著者
山川 仁子 天野 成昭
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.109-116, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
4

屋外における拡声放送の情報伝達精度の向上を目指し, 拡声放送において使用される音声言語の特性を明らかにするための基礎的検討として, スキー場の拡声放送における単語の出現頻度, 単語親密度および音素構成を調べた。その結果, スキー場の拡声放送には, 出現頻度が高いが, 単語親密度が低く, 難聴取音素を含む単語が使用されていた。これらの中には, 滑走上の安全に関わる単語や非常時に使用される単語が含まれていることが明らかになった。
著者
五十川 修司 鳥谷 龍三 田中 文顕 鳥谷 尚史 大礒 正剛 本田 達也 犬童 直哉 中野 幸治 神埼 祐一 江浦 正郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.285-291, 2012 (Released:2013-11-01)
参考文献数
15

熊本県の最近 10 年間における平均スギ花粉飛散数は約 2,000 個/cm2であるが、われわれは既に、大量飛散した 2009 年 (4,289 個/cm2) におけるロイコトリエン受容体拮抗薬 (LTRA) モンテルカストのスギ花粉症に対する初期療法の有用性について報告している。今回、例年よりスギ花粉飛散が結果的に少なかった 2010 年 (815 個/cm2) においても同じ初期療法を施行し、スギ花粉飛散量の多寡によってモンテルカストの初期療法の有効性に違いが生じるかどうかを検討した。対象は 2010 年 1 月から 3 月までに熊本県内 10 施設を受診したスギ花粉症患者 82 名であった。モンテルカスト単剤で治療開始から飛散終了までの鼻症状をコントロールできた症例は 54 例 (65.9%) で、2009 年の 40.7%と比較して高く、飛散数の少ない年ではモンテルカスト単剤でコントロールできる割合が多いことが分かった。さらに、2009 年、2010 年に 2 年連続してモンテルカストによる初期療法を受けた患者 8 名の解析では、初年に有効であった 4 例は翌年も全例有効であったのに対し、無効であった 4 例のうち 3 例は飛散の少なかった翌年も効果はみられなかった。すなわちこれらの無効症例は花粉飛散の多寡に関係なく LTRA の効果が期待できないいわゆる「LTRAに対する non-responder」と考えられた。
著者
山口 大介 新谷 洋二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.293-300, 1999-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1

城を構成するものには、天守・櫓・門・堀・土塁・石垣など様々なものがある。この中でも石垣は天守や櫓などの土台として、また城の防御の要として重要な役割を果たしてきた。石垣の施工上の留意点としては、安全性や耐久性、経済性などを十分に考慮しなければならない。また、使用される石材をみても一つとして同じ形状のものはなく、その材料をいかに組み合わせて堅固に築いていくかが重要である。本研究では、石垣を構成する石材の中でも築石に注目して、その形状や配置状況などについて、石垣の工事報告書などをもとに幾つかの城の石垣を例に取り、調査を行った。その結果、築石の配置状況はその加工の程度やその置き方によって左右されるのではないかと考察した。
著者
物部 寛子 岡田 和也 中西 わか子 石井 阿弥子
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.97-104, 2017 (Released:2019-02-13)
参考文献数
14

中耳腫瘍は比較的稀な疾患であり、カルチノイド腫瘍、中耳腺腫、神経鞘腫、奇形腫、髄膜腫、グロムス腫瘍などの良性腫瘍から扁平上皮癌、腺癌などの悪性腫瘍が鑑別に挙げられるが、進展した悪性腫瘍を除き、臨床症状や画像所見は非特異的であり、試験的鼓室開放術または腫瘍摘出を兼ねた鼓室形成術を行い、組織検査により確定診断が得られる。今回我々は中耳から発生し、一部鼓膜に突出するカルチノイド腫瘍症例を経験した。病理組織はクロモグラニン、synaptophysin、CD56に陽性であり、またKi-67 2%、核分裂象0個/10HPFよりneuroendcrine tumor G1、カルチノイド腫瘍と診断された。腫瘍は岬角、下鼓室を中心に癒着しており、同部位の骨削開が必要であったが、蝸牛窓窩近くは深く削開は行えず、この近傍は再発に注意が必要と思われた。文献的にも再発は平均11年と報告され、長期的な経過観察を予定している。

2 0 0 0 OA 淺草寺志 18巻

著者
不輕居士 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4],
著者
森崎 雅稔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.985-988, 2018-10-15

ディープラーニングにより,Javaのソースコードの美しさ(可読性や保守性の良さ)を学習させた.実現方法の最大の特徴は,学習時に与える教師データの加工方法である.美しさの観点で格付けしたソースコードを独自の方法でいったんカラー画像に変換し,その画像を畳み込みニューラルネットワークで学習した.学習済のニューラルネットワークで美しいコードと美しくないコードの識別が行えるようになり,この仕組みを使って,ソースコードの可読性や保守性のような潜在的リスクとなる品質問題を検出するレビュー支援ツールを開発した.このツールはアジャイル開発の現場などでソースを美しい状態に保つ手段としても活用できる.
著者
渡辺 響子
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.384, pp.49-67, 2004-03

