著者
志賀 典之
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.60-65, 2014-02-01

オープンソース・ソフトウェアの核心要素であるソースコードの公開,自由な複製・改良・頒布を可能ならしめるのが,ソース・コードの公開をソフトウエアの配布等の条件とするライセンス(著作物利用許諾)である。本稿では,OSSの概念形成の沿革を概観し,排他的独占権である著作権を用いて逆説的にソフトウェアの非排他性の保証を実現しようとしたフリー・ソフトウェア運動及びコピーレフトの概念を概説したのち,OSSライセンスの法的性質,コピーレフトの強度に応じたOSSライセンスの各類型について述べ,近時指摘される実務上の留意点につき示唆を試みる。
著者
杉本 雄太郎 佐藤 有理
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

メンタルモデル理論はJohnson-Lairdらにより提案された、推論の非言語表現に基づく認知システムである。一方で、この理論は数理論理学的概念を用いた応用理論でもあるため、経験的な妥当性だけでなく形式理論的側面についても議論されてきた。本研究は、最近のメンタルモデル推論のプログラム実装や図的推論研究を基に、量化文から成る三段論法推論の範囲におけるメンタルモデル推論について形式化を行う。
著者
並木 尚也 大用 庫智 高橋 達二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

不確実な環境下における意思決定には,新たな知識の探索と既知の知識の利用という相反する2つの行動が要求され,ジレンマが起こる.先行研究では相対評価を行う緩対称性推論モデルがジレンマを緩和して優れた成績を有しており,人間の因果的直感との相関も高いことが明らかになっている.本研究では,人間の意思決定に対する詳細な形式化を行うため,人間の意思決定課題における実際の系列データと既存モデルとの比較を行った.
著者
仲田 圭佑 村田 剛志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

近年,爆発的に普及したソーシャルメディアや生体内の化学反応の連鎖などをグラフ理論に基づいて解析する手法が数多く提案されてきた.しかしその多くは教師なし学習であり,データの背後に存在する知識を活用していなかったため,半教師付き学習により背景知識を利用する方法が提案された.この発表では半教師付き学習を用いたネットワーク構造のコミュニティ抽出手法の高速化およびユーザとの対話的環境について考察する.
著者
田中 駿 矢野 裕一郎 二宮 崇 高村 大也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本研究はBBS(電子掲示板)要約の問題を整数線形計画問題として解く手法を提案する。BBS要約は文章要約の一種であり、BBSの記事から重要な投稿だけを抽出することにより要約が生成される。一般の文章要約では字数制限を整数線形計画問題の制約とすることができるが、BBS要約には字数制限がないため、一般の文章要約の手法はそのままでは適用できない。本研究では記事に応じて投稿数の制限を与える手法を提案する。
出版者
第二書房
巻号頁・発行日
0000
著者
伊藤 信博
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

17 世紀から 18 世紀初期における東アジアと西欧との文化交流の軌跡を、フランス国立図書館蔵書の研究を行うことで明らかにした。つまり、文化交流史の流れの中で生まれた仏国での東アジアおよび日本研究、そして、東アジアの西欧文化受容を、特にイエズス会宣教師により中国で出版された西洋科学書漢訳書や在日大使でもあったヴィクトール・コラン収集漢籍の目録作成、日本の絵巻である『酒飯論絵巻』などからの分析、研究を行った。
著者
伏見 康治
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.244-245, 1997-05-09
著者
多々良 美春 Hamacher Andreas 白井 彦衛
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
no.52, pp.43-51, 1998-03

浄土庭園の語義規定に使用される「浄土の雰囲気を表わす」という表現は, 抽象的あるいは主観的であり語義規定としては不適当であると考える.むしろ「仏堂」と「池」の物理的な位置関係あるいは庭園意匠の特徴による規定が望ましい.本論では他の浄土庭園の事例に比べて「仏堂と園池の視覚的な一体性」が希薄であると思われた円成寺と浄瑠璃寺を対称に, 「仏堂」と「池」の位置関係を明確にするための基礎的な考察として, 園池が造営された時点の空間構成を明らかにしようとした.円成寺では仏堂と園池の地盤高に落差があり, 中間には楼門が建てられている.また楼門下と園池の境界部は早くから主要導線であった可能性が高い.このような円成寺の空間構成の成立は, 伽藍の発展経緯に求められることを示した.さらにこの考察の過程で, 円成寺の南北の橋については創建当時にはなかったか, あるいは仮設であった可能性のあることを指摘した.一方で仏堂と園池の視覚的な一体性は, 地盤の高低差あるいは楼門の存在によって阻害されていると予想されたが, 南岸からの視点が考慮されている可能性も否定されなかった.浄瑠璃寺では仏堂と池の配置バランスに偏りが見られる.この空間構成上の特徴を他の浄土庭園との比較によって示した.そして現在の園池が, 九体阿弥陀堂とは別の阿弥陀堂である「西堂」に対して造られたものであって, 九体阿弥陀堂に対してその調和を考慮して計画的に造営されたものではないという見解を示した.また「西堂」を想定した場合には仏堂と池の配置バランスが適当になると推測した.
著者
肥後 順一 高野 光則 菊池 誠
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

天然変性蛋白質の「折れたたみとカップルした結合」の機構を、計算機実験によって解明した。計算対象(天然変性蛋白質とパートナー分子、およびそれを取り囲む多数の溶媒分子)を全原子モデルで表現し、効率的構造探索法であるマルチカノニカル分子動力学を行った。それにより、折れたたみとカップルした結合過程の詳細な自由エネルギー地形を可視化した。実験的に決定された複合体構造以外にも、短い寿命の多様な複合体構造の存在を示した。得られた自由エネルギー地形をより大きな観点から理解するために、粗視化モデルでのサンプリングを行った。複数の準安定な複合体の間の構造遷移を、競合性と協調性の概念から表現した。
著者
遠藤 新
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.22, pp.481-486, 2005-12-20
被引用文献数
2

The purpose of this research is analyzing basic function and its involvement on development project of Historic Gateway Neighborhood Corporation in Cleveland as an local development corporation, and considering how it encourages a project. As a result, 5 basic functions are become clear that design planning, design review, adopting a tax abatement program, making a district plan and voluntarily works. And 3 points became clear as a technique; 1) Assist a fund-raising by combining use of tax abatement and rehabilitating a historical building. 2) Make a preliminary design in place of the property owners and developers. 3) Work for the solution of a district specific problem by making continuous cooperation with the same developer.