著者
磯野 真穂
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:甲3113号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:2010/5/19 ; 早大学位記番号:新5385
著者
本間 愛理
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.37-54, 2014-12-20

本稿では,宗教人類学の立場に立ち,スピリチュアリティ論やアニミズム論の流れの中にエストニアのMaauskを位置づけ,特にそこで見られる自然と人間の関係性に注目して考察を進めている。また,かつては文化進化論の文脈で用いられたアニミズムという古典的な概念を,Maauskを通して再考することの意義と,そこでMaauskがどのような貢献をなし得るのかを検討している。まず,かつては国教の地位にあったルター派キリスト教が,ソビエトによる支配の時代を経て,著しく衰退した現代エストニアで,Maauskという「エストニア人固有の土地」との結びつきを強調する動きが,人々に親しみを湧かせていることを契機として,それまでのエストニアやMaauskの歴史を振り返っている。そして,人間だけではなく,人間を取り巻くあらゆる非人間も「スピリット」を持っており,それらとの調和的な関係を保ち,うまく生きていくことを目指すMaauskの特徴は,自然と文化を決して切り離さない点にあることを論じている。Maauskは,エストニアの自然の中で人々がつないできた自然との関係性だけではなく,その関係性の中で生まれた「伝統文化」を重視する。そこでは,文化を持ち環境に適応する人間とその周囲に外在する自然という,自然と人間を対峙させた世界の捉え方ではなく,自然と文化をひとつながりの連続体とする世界の捉え方がなされていることが明らかになった。Maauskを通して結ばれる,人間と非人間,人間と人間の関係性は,矛盾や葛藤がありながらも,よりうまく生きていくためのポジティヴなつながりとして探求されている。ナショナリズムに陥る危険性や,Maauskに関わることによる人間関係の不具合などの課題は残しつつも,自然と文化の融合の中,すべてのものがひとつの関係性に生きていることを意識し,人間の目には見えない世界,すなわち,スピリットの世界に目を開かせるMaauskは,アニミズム概念や人間中心主義を考え直す大きな手がかりとなるだろう。
著者
室井 宏仁 奥本 素子
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-10, 2020-08-20

新型コロナウイルス感染症の蔓延は,博物館・美術館をはじめとする国内の文化施設の運営にも甚大な影響を及ぼし続けている.感染拡大防止措置としての臨時休館が長期化する中で,オンラインメディアを活用して展示や教育普及に取り組む博物館施設が多く見られるようになった.本研究では,新型コロナウイルス感染症により大幅に活動が制約される中での我が国における博物館施設の対応と,具体的な取り組みの内容について,各施設の公式ホームページやSNS の閲覧を通じて整理・分析した. その結果,政府の特定警戒都道府県に指定された地域では,それ以外の地域に比べて博物館施設によるオンラインでの情報発信がより積極的に実施されたことが分かった.またオンライン上で発信を行なった施設の多くが,SNS や動画投稿サイトなどの外部サービスを活用しながら情報を発信していたことも判明した.また全国規模での施設間連携,家庭用ゲームソフトを介したコンテンツ公開など,これまでに例のない情報発信の取り組みも確認できた.
著者
神野 秀雄
出版者
愛知教育大学
雑誌
治療教育学研究 (ISSN:09104690)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-9, 2006-02-28

本論文は,初来所時31歳(男性)の高機能自閉症(IQ:92)に関する事例報告である。Aさんは女子学生5,6名を回答者にして「クイズサークル」を年数回実施し,それを5年間続けて終了した。Aさんは,クイズサークルの「会長」として来所していたが,まもなく学生たちにAさん自身のことを「先生」と呼ばしめるようになり,大学の非常勤講師としてクイズサークルを主宰しているという揺るぎない妄想に変化していった。このように学生たちには尊大な態度を示したが,一方筆者(セラピスト)には,強迫行為や強迫観念など“気になること”や“悩みごと”をクライエントとして相談し,カウンセリングによりいくらかでも悩みを軽減できる神経症的な心の構造を示した。本事例の発達経過をみると,Meltzer,D.のいう自閉(autistic)から後自閉(post-autistic)に移行・成長した経過を経たと思われ,その視点から妄想や強迫症等について考察した。
著者
川口 徹
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-207, 2019

早大学位記番号:新8505
著者
王 欣蕙
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-70, 2016-03-25

