3 0 0 0 OA 初等科国語

著者
文部省 編
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.第3, 1943
著者
西村 由美子 有村 達之
雑誌
心理・教育・福祉研究 : 紀要論文集 = Japanese journal of psychology, education and welfare
巻号頁・発行日
no.19, pp.9-17, 2020-03-31

失体感症とは身体感覚を感じることができない状態のことを指す。本研究では母親の失体感症傾向と虐待傾向との関連性についての調査を行った。調査対象は,幼児以下の子どもを持つ母親172名,およびに小学生以上の年齢の子どもを持つ母親155名の合計327名であり,失体感症と子ども虐待傾向について質問紙による調査を実施した。幼児群,小学生以上群のそれぞれについて失体感症傾向と虐待傾向との間の関連性を分析したところ,失体感症と虐待傾向には有意な相関が観察された。失体感症傾向を持つ母親は,体調などの身体感覚を感じ取ることで適度に休憩をとったり,ストレスに対処することが苦手なため,ストレス反応として子どもに対して怒りを表出してしまう可能性が考えられた。
著者
三浦 哲司 Satoshi Miura
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.63-76, 2011-09-10

本稿では東京都中野区の「地域センター及び住区協議会構想」に焦点を当て、主に「構想の概要の確認」「構想の実践の把握」「構想廃止過程・要因の整理」という3つの作業に取り組む。というのも、平成の大合併が終息した今日では、大都市で都市内分権や地域自治組織のしくみが要請されている状況にあり、先行事例である中野区について分析することで、他都市で何らかのしくみを導入し運営するうえでの留意点が導き出されると考えるからである。もっとも、本稿のねらいは、先の3つの作業によって今後の研究の足がかりを確立することにあり、独自の視座からの分析ができているわけではない。ともあれ、本稿が扱う中野区の「地域センター及び住区協議会構想」とは、区内に15住区を設定し、それぞれに「地域センター」と「住区協議会」を置いて、双方が連携して地域自治の活性化を進めるという内容であった。そして、この枠組みを通じ、なかには熱心に活動する住区協議会もみられた。しかし、その後に区行政当局の対応や協議会委員の固定化などで問題が生じ、構想自体が2006年1月に廃止されてしまったのである。こうした動向をふまえつつ、今後の研究においては特定の住区を対象として、時系列的な分析や最新の実態分析を行う必要がある。あるいは、住区協議会が廃止された住区と、廃止されずに継続している住区とを取り上げて、双方を比較するといった作業も欠くことができない。このように中野区の「地域センター及び住区協議会構想」についてさらなる研究を進めることにより、都市内分権や地域自治組織を導入し運営する他の大都市にとっての留意点が提示できよう。
著者
畑野 快
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-72, 2010-12-01

This article examines the impact and effectiveness of Self-Regulated Learning (SRL) on learning research. Firstly, Students Approaches to Learning (SAL) and SRL are reviewed. Secondly, the effectiveness of self-regulated strategy is shown. The following three questions are examined: the content of self-regulated strategy, the validity of SRL theory, and application of SRL to relate to the context and character of the learner. To examine the three questions, it is important to develop a scale to measure self-regulated strategy. Lastly, to apply SRL theory to university education, the following are shown to be important: development of intervention programs, the general principles of teaching learning strategies within a self-regulatory framework, and the training of trainers through learning strategies.
著者
大木 洵人
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.234-242, 2014-07-01 (Released:2014-07-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

本稿では,情報技術を駆使した聴覚障がい者向けサービスを紹介する。日本の聴覚障がい者が直面している社会課題を取り上げ,その解決に情報技術がどのように役立つのかを著者が代表を務めるシュアールグループの事例を中心に説明する。(1)聴覚障がい者や手話に対する理解の低さ,(2)聴覚障がい者と聴者における機会提供の格差,(3)聴覚障がい者に向けたサービスの限界などの社会的背景から,(1)手話通訳者の不足,(2)手話から引く辞典の欠如,(3)手話による娯楽の不足といった社会的課題に直面している。これらの課題を解決するために,シュアールでは,(1)遠隔手話通訳,(2)手話キーボード,(3)手話ガイドアプリ,(4)手話ポッドキャストの4つのサービスを提供している。これらすべてのサービスは近年の情報技術の発展がなければ生まれなかったものであり,まさに情報技術が社会課題の解決に寄与する実例である。

3 0 0 0 OA 悪戦

著者
高島米峰 著
出版者
丙午出版社
巻号頁・発行日
1911
著者
丸岡 知浩 伊藤 久徳
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.283-296, 2009 (Released:2011-07-26)
著者
村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.355-370, 2013-10-18 (Released:2013-12-06)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

本研究は東日本大震災後一週間のTwitterのデータを元に,震災時のハッシュタグを用いたコミュニケーションの実態を明らかにし,今後の効率的な利用に向けての提言を行うことを目的とする.まずハッシュタグの基本統計量と周知目的Tweetの推移から公式ハッシュタグ化が効果的であることを示した.またハッシュタグの内容分析から,多くのハッシュタグが目的に沿って用いられているが,救助と物資支援を明確に区別する必要があることを示した.さらに,被災地自治体名のハッシュタグの利用傾向より,劣悪な通信インフラにも関わらずTwitterが被災地で用いられていたことが明らかとなり,市町村レベルなどの,よりローカルなコミュニケーションの推進が有意義である可能性が示唆された.
著者
村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.97-106, 2012-05-20 (Released:2012-07-31)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3

