著者
安田 純生
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
樟蔭国文学 (ISSN:03898792)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.1-8, 2011-03-01
著者
増田 聡 Satoru Masuda
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.69-85, 2021-02-15

仙台で1999年に設立した(特非)まちづくり政策フォーラムは現在、コアメンバーの移動や転出、東日本大震災後の非営利セクターの変容などを経て、活動の停滞期にある。このような動きを踏まえて、NPO法制定後の法人動向を把握した上で、まちづくりNPOの特徴に関する先行研究の知見をまず整理する。次に、代表者の世代交代やミッションの継承等について、中小企業型の事業承継モデルの適用性を検討し、非営利性・公益性を有するNPO法人の事業承継の分析枠組みを提示する。
著者
石黒照朗 興野悠太郎 中澤仁 高汐一紀 徳田英幸
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-40, no.4, pp.1-6, 2013-10-29

近年,加速度センサや特殊なカメラを用いて運動技能を評価し,技能の向上を支援するシステムが研究開発されている.しかし,既存のシステムは運動技能の評価やそれを元にアドバイスを提示する間接的支援が主であるため,ユーザの自己認識上の限界を超えるパフォーマンスを引き出すものではない.医学の分野では,偽薬 (プラセボ) を処方しても,薬だと信じ込む事で何らかの改善が見られる事をプラセボ効果と呼んでいる.本研究では,その同効果を用いてパフォーマンスの向上を支援するシステムを提案するため,握力を題材にしてパフォーマンスにプラセボ効果が与える影響についての可能性を検証し,その応用についても議論する.
著者
吉見 憲二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.2119-2126, 2021-12-15

近年,多くの大学で研究における倫理審査が導入されてきているが,内輪での非公開の審査にとどまっており,倫理面への配慮よりもアリバイ証明としての側面が強くなっているとの批判がある.同時に,複雑化する情報社会では潜在的な倫理面の問題に対応できる研究倫理審査に期待される役割も高まってきている.本稿では,倫理審査に関する先行研究を概観したうえで,現行の倫理審査や倫理審査委員会がかかえる課題について整理した.さらに,情報社会学分野で近年倫理面での問題が注目された事例を取り上げ,倫理審査が与える影響について検討した.最後に,倫理審査委員会3000個問題とも呼ぶべき現状に対して,2つの観点から解決策を提案する.
著者
村田大輔 東結香 大平健司 猪俣敦夫 藤川和利
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.761-765, 2013-07-03

今日においてインターネットは重要な社会基盤となっており,インターネットを構成しているコンピュータなどの機器が悪意ある攻撃を受けてしまうと,その被害は甚大なものとなってしまう。その影響は金銭トラブルのみならず,社会生命への影響など大きなトラブルへと発展する可能性もある。現在のインターネットは,様々なデバイス,アプリケーション,サービスが相互にネットワークを介して利用されている。便利になった反面,IPv4アドレスの枯渇が問題となり,本格的なIPv4/v6共存時代へと動いている。IPv4は登場とともに長い運用期間を経て技術・経験が確立されてきたが,IPv6ではその知見がほとんど無い。そのため,本稿では,IPv6の本格的な利用を前に,IPv6環境での脅威の発見と対策を行うことを目的に,実験環境を構築し,トラフィックを収集・解析することとした。
著者
太田 智美
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.e1-e12, 2021-12-15

「ソフトバンクG,ペッパー生産停止」という共同通信の記事が公開され,ネット上がざわついた.ソフトバンクグループが,ヒト型ロボットPepperの生産を停止していることが分かったというニュースだ.このニュースに,一定数の人が「悲しい」という反応を示した.PCや車だって,発売からしばらくすれば生産は止まる.製品の生産が停止(終了)するというのは,よくある話だ.にもかかわらず,人はこのような反応を示した.なぜ,ロボットの生産停止は「悲しい」のか.
著者
正木 篤三
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkyu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.55, pp.1-10, 1936-07-30
著者
小杉 亮子
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.216, pp.153-168, 2019-03-29

