著者
佐古 健太郎 藤尾 光彦
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.150-150, 2009

オプティカルフロー推定とは,時間的に連続した画像列から画像の速度場を求め,速度ベクトルから物体の運動を検出する手法であり,主にパターン理解,コンピュータビジョン,あるいは他の画像処理技術において利用されている.しかし,オプティカルフロー推定は画素の輝度値から移動物体の動きを推定するため,輝度変化の小さい動画像からは推定が困難であるという問題がある.本研究では,モルフォロジー演算の一つであるHit-Miss変換を用いて,移動物体を推定するオプティカルフロー推定手法を提案する.オプティカルフロー推定手法の一つであるブロックマッチング法と比較し,その性能を検証する.
著者
佐藤 仁 林 豊彦 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.94, no.416, pp.81-88, 1994-12-16
被引用文献数
8

歯科補綴物の製作過程の単純化と品質の均一化を目的として,過去20年に渡りその製作のコンピュータ化が進められてきた.しかし,従来開発された歯科CADは,操作性がこれまでと全く異なるため,従来のワックスアップ技法を生かすことができなかった.これを改善するために,我々はワックスアップに近い操作性をもつ全く新しいCAD(Vocs-1)を以前開発した.このVocs-1における形状変形は,歯のソリッドモデルに拡張したHit-or-MIss変換を作用することにより実現されている.しかしこの操作は,部分的な形状変形ができるものの,咬合面上の溝や土手のような複雑な形状の生成には必ずしも適していなかった.そこでHit-or-MIss変換をさらに拡張し,形状表面の曲線や閉領域を中心とした部分変形ができるようにした.さらに原形状と変形部の移行部の範囲を,接続の滑らかさを損なうことなく制御できる一つのパラメータを理論的に導いた.
雑誌
駿河台法学
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.201-218, 2005-09-30
著者
佐藤 仁 林 豊彦 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.93, no.209, pp.93-100, 1993-09-03
被引用文献数
11

これまで20年にわたり歯科補綴物の製作にCAD, CAMを応用しようという試みがなされてきた.CADにおける歯冠部の表現は,記憶容量が少なくて済むため,サーフェス・モデルが用いられてきた.しかし,この表現では,咬合面のような自由曲面に対する操作が困難であり,伝統的なワックスアップ技法が歯科CADには生かしにくいという欠点があった.この制約を克服するために,数学的形態学で開発された手法を用いて,新しい咬合面のCAD法を開発した.歯冠の咬合面は,ワックスアップのような操作を実現するために,ソリッドモデルで表現した.咬合面形状の変形は,データ全体にdilation操作を行うことで達成できる.また,ワックスアップのような部分的な変形を実現するために,dilation作用素に窓関数を導入した.以上の方法を用いたCADシステムをワークステーション上で試作し,実際の咬合面データを用いて設計実験を行った結果,このCADは比較的高い形状操作性をもつことを確認した.
著者
沢村 信一
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.231-237, 2011

現代の抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感である。このように微細になったのは,茶の栽培技術や粉砕道具の発達を考慮すると近世になってからと考えられる。粉砕の面から抹茶を4期に分けて再現し,その粒度を測定し味の評価を行った。薬研で粉砕した2種類の抹茶は,粒度が粗く,ざらつきを感じた。味は,強い苦味を感じた。2種類の茶臼で粉砕した抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感であった。味は,まろやかでうま味を感じた。
著者
松岡 数充
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1974, no.94, pp.319-340_1, 1974

奈良盆地東縁部に分布する中下部中新統の藤原層群から検出された双鞭毛藻化石とアクリターカ化石14属19種(うち4新種, Diphyes latiusculus, Hystrichokolpoma elliptica, H. denticulata, Tanyosphaerdium fusiform)を記載・分類した。これらの微化石は藤原層群上部の豊田累層に多産し, その群集組成から2つに区分される。一つは豊田累層下部に認められ, 種類数・個体数ともに貧弱である。一方同累層上部では種類も多様になり, また個体数も増加する。また記載されたAreoligera senonensis, Diphyes colligerum (DEFLANDRE & COOKSON)やGonyaulacysta属, Tanyosphaeridium属, Schematophora属は, これまでヨーロッパ, 北アメリカ, オーストラリア地域の上部白亜系から古第三系に普遍的に認められており, 中新統よりの報告は, これが最初であろう。
著者
松岡 数充
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編
巻号頁・発行日
vol.1974, no.94, pp.319-340_1, 1974

奈良盆地東縁部に分布する中下部中新統の藤原層群から検出された双鞭毛藻化石とアクリターカ化石14属19種(うち4新種, Diphyes latiusculus, Hystrichokolpoma elliptica, H. denticulata, Tanyosphaerdium fusiform)を記載・分類した。これらの微化石は藤原層群上部の豊田累層に多産し, その群集組成から2つに区分される。一つは豊田累層下部に認められ, 種類数・個体数ともに貧弱である。一方同累層上部では種類も多様になり, また個体数も増加する。また記載されたAreoligera senonensis, Diphyes colligerum (DEFLANDRE & COOKSON)やGonyaulacysta属, Tanyosphaeridium属, Schematophora属は, これまでヨーロッパ, 北アメリカ, オーストラリア地域の上部白亜系から古第三系に普遍的に認められており, 中新統よりの報告は, これが最初であろう。
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.647, pp.1-2, 1966-05-11
著者
原田 慶子 齋藤 貴子 Keiko HARADA Takako SAITO 看護学科 看護学科
出版者
日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.7, pp.69-74, 2003-03-15

