著者
柳家 小三治
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
1928-08
著者
惠美須屋 廣昭
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.118-123, 2015-06-29 (Released:2016-07-29)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

味噌、醤油、漬物や酒造りなどの発酵食品の製造において、乳酸菌は乳酸を生産してpH を下げて、他の微生物の繁殖を抑制するという重要な働きを行っている。また、酢酸菌を用いて生産する食酢に抗菌活性があることはよく知られている。環境中のpH を下げることで雑菌汚染を防ぐという抗菌作用は乳酸と酢酸に共通するものであるが、酢酸は細胞内に浸透するという特性があり、それゆえに乳酸に比べてより高い抗菌活性を有している。酢酸菌が生産する酢酸は、酢酸菌自らにとってもストレスになるのだが、酢酸菌は高濃度の酢酸共存下でも生育が可能であり、酢酸菌に特有の耐性機構が幾つか明らかになってきている。すなわち、①酢酸を細胞内へ流入しにくくする、②細胞内の酢酸を効率よく消費する、③細胞内の酢酸を細胞外に排出する、④細胞内の環境変化への対応機構をもっている、である。これらの現在確認されている酢酸菌の持つ酢酸耐性機構について概説する。
著者
呉 禮媛 網中 眞由美 森 那美子 西岡 みどり
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.10-27, 2021-01-25 (Released:2021-07-21)
参考文献数
54

本研究では,有料老人ホームと介護保険施設における薬剤耐性Antimicrobial resistance(AMR)対策の実態を明らかにし,AMR対策のあり方を検討することを目的とした.無作為抽出した高齢者施設(有料老人ホーム,介護老人福祉施設,介護老人保健施設,介護療養型医療施設),計2,800施設の感染管理担当者を対象に自記式質問紙調査を行った.254施設(9.1%)の回答を集計した.有料老人ホームは薬剤耐性菌が拡がりにくい条件が揃っていたが,他の施設類型と同様にMRSA,ESBL産生菌,CRE,MDRP,MDRA,VREによる集団感染が発生していた.高齢者施設のAMR対策は,マニュアル配備,研修,入所時対策などが不十分であった.入所時スクリーニングの実施率は22~33%であり,対象菌はほぼMRSAに限定されており,薬剤耐性菌を拡げやすいケア(尿道留置カテーテル管理,おむつケアなど)における対策にも課題があった.したがって,見落とされた保菌者の薬剤耐性菌を拡げやすいケアを介した拡大リスクが示された.高齢者施設のAMR対策は,入所時スクリーニングを行わず,すべての入所者の薬剤耐性菌を拡げやすいケアの際に,標準予防策に加えて接触予防策を強化することが有効と考える.また,保健所や地域中核病院からの支援を推進するために診療・介護報酬によるインセンティブも必要と考える.
著者
磯野 哲一郎 國津 侑貴 増田 恭子 平 大樹 荒木 久澄 荒木 信一 宇津 貴 寺田 智祐
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.601-609, 2017-11-10 (Released:2018-11-10)
参考文献数
29
被引用文献数
1 3

The proper use of drugs with renal excretion and nephrotoxicity is an urgent problem due to the increase in CKD patients. We have been sharing renal function data on CKD patients among medical staff, including community pharmacists, using the CKD sticker since March, 2012 in Shiga. The CKD sticker is affixed to the medication log book of CKD patients. We performed questionnaire surveys of all community pharmacies in Shiga for five years from 2012 to 2016, and examined the utility of the CKD sticker. The CKD sticker was recognized at 98.6% of pharmacies in 2016. Pharmacies attended by patients with the CKD sticker increased to 68.8% in 2016. In addition, there were no local differences among 9 branches in the Shiga Pharmacist Society in 2016. The number of pharmacies that performed questionable inquiries based on the CKD sticker increased from 7.7% in 2012 to 24.7% in 2016. Pharmacies that inquired about patients with CKD stickers greatly increased in 2016, and the number of prescription changes increased. The spread of CKD stickers was observed throughout the prefecture, and this study demonstrated that the CKD sticker was a useful tool for questionable inquiries. The CKD sticker helped to avoid the use of drugs in cases with nephrotoxicity and to reduce the quantity of drugs in cases with renal excretion, allowing for safe medication of CKD patients.
著者
星埜 由尚
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.2, pp.227-240, 2020-04-25 (Released:2020-05-12)
参考文献数
23
被引用文献数
5 4

