著者
水田 孝信
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ETF(Exchange Traded Funds, 上場投資信託)は手軽な分散投資を提供する商品として,近年,投資家に普及してきている.しかし,一部のETFは注文量が少なく取引したいときに適切な価格で取引しづらい状況になっていた.そのため取引所によっては,裁定取引の手数料を引き下げるなどの売買を増やそうとする制度を導入する場合がある.しかし,裁定取引にかかるコスト(必要な利益も含む総合的なコスト)によってETFや株式の流動性がどのように変化するのか,そのメカニズムはどのようなものなのかといったことは分かっていない.そこで本研究では,2つの株式とそれら合計と同じ価値のある1つのETFという3つの証券があり,これらの証券間の裁定取引を行うエージェントを実装した人工市場モデルを構築した.そして,株式とETFの裁定取引にかかるコストによって流動性がどのように変化するかを調べた.その結果,ボラティリティよりコストが小さければ裁定の機会が訪れやすく,裁定エージェントの売買が増え,ETFと株式の価格の乖離が小さくなることが分かった.
著者
森 正樹 床井 浩平
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.7-10, 2014

本研究では自由視点映像の生成のために,運動する物体の周囲3方向に深度センサを設置し,それらから得たデプスマップを融合して,物体の全周形状を再構成する手法を提案する.動物体の全周形状の再構成という高負荷の処理に対して本研究では,GPUによる独自の形状処理・可視化手法を導入し,高速化を実現している.また,再構成した形状を立体視HMDを用いて観測するシステムの実装を行った.
著者
後藤 正人
出版者
中日本入会林野研究会
雑誌
入会林野研究 (ISSN:2186036X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.53-59, 2019 (Released:2019-05-24)

江戸幕府の評定所による民事判決集が収録された『裁許留』には享保5年以来の入会裁判が数多く収録されている。本稿では現在で言えば、千葉県市原市、神奈川県横浜市、茨城県北茨城市における3件の入会紛争を検討した。全体的に言えば、当時は木材需要が増し、領主からの山年貢などの負担が発生ないし負担増が起こることを契機として、入会集団間の紛争が生じたり、「所持的入会権者」による植林が起こり、「地役入会権者」の利用を制限するような中で、評定所への訴えが生じている。評定所の審理では、両当事者の訴えや弁明を記録すると共に、特に書面による証拠を重視した。これで判明しない場合は、論所へ地方の幕府代官2名の各手代計2名を派遺して検分させ、かつ在地の関係史料を検討させて報告させている。当時の評定所では勘定奉行・町奉行・寺社奉行各1名が実質的な審理を行い、その審議結果を3奉行10名全員で確認した上で裁許したものと思料される。従って評定所では「裁判官全員による合議制」が一応採用されていたことが確認される。
著者
鈴木小太郎 神田智子
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.235-236, 2014-03-11

選考時に圧迫面接を行う面接官のビデオ動画を分析し、姿勢、視線、交替潜時などの特徴的なノンバーバル行動をビデオ分析によって洗い出し、それぞれの発生頻度とタイミングを数値化した。この数値化したデータを元にして面接エージェントにノンバーバル行動として実装した。面接時の質問項目は、実際に就職活動を終えた学生の受験報告書より、面接時に使用された難しい質問内容を選定し7カテゴリーに振り分けた中から使用した。この圧迫面接エージェントを用いた圧迫面接を被験者に体験してもらい、印象評価を行ってもらった結果から、本エージェントの実用性を示す。

2 0 0 0 OA 金沢市要覧

著者
金沢市 編
出版者
金沢市
巻号頁・発行日
1918

2 0 0 0 OA 金沢市統計書

著者
金沢市 編
出版者
金沢市
巻号頁・発行日
vol.昭和10年, 1938

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1944年04月21日, 1944-04-21

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1929年12月11日, 1929-12-11
著者
渡辺,仁
出版者
日本アフェレシス学会
雑誌
日本アフェレシス学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, 2005-02-28

近年, 医療の面においてquality of life(以下QOL)が重要視されている.特に関節リウマチ(rheumatoid arthritis : RA)は, 慢性かつ進行性で激しい疼痛と肢体機能低下を伴う難治性の疾患であり, 関節の痛みだけでなく著しく関節の機能が障害されるため, 長期間の療養を必要とし患者のQOLは著しく低下しており, QOLの向上を目指した治療が最も重要視されている.現在, RAの治療は非ステロイド抗炎症剤, 抗リウマチ剤, 免疫抑制剤, ステロイド剤, また最近では生物学的製剤など複数の薬剤が組み合わせて使用されている.これら薬物療法に抵抗性を示す患者に対しては血漿交換療法(plasmapheresis : PP)も行われている.今回我々は, RAの治療法の一つであるPPがQOLに及ぼす影響について検討した.薬物療法に抵抗性であり1年以上継続的にPPを施行しているRA患者11名とし, Health Assessment Questionnaire(以下HAQ), Arthritis Impact Measurement Scale, ver.2(以下AIMS 2), 厚生省リウマチ調査研究事業のQOL研究班の評価案(NIH案)を参考に作成した調査票を用いて行った.今回の調査で長期間継続したPPによりRA患者のactivity of daily life (ADL), 快適度, 満足度だけでなく精神及び社会面などにおいても改善が認められた.長期間継続したPPはRA患者のQOLを高められると考えられた.
著者
塚本 明
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.29, pp.13-29, 2012