本稿では,1960年代に拡大・多発した学生運動(1960年代学生運動)について,先行研究が大規模社会変動にたいする反応や挑戦としてのみ位置づける傾向にあったのにたいし,より多面的かつ立体的な1960年代学生運動像を提示することをめざし,新たな視角として,社会運動論の戦略・戦術分析を導入する。具体的には,本稿では,1968~1969年に東京大学で発生した東大闘争における戦略・戦術を検討する。その結果,次のことが明らかになった。第一に,東大闘争では直接行動戦略がとられ,さらに,それが非暴力よりも対抗暴力を志向していったために,腕力・体力の有無と闘争での優劣や闘争参加資格とが連関するようになっていた。第二に,東大闘争終盤においては,対抗暴力が軍事的な実力闘争へと傾斜し,闘争の軍事化が見られた。第三に,1960年代学生運動の直接行動戦略が対抗暴力を志向するものとなった要因には,新旧左翼運動が持っていた実力闘争志向や武装主義と,アジア,アフリカ,ラテンアメリカにおける脱植民地・独立運動に影響を受けた第三世界主義とがあった。また本稿では,今後の展開可能性として,軍事的男性性概念の導入によって,ジェンダー的観点からなされてきた1960年代学生運動論と本稿の知見が接続しうることを示す。ジェンダー的1960年代学生運動論では,1960年代学生運動における性別役割分業や女性性の周辺化が1970年代以降の女性解放運動に与えた影響にかんする知見が蓄積されてきた。軍事的男性性という観点から,1960年代学生運動における女性参加者の動機や経験にアプローチすることによって,1960年代学生運動の軍事化とそれが運動の展開過程にもたらした影響について,さらに新たな光を当てることが可能になるだろう。
著者
信田春満 尾形哲也 奥乃博 高橋徹 日下航
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.125-126, 2011-03-02

認知ロボティクスにおいて身体図式の獲得は重要なテーマの一つである。従来研究では運動指令値と視覚を相関学習させるため,視覚中の身体位置が既知であることが前提であった。対して本手法は「予測(操作) できる部分が身体である」という考えに基づき、運動指令値と視覚の関係を予測学習することによって画像中の他者と自己の身体識別を可能とした。具体的には神経力学モデルであるMTRNN に運動指令値及び自己と他者の身体を含む視覚情報を入力し予測学習させ,予測可能部分を自己身体とした。実験の結果,MTRNN は運動指令値のみから自己身体を他者身体に比べ平均10 倍の精度で予測できることが確認された。
著者
高橋 克巳 梅村 恭司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1906-1915, 1995-08-15

日本人名のかな表記にゆれとよばれる変形が存在し、日本語情報検索システムの問題となっている。本論文では人名のかな表記にゆれが存在してももれのない検索を可能とする近似文字列照合法を提案する。ゆれの問題に対処するためには表記を統一して検索を行うことが一般的であるが、現在かな表記を統一する墓準は明らかではなく、そのため統一すべきゆれが多種になった場合の対策も明らかになっていない。本文では日本人名約3 000万件を解析し、姓のゆれのデータを収集分析する。その結果、娃は9万種の姓のゆれ単位に分類できること、実データ上で58%の姓に何らかのゆれが存在すること、ゆれの原因は連濁などの接続部の変化が大部分を占めることを明らかにする。さらにこのゆれの関係に墓づいた正規化による照合を提案する。すなわち、実際にすべてのゆれを21 276組の文字列の等式関係で記述し、そこから自動的に15 841の正規化規則を作成して照合する方法を提案する。この正規化規則を使った照合法を人名の分布にしたがった検索に適用し、再現率と適合率の観点から評価を行った。その結果、93%の適合率を達成したうえで、完全一致検索では1検索あたり15%存在していたゆれによる検索もれを解消した。人名についてかな表記のゆれが荏在してももれのない検索が可能となった。
著者
枝廣 哲也
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2007

東京海洋大学修士学位論文 平成19年度(2007) 海洋システム工学専攻
著者
三浦 麻美
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.359-389, 2018-09-30

本稿は中世ザクセン,マンスフェルト伯領における修道院の史料を整理・分析し,伯と修道院の関係性に関する考察を通じ,13~16世紀の女子修道院と貴族家門の霊性を明らかにする。12世紀にドイツの貴族家門が所領と家修道院を中心に発展する中,遅れて13世紀に修道院を創設した伯はどのようにして家門の歴史を形成したのだろうか。『マンスフェルト伯領修道院証書集』の分析で判明した10修道院のうち,伯が創設したシトー会女子修道院であるヘルフタは特に頻繁な所領や貨幣の寄進を受けた。さらに,同修道院のカルテュレールを再現してヘルフタの歴史認識を明らかにし,修道女たちが寄進の対価として一族の故人のために捧げる祈祷をアイデンティティの中心に置いていたことを指摘する。この関係は伯家もしくはヘルフタが危機に陥るたびに更新され,修道院改革とヘルフタのベネディクト会への転属を超えて継続し,死者を中心とした霊性の1つのあり方を示している。