著者
梅田 裕平
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.1122-1127, 2016-10-15

近年,ビッグデータやモノのインターネット(IoT)によって,新しいサービスが展開されるようになってきた. さらに,深層学習など人工知能技術の発展にも影響を与えている. 一方で,ビッグデータやIoTが成功するか否かはデータ分析にかかっているといわれている.しかし,データが複雑になる中で従来のデータ分析手法だけでは詳細な分析が難しくなってきている.その中で新しいデータ分析手法として注目され始めているのが,データの形をとらえることで新たな知見を得ようとするトポロジカル・データ・アナリシス(TDA)である.本稿では,データの形をどのようにしてとらえ,それによって何が分かるのかを応用事例とともに解説する.
著者
井手口 裕太 大野 善之 石坂 一久
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2020-HPC-173, no.15, pp.1-6, 2020-03-09

Top-N 推薦のための高精度かつ高速なアルゴリズムである SLIM のベクトル演算を用いた高速化手法を提案する.Top-N 推薦は,過去の購入履歴などを学習することでユーザーに推薦するアイテムを決定する問題であるが,膨大なデータを利用する学習時間の短縮が求めらている.SLIM はスレッド並列化が考慮されたアルゴリズムであるが,高性能ベクトルコンピュータ SX-Aurora TSUBASA で高速化するには,効率的なベクトル演算手法を開発する必要があった.本稿では,SLIM の主要処理に対するベクトル演算手法を提案し,SX-Aurora を用いた高速化を可能とする.Top-N 推薦でよく利用される MovieLens データセットを用いた評価では,提案する SX-Aurora を用いた SLIM は,2 ソケット Xeon に比べて 3.3 倍の高速であることを確認した.
著者
紀田 順一郎
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.1, pp.II-VI, 2009-03-25

3 0 0 0 OA 乱歩と大東京

著者
藤井 淑禎
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-20, 2009-03-25
著者
高見 知寛 鈴木 功一 馬場 達也 前田 秀介 松本 隆明 西垣 正勝
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26(2006-CSEC-032), pp.209-214, 2006-03-17

本稿ではキーボード入力を取得するというキーロガーの挙動に着目し,キーボード入力に用いられるAPIの使用を検出することでキーロガーの検知を行う方式を提案する.本来のDLLの代わりにAPIの使用を検出する機能を付加した検査用DLLをプログラムにロードさせた上で試実行させることが本方式の特徴であり,ウイルス検知における動的ヒューリスティック法的なアプローチによるキーロガー検知方式となっている.本稿では本方式の基礎実験を行い,その検知率と誤検知率について評価する.
著者
谷川 章雄
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.169, pp.325-351, 2011-11-30

江戸の墓誌は、一七世紀代の火葬墓である在銘蔵骨器を中心にした様相から、遅くとも一八世紀前葉以降の土葬墓にともなう墓誌を主体とする様相に変化した。これは、一七世紀後葉と一八世紀前葉という江戸の墓制の変遷上の画期と対応していた。こうした墓誌の変遷には、仏教から儒教へという宗教的、思想的な背景の変化を見ることができる。将軍墓の墓誌は、少なくとも延宝八年(一六八〇)に没した四代家綱に遡る可能性がある。将軍家墓所では、将軍、正室と一部の男子の墓誌が発掘されており、基本的には石室の蓋石に墓誌銘を刻んだものが用いられていた。将軍家墓誌は、一八世紀前葉から中葉にかけて定式化したと考えられる。大名家の墓誌は、長岡藩主牧野家墓所では一八世紀中葉に出現し、その他の事例も一八世紀前葉以降のようである。石室蓋石の墓誌の変遷は、一八世紀後葉になると細長くなる可能性があり、一九世紀に入ると、墓誌銘の内容が詳しいものが増加する。林氏墓地などの儒者の墓誌は詳細なものが多く、誌石の上に蓋石を被せた形態のものが多く用いられていた。林氏墓地では、墓誌の形態、銘文の内容や表現は一八世紀後葉に定式化し、一九世紀に入る頃に変化するようであった。林氏墓地の墓誌は、享保一七年(一七三二)没の林宗家三世鳳岡(信篤)のものが最も古いが、儒者の墓誌はさらに遡ると思われる。旗本などの幕臣や藩士などの土葬墓にともなう墓誌は、一八世紀後葉以降一九世紀に入ると増加するが、これは墓誌が身分・階層間を下降して普及していったことを示すと考えられる。一方、幕臣や藩士などの墓にある没年月日と姓名などを記した簡素な墓誌は、被葬者個人に関わる「人格」を示すものとして受容されたものであろう。このような江戸の墓誌の普及の背景には、個人意識の高まりがあったように思われる。ただし、江戸の墓誌に表徴された個人意識は、武家や儒者など身分・階層を限定して共有されるものであった。
著者
前川 恵司
出版者
亜細亜大学アジア研究所
雑誌
アジア研究所所報
巻号頁・発行日
vol.154, pp.10-11, 2014
著者
小野 智佐子
出版者
東洋大学現代社会総合研究所
雑誌
現代社会研究 = The Journal of Contemporary Social Sciences (ISSN:1348740X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.177-183, 2017

