著者
Parth LODHIA Ken YAEGAKI Ali KHAKBAZNEJAD Toshio IMAI Tsutomu SATO Tomoko TANAKA Takatoshi MURATA Takeshi KAMODA
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.89-94, 2008 (Released:2008-04-04)
参考文献数
33
被引用文献数
38 56

Many food products are claimed to be effective in controlling halitosis. Halitosis is caused mainly by volatile sulfur compounds (VSCs) such as H2S and CH3SH produced in the oral cavity. Oral microorganisms degrade proteinaceous substrates to cysteine and methionine, which are then converted to VSCs. Most treatments for halitosis focus on controlling the number of microorganisms in the oral cavity. Since tea polyphenols have been shown to have antimicrobial and deodorant effects, we have investigated whether green tea powder reduces VSCs in mouth air, and compared its effectiveness with that of other foods which are claimed to control halitosis. Immediately after administrating the products, green tea showed the largest reduction in concentration of both H2S and CH3SH gases, especially CH3SH which also demonstrated a better correlation with odor strength than H2S; however, no reduction was observed at 1, 2 and 3 h after administration. Chewing gum, mints and parsley-seed oil product did not reduce the concentration of VSCs in mouth air at any time. Toothpaste, mints and green tea strongly inhibited VSCs production in a saliva-putrefaction system, but chewing gum and parsley-seed oil product could not inhibit saliva putrefaction. Toothpaste and green tea also demonstrated strong deodorant activities in vitro, but no significant deodorant activity of mints, chewing gum or parsley-seed oil product were observed. We concluded that green tea was very effective in reducing oral malodor temporarily because of its disinfectant and deodorant activities, whereas other foods were not effective.
著者
村田 麻里子
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.93-117, 2020-10-31

本稿では、オークランド戦争記念博物館の取り組みを通して、ニュージーランドのミュージアムにおける多文化主義の実現について考察する。具体的には、2日間に亘る視察と20人の館スタッフとのインタビューの様子を詳細に報告することで、館がいかにして先住民族マオリの文化を軸に、太平洋の多文化を扱っているのか、またそれによっていかにミュージアムを開こうとしているのかを分析する。
著者
八井田 朱音 大塚 理子 山田 安咲紀 中野 和彦 松井 久美 関本 征史 稲葉 一穂 伊藤 彰英
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7.8, pp.341-350, 2020-07-05 (Released:2020-11-07)
参考文献数
25
被引用文献数
2

キレート固相抽出法を併用するICP-MS法により,多摩川の中流域から河口域までの15地点で採水した河川水試料を分析し,Sc,Y及びPmを除く14元素の希土類元素を定量した.分析結果をPAAS(Post-Archean Australian Average Shale)で規格化して希土類元素存在度パターン(希土パターン)を作成して考察したところ,多摩川では中流域の下水処理放流水合流地点から河口域までの試料で,Gdの存在度が隣接する他の希土類元素よりも明らかに高いGdの濃度異常が定常的に確認された.この濃度異常は,MRI造影剤として人体に投与されたGd化合物により引き起こされることが確認されており,Gd濃度を約20〜25年前の文献値と比べると,中流域と河口域の2地点について,それぞれ2〜4倍,3〜4倍の濃度であった.したがって近年,多摩川河川水においてはGd濃度が上昇していることが明らかになった.さらに,Gdの濃度異常について国内外の他の文献値と比較するために,Gdの濃度異常をGd異常度として数値化し,多摩川の潜在的人為汚染の現状を評価した.その結果,本研究で分析した多摩川中流域河川水のGd濃度及びGd異常度の最大値は,これまでの国内河川水の文献値と比較して最も高く,国外河川水のすべての報告値を含めて比較しても,ドイツのハベル川に次いで高いことが明らかになった.
著者
岡田 涼
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.152-160, 2010-01-31 (Released:2010-02-28)
参考文献数
32
被引用文献数
2 4

自己決定理論(Deci & Ryan, 2000)では,さまざまな領域における動機づけをとらえる包括的な理論的枠組みを提供している。本研究では,メタ分析によって,自己決定理論における動機づけ概念間の相関係数の程度を特定し,動機づけ概念の背後にある次元を探ることを目的とした。レビューの結果,87論文115の相関行列を収集した。収集された相関行列から母相関係数を推定したところ,隣り合う動機づけ間の相関係数は,自己決定的なほうに進むにつれて大きくなる傾向がみられた。動機づけの次元について,自己決定性と統制的動機づけの2次元が見いだされた。動機づけ尺度の妥当性および動機づけの指標について論じた。
著者
中西 信人 説田 守道
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.665-670, 2019-10-31 (Released:2019-10-31)
参考文献数
10

目的:心電図伝送システムの導入と維持には多大な経費がかかる。三重県では急性冠症候群が疑われる患者に対して救急隊による心電図判読を含むプロトコルを2013年10月より実施している。本研究の目的は,このプロトコル導入により,病院到着から再灌流までの時間が短縮するか否かを明らかにすることである。方法:プロトコル導入前後に当院に搬送された急性冠症候群,それぞれ149人および133人において,救急隊覚知および病院到着時から院内対応までの時間を比較検討した。さらに対象を日中搬送例,夜間搬送例に分類して検討した。 結果:プロトコル導入後,病院到着から再灌流時間を含む各対応時間はすべて有意に短縮し,夜間搬送例では救急隊覚知からの対応時間も短縮した。多変量解析から,プロトコルは再灌流時間短縮の独立した予測因子であった(p<0.01)。結語:救急隊による心電図判読は急性冠症候群に対する再灌流達成までの時間短縮に有用である。
著者
柴田 由紀枝 岩崎 雄一 竹村 紫苑 保高 徹生 髙橋 徹 松田 裕之
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.183-188, 2020 (Released:2020-11-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2

