間が他サーバと比べ大幅に増大する,thttpdはパケットロスによりリクエスト応答レートが大幅に低下する,といった挙動が明らかになった.In spite of considering only to server status, network condition is essential when we measure server performance precisely. In this paper, we show the results of benchmarking tests on three different web servers, i.e. Apache, thttpd and TUX in network emulation. We found a fact that the mean reply time of the TUX server was extremely high when compared to those of Apache and thttpd. On the other hand, the mean reply rate of the thttpd server was damaged by network packet losses.
著者
佐野 明人 池俣 吉人 藤本 英雄
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.119-122, 2006 (Released:2008-06-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1 4

受動歩行は,歩行機のもつダイナミクスと環境との相互作用のみによって,理想とする自然な歩容を形成する.特に,安定したリミットサイクルが存在するという重要な特徴をもつ.状態がリミットサイクル上を遷移する限り歩行は安定となる.歩行は物理現象そのものであり,ヒトは歩行現象を移動原理として巧く使っているのではないか.本稿では,歩ける原理として,受動歩行の平衡点の力学的構造ならびに安定メカニズムを紹介し,この力学原理からヒトの歩行を概観する.

1 0 0 0 OA 現場のこころ

著者
朝日 雅也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.67-71, 2004 (Released:2005-02-23)
参考文献数
9

心身の機能に障害があっても,あるいは老化に伴い介護を必要とする状態になっても,その人らしく地域の中で当たり前に暮らしていく.そんなノーマライゼーションの実現が強く求められている.そのために,様々な生活課題を解決する働きかけが実践されている.その際には,サービスの利用者を中心に据えた,利用者の思いに沿った支援が必要である.そして,利用者の真のニーズを反映するのが現場のこころである.様々な生活課題に関連した現場のこころは,今日的には,自立の支援,個別性に基づく支援,コミュニケーションの重視といった点から捉えることができる.現場のこころに向き合った支援こそ,ノーマライゼーションの実現のための推進力となりえる.対人援助に関わる人々は,現場のこころの理解を出発点とした支援のあり方を希求しなければならない.
著者
齋藤 佐智子
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.55-58, 2006 (Released:2008-01-18)
参考文献数
7

アートセラピーは治療的な自己表現の一環として,心理臨床現場や,保育・教育現場,または地域などさまざまな環境や状況下で行われている.現代社会は,幼児・児童虐待,いじめ,引きこもり,家庭不和,離婚,社会不適応,リストラ,高齢化など,多くの問題を内包しており,言語的な関わりのほかにも諸アートを媒介とした療法を十分な理解のもと,適切に提供・利用する必要性がある.本稿では,筆者の臨床現場での経験をもとに,日本社会における課題のひとつである高齢者ケアに着目し,今日行われている高齢者アートセラピーと,アートセラピーの新しい可能性として考えられるコンピュータ利用について論じる.
著者
岸上 冬彦 永田 武 宮村 攝三
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝国大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.628-646, 1941-09-30

Detailed investigation of phenomena that accompany earthquakes is fundamental work in seismology. Unfortunately, however, we have not yet advanced to that stage where we could predict earthquakes, while the means at our disposal at present for studying them the instant they arrive are inadequate, particularly, in the case of destructive shocks near their epicentres, all that we can do being to study the aftershocks that are recorded on seismographs, which data are nevertheless very valuable. But there is much information besides that pertaining directly to the main shock, and it is this knowledge that the writers sought to obtain.
著者
松井 範義 上山 泰 水野 進
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.p341-347, 1981-01

牧草を, 天日で能率的な乾燥をするため, ビニールハウス内で切断処理別, 草量差別の乾燥試験を行った。同じ条件で露地乾燥を併行し両者を比較検討した。1. ビニールハウス内乾燥は露地乾燥に比し, 乾燥速度が速く, 初夏には貯蔵に耐え得る乾草を得ることが出来た。平均乾減率は試験全期を通じて露地乾燥より, ハウス内乾燥の方が高く能率的である。2. 乾燥速度促進のための処理としては, 牧草を出来るだけ短かく切断, 又はフレール型のモアーで打砕処理すると効用が高い。他方, 面積当りの草量は少ない程乾燥速度が速くなる。3. ビニールハウス内の温度は, 日中外気温に比し10℃以上高く乾燥に効果的である。しかし夜間の気温は低いため効果は皆無である。