<目的>ワーキングマザーが体験する、就学前および就学後の「小1の壁」を明らかにすることである。<結果>小学生1~3年生までの子をもつ核家族世帯の共働き家庭であるワーキングマザーを対象にインタビュー調査を行った。共働き家庭にあるワーキングマザーは、就学前と就学後にそれぞれ異なる「小1の壁」体験をしていた。就学前には【就学後の生活がイメージ困難】、【納得のゆく放課後保育を探せない】、就学後には、【学童保育は保育園の延長線ではない戸惑い】、【わが子の放課後が心配】、【雇用形態の変更に迫られる】、【夏休みに入り新たな問題に遭遇】、【PTA活動に貢献できないジレンマ】、【サポートが得られないことによるストレス】であった。
著者
藤村 丞 谷崎 文義
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2016-IOT-35, no.16, pp.1-5, 2016-09-16

福岡大学では日本初の公開用 NTP サーバの運用を 1993 年 10 月から開始し,22 年が経過した.この間にトラフィック量が増え続けていることはもちろんであるが,当時に様々な問題点も生じてきた.本発表では公開用 NTP サービスについての現状分析と課題の取り組み状況について述べる.
著者
舩渡 忠男 高野 拓哉
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.193-206, 2020-03-19

学校保健の現状を明らかにした上で,今回大学生を対象とした学校保健の抱える取り込むべき今日的課題について抽出した。大学生は身体とこころの大事な成長期にあるといえる。ここでは最初に日本における学校保健の歴史と変遷に遡り,学校保健の意義とそのあり方について考察した。そして,健康診断のあり方,健康管理上の問題,感染予防の対策,学生への禁煙指導,保健室・学校医の役割,ならびに学校保健安全について焦点を充てる。これらの中で,日常業務において,就学時および定期健康診断の果たす役割が大きいと考える。とくに,健康診断後の結果についてはその事後措置が重要であると考える。したがって,多面的な課題を抱えていることが大学における学校保健の特徴といえるが,学校医,保健室,教職員ならびに大学各部門と連携を密にし,学校保健体制を構築して課題を解決することが必要である。大学生活における健康上の問題では,健康状態および精神状態を把握していくことが喫緊の課題であることが示唆された。
著者
田中 卓也 Takuya Tanaka
巻号頁・発行日
vol.13, pp.155-173, 2015-03-31

『少女ブック』は、集英社から1951(昭和26)年8 月に発刊された。同誌は創刊号より表紙に少女モデルを採用した。また同誌には早い時期から投書欄「仲良しルーム」が存在していた。「仲良しルーム」は少女読者の人気を誇った欄であった。また投書欄には「ブッ子」という愛称で親しまれるキャラクターが登場し、誌面を賑わせた。少女読者らはこぞって「仲良しルーム」に投書を寄せ、仲間を見つけた。文通する者もいれば、「少ブ」と略語を使用し、愛読者仲間に参入する者等も存在した。その後読者間の交流は、誌面外になることが多かった。読者が互いに「少ブ」という略語を合言葉に、目には見えない読者の共同体を形成した。また読者の関心が今まで以上に、多方面に展開した。仲間を求めること以上にスタア、アイドルに熱狂するような傾向が見られた。同誌編集者は誌面では手の届かないスタア・アイドルと文通を通じて交際し、より近い距離での関係を構築することに一役買った。そのため本来の小説、物語を中心であった誌面構成が、テレビの普及等を理由に大きく様変わりすることになった。時代の流行に追随することが目的となった同誌は、「あなたのすてきなスター雑誌」としての方向性をとることになり、少女雑誌からスタア・アイドル誌への誌面方針の転換を余儀なくされた。