世界の先進諸国では、外国籍であって、かつ定住する大量の移民人口が生まれている。「定住外国人」と呼びうる人々が先進国で人口の5%以上、国によっては一割以上にも達している(ハンマー1999)。日本は外国籍者についても、もはや外国人市民の参加をめぐる議論の埒外に置くことはできなくなっている(宮島2000)。これからの自治体に必要なことは、それぞれの地域で本当に必要とされ、自らの責任において住民のニーズに応え、住民のための政策を設計することである。現在の日本で外国人が多く居住する地域では、地域社会の構成員として共に生きていくような社会づくりを実現する為、外国人住民の声を積極的に聞こうとする「外国人住民会議」が、地域自治へ参加する一つの手段として考えられる。本研究は、外国人市民が集中する地域において、外国人市民が地域自治により参加しやすくなるように自治体の政策設計の有効な方法を提案する。本研究においては、外国人市民の割合が高い自治体の多文化諮問機関としての川崎市外国人市民代表者会議、外国籍県民かながわ会議と神戸市外国市民会議を対象事例に選び、設置根拠、代表性、フォローアップ体制の三つの要素が外国人住民会議の実効性に与える影響について比較分析を行う。本研究で用いる「実効性」とは、外国人住民会議を設置して以来、提案に基づき、どのような問題を解決されたかという事を指す。そこで、外国人住民会議の実効性に影響する原因について、本研究では、大きく以下の3つの仮説に基づいて、分析を行う。仮説1: 多文化の歴史や構造的条件の違いが、参加の制度に影響を与え、外国人会議の設置条例を制定するか否かに影響を与える。会議の実効性はその設置根拠に影響される。仮説2: 会議の宣伝のあり方と代表者募集のあり方は会議の代表性と実効性に影響を与える。仮説3: 提言の実施のフォローアップ体制は、会議の実効性に影響を与える。仮説を検証するため、三つの対象会議について、会議の設置背景と目的、参加者の募集方法、会議の宣伝方法、会議の提言の実施のフォローアップ体制、提言の実施状況について、文献調査等で基本状況を把握した上で、各会議の担当者と会議の参加者にヒアリング調査を行う。会議の効果の検証に、必要とされる行政データを用い、三つの会議を比較することで実効性を測定した。その結果、仮説1については、三つの事例の過去の経緯や歴史的な分析の結果を踏まえ、多文化の歴史や構造的条件の違いにより、会議の設置根拠は会議実効性に影響があることについて明らかにした。仮説2について、三つの外国人市民代表者の応募者数の増減傾向の分析を踏まえ、応募者数の増加により、本研究で用いる「代表性」の評価基準から見た外国人住民の人口の構成に対する会議の代表性が高くなった。会議の宣伝と代表者募集のあり方は会議の代表性に影響を与えたと言える。さらに、会議の代表性は会議の実効性に影響を与えたことが分かった。仮説3は、フォローアップ体制の分析では、会議の過去の提言と取り組み状況を確認した結果、会議の実効性に影響を与える要因であることを明らかにした。以上の結果を踏まえ、会議の実効性を向上するための提案を行った。まず、参加の制度において、会議は条例設置とすべきである。次に、代表性について、会議の参加者を増やすことが必要である。そのため、川崎市や神奈川県など、日本国籍を有するものの認可しない多くの自治体の外国人住民会議も、神戸市と同様、その参加条件を和らげる事は検討に値する。また、会議の傍聴者の増加は、会議の参加を促す。会議傍聴の案内はホームページだけでなく、市民会館、交流センターなど等々に配布すべきである。より多く、より多様な傍聴者を得ることは、会議の状況を実際に把握し、参加者になる可能性があると考える。最後に、外国人住民会議の過去の提言の取り組み状況を調査し、チェックするフォローアップ体制を作ることが会議の実効性の向上に繋がる。以上は会議の実効性を向上するための提案である。
著者
小野 真
出版者
京都大学学術出版会
巻号頁・発行日
2002-01

2003年度日本宗教学会賞受賞。京都大学学位授与論文をもとにした出版物。
著者
稲垣 希望 池島 徳大 田窪 博樹
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.73-81, 2017-03-31

本研究では、東(1997)が考案した問題の外在化技法としての虫退治技法の考え方を取り入れた心理教育プログラムを開発し、B小学校第6学年C学級に全7回導入し、その効果等について検討を試みた。プログラムの効果測定には、栗原・井上(2010)の「学校環境適応感尺度(ASSESS)」、庄司(1993)の「児童のself-control尺度」を用いた。その結果、「生活満足感」「友人サポート」両因子に統計的に有意な差が見られた。また、統計的に有意な差は見られなかったものの、児童らのセルフ・コントロールが若干向上した。これらの結果に加え、児童らが取り組んだワークシートや振り返りなどから、本プログラムの実施により、児童らは「問題を外在化する」スキルを身に付け、お互いに困っていることを「虫」として開示し、さらに、日常生活において学んだスキルを般化できるようになった。
著者
飯田 祐子 IIDA Yuko
出版者
名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センター
雑誌
JunCture : 超域的日本文化研究 (ISSN:18844766)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.48-63, 2019-03-25

In this paper, I examine Murata Sayaka’s works with a special focus on the concept of “genderqueer.” Genderqueer is a term born from Transgender theory, which criticizes the gender binary norm. Murata wrote about transgender characters who try to transcend gender, as well as, cisgender women, who deviate from the gender norm in extreme ways. Murata created these people to show her intolerance of the gender binary system, and by doing that, her trials resonate with the concept of genderqueer. In Convenience Store Woman, Murata reveals that “normal” is constructed with the exclusion of the others. Part of her focus is on the family system that she considers to be the most repressive. It is the basis of society and strongly gendered. The protagonist Keiko Furukura escapes from gender norms by identifying herself as a part of a convenience store. Convenience Human, the identity Furukura creates, is an allegorical non-gendered existence. In Murata’s other works, she continues to invent alternative sexuality in order to free sexual desire from the gender system. For instance, she features several types of sex with things practiced by girls, and she extends this idea and describes with enthusiasm having sex with the Earth. Her ideas are in the same direction as post-human or non-human ontology. In her most recent work, Earthian, she seeks a way to survive as an alternative post-human creature. She describes the binary confrontation “normal/abnormal” as “Earthian/alien.” The protagonists survive as aliens in the repressively gendered society, the Earth. In this paper, I demonstrate the concrete gender queerness in order to criticize the binary gender system, through Murata’s works created with her explosive imagination.
著者
小松 寛
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012-12

制度:新 ; 報告番号:甲3761号 ; 学位の種類:博士(学術) ; 授与年月日:2013/1/17 ; 早大学位記番号:新6134
著者
朝倉 隆太郎 Asakura Ryutaro
巻号頁・発行日
2000

筑波大学博士 (学術) 学位論文・平成13年1月31日授与 (乙第1687号)
著者
屈 国鋒
巻号頁・発行日
2007

筑波大学博士 (体育科学) 学位論文・平成19年7月25日授与 (甲第4494号)