著者
野村 英登
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.76(2005-CH-067), pp.63-68, 2005-07-29

電子出版でもっとも成功しているのが電子辞書であると言われているが、IC電子辞書、CD-ROM、オンラインなどのどの媒体でも、漢和辞典などの中国古典の研究では必須のコンテンツが必ずしも十分でない。他方、XMLを利用した電子出版のフォーマットが世に出はじめ、汎用性のあるデータ作成が可能な状況が実現しつつあるので、専門性の高い多漢字電子辞書コンテンツ作成を研究者が関わって行う可能性が見えてきたように思われる。
著者
三野 陽治
出版者
東洋大学法学会
雑誌
東洋法学 = Toyohogaku (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3・4, pp.47-72, 1971-03
著者
野間 裕太 川原 圭博
雑誌
研究報告コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2022-CG-185, no.8, pp.1-8, 2022-03-04

幾何形状処理において,3 次元メッシュ上にスカラー関数を定義する「パラメータ化」と呼ばれる手法は近年盛んに研究されている.特に,入力されたベクトル場に対し,勾配ベクトルがなるべくベクトル場と等しくなるようなスカラー関数を定義する手法は「沿ベクトル場パラメータ化 (Field-Aligned Parameterization)」と呼ばれ,テクスチャマッピングや多角形メッシュの生成といった多様な応用が存在する.既存手法では,スカラー関数の等高線が分岐する「特異点」が大量に出現することを許すことで,パラメータ化の高速な計算を実現してきた.しかし,特異点は最終形状の美観や使われ方に関わる重要な要素である一方で,既存手法では特異点の発生を制御することはできず,また特異点に対するインタラクティブな操作を十分に高速に行うことができなかった.そこで本稿では,与えた点のみが特異点となりそれ以外は特異点とならないように指定して,沿ベクトル場パラメータ化を高速に計算できる手法を提案する.
著者
関谷 貴之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.175, 2022-03-15

GIGAスクール構想で小学校の教育現場はどのように変化したのか.またコロナ禍の中で小学校の授業はどのように行われているのか.東京都港区立青山小学校校長の髙山直也先生から伺ったお話を本稿では紹介する.同校では,区内小中学校に配備されたiPadが,児童の学習用の端末やハイブリッド授業の撮影機材等として活用されている.ハイブリッド授業による教員のご苦労や学校・家庭の悩みもあるが,「オンラインでも学習・就業の機会を得られる場が今後増えるのでは」とのご意見を髙山先生からいただくことができた.
著者
尾崎 拓郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.176-180, 2022-03-15

GIGAスクール構想により,初等中等教育において児童生徒向けの1人1台端末と大容量高速ネットワーク環境が整備された.本稿では,このGIGAスクール構想の実現に向けた背景と環境整備の実際について,実際の構築事例を交えながら,留意すべき点について述べる.
著者
堀内 正昭 Masaaki Horiuchi
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 = Gakuen (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.947, pp.1-34, 2019-09-01

The Kamei residence has survived for nearly 90 years. This paper investigates the architectural history of the residence through research and interviews with the present owner, analyzes and characterizes the house using relevant literature and previous knowledge gleaned from previous studies.◦The two-storied house was built as his villa in 1930 by Mitsumasa Kamei (1882-1946) who had been governor of Okinawa Prefecture (1924-1926). The floor space is 192.6 square meters.◦Both the main building and an attached porte-cochere have gable-and-hip roofs. The eaves of the roofs are warped upward and contribute to the majestic appearance of the building’s exterior. ◦This house has a western-style room beside the main entrance, a double-loaded corridor, a private entrance, 2 restrooms and a parlor and a living room at the center of the house, and a wide solarium in front of these 2 rooms. This was a common plan for middle-class housing in the early Showa Period. ◦However, the style of drawn doors in the main entrance and the tatami-floored hall in this house seems rather obsolete. This suggests that the openness of the entrance and traditional courtesy of meeting the visitors sitting on tatami in the entrance hall were preferred by the residents.◦Many inspection windows for crime prevention remain in this house, some of which provide a view of blind spots outside. Locks with keys were also installed indoors to prevent intruders.◦The south side of the building has many horizontal sliding doors and windows. The rooms open onto a solarium and a terrace beyond. This perspective brings the rooms and the garden together.◦This house was bombed during the air raids, but there was little damage. After the war, it was requisitioned by the occupation army. Later, another family rented part of the villa and lived together with the Kamei family. Two restrooms and 2 stair cases made this possible. There have been only minor renovations, and the house is well-preserved.
著者
山口 隆介
出版者
聖泉大学紀要委員会
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.23, pp.103-118, 2016