和賀川の清流を守る会 (以下, 守る会) は, 岩手県を流れる和賀川を公害から守り, 清流を保護することを目的として多様な利害関係者によって1972年に結成された。上流域に存在する休廃止鉱山の水質監視を主要な活動の1つとして, 守る会は, 会発足時から河川での水質調査, 1976年からは鉱山での水質調査を開始し, 測定結果を会報で報告している。排水基準を超過した場合も含むすべての測定結果が, 会報で公開・議論されている点は情報公開のあり方の点からも興味深い。また, 会報のテキスト分析によって, 1972年から2019年までの間に, ①公害への危惧, ②休廃止鉱山での水質監視や鉱害防止対策, ③水生生物など自然環境全体の保全, と会報の話題が変化していることが示された。守る会の活動を分析・整理した本研究の成果は, 排水基準の遵守のみに依拠しない休廃止鉱山における柔軟な坑廃水管理を検討する上で貴重な基礎資料となると考えられる。
著者
広瀬 裕子
出版者
専修大学社会科学研究所
雑誌
社会科学年報 (ISSN:03899519)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.193-211, 2014-03-10 (Released:2014-06-26)

本稿は、2000 年代に日本で繰り広げられた学校の性教育に対する批判キャンペーンに対する政府対応の経緯を考察し、文部科学省の官僚的なルーティーンに徹した対応が、高揚していた性教育批判の言説を限定化する緩衝剤として機能した様子を浮き彫りにする。2002 年の国会審議から始まった学校の性教育に対する組織的な批判は、中央および地方レベルの動きが呼応する大掛かりなものであった。東京都では性教育実践に関わって行われた教員処分が訴訟にまで発展するというケースも発生した。こうした性教育に対する組織的批判は、性教育の授業実践に萎縮ムードを生んだ一方で、学校の性教育に関する初めての全国調査の企画を具体化させ、それまで明らかにされていなかった性教育実践の実態が明らかにされることにもなった。得られたデータが示すのは、学校の性教育に対する批判は必ずしも社会に広い支持を得ていたわけではないということであった。性教育の処遇の再検討を始めた文部科学省は、性教育批判を精力的に進めていた自民党を与党の動きと呼応しながらも、中教審に検討をゆだねるなど通常のルーティンに則った対応に徹し、結果的に批判を沈静化させる緩衝材として機能した。
著者
Okamoto Makoto Matsuda Kouji Matsuda Tamaki
出版者
日本動物分類学会
雑誌
Species diversity : an international journal for taxonomy, systematics, speciation, biogeography, and life history research of animals (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.131-138, 2010-12-30

A pelagic juvenile (43.0mm standard length) of the morid Gadella jordani (Bohlke and Mead, 1951) was collected from Kagoshima Prefecture, southern Japan. It has a characteristically elongated body, long dorsal and anal fin bases with 73 rays in each fin, the anus located more anteriorly than the origin of the second dorsal fin, a ventral light organ, and no chin barbel. We describe the morphology of this specimen and also present a color photograph of it in life. This is the first report of any early life stage in this species.
著者
阿部 生雄 Abe Ikuo
巻号頁・発行日
2001

筑波大学博士 (教育学) 学位論文・平成13年6月30日授与 (乙第1748号)

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1939年03月01日, 1939-03-01
著者
佐藤 征弥 瀬田 勝哉
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、イチョウが日本に伝来し、広がっていった歴史をDNA分析や木にまつわる伝説を調査することにより明らかにすることを試みた。そして日本、韓国、中国でイチョウのDNAタイプの相違点を見いだし、伝播ルートについて考察した。また巨樹の文献史料の調査により、日本と朝鮮半島におけるイチョウや他の巨樹の伝説の相違点を見つけ、その背景にある文化や歴史の違いを明らかにした。
著者
吉岡 聖美
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.3_31-3_38, 2012 (Released:2012-11-30)
参考文献数
22

本論文では,病院に展示されたホスピタルアートに対する患者の鑑賞行動および印象の評価を調査することによって,ホスピタルアートの有効性を確認することを目的とする。方法は,病院の外来待合および連絡通路のホスピタルアートについて,患者の鑑賞行動と快・不快の印象についての評価,および,通院期間,通院頻度,当日の経過時間,平均的な病院滞在時間について外来患者から回答を求めて分析を行った。外来待合では,待ち時間が長い患者ほど,通院に対するホスピタルアートの鑑賞頻度が大きく,意識的に見て,快さが大きいことが示された。また,連絡通路では,通院期間が長い患者ほど,通院に対するホスピタルアートの観賞頻度が大きく,意識的に見て,快さが大きいことが示された。これにより,病院に展示するために制作されたホスピタルアートについての有効性が示された。