著者
星川 啓慈
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.1-24, 2006

宗教学・宗教哲学の分野では、これまで「宗教の真理・奥義・核心などと呼ばれるもの-以下では<宗教の真理>として一括する-は言語でかたることができるか否か」という問題が頻繁に議論されてきた。本論文では、否定神学者としてのウィトゲンシュタイン(W)とナーガールジュナ(N)の思索をとりあげ、二人がいかにこの問題と格闘したかを跡づける。「語りうるもの」と「語りえないもの」を鋭く対置させ、自分の宗教体験をその区別に絡めながら思索した前期W。世俗諦と勝義諦からなる二諦説に立ち、勝義をかたる言語の可能性を見捨てることはなかったが、そうした言語の限界をふかく認識したN。宗教の真理をかたる言語をめぐる二人の見解には、驚くほどの共通点と根源的な相違点とが見られる。本論文は、二人の相違点ではなく共通点に焦点をあわせて、議論を展開する。二人の思索からいえることは、言語によっては宗教の真理について直接に「語る」ことはできないけれども、間接にそれを「示す」ことはできる、ということである。いわば、言語は宗教の真理を「示す」という目的のための「作用能力」をもつのである。
著者
小泉義之 [著]
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
2003
著者
木原 活信
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ハーバード大学教授から知的障害者施設のアシスタントに転じた思想家、神学者、福祉実践家であるヘンリ・ナウエンの「創造的弱さ」(「スピリチュアルな生」)という概念をとりあげ、その思想と実践を研究した。彼は、パワーと強さに象徴される現代社会の逆説として「創造的弱さ」を提起したが、そこに新しい福祉の発想転換の可能性がある。援助する側の「弱さ」をネガティヴなものとして隠蔽するのではなく、むしろ積極的に開示・活用していこうとする哲学(創造的弱さ)こそが彼の社会福祉思想の原点であると結論づけた。
著者
春日 直樹 小泉 潤二 中川 敏 栗本 英世 田辺 明生 石井 美保 森田 敦郎 中川 理
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は「社会的なもの」の構築過程をラディカルに再検討して、社会的なものと自然的なものとを同一水準で論じる方法を探求した。「社会」と「自然」が概念と実在としていかに一緒に構築されていくのかを問い、因襲的な二分法を超えるような諸関係と状況について、またそうした状況下でさまざまな存在がいかに生成するかについて、明らかにした。本研究は最終的に、人類学・科学技術研究・科学史・哲学が融合する次元を提供し、それによってあらたな実在の可能性と生成に寄与することを目指した。

1 0 0 0 OA 星界想遊記

著者
井上円了 著
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1890
著者
小林 正弥 コバヤシ マサヤ Kobayashi Masaya
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
公共研究 (ISSN:18814859)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.8-56, 2006-03-28

千葉大学公共研究センター21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」