本稿は,昭和27 年6 月に文部省宗務課(当時)による資料MEJ-8669「カトリック」(以下MEJ-8669.本文および註においても同様)に関する論攷である.その成立時期の状況からMEJ-8669 が作成された事情を推測するとともに,その記述内容から,この資料がカトリックについて神学的な理解,すなわち理論的な理解をするためのものではなく,日本という国家におけるカトリックという共同体の位置づけを現実的に理解するためのものであることを明らかにする.
著者
渡邉 浩司
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.113-146, 2016-09-30

「アーサー王物語」の実質的な創始者クレティアン・ド・トロワが12世紀後半に著した『ランスロまたは荷車の騎士』は,ゴール国の王子メレアガンによるログル国の王妃誘拐と,勇士ランスロによる王妃救出に焦点を当てている。この物語の中では,ランスロとメレアガンの最初の決闘直前に,ログル王国の乙女たちが3日間にわたって断食と祈願行進を行ったことが記されている。本稿はこの部分に注目し,物語を季節神話とインド=ヨーロッパ戦士の通過儀礼から解釈する試みである。季節神話の観点から見た場合,「キリスト昇天祭」に王妃を誘拐するメレアガンは,早春の作物に危害を与える神獣としてのドラゴン(「豊作祈願祭」のドラゴン)を想起させる。一方で物語をインド=ヨーロッパ神話の枠内で検討すると,ランスロが「3度」戦うことになるメレアガンは,通過儀礼の過程にある戦士が倒す3つ首怪物に相当する。
著者
三宮 基裕
出版者
学校法人順正学園 九州保健福祉大学大学院社会福祉学研究科
雑誌
最新社会福祉学研究 (ISSN:18809545)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.25-32, 2021-03-31

住宅政策としての高齢者住宅整備のあり方を示す知見を得るために,高齢期の転居の意向に影響を与えている要因を探るアンケート調査を実施した. 転居に対する抵抗感と転居願望により「消極群」「継続群」「葛藤群」「不安群」「積極群」に分け,クロス集計分析によって各群の特徴を捉えた.また,自由記述回答をカテゴリーに分けて整理し,転居に対する意識の構造化を試みた. 男性は女性に比べて消極群・継続群の比率が高く,市部居住者に比べて郡部居住者は継続群の比率が高かった.また,不安群,積極群において転居に不安を感じている者が多かった.自由記述の内容から38ラベル10カテゴリーが抽出でき,カテゴリーを関連付けて高齢期の転居に対する意識の構造化をおこなった.
著者
長島 隆一 滝沢 悦貞 園山 実 Nagashima Ryuichi Takizawa Yoshisada Sonoyama Minoru
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.1冊, 1995-08-31

本研究は月表面における厳しい低温環境(夜が14日間も続き、月表面の温度は赤道上でマイナス170度Cまで低下する)を解決するシステムとして「ガラスの海システム」という新しいエネルギー貯蔵システムと月面発電所から「エネルギーを無線送電する伝送システム」について検討したものである。月の表土は熱伝導率が極めて低く表土の下は一種の魔法瓶としての機能を果たしていることが見い出された。この魔法瓶の中に月面材料を用いた蓄熱材を生成し太陽集熱装置を用いて14日間の昼間に加熱する。これを「ガラスの海」と呼ぶ。本研究では「ガラスの海」という月の新しいエネルギー貯蔵システムの構想を明確にし、(1)当面の月面活動を支える100kWクラスの発電システムと(2)地球へのエネルギーリターンを意図した5GWクラスの発電システムの2つについてシステムの実現可能性の検討とトレードオフによる比較を行った。「無線送電によるエネルギーの伝送システム」については先ず月面発電所からの無線送電についての前提条件を整理した。その前提条件をベースとして無線送電の技術的可能性を検討し、その検討結果をもとに無線送電による送受電システムの基本構想を提案した。
著者
千田 崇文 吉川 茂
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-89, no.2, pp.1-4, 2011-02-04

本研究では 2 つの異なる初期条件: “up-plucking” と “down-plucking” が与えられた際のサワリ機構との接触を伴う撥弦振動を高速度ビデオカメラを用いて可視化した。その結果、振動周期や高周波の形成過程に関して初期条件が弦振動に与える影響が確認された。