著者
新井 園枝 佐藤 満
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.3-21, 2011-02-28 (Released:2015-04-04)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

平成17年地域間産業連関表は,公式には平成7年表以来,約10年ぶりの公表となった(平成12年表は試算地域間表として個人作成).地 域産業連関表は地域振興・活性化の定量分析を行う上で欠かせないツールであり,平成17年表についても全都道府県で作成されているが,ここでは経済産業局管区の9地域区分による地域間産業連関表の作成方法と分析事例(ケーススタディ)を紹介 し,より一層の理解と啓蒙の一役を担えれば幸いである.
著者
川田 侃
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-32, 1990-08-30

一国の世界市場での国際競争力が強くなり, その国の世界における産業的・経済的優越性が顕在化して, 経済的覇権の樹立がみられるようなときには, 当該覇権国の経済のためにも世界経済全体のためにも, それに見合った適切な政策転換が不可欠の要請となる。もし適切な政策転換がなされない場合には, 世界経済全体のバランスが崩れて, 結局のところ, 覇権国の経済も大きな痛手をこうむることになる。しかし, 歴史上そうした政策転換はとかく後手にまわって遅れがちとなり, そのため世界経済に容易ならぬ諸困難をもたらすおそれもある。そのことは, 近年とみに世界市場における国際競争力を増大させつつあるにもかかわらず, 自国市場の開放等に関してこれまで概して受動的, 消極的で, そのことのためにアメリカをはじめとして世界諸国からの批判を受けている日本の事例についてみても, 当てはまるようにみえる。いま1980年代の中葉にあって, 日本は世界のあらゆる国のなかで飛びぬけて高い貿易収支, および経常収支の黒字を抱えている。このことは直ちに欧米の経済的諸列強に対する日本の産業上, 商業上, 金融上等の経済的優越がすでに定着したことを物語るものではないとはいえ, 日本の貿易収支や経常収支の黒字は, かつて世界のどの国も経験したことのないほどの巨額のものに上っており, この状態そのものが世界経済に対する深刻な脅威となっている。そのためこの巨額の黒字を取り除くために, 市場の開放をはじめとして多くのことが日本に求められてきたが, 日本の対応は必ずしも適切かつ素早いものではなかった。確かに, 1985年9月のアメリカのレーガン政権による新通商政策の発表や五カ国蔵相会議(G5)を契機に, 日本は市場開放行動計画(85年7月)の実行繰り上げ, ドル高是正のための協調介入など, 一連の経済政策を積極的に開始したが, こうした行動は本来もっと早い時期にとられるべきであったろう。この小論は, 最近のこうした日本の経済政策の推移変転を念頭に置きながら, 一国の世界市場における国際競争力が強化され, その世界に対する産業的・経済的優越が顕在化するようなとき, それにともない要請されるべき政策転換の問題を取り上げようとするものであるが, ここではさしあたり、その歴史的先例を19世紀のイギリス, および第1次世界大戦後のアメリカに求め, かつての世界経済舞台において, こうした政策転換に関連していかなる諸問題が起きたかを, 第一の課題として取り上げたい。次に, 第2次大戦後確立されたアメリカの経済的覇権が60年代末葉以降, 次第に動揺するにしたがい, それにともなっていかなる政策転換ないしは政策調整の必要が生じ, その屈折点はどこに見出されるか等を, 第二の課題として取り上げたい。また最後に, この過程を通じてアメリカとは逆に, 漸次, 産業的・経済的優位に向けて接近の度を増しつつあった日本の諸政策についても, 一応の検討を試み, それらについての問題点を探ることを, 第三の課題として取り上げたい。
著者
間 宏
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

