著者
朱 京偉 Jingwei ZHU
出版者
国立国語研究所
雑誌
日本語科学
巻号頁・発行日
no.12, pp.96-127, 2002-10

北京外国語大学本稿では,語彙史の視点から近代哲学用語の成立を考察するにあたって,明治以後の哲学辞典8種を選定し,基本的な哲学用語を抽出して検討を加えた。方法としては,西周の訳語と『哲学字彙』初版の用語が,明治前期においてどんな役割を果たしていたか,また,その後の哲学用語にどんな影響を与えたかを解明するために,検討の対象となる881語を「西周と『字彙』初版の用語」と「西周と『字彙』以外の用語」の二部類にふりわけ,その下でさらに10項目の下位分類を設けた。そして,この下位分類によってグループ分けした各種の語について,所属語のリストを掲げ,それぞれの性質を検討してみた。結論から言えば,「西周と『字彙』初版の用語」は,近代哲学用語の草創期にあたる明治前期に早く登場し,明治全期にわたって強い影響を持っていた。これに対して,「西周と『字彙』以外の用語」は,明治後期から急増し,明治末期に増加のピークに達して,大正期以後しだいに減少していくというプロセスを経ている。大正後期になると,哲学用語の創出は終焉期を迎えたといえる。また,抽出した哲学用語では,在来語と新造語の比率は大体4対6の割合になっていることも今度の調査で明らかになった。This paper clarifies how modern philosophical terminology was established. The author chose 881 basic terms from 8 dictionaries of philosophy published since the Meiji era and classified them into 10 categories. The terms from each category can be divided into two groups: (1) Terms from the works by Nishi Amane (西周) and the dictionary, Tetsugaku-jii (『哲学字彙』), (2) Terms from the others. Tables display the source of each term. The philosophical terms used in the work by Nishi Amane and Tetsugaku-jii appeared in early Meiji, and had great influence during the whole period. The other terms increased drastically in the latter part of Meiji, and reached their peak at the end of the era. Their use gradually decreased in the Taisho era. We can consider the formation of modern philosophical terminology to have been completed in this time. This research also revealed that the ratio of traditional to newly coined terms was about 4:6.
著者
渡辺 祐邦
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1970, no.20, pp.186-198, 1970 (Released:2010-01-20)
参考文献数
47

本稿の目的はヘーゲルの『論理学』における生命の概念を十八世紀の啓蒙主義的自然哲学の伝統との連関において考察し、ヘーゲルにおける弁証法の問題と十八世紀における生物学的諸発見との間の根本的連関を見出すことにある。ヘーゲルの論理学における「生命」の問題は一見彼の時代の自然科学の諸問題と全くかけ離れている様にみえる。しかし彼がそこで考察した諸問題は彼の時代の生物学的認識の発展と本質的に連関していたのである。とは云えこの両者を直ちに結びつけることは非常に危険である。われわれは彼の弁証法の問題と生物学の問題との連関を正しく考察するためには、十八世紀における生物学者の観察が同時代の哲学に対していかなる問題を提起したかを考察しなければならない。ヘーゲルの論理学における「生命」の理念の諸問題は十八世紀のドイツにおける啓蒙主義的自然哲学において提起された諸問題の伝.承を通じてのみ把握されうるのてある。ロジニは彼の大著 『十八世紀のフランス思想における生命の記学』において、十七世紀と十八世紀に行われた生物学的発見が十八世紀の哲学的精神に及ぼした作用を詳細に考察した。そこで彼は次の様に述べている。「一六七〇年から一七四五年までの生命の科学の歴史はアプリオリな機械論に対する観察それじしんの長い戦いの歴史だった。この戦いの結果は疑うまでもなく機械論の破滅に帰着した。」ところでドイツ自然哲学の諸問題も全く同じ観察によって提起されたのである。ドイツの啓蒙主義的思想家も、超自然主義的信仰や自然神学に対する彼らの戦いにおいて、必然的に生物学の諸問題を考察しなければならなかったからである。
著者
福田 喜一郎
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.39-50, 2006-03-31

Kant stand nach seiner Aufklarung-Schrift (1784) verschiedenen Schwierigkeiten gegenuber. Seine Unterscheidung zwischen dem offentlichen Gebrauch und privaten Gebrauch der Vernunft wurde von Hamann streng getadelt. Kant wurde danach in den Spinoza-Streit zwischen Jacobi und Mendelssohn hineingezogen und fur Atheisten gehalten. Ferner gab es heftigen Angriff der Schwarmer auf die in Berlin entwickelte Aufklarung. Kant hat in dieser Phase seine Orientierung-Schrift (1786) geschrieben, um die Idee von seiner Aufklarung in praktischer Absicht zu erklaren. Seine Idee wurde neu als "Selbstdenken" vorgelegt, dessen Maxime heisst: "den obersten Probierstein der Wahrheit in sich selbst suchen".
著者
川島 正敏 和田 耕治 久保 公平 大角 彰 吉川 徹 相澤 好治
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.155-161, 2009 (Released:2009-08-10)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

