著者
曾我部 静雄
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.383-404, 1937-05
著者
半貫 敏夫 岸 明 平山 善吉 佐野 雅史 Toshio Hannuki Akira Kishi Zenkichi Hirayama Masashi Sano
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2A, pp.456-472, 2002-09

昭和基地で約29年間、居住施設として使われてきた木質プレハブ建築システムを日本に持ち帰り、その耐久性を調査した。先ず、持ち帰った部品を用いて基礎を除く鉄骨架台から上の建物部分を組み立てて復元し、建物全体の劣化状況を観察した。復元工事は5日間、延べ22人の労働力によって完成した。工事は建築専門職人によって行われたが、短期間の人力作業という条件で設計された建築システムの優れた性能が証明された。それぞれの部品はまだ数回の組み立て、解体に耐えられる性能を維持していると判断された。 復元建物の耐久性目視調査の結果、部分的に補修を要する個所もあったが、建物全体としては、まだ設計条件をクリアする性能を維持していることが分かった。パネル外装のめっき鋼板は防火が目的であったが、木質パネルの保護層として有効に作用し、合板の劣化を遅らせた。防水設計を改良すればさらに建物全体の耐久性を増すことが可能である。
著者
半貫 敏夫 高橋 弘樹 石鍋 雄一郎 佐野 雅史 平山 善吉 Toshio Hannuki Hiroki Takahashi Yuichiro Ishinabe Masashi Sano Zenkichi Hirayama
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2A, pp.490-503, 2002-09

南極昭和基地で約29年間使われてきた居住棟の主要構造部品、屋根、壁、床の各木質パネルの耐久性を評価するための曲げ強度試験を行った。その結果外気に接するパネルの構成材に部分的劣化が認められ、それが構造強度に影響していることが確かめられた。パネルの強度は総体的に落ちているとはいえ、設計強度はまだ十分に維持しており、南極で安全に使用できる構造性能を保っていることが確かめられた。 実験結果を整理すると、南極のような極限環境にある木質サンドイッチパネルの耐久性設計では、表面合板の保全が構造上最も重要な課題であることが分かった。
著者
藤本 誉博
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.204, pp.11-30, 2017-02-28

本稿は、室町後期(一五世紀後期)から織田権力期(一六世紀後期)までを対象として、堺における自治および支配の構造とその変容過程を検討したものである。当該期は中近世移行期として「荘園制から村町制へ」というシェーマが示されているように社会構造が大きく変容する時期である。堺においても堺南北荘の存在や、近世都市の基礎単位になる町共同体の成立が確認されており、これらの総体としての都市構造の変容の追究が必要であった。検討の結果、堺南北荘を枠組みとする荘園制的社会構造から町共同体を基盤とした地縁的自治構造が主体となる社会構造への移行が確認され、その分水嶺は地縁的自治構造が都市全体に展開した一六世紀中期であった。そしてこの時期に、そのような社会構造の変容と連動して支配権力の交代、有力商人層(会合衆)の交代といった大きな変化が生じ、イエズス会宣教師が記した堺の「平和領域性」や自治の象徴とされる環濠の形成は、当該期の地縁的自治構造(都市共同体)の展開が生み出したものであると考えられた。そして、様々な部位で変化を遂げながら形成された一六世紀中期の都市構造が、近世的都市構造として一六世紀後期以降に継承されていくと見通した。
著者
正山 征洋 Yukihiro SHOYAMA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.247-252, 2017-03

古来よりウマノスズクサ科植物による腎炎が知られておりその原因物質はアリストロキア酸で有ることが明らかになってきた。アリストロキア酸に対する高感度な分析法を開発するために、モノクローナル抗体の作成を行った。それを用いてアリストロキア酸に対するイースタンブロッテイング法を開発した。本法では多くの含有成分の中からアリストロキア酸のみが検出出来る。マウスにアリストロキア酸を投与して腎組織をモノクローナル抗体で染色するとアリストロキア酸の分布を確認出来た。さらにヒト腎細胞にアリストロキア酸を添加して培養し、抗アリストロキア酸モノクローナル抗体と免疫沈澱法によりターゲットタンパクを精製し、加水分解後マススペクトルによりα-アクチニン-4 と同定した。
著者
杉田 智美
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編 = Studies in Literature and Culture (ISSN:1347121X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.A53-A60, 2008-03-20

This Thesis is the study of essays in the magazine HOTOTOGISU, by SAKAMOTO Shihota (1873-1917). In the 1900s, HOTOTOGISU's authors aim was to write a sketch of spoken Japanese language. Shihota, using the method of sketching, tried to reproduce spoken language which is discussed here. Shihota took uncontrollable conversational style writing and sketched it in the written style language. But, on the other hand, his challenge was how to help the organization of one hierarchical language by using another one. His sketch essays suppressed the lower class women and strengthened the solidarity of the students language and the people who used it. From there is where the slogan "sketch" held up HOTOTOGISU's possibilities and limitations which became apparent. This Thesis will hopefully help in the process of research by using the Japanese language as its standard.