著者
山田 高明
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.17-28, 2018-12-30 (Released:2019-02-27)
参考文献数
16

The Kamifukami dialect spoken in Yatsushiro, Kumamoto, has a two-pattern accent system. Among the two-pattern accent systems in Kyushu, bunsetsu obligatorily serves as an accentual unit and, except in a few cases, the “expansion of an accentual unit,” where a single accent pattern spans over two or more bunsetsu, has not been observed. However, this study reveals that the Kamifukami dialect exhibits the expansion of an accentual unit in a wider range of environments than other dialects. It also confirms that a two-pattern system in this dialect is typologically unusual because bunsetsu does not necessarily function as an accentual unit.
著者
玉井 克人
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

ケラチン5(K5)遺伝子プロモーター・GFP遺伝子を有する遺伝子改変マウス(トランスジェニックマウス)より骨髄細胞を採取し、骨髄間葉系幹細胞を培養した。培地にBMP4を添加することにより、GFP陽性細胞が出現することを明らかにした。これらの細胞をヌードマウス皮膚に装着したチャンバー内に移植し、皮膚が再生した後にGFP陽性表皮細胞の出現を検討した。その結果、再生表皮内に散在性にGFP陽性表皮細胞が存在すること、その一部は毛包および毛組織に分化していることが明らかになった。K5・GFPトランスジェニックマウス骨髄を移植したマウス皮膚に全層性創傷を作製し、その治癒過程でのGFP陽性表皮細胞出現を検討した。その結果、創傷治癒後に表皮内GFP陽性細胞の出現を確認した。表皮内での陽性率は、数%で、一部毛包では、数10%の細胞でGFP陽性であった。また、創傷閉鎖からGFP陽性細胞出現までの日数は、6ヶ月間の経過内では4ヶ月以降から顕著に陽性率が高くなる傾向を示した。即ち、創傷形成直後から骨髄細胞の創部への誘導は開始されるが、表皮細胞への形質転換後は増殖までにある程度の日数が必要であると考えられる。K5・GFPトランスジェニックマウス骨髄から間葉系幹細胞を分離・培養し、創傷モデルヌードマウスの尾静脈から連日7日間静脈内投与した。その結果、創傷治癒後皮膚毛包部に尾静脈投与したGFP陽性骨髄細胞が集積し、表皮を再生していることが明らかとなった。以上のデータにより、骨髄間葉系幹細胞が表皮細胞再生に寄与しうる可能性が示され、重症熱傷や先天性表皮水庖症などの難治性潰瘍治療に応用可能と考えられる。
著者
森 万佑子 出口 善隆 伴 和幸
出版者
動物の行動と管理学会
雑誌
動物の行動と管理学会誌 (ISSN:24350397)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.74-80, 2022-06-25 (Released:2022-07-20)
参考文献数
21

飼育環境が動物へ与えるストレスの評価は、動物福祉の充実において重要である。トラで糞中コルチゾール濃度がどの程度、血中コルチゾール濃度を反映しているか定かではない。本研究ではメスの飼育トラ1頭を用いて、年間を通じたコルチゾール濃度動態および糞中と血中のコルチゾール濃度の関係を調べた。その結果、糞中と血中のコルチゾール濃度において有意な正の相関が認められた (r=0.60、P<0.01) 。これより、糞中コルチゾール濃度は血中コルチゾール濃度の変動を反映していることが明らかとなり、非侵襲的なストレス評価に糞中コルチゾール濃度が有用だと考えられた。またトラで血中および糞中コルチゾール濃度には季節変動がみられず、年間を通じたストレス評価の指標として有用なことが示唆された。アムールトラやスマトラトラなどの他亜種で季節変動の影響を受けず、年間を通じた糞中コルチゾール濃度によるストレス評価が可能であると明らかにできると考えられた。
著者
藤垣 裕子
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1_2, pp.73-83, 1996-09-01 (Released:2017-12-29)
参考文献数
23
被引用文献数
1