本研究は、ブルーカラー労働者(以下ブルーカラーと略す)に関する歴史的研究は多数存在するが、ホワイトカラー労働者(以下ホワイトカラーと略す)の歴史的研究は著しく後れている現状にかんがみ、その空白部分を埋めることを主たる目的として実施された。そのため、地域的には関東周辺、中部地方、関西地方、北九州地方を、産業上は銀行、重化学工業及び鉱業を選び、それぞれに関係の深い経済団体、企業、労働組合及び個人について、所蔵資料の収集と面接調査を行った。その結果、今までに得られた知見は以下の通りである。1.ホワイトカラーは、ブルーカラーに比較して、企業への定着率が高いといわれているが、今回の調査研究の結果、必ずしもそうはいえず、ホワイトカラーかブルーカラーかというよりも、それぞれが所属している企業の盛衰によって決定的な影響を受けている。2.ホワイトカラーといっても、地域的な差が大きく、東京など大都市周辺の事業所に働くホワイトカラーは、中小都市(たとえば、日立市、豊田市)に働く人々よりも労働移動率が高い。また、同一企業でも、事業所ごとの差が大きく、大都市の本社に働く人々の方が、地方の事業所に働く人々より労働移動率が高い。3.産業別では、予想された通り、銀行のような第3次産業に働く人々の方が、重化学工業や鉱業に働く人々よりも労働移動率が低い。4.本研究の特徴であるライフ・スタイルの面でも、地域差、産業差、本社かそれ以外の事業所かによる差は大きい。本人の職位による差が大きいことはいうまでもない。戦前の場合、戦後とは著しく異なり、ホワイトカラーとブルーカラーとの違いは極めて顕著である。
著者
佐々木 啓子
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.26-35, 2021-02-01

After the Meiji Restoration the Japanese government started to establish a modern system of bureaucracy and an education system. Also it organised the system for professional qualifications, such as lawyers and medical doctors. The government at first shut women out from these specialised professions. However, some women’s activities enabled them to obtain professional licenses, particularly to become medical doctors. Kei Okami entered the Woman’s Medical College of Pennsylvania, USA, in 1885 and graduated as a Doctor of Medicine in 1889, becoming the first Japanese female to obtain a degree in Western medicine from a Western college. After returning to Japan, she was registered as a certified doctor in 1890, and became the head of gynaecology at Jikeikai Hospital. In 1900, Yayoi Yoshioka, Japan’s 27th female doctor after Ginko Ogino, applied to the Governor of Tokyo for accreditation to establish the private Tokyo Women’s Medical School. The school was promoted to a medical college in 1904, and graduated about 700 female medical doctors from 1908 to 1933. The aim of this article is to discuss how to build up women’s status as professions such as medical doctors.
著者
永瀬 和彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.54, no.504, pp.1852-1860, 1988-08-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Many experiments have been made to clear the true state of adhesion coefficient μ which significantly affects the performance of rolling stock. However, such experiments have been made mainly in laboratory rooms, and the experiments made on main lines have been simply a medley of data only at the spot of wheel slipping. The author employed a "Slipping adhesion test truck" built on a new idea of realizing the measurement of μ continually while running, and observed the true state of μ along the mainlines. From the results thus obtained, the author derived the statistically processed μ, and analyzed the relation between μ and the rate of wheel slipping. In addition, the author referred to the various factors that reduced the value of μ.
著者
嶋 大樹 Taiki Shima
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 = Doshisha Clinical Psychology : therapy and research (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.39-52, 2020-12-15

本稿の目的は,関係フレーム理論の観点からメタファーを分析し,臨床場面での使用法を整理することであった。まず,関係フレーム理論と,メタファーと関連の深いアナロジーについて解説した。続いて,メタファーとは既有の知識と未知の出来事を関係づけることであり,それによる後者の機能変容が核心であることを解説した。最後に,臨床場面においてメタファーを使いこなすための留意点について整理した。その他
著者
矢吹 正教
出版者
京都大学生存圏研究所
雑誌
生存圏研究 (ISSN:1880649X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.16-22, 2018-11-05

空を見上げると、青空や真っ赤な夕焼け、雨上がりに現れる虹、太陽の周りに現れる光の輪など、多くの大気光学現象と出会うことができる。これは、太陽光が大気に入射することで引き起こされた現象であり、大気を構成する様々な物質の光学特性を反映している。この特徴を利用し、"レーザー"を大気中に照射して人工的に光散乱を起こすと、直接的な計測が難しい上空などの大気環境をモニタリングすることができる。本稿では、地球大気環境を形成する大気成分の特徴と、それらを遠隔で計測できるライダー(レーザーレーダー)手法について紹介する。

3 0 0 0 OA 大阪府統計書

出版者
大阪府
巻号頁・発行日
vol.明治43年, 1911