本研究の目的は、教員2人が同じ方向で関わるためのあり方について考察することである。卒業研究における学生への関わりの過程をふり返ることによって、以下のことが明らかになった。1.学習目標や関わり方の方向性、お互いの役割の確認を早い時期に行う。確認後も途中で教員間に考え方の相違がある時は、2人で話し合う場をもち調整する。2.新人教員が窓口となるスーパービジョンですすめ、要所で2人の教員が参加するゼミナール形式の話し合いをする。3.話し合いの場では、学生の反応や話し合いの流れをみて、お互いに補い合う。The purpose of this research is to consider the way how to cooperate two teachers for the same direction. By looking back upon the process of graduation research, the following things became clear. 1. A study target, and the method of relation and each other role should be checked early. When a difference of a view exists among teachers on the way, it should be discusses and adjusts by two persons. 2. It is the Supervision from which a newcomer teacher becomes a window, and discusses a seminar at the key point. 3. Two teachers should support each other based on a student's reaction or the flow of talks.
著者
中田 政司 伊藤 隆之
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.169-174, 2003-12-30
参考文献数
14
被引用文献数
1

愛媛県上浮穴郡小田町地内において, 緑化が施された大規模ノリ面下部に最近, シマカンギクルDendranthemaindicum 個体群(染色体数2n = 36および2n = 36+1 B,黄色舌状花)が見出された. 緑化現場に出現し周囲に在来シマカンギクの自生地がないことや, 倒伏した茎から不定根を出す性質が中国中南部に広く分布するシマカンギク(細分する見解では変種ハイシマカンギクvar. procumbens)に一致し在来のシマカンギクにはみられない特徴であることから, このシマカンギクは外来のものと推定された. 頭花の変異が大きい別の個体群では, 白色舌状花で頭花の大きい個体の多くが2n = 45の五倍体であったことから, 外来シマカンギクと周囲に自生するノジギクD. occidentalijaponense(2n = 54,白色舌状花)との間で自然交雑が起こり,雑種個体群が形成されていることが推察された. また2n = 38などの高四倍体が観察されることから, 五倍体雑種とシマカンギクとの間で戻し交雑が起こっていることも推察された.さ らに別の個体群では, 白色舌状花を持つ2n = 63の七倍体雑種が1個体見られたが, この個体はシマカンギクの非減数(または倍加)配偶子(n = 36)とノジギクの正常配偶子(n = 27)から生じたものと解釈できる. これにはシマカンギクが花粉親の場合と, ノジギクが花粉親の場合の二通りが考えられ, 前者であるとすれば, 外来種から在来種への遺伝的干渉が起きたことになる. 今回の報告は外来キク属と在来キク属との自然交雑が初めて確認された例と考えられ, 在来ノジギクの遺伝的汚染が懸念される.
著者
佐藤 睦智 佐々木 剛 山田 博之 下村 浩一 矢嶋 航 丸谷 良 山内 伸二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.293-298, 2012-04-01

司会は昨年に引き続き嵐のみなさんと連続テレビ小説「おひさま」のヒロイン役を務めた井上真央さん.出場者は55組で随所に5ヵ所の中継や企画コーナーが加わる内容である.放送時間は19時15分から4時間25分(途中ニュースで5分間中断)の生放送で,総合テレビとラジオ第一が同時放送された.舞台セットは,点と点が繋がりみんなが一つになっていくことをコンセプトとした三角形の骨組みと映像を映し出すLEDスクリーンが基本セットである.前回から始まったテレビ副音声での「裏トーク」は,NHKホールの2階席に実況席が設けられ,生のステージを見ながらテリー伊藤さんと,神田愛花アナウンサがゲストを交えながら自由に話すというコンセプトで放送された.その他,3Dやスーパーハイビジョンの制作も平行して行った.
著者
中嶋 蘭 三森 経世
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.71-76, 2013-04-28
参考文献数
17
被引用文献数
34

抗MDA5抗体は皮膚筋炎特異的抗体であり,同抗体陽性例は筋症状が少なく,高率に急速進行性間質性肺炎を併発し予後不良であること,高フェリチン血症・肝胆道系酵素上昇を伴うなど特徴的な臨床像を呈する.抗MDA5抗体陽性患者と陰性皮膚筋炎患者の治療前血清サイトカインを比較したところ前者では有意にIL-6, IL-18, M-CSF, IL-10が高値を示し,IL-12, IL-22は低値を示した.これらのことから,抗MDA5抗体陽性例においては単球・マクロファージの異常活性化が病態の背景に存在すると考えている.抗MDA5抗体陽性例は一旦酸素投与が必要な呼吸不全状態になると極めて救命率が低いため,診断後可及的速やかに治療介入が必要であると考えられる.ステロイド大量療法・シクロスポリン内服・シクロホスファミド間歇静注療法(IVCY)の3剤を併用した強力免疫抑制レジメンを用いることで,同抗体陽性例の予後が改善した.特に疾患活動性を反映することが報告されている血清フェリチン値は,IVCY投与約2週後に低下する傾向を認め,IVCYが同抗体陽性例の治療においてキードラッグとなることが示唆された.<br>