都市論は,おそらくベンヤミンを発端に,二十世紀の世界中の都市で脚光を浴びるようになった研究分野であろう。文学的な,あるいは社会学的なアプローチによって,あまたの都市の形成過程が浮き彫りにされていくのは,研究者のみならず,どんな読者にとっても刺激的な知的冒険である。ジャンヌ・ガイヤールや,ドナルド・J・オールセンなどは,もはや古典の域に入る基本書であると言えよう。ごく最近では,建築学の陣内秀信氏と「感性の歴史学」で知られるアラン・コルバン氏の対談が設けられ,江戸とパリの比較がなされた。二つの都市をめぐって,その地理的特徴,歴史,住人のメソタリティーや施政者の政策など,多面的な議論が展開された。たとえば,江戸は,城下町であり,城を基準に発展していった都市であるのに対し,パリは,シテ島を発祥の地に持ち,教会を中心に発展していった。
著者
浅田 彰 井田 真木子
出版者
文芸春秋
雑誌
諸君 (ISSN:09173005)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.p46-60, 1994-07
著者
上木 礼子 米澤 弘恵 長谷川 智子 荒木 真壽美
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.181-186, 2008 (Released:2009-02-16)
参考文献数
15

本研究では,血液曝露の危険性のある看護場面において,手袋着用行動への,看護師の意図とその影響要因を明確にすることを目的とした.   α県内の総合病院に勤務する看護師1,128名を対象に,4つの血液曝露場面(真空採血管採血場面など)を設定し,手袋着用の行動意図を調査した.さらに,手袋着用の行動意図に影響する要因として,上司/同僚のサポートを含む組織的要因,手袋着用の教育経験を含む個人的要因,リスク認知を含む心理的要因について調査した.影響要因は,手袋着用行動意図の高い高意図群(以下高群)と行動意図の低い低意図群(以下低群)の2群に分け比較した.   その結果,組織要因では,行動意図高群は低群に比べ有意(p<0.01)に手袋の使いやすさ,上司/同僚のサポート,施設の方針を認識していた.個人的要因では,高群は低群より有意(p<0.01)に手袋着用の教育を受けたと認識していた.心理的要因では,リスク認知と行動への態度,行動コントロール感が有意な正の相関を示した.   これらの結果より,組織環境が手袋着用をサポートする傾向にあるとき,および個人に教育経験のあるときには,手袋着用への行動意図が高くなることが示された.
著者
野口 昌幸 木脇 圭一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.161-167, 2008-05-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2 5

PI3K-AKTシグナル伝達系は細胞外からの様々な刺激により膜リン脂質を介して活性化される細胞内シグナル伝達系で, PTEN, LKB1, TSC1/2などのがん抑制遺伝子ならびにPI3K, AKT, FOXA, TCL1eIF4Eなどの原がん遺伝子の制御をし, これらの遺伝子群の変異や活性化はヒトの様々な悪性腫瘍の原因となることが知られている. 最近ウイルス感染をはじめとする感染症において細胞内にあるこのPI3K-AKT活性シグナル伝達系をウイルスあるいは感染病原体がたくみに利用し, 細胞死 (Apoptosis), 感染の遷延化 (latent infection), 腫瘍化 (malignant transformation) さらには結核菌における多剤耐性の成立などに関与していることが注目されている.我々はヒトT細胞リンパ芽球性白血病の原因遺伝子であるTCL1が細胞内のアポトーシス制御の要のセリンスレオニンキナーゼAKTの活性化補助因子であることを示した.このTCL1遺伝子は, HIVウイルス感染症, EBウイルス感染症などのウイルス感染症において其の活性が上昇し, AKTの活性化を介してこれらウイルス感染症の病態の発現や修飾に関与している.感染症におけるPI3K-AKTシグナル伝達系の働きを明らかにすることにより新たな薬剤耐性菌問題などの難治性感染症に対する新しい治療への道標を与える可能性がある.
著者
木内 公一郎
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.216-234, 2017-11-01 (Released:2017-12-22)

本研究の目的は,横浜市学校司書配置政策の形成過程とその構造を明らかにすることである。研究の枠組みとして政策形成過程研究および「政策ネットワーク」という概念モデルを用いた。分析の結果,市長,市教委,指導主事,市会議員,市民団体が政策ネットワークを形成していたことが明らかになった。政策課題の認識には学校司書配置を要求する市民団体と市会議員の影響力が大きく,政策の決定段階では市長の意向が強く影響した。1 校1名の専任配置は実現したが,採用形態は非常勤特別職であり,司書資格は採用条件に入らなかった。
著者
吉村 誠
出版者
山口大学
雑誌
研究論叢. 人文科学・社会科学 (ISSN:02860589)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.46-36, 2007-01-31
著者
和歌史研究会
巻号頁・発行日
1961