The map of Japan drafted by Inoh Tadataka is considered to be the earliest produced from a scientific survey. The descriptions of longitude and latitude are based on astronomical observations, and Inoh's nationwide survey has been considered to be the origin of modern surveys in Japan. However, he did not succeed in determining longitude. Although he had knowledge of a spherical earth, the results of his survey were projected on a plane, not on a spherical surface. The parallels of latitude drawn on his maps are based on an accurate astronomical survey he carried out, but the meridians on his maps are absolutely inconsistent. His survey method also combined traverse and intersection surveys without control points. Therefore, his nationwide survey cannot be considered to be representative of a survey carried out in the modern period. There are many open traverse lines on his maps. These lines generally extend to temples and shrines, although they are not effective for improving the accuracy of the survey. Because temples and shrines might have been important public facilities at that time, the Tokugawa shogunate government probably requested information concerning their locations. He carried out a nationwide survey ten times, but he could not survey the northern half of Ezo island (Hokkaido). It is said that Mamiya Rinzo, who studied survey technology under Inoh Tadataka, surveyed Ezo island and submitted his survey data to Inoh Tadataka, therefore, Inoh's map of Ezo island might be entirely based on Mamiya's data. Further studies are necessary because Mamiya's survey has not been clarified.
著者
本田 正次
出版者
The Botanical Society of Japan
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.769, pp.168-171, 1952
被引用文献数
2

佐渡の北部海岸の草原地帯に産するシオデの一種は莖が剛強で直立性が強く, 節間が短縮して葉が多い。花は小花梗が短くて密集する觀があり, 新種として発表したい。清水大典氏が昭和25年8月奥秩父で採集され弛ベンケイソウの一種はミツバベンケイソウに比べて株立ちとなり, 花が正開せず, 秋になると上部の葉腋に無数の肉芽を生する特性があるので, これも新種として発表する。清水大典氏はその生育地を次の様に説明しておられる。「奥秩父山地の西の縁に御座山(オグラサン)が位置し, 又地質的にも秩父古生層の分布の西界点に当る山で主峰御座山の高度は2,112,1mで, その山頂から東方に向つて秩父三国峠甲武信岳の主稜を形造る彌次平尾根が走つており, このベンケイ草の生育地はこの御座山頂から彌次卒尾根を約1キロばかり東に進んだ高岩 (昭和25年の初縱走で新しく命名した硅岩の突峰) の崖に著生しているもので, 生育点は岩石ではあるがコメツガの森林に接して比較的濕気が多く, 蘇類のよく育つ処である。そしてこの生育点の高度は海抜1,980m位で, 生育する稜線が長野県南佐久郡の南相木村と北相木村の境界線をなしておる。又この草の生育量はあまり多くはなく, 大体2地点30株位であろう。」<br>桑名高校の安井直康氏の採集で, 三重県三重郡三重村にある大池の沼沢地に産し, タテヤマリンドウの更に小さくなった一変種と思われるものがある。安井氏によればハルリンドウと混生し, 現場は標高30mの低所だそうである。サルイワツバキ即ちユキツバキを最初に調査に行った時の帰途立ち寄った若柳村愛宕小学校の校庭で見たケンポナシは葉が小さく, 黄金色を呈し, 脈に沿うて僅かに緑が殘つている葉もあるという変り方であった。病的のものと思われる。ネズミモチの果実が熟しても黒くならないで白色または帯黄白色を呈するものを山脇哲臣氏が高知市旭の山麓で採集された。また同氏は愛媛県北宇和郡と南宇和郡との境界に当る由良半島の中間部でネズミモチが完全に地に伏してはう形のものを発見採集された。秋田県仙北郡荒川村で古家儀八郎氏が採集されたシナノキの一種は苞が狹細で先端が細く尖つている点が基準種と違つているので新変種とした。<br>北海道天塩国士別町西士別で佐々木太一氏が採られたアマドコロ属の一種はオオアマドコロと思われるが, 葉腋毎に枝をうつて, 更に葉と花とをつけた新しい変種である。シロバナヘビイチゴの花の淡紅色のものを竹中要氏が富士山で採集されたが, これは曾て日光の志津で中井博士が採られたものと同一品と思われる。愛媛県皿け嶺で山本四郎氏の採集されたタツナミソウの一種はハナタツナミソウの白花品であるから新品種として記載する。<br>ヤハズエンドウの白花品も山本四郎氏によつて同県温泉郡難波村下難波の路傍で探集された。ヒメノガリヤスの葉裏 (本来の表) が白味を帯びている変種が同氏によつて皿ケ嶺採られている。ヤブウツギの白花品が同県周桑郡櫻樹村にあり, これも山本四郎氏によつて採集された。石槌山西冠岳で同氏の採集されたカラマツソウ属の一種はアキカラマツの高い山に上った形とも見られるが, 高さが低く, 小葉の形に異点が認められ, 葉の表裏ならびに果実に細かい腺点が見られるので別種と考えた。
著者
佐藤 治雄 狩屋 桂子 前中 久行
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.109-112, 1996-03-29
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