N95マスク(DS2マスク)の選択にあたってはフィットテストが必要である.しかし,40歳以下の女性についてはフィットする割合が低いことが指摘されており,マスクの構造上の改善の余地がある.多くのN95マスクは,ゴム紐のみで頭に固定されている.本研究では,口元の調節紐および立体接顔クッションを付属したN95マスクを40歳以下の女性が装着し,フィットする割合が向上するかを検討した.   20名を対象に,調節紐および接顔クッションを付属したN95マスクと,コントロールとしてゴム紐のみで装着するN95マスクを用いた.装着を行ったあと,マスクフィッティングテスターを用いてフィットテストを行い,漏れ率を測定した.   調節紐および接顔クッションを付属したN95マスクでは,普通呼吸において漏れ率が5.0%未満であった.しかし,ゴム紐のみで装着するN95マスクでは5人の漏れ率が5.0%以上であった.またフィットテストの過程で漏れ率が5.0%以上となったのは,調節紐および接顔クッションを付属したN95マスクでは3人であったが,ゴム紐のみで装着するN95マスクでは,11人であった.   本研究より,調節紐および接顔クッションを付属することにより,N95マスクのフィットする割合を向上できる可能性があると考えられる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1722, pp.8-11, 2013-12-30

その代償は決して小さくない。安倍首相の政権基盤の物差しとなる内閣支持率は、日本経済新聞社とテレビ東京による12月下旬の世論調査で11月の前回調査より7ポイント下落して56%となり、第2次安倍内閣発足後、最低となった。 現在と同じく衆参で多数を得てい…
著者
三宅 幸子
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.398-402, 2014

腸管は最大の免疫組織でもあるが,常に食物の摂取などを通して外来抗原に接するうえに,100兆個にも達する腸内細菌と共存するなど独特な環境にある.近年,自然免疫研究の進歩に加え,シークエンス技術の進歩による培養によらない腸内細菌叢の網羅的遺伝子解析などが可能となり,常在細菌による免疫反応の調節に関する研究が進み,自己免疫との関係についても注目されている.無菌飼育下では多発性硬化症や関節リウマチの動物モデルは病態が軽減する.また抗生剤投与により腸内細菌を変化させると病態が変化する.特定の細菌の移入による自己免疫病態への影響については,Th17細胞を誘導するセグメント細菌を移入すると病態が悪化する一方,制御性T細胞の増殖に関与するBacteroidesやLactobacillusを移入すると病態が軽減する.これら動物モデルの解析では,腸内細菌が積極的に病態に影響することが示されている.ヒトの疾患では関節リウマチで解析がされており,特定の菌が関与する可能性も示唆されている.免疫調節に最適な腸内環境の維持が可能になれば,疾患治療のみならず予防にもつながることから,研究の進展が期待される.
著者
劉 冠偉
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2021

文学研究科(言語文学専攻)

3 0 0 0 OA 君が代 合唱

著者
古今和歌集より
出版者
東芝レコード
巻号頁・発行日
1959-03
著者
Takashi YAMAUCHI Toru YOSHIKAWA Masahiro TAKAMOTO Takeshi SASAKI Shun MATSUMOTO Kotaro KAYASHIMA Tadashi TAKESHIMA Masaya TAKAHASHI
出版者
National Institute of Occupational Safety and Health
雑誌
Industrial Health (ISSN:00198366)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.293-302, 2017-05-31 (Released:2017-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
21 69

Overwork-related disorders, such as cerebrovascular/cardiovascular diseases (CCVD) and mental disorders due to overwork, are a major occupational and public health issue worldwide, particularly in East Asian countries. This report discusses the recent trend of overwork-related disorders in Japan from the perspective of workers' compensated occupational diseases, as well as the development of a national policy for preventive measures against overwork-related disorders in Japan. Recently, the number of claimed and compensated cases of occupational mental disorders has increased substantially, particularly among young workers, as compared to those of occupational CCVD. In response to these situations and action from society, the Japanese Government passed the "Act on Promotion of Preventive Measures against Karoshi and Other Overwork-Related Health Disorders" in June 2014 to develop a national initiative towards the prevention of overwork-related disorders. Changes in the trend of overwork-related disorders in Japan under a legal foundation and an initiative by the central government should be closely monitored so that other countries can benefit from the experiences.

3 0 0 0 OA 敬語法の研究

著者
山田孝雄 著
出版者
宝文館
巻号頁・発行日
1943

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年04月10日, 1924-04-10