科学・技術と社会との接点において、各専門分野の個別知識に留まらず、複数の専門分野の個別の知識を統合して、実践的課題を解決する学際研究がのぞまれている。このような学際的研究の場面において、専門分野が異なると、相互の意志疎通が困難となり、学際研究遂行がうまくいかないことがよく見受けられる。これは、学問間の異文化摩擦であると考えられる。本稿では、このような摩擦の生じる理由として、並立共存する多くの専門分野における科学知識産出プロセスに注目し、その産出の際問題となる基準(その分野においてオリジナルな知識として承認される暗黙の前提)や妥当性要求の方向が、各分野の共同体ごとに異なっている点を挙げる。この視点のもとに、学際研究遂行時の障害の理由を分析し、知識の統合の方策についてのべる。まず学際研究をその出力の無いようにしたがって3つのタイプに分類した。次に、科学研究を妥当性要求の方向に従って分類する軸を示し、それを用いて学際研究遂行時の分野別コミュニケーション障害をのりこえ知識を統合する方策について考察する。そのさい、科学研究の妥当性の方向(分類軸)ごとにどのように知識が組み合わさるかを示し、そしてその組み合わせによる学問の発展の可能性についてのべる。
著者
大橋 英夫
出版者
日本国際経済学会
雑誌
国際経済 (ISSN:03873943)
巻号頁・発行日
pp.kk2022.f10, (Released:2022-07-15)
参考文献数
27

中国経済は2000年代末までに高度成長の終焉を迎え,その後は投資・外需主導型成長から消費・内需主導型成長への「成長方式」の転換が進められている。2010年代末からの米中対立を背景として,すでに変容過程にあった中国経済は,内需主導・イノベーション牽引型成長への転換に加えて,アジア・ユーラシア方面への地域展開,グローバル・ガバナンスへの関与を強めており,その対外経済戦略を調整しつつある。
著者
土屋 政雄 細谷 美奈子 東條 光彦
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.107-118, 2010-06-30 (Released:2019-04-06)

本研究の目的は、登校している子どもにおける不登校行動を、機能分析的観点から自己評定でとらえる尺度を作成し、小学校へ通う児童に適用して因子構造の検討、信頼性・妥当性の検討を行うことであった。13の小学校に通う6年生児童1,119名を対象とし、日本語版SRAS-R登校児用(SchoolRefus-alAssessmentScale-RevisedJapaneseVersionforAttendanceatSchool:SRAS-R-JA)を作成し評定した。探索的・検証的因子分析により,斜交4因子モデルが採択された。SRAS-R-JAは欠席日数との正の関連を持ち,女子において平均点が高いことが明らかになった。したがって,SRAS-R-JAを用いて,登校している子どもの不登校行動を機能分析的側面からとらえることができると考えられる。本尺度を用いた今後の介入や予防への応用が期待される。

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1939年04月14日, 1939-04-14
著者
鷲田 祐一
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.116-124, 2020-01-11 (Released:2020-01-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

家具販売大手であるニトリは,2007年の大規模リコール事件を契機に,製品安全・品質管理を自社の最大のテーマとする方針転換を実施し,製造元企業への積極的な経営・技術指導や,自社の組織風土改革を推進してきている。それらの成果として,家具販売の競合他社を引き離して32期連続の増収増益,世界576店舗までの圧倒的な量的拡大を実現しつつも,経済産業省主催の製品安全対策優良企業表彰において二回連続で経済産業大臣賞(最高賞)を受賞するという快挙を両立した。製造物責任の時代を超えて,企業やその商品・サービスがどのようにして社会と共生していくのか,という視点で見るとき,今までのニトリの一般的イメージとは違う真の姿が見えてきた。
著者
ネスポロ マッシモ
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.251-260, 2016-12-31 (Released:2017-01-06)
参考文献数
15
被引用文献数
5 2

3 0 0 0 OA 東京市史稿

著者
東京都 編
出版者
東京都
巻号頁・発行日
vol.市街編50, 1961

3 0 0 0 温泉

著者
日本温泉協会 編
出版者
日本温泉協会
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, 1961-04