時代及び年齢成長にともなう身近な景観や生活の変化が住民にどのように認識評価されているのかを把握する目的で,琵琶湖湖岸2集落(滋賀県中主町野田,能登川町乙女浜)でアンケート調査を実施した。生活体験の変化パターンは調査項目により様々であったが,牛の飼育など2,3の項目を除き,両調査地間に大差はなかった。また,五右衛門風呂に入った,自家用車があるなど多くの項目で高度成長期を境に急激な変化があった。過去の大規模事業として圃場整備,内湖の干拓,河川改修などをあげる人は若年齢層より高齢層の方が多かった。調査結果には生活体験,景観の変化が大規模事業の進捗など社会情勢の変化と密接に関連しつつ現れている。
著者
阿南 智顕 菊池 薫 一條 俊浩 岡田 啓司 佐藤 繁
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会・九州沖縄産業動物臨床研究会
雑誌
産業動物臨床医学雑誌 (ISSN:1884684X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.154-160, 2016-03-15 (Released:2016-10-02)
参考文献数
15

子牛に対するグリセロール投与の効果を明らかにする目的で,絶食した子牛と下痢症のために衰弱した子牛にグリセロールを1回経口投与し,エネルギー補給効果と衰弱症状の改善効果を検討した.その結果,投与群では投与量(50 ~ 200mℓ)および投与方法(カテーテル,哺乳ビン)にかかわらず,投与後に血糖(Glu)が上昇して遊離脂肪酸(FFA)が低下する傾向が認められた.Gluはカテーテルおよび哺乳ビン投与牛ともに,200mℓ投与牛で投与後2時間にピークを示して12時間まで持続し,Glu上昇とFFA低下の程度や持続時間は,投与量が増えるに伴って大きくかつ長い傾向がみられた.このことから,2 ~ 4カ月齢子牛に50 ~ 200mℓのグリセロールを投与すると,量依存性にGluが高値を示し,エネルギー補給効果のあることが明らかにされた.一方,野外の下痢症子牛を対象としてグリセロール200mℓ のカテーテルでの経口投与による衰弱症状と糞便性状の改善効果を検討した結果,活力の低下や消失,起立困難や歩様蹌踉などの衰弱症状は,投与翌日に11頭中10頭で活力が向上し,3頭で起立困難と歩様蹌踉の改善傾向がみられた.糞便性状は投与翌日に11頭中3頭で色調,8頭で性状,また,3頭で臭気に改善傾向がみられた.このことから,下痢症により衰弱症状を呈した子牛に対してグリセロール200mℓ をカテーテルで経口投与することは,下痢症からの回復を早める手段として有効であることが示唆された.

3 0 0 0 OA 刀剣鑑定秘訣

著者
本阿弥弥三郎 著
出版者
青木嵩山堂
巻号頁・発行日
vol.新刀編 巻2, 1905