著者
中村 格
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.13-23, 1996-03-10 (Released:2017-08-01)

『教学聖旨』(明治12年)は天皇の公教育に対する最初の直接介入として注目されるが、楠公父子の物語はこの『聖旨』を忠実に反映した欽定修身書『幼学綱要』(明治15年)に大きく採り上げられ、以後、敗戦までの教科書において「尊王愛国」「忠孝一体」思想のプロパガンダに利用される。しかし、その影像は中世に生きた『太平記』のそれではなく、国教主義に基づく天皇思想から染め直された。"虚像"に過ぎなかった。こうした。"虚像"を幼童の「脳髄」に刻印していくところから天皇制教育は始まり、やがて「忠良」なる天皇の軍隊の思想的基盤を形成していくのである。

2 0 0 0 OA 西遊眞詮100回

著者
清陳士斌詮解
巻号頁・発行日
vol.[6], 1696
著者
山田 吾一
出版者
商工財務研究会
雑誌
商工財務
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.20-24, 1951
著者
伊東 隆雄
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.78-89, 2000-12-15 (Released:2018-02-01)

In the fields of medical service, the death of patients is regarded as a failure of medical care. Patients have rights to live and exercise their rights during the therapeutic process, so the therapist should respect their rights and perform medical care with all his energy in order to save the patients' life. As a result, medical care shows a marked tendency toward excessive intervention in order to prevent patients' death. In psychiatry, there are many patients who attempt suicide. Psychiatrists should encourage them to give up the idea of attempting suicide. To help patients avoid suicide, restrictions shoild be placed on therapeutic interventions such as psychological, pharmacological and physical restrictions. Most patients will give up suicide with appropriate treatment. But only a few psychotic patients think themselves to be not alive already. They are dead mentally and socially, but not dead only physically yet. There is deep discrepancy between their mind and body. They cannot die a natural death about their body, so attempt suicide as a linkage between their dead-mind and living-body to recall their lost identity again. Excessive intervention in order to prevent them from suicide will bring them more severe despair. They think they are deprived of their death, and believe they cannot only live but also die. We must know the facts and give patients the chance to recognize their true wishes to live, and we should try to look for some pieces of hope through alternative excessive restrictions.
著者
木戸 久美子 藤田 久美
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.135-154, 2019-05-24 (Released:2019-06-05)
参考文献数
37

本研究では,幼児期から学齢期にある発達障害児および発達障害が疑われる児の育児上の気がかりと,母親の精神面の健康度によってその気がかりに特徴があるのかを質的に検討することを目的とした。小児科発達外来を受診した発達障害児および発達障害が疑われる子どもの母親25人を対象とした。対象者には,The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(以下CES-D)を用いて抑鬱傾向調査と発達障害児の育児に関して半構造化面接を行った。質的データは,Framework methodsを用い,量的データはEZRを用いて分析を行った。対象者のCES-D平均値は15.9(±10.2)であり,CES-Dの「鬱あり」のカットオフ値である16に近い点数であった。また,CES-D平均値の結果から「鬱あり」の範疇にあったのは11人(44%)で本邦におけるうつ病生涯有病率3~7%(厚生労働省)よりも高い発症率であることがわかった。今一番気がかりなこととして,CES-D正常値群の母親,抑鬱群の母親の双方において将来への不安が語られていた。抑鬱群の母親では,子どもの異性への性的関心が性犯罪に結びつくことを懸念していること,行き場のないストレスを抱え家族や子どもとの関係に影響を与えていることがわかった。母親の精神面の健康状態は,子どもの問題行動や育児を通してのストレスへの主観的な感じ方が影響している可能性が考えられた。
著者
山内 保生 長沢 浩平 多田 芳史 塚本 浩 吉沢 滋 真弓 武仁 仁保 喜之 草場 公宏
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.851-856, 1991-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus, SLE) に帯状疱疹 (herpes zoster, HZ) が高頻度に発症する要因を解明するために水痘一帯状疱疹ウイルス (varicella-zoster virus, VZV) に対する免疫能を検討した. 当科のSLE患者119例中56例 (47%) と高率にHZの罹患がみられた. 9例はSLE診断以前にHZに罹患していた. SLE診断後のHZの発症頻度は100 person-yearsあたり5.45であった. HZ罹患と腎障害の関連はみられなかった.VZVに対する中和抗体価, CF抗体価の検討ではSLEでHZの既往のある例は, HZ既往のないSLEや健常者よりも有意に高い抗体価がみられた. VZV抗原に対する皮内反応は, SLE患者ではHZの既往の有無にかかわらず健常者よりも有意に低い陽性率を示した. また, 皮内反応時の副腎皮質ステロイド剤 (ス剤) の使用量が1日10mg以上の群はそれ未満の群に較べて有意に低い皮内反応の陽性率を示したが, ス剤を全く使用していない未治療SLEでも, 皮内反応陽性率は低下していた.SLEにHZが合併する1つの重要な要因として細胞性免疫能の低下が関与していると考えられた. 細胞性免疫能は, SLE自体による低下のほか, ス剤にも強く影響されていることが示唆された.
著者
志内 一興
出版者
武蔵野音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-10-21

「古代ギリシア・ローマ世界における呪詛行為の持つ社会的効用についての基礎研究」と題して研究を進めた。古代ギリシア・ローマ社会におけるコミュニティ内の緊張の緩和、及び紛争解決の方法理解には、従来は法に基づく「公的・合理的」な解決策の図式が重視されてきた。しかし多数発見されている「呪詛文書」は、公的なレベルに浮かび上がることの稀な、「私的・非合理的」緊張関係の緩和方法が、古代社会において重要な働きをしていたことを示唆していたからである。三年にわたる研究の結果、古代社会における紛争解決を、これまでとは違った視点から理解するための、あらたな視点の基礎を築くことができたものと思う。

2 0 0 0 OA 犬肉食用考

著者
奥村 繁次郎
出版者
日本人類学会
雑誌
東京人類學會雜誌 (ISSN:18847641)
巻号頁・発行日
vol.15, no.167, pp.184-186, 1900-02-20 (Released:2010-06-28)
著者
加部 通明 生方 俊典
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第50回, no.人工知能及び認知科学, pp.157-158, 1995-03-15

現在いろいろなクロスワードパズル(以下CWPと略記する)の雑誌が本屋の店先に置かれている。それらの中身を見ると、単語の問題文のないもの、規模が大きいもの等読者の興味を引くようにできている。CWP作成手法には大別して2種類考えられる。第一は、既成の枠に重複するところを一致させながら単語を埋めて行く、埋込み型手法である。第二は、一つの単語を元にして乱数を用いて単語を縦横に並べていく、増殖型手法である。本講演は、いくら作ってもきりがないCWPを作成する手法と、その自動生成への可能性について発表する。