東日本大震災においてTwitterによるコミュニケーションが注目を集めたが,本研究では震災後約3 か月にわたって収集した震災関連の77のハッシュタグのデータを元に,震災時のTwitterを用いたコミュニケーションの実態を数値的に明らかにすることを目的とする.まず基本的な統計量から,多くのハッシュタグが震災後徐々に利用が減少していく一方で,いくつかの話題は4月や5月がピークであることが分かった.また自然言語処理の活用により,各ハッシュタグの話題の相違を分析した.さらにネットワーク分析の手法を用いてハッシュタグ間の関係性の月ごとの変化を分析し,各ハッシュタグが組織化されていく傾向と中心的な話題の変化を抽出した.これらの分析より災害時におけるハッシュタグの利用についての提言を行った.
著者
松山 有美
出版者
日本福祉大学子ども発達学部
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 = THE JOURNAL OF CHILD DEVELOPMENT (ISSN:24352802)
巻号頁・発行日
no.12, pp.47-52, 2020-01-31

本研究は, 保育における多様性を論じるための試論として, 保育内容「言葉」に注目した. 特に, 米国における調査を通して, 保育における「多ような有りよう」は, いかに保障されうるのかを検討した. そこには, 子ども一人ひとりがどのような言葉を使っても・使わなくても, 発達が保障される保育の土壌と保育者の姿があることが明らかとなった.
著者
岸田 修二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.301-310, 2004-04-01

はじめに HIV(human immunodeficiency virus) type 1は中枢神経系を重要な標的とし,日和見感染症とは異なった神経学的症状を伴う。このHIV原発性中枢神経障害は行動,運動,認知などが様々な程度に障害される病態であり,HIV脳症(HIV痴呆)と称せられる。しばしばHIV脳症は,通常ほかのAIDS(acquired immunodeficiency syndrome)関連疾患が診断された後で,またCD4陽性リンパ球数が200/μl未満に減少しているHIV感染末期に発症する。時にHIV脳症がほかのAIDS指標疾患に先行することもある。 1996年以降,核酸系逆転写酵素阻害薬(nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NRTI)とプロテアーゼ阻害薬(protease inhibitor:PI)あるいは非核酸系逆転写酵素阻害剤(non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NNRTI)との組み合わせからなる強力な多剤併用療法(highly active antiretroviral therapy:HAART)がHIV感染の治療として導入された。このHAARTは血液中のウイルス負荷量を著明に減少させ,HIV感染者に伴う臨床経過に劇的な改善効果とQOLの向上をもたらした。HAARTは複雑な免疫学的改善の指標と考えられるCD4(+)リンパ球数の増加をきたし,日和見感染症の発生を抑制し,それによる致死率を著しく減少させ,さらにその後の報告でもAIDSの発症と死亡率の低下が維持されていることはHAART開始後まもなくからそれに続く幾多の報告1~6)から明らかである。同様にHIV脳症の発生数も40~50%減少した7, 8)。しかしながら,現在でもHIV関連中枢神経疾患は主要な死亡原因9)であり,HIV脳症ならびにHIV関連感覚優位多発ニューロパチーなどのHIVが直接関与した神経疾患はHIV感染患者の重要な疾病である。すなわち,HAARTはHIV/AIDS患者の神経障害の発症を完全には防御できないことを示している。多くの抗レトロウイルス剤は中枢神経への移行が少ないため,中枢神経系がHIVの聖域となり,主な標的である血管周囲マクロファージで,HIVが持続的に複製し,解剖学的reservoirとなる可能性がある。HIV感染は進行性・致死的疾病から長期間コントロール可能な慢性病へと変化しており,HIV感染症患者が延命するにつれ,これまでとは異なった形でのHIV脳症の増加が懸念されている。
出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
vol.2021年, no.(719), 2021-03-01
著者
相馬 武久 齋藤 奈美子 河口 雅登 石井 博
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.35-40, 2010-06-20 (Released:2011-09-08)
参考文献数
28

1993~2009年に血清検査を行ったわが国の家猫83,606頭の抗猫コロナウイルス(FCoV)抗体陽性率を品種別に解析した。純血種の陽性率(76.3%)は雑種(50.1%)に比べ極めて高い値を示した(p<0.0001,χ2=4,408.5)。両種ともに陽性率は1カ月齢から4カ月齢まで急速に上昇し,その後加齢に伴い減少した。また,本調査期間に雑種の陽性率は年度が進むにつれて減少したが,純血種では上昇傾向を示した。以上の成績からわが国では純血種が幼齢期にFCoVに感染する機会が多く,その感染状況が近年悪化していることが示唆された。また,スコティッシュフォールド,メインクーンの陽性率(それぞれ87.5%,89.6%)が純血種の平均値(76.3%)に比べて極めて高い値を示し(それぞれ,p<0.0001,χ2=143.2,131.6),シャム,ペルシャが極めて低い値(それぞれ47.1%,65.3%)を示した(それぞれ,p<0.0001,χ2=332.2,248.9)。低値の2品種はこれまでの研究でもFCoVおよび猫伝染性腹膜炎に低感受性であることが報告されており,本研究でも同様な傾向が認められた。