近世の伊勢神宮直轄領に存在する被差別民について、その起源や役務、村内での位置、宇治・山田の被差別民との異同、周辺藩領の被差別民との関係等について考察を加えた。門前町の宇治・山田及び周辺農村は、宇治会合・三方会合が山田奉行の下で行政機能を持ち、神宮領としての実質はない。一方、地理的には離れる多気郡に、伊勢神宮が経済的基盤とする神宮直轄領たる五か村があり、住民らは神宮に年貢や諸役を負担し、また神宮特有の触穢観念も共有していた。これらの村々には、斃牛馬処理権を持つ「穢多」身分、村の警備役を担う非人番、竹製の簡素な楽器を用いて説教節を謡う雑種賤民「ささら」が存在した。彼らは身分に応じ、行き倒れ死体や死牛馬の片付け、神宮領特有の葬送儀礼「速懸」において最終的に埋葬する役を負うなど死穢を忌避する役割を持ち、同時に、周辺藩領の同一身分の者たちと領主関係を越えた身分集団を形成し、通婚や情報の共有、役負担などにおいて、密な関係を有した。ただし江戸時代後期には、斃牛馬処理権と役務負担、ささら身分を統括する三井寺近松寺の支配などを巡り、身分集団の頭支配から脱し、本村の意向に従っていく動きが見られる。参宮街道沿いに位置し賃稼ぎが盛んな当地では、農耕作の奉公人需要が高く、「穢多」身分の者が少なからぬ田畑を耕作していた。そしてそのことを、伊勢神宮も認識していた。文政六(一八二三)年に山田奉行が、「穢多」身分の者が納める年貢米の「穢れ」について神宮神官に問い合わせるが、神宮側は敢えてあいまいな形での収束を図る。総じて神宮領における被差別民は、生業や身分存在、役務などについて、周辺他藩領の被差別民と多くを共有し、差別の実態に関しても本質的な違いは認められない。
著者
芝 正己
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.130, 2019

<p>「土地純収益説」と「森林純収益説」の論争の渦中の1885年, H.v.ザーリッシュの『森林美学』の初版が刊行された(1902年:第2版, 1911年:第3版が刊行)。この第2版の英訳本が米国ジョージア大学のW.クックJr.とD. ヴェーラウにより2008年に出版され,2018年の昨年,その日本語翻訳版が出版された。かって日本では,1918年に北大の新島善直と村山醸造が『森林美学』として, 当時のドイツの森林施業法や美学的分析法を北海道の天然林に応用を目指した。これは,我が国の森林美学に関する大系化された初めての書物であり,今田敬一による「森林美学の基本的問題の歴史と批判」の研究へと受け継げられることになる。近年,エコツーリズムやレクリエーション,森林セラピーなど生態系サービスの文化的価値が認識されてきており,森林美学はその価値を具現化するツールとして今日的意義を見出そうとしている。 本研究では、沖縄島北部やんばる地域の国立公園・世界自然遺産化の動向を念頭に、その現代的意義を論考する。</p>
著者
石井 大輔 齋藤 淳美 宮川 和也 辻 稔 武田 弘志
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.66-74, 2016-03-31

がん患者の代表的な身体的苦痛である慢性疼痛が,患者の精神症状を増悪することが懸念されている.「痛み」の伝達経路は,情動調節に重要な脳部位である帯状回や扁桃体に直接的または間接的に入力しているため,痛み刺激自体がストレスへの対処(ストレスコーピング)に影響を及ぼす可能性が示唆される.本研究では,慢性疼痛がストレスコーピングに及ぼす影響について,マウスの強制水泳試験を用いて行動学的に検討した.その結果,炎症性慢性疼痛は,ストレスコーピングに影響を及ぼさなかった.一方,神経障害性慢性疼痛は,強制水泳試験における無動時間の短縮,すなわち,ストレス刺激に対する受動的コーピングの障害を惹起した.なお,この条件下において,オープンフィールド試験における探索行動およびロータロッド試験における運動協調性には特筆すべき変化は認められなかった.また,神経障害性急性疼痛は,ストレスコーピングに影響を及ぼさなかった.これらの所見から,神経障害性慢性疼痛は,ストレス刺激に対する受動的コーピングに影響を及ぼすことが考えられる.